富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

TOMINOSUKI / 富野愛好病
http://kaito2198.blog43.fc2.com/

プロフィール

kaito2198

Author:kaito2198
台湾人。
ただのファンです。

twitterは@kaito2198です。

仕事やブログ関係のご連絡は
kaito2198@hotmail.comまでお願いします。

給華文圈之富野由悠季愛好者的一些話
關於本站文章的轉載聲明

富野監督関連資料一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

グーバーウォーク

カルチャーショック話としてのオーラバトラー戦記

2010/09/28 01:54|富野作品感想TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - カルチャーショック話としてのオーラバトラー戦記
 富野由悠季監督の小説のなかでも一番のボリュームを誇る『オーラバトラー戦記』をようやく読み終わりました。読み終わりましたが、有り余る感想がどんどん浮かび上がりますので、今日から何回に分けて、1巻ずつの感想を書きます。今回は、『オーラバトラー戦記6 軟着陸』です。




 前巻のラスト、オーラマシーンがある以来ライバルであった元・聖戦士ジョクとバーン・バニンクスが激突する瞬間、気位高い女騎士ガラリア・ニャムヒーが割り込んだ結果、オーラロードが開かれ、三人(+一匹のフェラリオ)を地上界へ送り込んだのだ。バーン、ガラリアがそれぞれ日本の違うところに飛ばされ、ばらばらになりましたが、2人が真っ先に直面するのは、ジョクやショットみたいな地上人が住んでいる奇妙で不可解な世界だった…。一方、こっそり故郷の田無に帰ったジョクが、ある女性と出会って、不思議な体験を味わうことに…。




 この巻のあらすじはだいたいこういうものなんですが、以下は今回のポイントを簡単に枚挙します。

この巻、コモン人であるバーンやガラリア、さらにバイストン・ウェルから出戻りのジョクがばらばらになって、違う事態に直面することになっています。しかし、三人の遭遇が違うとはいえ、三人が独自に取った一連の行動から、三人それぞれの「限界」がだんだん露になっています。
 そして、こういう不可解な事態に直面したときの対応こそ、のちの三人の運命を暗示することになるかもしれません。そう、『聖戦士ダンバイン』のショウが第1話でラース・ワウで一夜を寝たために、堕落したという話のように。


この巻と次の巻が東京浮上編で、『ダンバイン』でいうと16話「東京上空」、17話「地上人たち」、18話「閃光のガラリア」にあたります。そしてこの部分の話もアニメと同じく「物語を一気に活性化する展開」なので、前巻と比べて、とつてもなく面白くなっています。
 アニメと同じくひたすらパニックで人を攻撃するガラリアがいる一方、バーンは混乱しながらもなんとか事態に対応しようとします。しかし、所詮中世紀レベルの文明に生まれた彼は、当然カルチャーショックに直撃され、誤解もすれば恥も掻きます。そういう情けなくも可笑しい風景は、まるで『オーラバトラー戦記』の今までのシリアスさを踏み台にするようで、異文化間のディスコミュニケーション
が生んだシュールさは読んででたまらないですね。
 こういうことから見ても、人間は他者とどうコミュニケーションするのに本能的に興味を持ってるといえます。まあ、最近の作品でいえば『テルマエ・ロマエ』みたいなやつですかね。


テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
(2009/11/26)
ヤマザキマリ

商品詳細を見る



元々バイストン・ウェルシリーズにある傾向なんですが、この巻に入って、コモン界の人々が直接に地上人(それも日本人)を遭遇することということで、「現代への風刺」という一面がさらに強烈になってきます。
 平和ボケな日本人(テルマエ・ロマエ流でいえば「すっとぼけた平たい顔族」)、現代文明のさまざまな発明、アリスランドなどなどの要素が、全てバーンやガラリアという異世界から来たものの目や考えに通して、読者の前にくまなく晒されたのです。読んでで思わず汗顔する部分はたくさんありますが、そこはまさに快感に拠るところでもあります。


中臣杏耶子が登場。彼女は地上編しか出てこないが、繊細で聡明なセンスを持ち、さらに霊性みたいなものを帯びていて、ジョクにとってはバイストン・ウェルにいる内縁の妻であるアリサ以上に理想的な相手といえる女性。この杏耶子はジョクとの馴れ初めは短いが、やがてジョクに大きな影響を与える。

 余談ですが、『ガーゼィの翼』にも中臣留美子という女性が出てきますが、いったい中臣という女性は富野にとってどういう女性なのでしょうかね。


(これは全巻を読んだ上の感想ですが、)この巻から、ジョクに対する書き方はだんだん変わられて、「読者にとって知らないジョク」というのが出てき始めます。一旦語り口を別のところに変わってから、また他の人の視点に通じてジョクを描くことによって、「読者が知らないところで動いたジョク」を描く。これが富野がアニメでもよく使っている「飛躍」の手法ですが、この『オーラバトラー戦記』において何の意味があるのかに関して、続きの話を読まなければ知りようがありません。


この巻の前半は東京浮上に対して、三人それぞれの遭遇に対し、後半は三人も徐々に浮上してしまったことにどう対応するのを考え始めるのに反して、事態がだんだん三人が把握しきれないところで拡大していくことになります。これはどう発展するのか、次の話を読まなきゃ到底読めない展開です。


オーラバトラー戦記〈6〉軟着陸 (角川スニーカー文庫)オーラバトラー戦記〈6〉軟着陸 (角川スニーカー文庫)
(2001/03)
富野 由悠季

商品詳細を見る



関連記事
スラスラ読めるオーラバトラー戦記前半と愛すべき邪悪なガロウ・ランたち
前日談的な作品が得意な富野由悠季?
千景万色のバイストン・ウェル物語
語り口がガクッと変わるオーラバトラー戦記
オーラバトラー戦記8巻途中と空回りが好きな富野作品
マシンが増殖したオーラバトラー戦記8
オーラバトラー戦記10巻読破

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://kaito2198.blog43.fc2.com/tb.php/844-57d218b5

ブログ内検索

なんとなく富野商品

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

まともに機能しなくてすみません。これからゆっくりペースで直します。

RSSフィード

FC2カウンター

富野監督作品一覧

  • 海のトリトン
  • しあわせの王子
  • 勇者ライディーン
  • ラ・セーヌの星
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 機動戦士ガンダム(劇場版)
  • 機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士編
  • 戦闘メカ ザブングル
  • 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
  • 伝説巨神イデオン・接触篇 -A CONTACT-
  • 伝説巨神イデオン・発動篇 -Be Invoked-
  • 聖戦士ダンバイン
  • ザブングル グラフィティ
  • 重戦機エルガイム
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士Vガンダム
  • 闇夜の時代劇 正体を見る
  • バイストンウェル物語 ガーゼィの翼
  • ブレンパワード
  • ∀ガンダム
  • 劇場版∀ガンダムⅠ 地球光
  • 劇場版∀ガンダムⅡ 月光蝶
  • OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-
  • 機動戦士ΖガンダムⅡ A New Translation -恋人たち-
  • リーンの翼
  • 機動戦士ΖガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-
  • RING OF GUNDAM
  • ガンダム Gのレコンギスタ
  • 富野参加作品一覧

  • 鉄腕アトム
  • 戦え!オスパー
  • リボンの騎士
  • 巨人の星
  • アニマル1
  • 夕やけ番長
  • 海底少年マリン
  • どろろ
  • 紅三四郎
  • 巨人の星対鉄腕アトム
  • おらぁグズラだど
  • 男一匹ガキ大将
  • ムーミン
  • シートン動物記
  • 赤き血のイレブン
  • アタックNo.1
  • あしたのジョー
  • 男ドアホウ!甲子園
  • 昆虫物語 みなしごハッチ
  • さすらいの太陽
  • 天才バカボン
  • ふしぎなメルモ
  • 新・オバケのQ太郎
  • 国松様のお通りだい
  • いなかっぺ大将
  • 正義を愛する者 月光仮面
  • アニメ・ドキュメント ミュンヘンのへの道
  • モンシェリCoCo
  • ハゼドン
  • ど根性ガエル
  • けろっこデメタン
  • ワンサくん
  • 山ねずみロッキーチャック
  • 侍ジャイアンツ
  • 新造人間キャシャーン
  • アルプスの少女ハイジ
  • ゼロテスター
  • 昆虫物語 新みなしごハッチ
  • 小さなバイキングビッケ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 破裏拳ポリマー
  • フランダースの犬
  • 母をたずねて三千里
  • アンデス少年ペペロの冒険
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ゴワッパー5 ゴーダム
  • ろぼっ子ビートン
  • あらいぐまラスカル
  • 合身戦隊メカンダーロボ
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • シートン動物記 くまの子ジャッキー
  • ヤッターマン
  • ペリーヌ物語
  • 闘将ダイモス
  • 未来少年コナン
  • とびだせ!マシーン飛竜
  • まんが日本昔ばなし
  • 宇宙魔神ダイケンゴー
  • 赤毛のアン
  • 科学忍者隊ガッチャマンⅡ
  • ザ・ウルトラマン
  • 宇宙大帝ゴッドシグマ
  • ルパン三世(TV第2シリーズ)
  • 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  • 銀河漂流バイファム
  • ママは小学4年生
  • GUNDAM EVOLVE 5
  •  |  富野作品感想 | 富野由悠季関連 | 井荻麟関連 | 富野情報 | 富野雑談 | レビュー | ブログ運営 | 日常話 | 未分類 | 給華文讀者 | Gのレコンギスタ | 
    Copyright(C) 2007All Rights Reserved. TOMINOSUKI / 富野愛好病
    Powered by FC2ブログ.
    template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.