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富野由悠季と大森望の対談

2008/06/14 03:27|富野由悠季関連TRACKBACK:1COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 富野由悠季と大森望の対談
ニュータイプ2000年6月号より。
疲れたので、感想はまた明日で書くにします。

富野由悠季総監督×SF評論家大森望
この対談は、「∀ガンダム」最終話「黄金の秋」をお2人に視聴していただいた後に始められた。「∀ガンダム」総監督として1年を走り抜けた富野由悠季、各マスコミ媒体で「∀ガンダム」の評論を寄稿するだけでなく、いちファンとしても接してきた大森望。“送り手”と“受け手”――相まみえた2人が何を送り出し、何を受け取ったのだろうか?


“ロボットもの”でも文芸ができるものでは、と(富野) 
∀のアニメファンは口元がゆるんでるんです(大森)



ビジュアル媒体としての使命

大森望(以下・大森)「∀」は1年間、毎週楽しみに見させていただきました。第1話が放映されたときは、すごく驚いたんですよ。これは全然ガンダムじゃない! 富野さんじゃない! みたいな感じで。そしたら第3話で、キエルお嬢さんが、「おヒゲのホワイトドール?」とか言ってクスッと笑うシーンがあるじゃないですか。アニメファンの反応を逆手にとるというか、あれでさらに仰天して、こんどのガンダムは全然違うぞ、と。

富野由悠季(以下・富野)ヒゲに関してはいろんな場所でお話してることですが、シド・ミードさんのデザインを見た時点から覚悟はありました。ヒゲガンダムと言われて困ったなというのは、レトリックとして言っていただけで。そう言わないとあまりにもかわいくないだろうから言っている、という部分もありまして(笑)。基本的に“∀”ということばをフィックスした時点から腹をくくっていました。
 で、アニメとかロボットものだからということを基本的に考えないでこの1年やってきて、自分なりの“映画”っていうのはこういうものでないのか、というのが少しはできたのではと思っています。

大森 監督が言われる“映画”というのはどういう意味ですか?

富野 好きなものをつくるということと、自分勝手なものをつくることとは違うとは違うということ。たとえば、大森さんはリュック・ベッソン監督の映画「フィフス・エレメント」の批評を書いてもらっしゃったけれど、あの作品は(監督も含めた)作り手、製作者が直接勘違いして“SFはこんなもんか”みたいに思ってつくった、とても身勝手な映画だと思う。みんなが見てわかるような映画をつくればいいじゃないか、という根本的なところを踏み外している。オープン・エンターティンメントとしての機能を絶対なめてはいけないんです。

大森 それは、誰か見てもおもしろいという意味で……。

富野 たとえばSF作品であっても、SFがわからない人が見てもおもしろかったよねって言わせるのがビジュアル媒体だと、僕は基本的に思ってる。で、僕の場合というか、僕らの世代はそれをずっと映画的なものというふうに考えていたわけです。映画一般なんです。SFであろうがポルノだろうが、文芸映画だろうがいっさい関係ない。みんなで見て「よかったよね、おもしろかったよね」というのが映画であるハズなんです。ところが、それを一生懸命区別をつけようとしている人が、たとえばアニメというものを、とても幅の狭い媒体におとしこめているということです。

大森 ボク自身は、特殊な観客層に向けてつくる、おたく指向のアニメも好きだし、「∀」にもそういうサービスがあると思うんですが、まかりまちがうと非常に自閉的な作品になってしまう……。

富野 そういう指向性があるから、とりあえず最低限赤字にならなければいいというふうな発想に陥りすぎて、一見創作活動をやっているように見えるんだけれども、もう創作活動っていうところから足を踏み外しているのではないか……。ガンダムもそうです。

大森 過去のガンダムの歴史の上にまたガンダムがつくられる。

富野 それを止めさせたいと思ったということです。「∀」の基本的なコンセプトのひとつとして。実をいうと、最初に打診を受けたときには断ってるんですよね。でも、半年ぐらいして、やっぱりやるしかないとなって……。

善悪の概念を超えたところにあるもの

富野 そして「平気でうそをつく人たち」(編注)という本を読んで、人間というのはすべてを、個だけではなく組織自体が忘却するという心理的な側面をもっているというのがわかった。これまでのガンダムを全部事実だというふうに肯定してもいい。肯定したことも含めてすでにウソかもしれない。肯定するということ自体、それをする人にとって過去は、本当にあったのか、なかったのかということも全部疑問符をつけていいもんなんだってわかった瞬間、「∀」のというより、ロランやディアナ、キエルの物語をつくり出せたんです。
 そこで、こっちのファンは好きになるけれども、別のファンは嫌いになるだろう、というのも見えました。だから映画に戻った。正面切って僕の思っている映画的なものに落とすしかないなと。アニメだ、メカものだ、ガンダムものだというではなく。うっすらと“ガンダム記憶”をもっている人たちが、「うん、これでいいんだよね」と思える作品っていうのは、映画的な総論で見せるしかないと覚悟を決めていました。

大森 過去の「ガンダム」をすべて否定し、かつ肯定するということですよね。確かに「∀」はすごく懐が深い感じがします。「初代ガンダム」から見てる人たちにとって、「∀」というのは、いままでずっと「ガンダム」を見てきたごほうびみたいなところもありますね。それこそガンダム・ハンマーからシャイニング・フィンガーまで(笑)。でもその一歩で、世界名作劇場を思わせる風景とか、アニメファンのツッコミをギャグにする余裕とか、全編に漂うほのぼの感とか、これまでの「富野ガンダム」とは明らかに違うものがたくさんある。たとえばロラン・セアックにしても、およそガンダム的なキャラクターじゃないですよね。すごく素直で、屈折がない。悩まないし、悲壮感も全然ない。自然体の感じが、いまの時代にすごく合ってる気がしました。それと、「初代ガンダム」って、「正義と悪は相対的なものだ」という見方を始めて明確に打ち出したTVアニメだと思うんですけど、「∀」になると、そもそも正義とか悪とかという概念自体がないんですよね。

富野 そうです。それぞれの都合の問題が出てくるだけです。ただ、逆に言えばオープン・エンターテインメントをめざしたんだと言いながらも、「∀」のネックになっている。つまり、ミーハーが見ておもしろいっていうのは善悪の識別をきちんとつけておいてほしいんですよ。その部分を踏み外しているという意味では本当にいまも課題になっています。

大森 でも、ハリウッドのアクション大作は別にして、普通の映画だと、善と悪の対立がなくても十分にドラマは成立するじゃないですか。「∀」の魅力は、ガンダムでそれをやってみせたことだと思うんですよ。特に前半、小競り合いだけで、なかなか本格的な戦闘が起きないのに、人間関係のドラマだけでスリリングに楽しめる。あのあたりの見せ方がすごく新鮮でした。

富野 そういうふうに楽しまれるのは、大森さんがインテリだからです(笑)。本来、ミーハーの大衆というところに落としていって、わーい!と楽しんでもらえるものをつくりきれないというあたりでは、メジャー狙いをしようと思って一生懸命背伸びをしている人間としては、なんだかんだ言いながら映画屋になり切れない自分を自覚するだけで、困ったなと本当に思うんですよ、これは。

大森 いや、観客は素直に楽しんでたと思いますよ。実際、「∀」の話になると場がなこむというか、みんあにこにこしてる感じで。たとえば、サイトの掲示板とかで、濃いアニメファンの人たちが番組について議論してると、話がイヤな方向に行きがちなんですよね。ところが、「∀」に関しては、設定とかにツッコミを入れつつも、なんとなく口元がゆるんでる雰囲気で。すごく愛されてますよ。

富野 ありがとうございます。そう言っていただけるとすれば、間違ってなかったんだろうと思うし、僕としては、「∀」を通じて、“ロボットもの”でも文芸ができるんじゃないの、ということが手に入れられたらしいような気がしています。


●とみの・よしゆき/´41年生まれ。神奈川県出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。虫プロダクションを経て、フリーに。´72年の「海のトリトン」で監督デビューを果たす。´79年「機動戦士ガンダム」で一躍脚光を浴びる。20周年記念作品「∀ガンダム」を終えて現在は休養中(編注:監督が本文中で語っていた本は「平気でうそをつく人たち 虚像と邪悪の心理学」。著=M. スコット・ペック、訳=森英明。草思社)

●おおもり・のぞみ/´51年生まれ。高知県出身。京都大学文学部アメリカ文学科卒業。SF、ミステリーに造詣が深く、翻訳家・評論家として活躍。翻訳のかたわら、「SFマガジン」など新聞・雑誌で著筆活動も行なう。訳書にハインライン「ラモックス」、ディック「ザップ・ガン」、ベイリー「時間衝突」、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト完全調書」(編著=D・A・スターン、発売=角川書店)ほか。最新刊は、グレップ・ペア「ダーヴィンの使者」(ソニー・マガジンズ刊)



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いわゆる“善”ではない「白富野」の話と、それから・・・  kaitoさんに刺激されて、久しぶりに富野御大のことに触れた記事を書いてみたので...
囚人022の避難所 2008/06/20(金) 00:14
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