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手塚治虫作品のアニメ化に富野由悠季を監督として起用するメリット

2010/02/12 23:19|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 結論から言いましょう。富野由悠季の監督による手塚治虫作品のアニメが見たいです。手塚先生亡きあと、手塚作品は数多くアニメ化されましたが、未だに富野監督に監督のチャンスを恵まれてもらえません。これはまことに残念なことです。昔は『海のトリトン』という作品はありましたが、あれは70年代のことでしたし、原作と結果的に別物になってしまったので、今こそもう一度「富野が監督する手塚原作のアニメ」が期待しております。

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 『無敵超人ザンボット3』以後、ほとんど他人の原作を監督したことがない富野さんはよく他人の原作を監督するのを拒否する監督と見られがちですが、それは誤解であって、富野監督ははっきりと「いい原作が欲しい」と述べている。
 そして、手塚治虫作品の一つの大きな特徴として「芯がしっかりしてるものが多い」とよく挙げられていますので、作品を作る際にコンセプトを最重視する富野監督にとって、手塚作品はまさに富野さんの方法論に最適する、富野さんがずっと欲しがってる「いい原作」そのものです。

 ここでも一度簡単に語りましたが、富野監督の理想は「劇を演出したい」ということです。それで、一つの方法論として「他人の劇を演出する」がありますが、もし他人の劇を演出したいでしたら、今もっとも富野監督の演出手法に叶う他人の劇というのは、もう手塚作品しかほかないだろう、常識的に考えて。
 富野監督のこういう他人の劇を演出する意向は一度『キングゲイナー』で挫折しかけましたが、それが何も富野監督が他人の劇を演出できないわけではなく、ただあの時に良い話に出会えなかっただけの話です。
 富野監督は虫プロ時代でいろんな手塚原作がアニメスタッフの手によって飛躍してゆくのを身近で見届けましたし、さすらいのコンテマンとしていろんな監督や作品と出会ったくらいですから、「いい監督」と「いい原作」が出会う時に起した奇跡的な化学反応を、富野監督は心の底から知っているのです。

 周知のとおり、文学と映画と演劇と音楽などの素養をお持ちしていた手塚先生の手によって描かれた作品はまさに演劇的エッセンスが溢れているのに加えて(早期作品で例を挙げると、『リボンの騎士』や『どろろ』などが舞台の形そのままのコマ割りがあったくらい)、手塚先生が群像劇という手法においては、今でも他のどの漫画家よりも抜群に上手いと言えるくらい得意ですが、この「演劇的」と「群像劇」もまた富野監督と一致するのです。
 一見「リアル」なのに、実は「演劇的」な富野作品でいえば、たとえば『ガンダム』のアムロとシャアのフェンシング、『Zガンダム』のシャア&ハマーン&シロッコ&カミーユの主張語り、それから『リーンの翼』で示した演劇性などはありますが、このへんの「リアルと演劇的」の混ぜ合わせ具合は、実に手塚先生が好む手法、それから手塚作品が導入した方法論と非常に似ています。
 群像劇に関して、アニメにおいての富野監督と漫画において手塚先生が大人数のキャラを作り、動かすことについてはもう定評がありますので、ここではあえて語りませんけれど、この面においても二人の腕と方向性が一致するのが伺えます。

 さらに、富野原作の作品は時々「リアリティが足らない」と批判されますが、それも芯がしっかりしていて、かつ豊かな要素を持っている手塚作品から補填できるものです。そうは言いながらも、手塚作品のリアリティは度を過ぎることがなく、劇画のような過剰さの代りに「漫画(ユーモア)」と「劇画(シリアス)」の使い分けが上手くできている。これも昔論じたことですが、富野の作劇においてもこういう漫画と映画の使い分けを見かけることができます。ですから手塚作品は富野監督との相性抜群で、相乗効果を期待できます。
 劇画でいえば、絵柄に関して話もう一つ。手塚の後期作品を見れば分かるとおり、手塚は劇画の要素を取り入れながらも、自分が自然に持っている絵の温かさと円やかさを捨てることなく、両者を両立させた。こういう表現力は富野がベストパートナーと看做している安彦良和の絵とまったく同質だった(順序は逆だが)。


 当然、すべてが合致するわけがありません。ここまで語った話はすべて手塚作品と富野監督の相性が上手くかみ合ってるところですが、逆に問題があるとすれば、いわゆる「手塚哲学」と「富野イズム」という手塚治虫と富野由悠季の二人の作り手の作家性の撞着ぐらいかな。
 お二人の作品を見れば、『火の鳥』と『伝説巨神イデオン』のような一致性もあれば、まるっきり違うところもあります。手塚先生にしても富野監督にしても、どっちも意図的に入れようとしたものではないにせよ、手塚作品は必ず手塚哲学が入ってますし、逆にいうと富野の監督作品もまた必ず富野イズムが入ってます。
 『鉄腕アトム』『トリトン』をはじめ、『リボンの騎士』『どろろ』『ふしぎなメルモ』など演出に関わってきたうちに自分なりに飲み込めたものというのはありますが、基本的富野の監督と手塚の作品に合致しているところがあるとすれば、そういう人間を信じないけど人間愛している、生と死を描くことを恐れず、悲観的なのに諦めない精神だというものです。逆にいうと、そういう精神さえ掴めば、たとえ『トリトン』において原作を再解釈する色が強い富野が監督なされようと、それはきちんとした手塚作品です。


 以上の話を簡単にまとめます。手塚作品の監督を富野にやらせることによって、以下の効果を得ることができます。

①富野が不足している所を、手塚作品がカバーする。
②手塚作品が欠如してるものを、富野がカバーする。
③富野と手塚作品が一致するところを、相乗効果でさらに光らせる。
④手塚哲学と富野イズムの撞着による測定不可能な化学反応。


 ①には上で語った「いい原作」「リアリティ」などがあります。②には「女性の母性以外の一面」「戦争に対する別の思考」「21世紀までの時代性」などがあります。③には上で語った「演劇性」「群像劇」「テーマの一致性」などがあります。④については憶測することが難しいですが、それでも今でもアニメ史の上に歴然として残っている『海のトリトン』が我々に見せたあのラストは、紛れも無く「手塚原作」「手塚キャラ」「富野演出」「富野解釈」という必ずしも合致しているわけがないものの、どこか上手く連動している要素が起した化学反応があったからこそ、あのような激しいリズムとバイブレーションを生み出せたのでしょう。


 りんたろう(メトロポリス)、杉井ギサブロー(陽だまりの樹)、出崎統(ブラック・ジャック)、高橋良輔(火の鳥)など、2008年の第13回広島国際アニメーションフェスティバルでは五大監督と数えられる手塚先生の弟子格にあたる他の4名の次に、もう富野由悠季しかないだろう、人選的に考えて。手塚作品のアニメ化はコンスタントに行われるものなので、虫プロダクションとテレビ局は是非富野の起用を真面目に考えてください。
 時折アマノジャクの態度を取りながらも、手塚先生への敬愛と手塚先生から受けた影響を公言してやまない富野由悠季監督。そして富野監督の能力と仕事での姿勢を信頼し、尊敬の意を込めて虫プロのなか唯一「氏」をつけて「富野氏」と呼んでいた手塚治虫先生。この二人の最上のコラボレーションの実現、深く期待しております。


 自分がお気に入りの話を教えましょう。手塚治虫アカデミー2008の「アトムの時代~SFか科学か」においては、こういう話がありました。

富野由悠季監督 in 手塚治虫アカデミー2008 「アトムの時代~SFか科学か」レポート

<手塚(真)>
先ほど「ブラック・ジャックとピノコ」の関係が、「天馬博士とアトム」だと言われましたが、言われて見て僕もああそうかと、先ほど気付いたんです。先ほど見たように、アトムというのは悩むロボットなんです。「なぜ自分はこんなふうに生まれてしまったのか」と悩むんですけど、ピノコは案外悩んでないんです。生まれた時は憤っていますけれども、その後はブラック・ジャックの非常にいい補佐と言いますか、かわいいアシスタントです。

<大森(一樹)>
でも、成長しないことには憤っているじゃない。あれはアトムと一緒なんです。

<手塚>
憤っていますけど、アトムほどの深い悩みはなくて、意外カラッと、次の瞬間には忘れているぐらいの、本当にふっ切れた感じがするんです。だからもしかしたらピノコというのは、アトムがさらに精神的に成長した姿かと思うんです。アトムよりもさらにかわいくなって。

<大森>
女になっちゃった。

<手塚>
そうですね。女性そのものになりましたし、しかも自分の役割というものをものすごくよく分かって存在しているような気がします。富野さんもおっしゃっていたように、アトムは自分自身の結論が出ていないロボットです。いい意味でも曖昧なまま、ずっと続いて行ったというような印象を受けています。

<富野>
ただ今のピノコの件に関しては、眞君はそう言っているけれども、ちょっと違うと思っている部分があります。これは科学の問題ではなくて、作劇です。劇を構成するための人物配置の問題として考えなければいけないことがあるので、これは本当に面倒くさい話になるので、細かくは説明しません。手塚治虫という人が『ブラック・ジャック』を描くに当たって、ほとんど役に立たないピノコを置いているということで、基本的に人間の目指しているもの、触るべき技術論というものがどういうところにあるかということを、表すために、ピノコみたいなものを置かないとやっていけなかったという辛さのようなものがあったのではないかと思います。僕はピノコというのは、手塚先生にとってだまし絵のような存在になっていると思うんです。こういうキャラクターを置かなければいけない手塚先生というのは、本能的に、科学と技術の問題を感じていることがあって、それでいて自分はマンガ家としてしか表現できない部分があるために、人の問題というのはこういうふうに、おちゃらけるしかないのではないか。だけど、ブラック・ジャックは実際に執刀するわけです。そして、ある人生に関与していくということをやって、その繰り返しをやっていかなければいけないという物語を作っていると思えるんです。あれはおちゃらかしのキャラクターだけれども、手塚先生の中では「ピノコがいなければ私は窒息してしまいます」という位置付けになっていると思うんです。アトムの成長でもないし、単純にカウンターとしてのセクシャリティを持った、アイドルでもないという意味で、心の中にある澱みたいなものではないのかという気が、僕はします。だからそういうマンガを描いた手塚というのはすごいということです。

 これは前にも一度語ったことありますが、これは富野の『海のトリトン』におけるピピとまったく同じ立ち位置の話です。
 そして、手塚先生の長男の手塚真さんが「手塚治虫は何もかも深く考えておられました」という神格化(念のため、真さんやイベント自体を否定する意味はいっさいありません)よりも、富野監督が言った話のほうがよっぽと手塚先生の作家としての苦悩と普段気付かれないもう一面を出せるので、この話から見ても、富野監督はいかに手塚先生を深く理解していらっしゃることが伺えます。

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