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漫画版『リーンの翼』第1巻 富野由悠季総監督インタビュー完全版(2/2)

2010/01/09 19:42|富野由悠季関連TRACKBACK:1COMMENT:4
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前回
漫画版『リーンの翼』第1巻 富野由悠季総監督インタビュー完全版(1/2)


 前回の続きです。今回の後半部分は前回の1.5倍のボリュームがありますので、覚悟してくださいよ。

死ぬまで『リーンの翼』をやってもいいかもしれない

――そうなってくると、オーラバトラーとリーンの翼の沓、どちらも体感の延長として、力の発現として描かれてきたものだと思うのですが、その両者が競合するということはないのですか?

富野 そのへんのことは言葉としてはまだわからないからこそ、今回お話を作ってみたわけです。その中で実際にオーラマシンとリーンの翼のようなものがどのように共存するのか、競合するのか、そうじゃなくってもっと融合するのかってことは、用心深くみんなで考えていかなくっちゃいけないテーマです。その部分に関しては今回解答は出ないと思います。ただ、みんなで考えていこうぜっていう作品にんはなり得るだろうということはわかってます。その確信があるから作ってられるんですよ。この話のエンディングがあったからって『リーンの翼』が終わるほど生易しい作品じゃなくなっているという確信もありますので、ありがたいことに死ぬまで『リーンの翼』をやってもいいかもしれないというベースを獲得できてると感じています。ですから、そのへんを見ていただいて、楽しんでいただきたいですね。同時にファンタジーに関してはもうちょっと次のところにいきたいという気持ちもあります。今のファンタジーは『ロード・オブ・ザ・リング』に代表されるようにヨーロッパ/アングロ・サクソンの文化圏が持っている様式をまとめたものだったわけです。それを踏襲しての新作は極めてクラシックなモチベーションでしかないと思っています。だから、ヨーロッパ的な問題と、アメリカとか、イスラム圏、それに今現在我々の関心があまり向いていない(けれどもしっかりと存在する)文化圏、これを全部集合していく形での寓話というものを創っていくことに近いかな。そういう意味の意識でいうと、東南アジア、中国の文化圏を含めて取り込んでいくことは、それこそ映像が一番得意とするところなので、香港映画とか中国映画、東南アジアの作品のある部分、極めてライトなファンタジー、極めてライトなアクションもの、の次のジャンルの手がかりみたいなものを見つけてみたいと思います。僕のこれはそれこそ野心だよね。もっとわかりやすく言うとスピルバーグが『宇宙戦争』を作ったという狭い所に堕ちたくない(笑)。バイストン・ウェルのことを考えた20年の中で、本当に、悲鳴をあげているんです。これだけの違う文化圏を持っているところの地球、での物語っていう骨格は一つか二つしかないにもかかわらず、こうも多様な表現があって、こうも多様な因習に風俗として表れているのを全部統合する表現を手に入れたいっていうのは過酷だけれども、これからみんなでやっていっていいことじゃないかと思える。そういうテーマ、テーゼっていうものを残しておきたいっていうのは具体的にありますね。(そういうことを考えていたから)だから、出発は遅かったんです。


「併呑」と「共存」の間にあるもの

――それは他を併呑して統一するのではなくて、すべてが共存するという世界なのですね。

富野 それはまったくその通りです。つまり我々は今こういう言葉しか持ってないわけ。「一つにしちゃえ」なのか「共存」なのか。この間にね、もう一つ、何かあるんじゃないか。「そんなのねぇよ」って迂闊に言う日本人がいたら「ほんとお前らバカだ」って言いたい。今我々がやっていることは東洋か、西洋か、ファッションも含めて、済んでいる家も含めて、この建材一つとってもこれ東洋とか西洋じゃない、ってことは日本っていう土地柄がやってしまった融合なんですよ。この融合を持ってして、我々は当たり前にしちゃってるんですよ。それでなおかつ八百万の神もいるし、キリスト教徒もいるし、ここ数年はイスラムもかなり入れ込んでいます。それを今までの私たちの知能で言ったら、これは混沌だよねっていう言い方になっちゃうのだけで、オレたちは狂ってるとは思っていないよね。

――作品のキャラクターについてお伺いしたいのですが、主人公のエイサップ・鈴木ですが、これは混血であることにコンプレックスを感じ、日本を嫌う青年にあえて代表的な日本姓を与えたということでしょうか。それは迫水との対比から導き出されたものですか?

富野 違う違う。我々は日本人かって言う話をしたじゃない。それを一番簡潔にわからせるために混血っていうのがわかりやすいからで、それ以外はなんの理由づけもありません。あとは物語の中で、キャラクターが動いていく中で自動的に説明できる。

――では金本が在日三世だっていう設定もそちら?

富野 まったくその通り。東京の文化圏ではあんまりそういうことを考えないし、在日って言った瞬間に関東以北の人間は唐突な感じがするだろうけど、名古屋から向こうの日本人にしてみれば在日なんか当たり前だからね。だから逆に差別問題も起こっていたわけだし、そういうのを全部説明するヒマはない。そして物語においては説明する必要もない。けれども裏設定としてそういうものを用意しておけば、バイストン・ウェルに行った時にそういう差別意識のナンセンスさはわかります。

――女王的、女王的な女性、あるいは女戦士がヒロインとして多く登場したバイストン・ウェル物語ですが、今回のヒロインであるリュクスはその中間的な印象を受けますね。

富野 あの、もしそう見えたとしたら、そこまで鮮明に意識はしてなかったけれどもおっしゃる通りです。あーほんと、そうできているならホッとするなぁ。言ってしまえばリュクスの立場はそれこそ姑息な方法をとっているんですよ。どっちに転んでもいいようにニュートラルにしてあるということなんです。その上でセイラさんみたいに人気が出たらこっちに行くぞとか、そういうのはあるかもしれませんけど。

――迫水についておうかがいしたいのですが。前作のラストで死んだことになっている彼が生きていることに驚く知著者も多いと思うのですが、前作とはパラレル?

富野 いや、だけど所詮は自分勝手に作った物語だから、前の迫水を生かしちゃうって書き直すだけの話ですよ。一度書いたものはフィクションとは言え事実なんだからそこまで変えてもらっちゃ困るという考え方もあります。それに対してもだからバイストン・ウェルっていう姑息で便利な世界を作っているんだから、それはもう一度転生したのかもしれないし、コピーなのかもしれない。それはよくわからないけれども、間違いなく迫水真次郎という意志を持った個体がこの4・50年で国を作ったというように落としています。その系譜は今は考えていません。だからフィクションを書く上では乱暴かもしれませんが、迫水は死んでなかったと書き直すかもしれません。それは今回の『リーンの翼』…それこそ人気が出て実在化してきたらそれに合わせて前の方を、現実を歪めちゃうぐらいのことは…僕は平気でしちゃいます。言いたかないけれど僕にしてみれば、『Z』やる時にアムロを生き返らせられた人間なんだから、それに比べたらこっちの方はバイストン・ウェルがあるお陰でそれは苦ではないです。

――その迫水ですが60年前の理念を持ったまま新しい時代の空気を呼吸することなくいたためにその理念が肥大化して妄執と化しているようにも思えます。ただ、一方で新しいものが混入していないということは純粋であるという見方もできるわけで、憧れてしまう気持ちも否定できません。迫水はそういった魅力的な悪役に思えるのですが。

富野 そのへんは本編のほうで、明らかになります。ただ、中盤までの物語からそういう風に思っていただけるのはとても嬉しく思っています。


うっすらと思ってた『次がある』が確実に

――迫水は今でも軍人勅諭は暗誦できるのでしょうか。ああいうものを何十年も持って、それにすがらざるを得ないのは辛いことにも思えます。

富野 ただね、一つ重要なこともあって、そういうのを何十年も持って国を獲りたくなった迫水の確信性ってあるんですよ。今で言えばベンチャー企業を立ち上げるような気分で。明治の日本の建国なんてものを本能的に知っているだろうと思える時代に、それを目指してやってみた努力もあったと思えるので、軍人勅諭に対しての理解も含めて、もうちょっと幅の広い人になってると僕は思っています。だから軍人コチコチの人ではなかった。ただ、今回の話の中で敵役に回らざるを得なくなってしまった迫水がどういう形でケリをつけてゆくかっていうのは、最後の2話の見所にもなってきます。そこにいくまではどう振ってもいいんだけど、要するに(ベンチャー企業の創業者の終わり方として)ソニーの井深さんみたいにして終わらせるのか、本田宗一郎がF1に進出してフォーミュラに乗ったまま自爆するような形で迫水が終わるのか、そうれは今は言えません。ただこういう切り口で話してみて初めてわかることもあるんだけど、やっぱり面白い要素ってあるんだね。だからうっすらと思ってたけど、次があるなって思っていたのが確実にあるって確定ができたっていうことでちょっと驚いています。

――軍人勅諭の一方では迫水にはすごくナチュラルな教養としての和歌なり詩篇なりがありますね。「敷島の大和ごころを人とわば 旭ににおふ山桜花」というような。

富野 人間て一面的じゃないんだから、迫水にしてみれば、中盤までの物語で言えば、自分を裏切ったかもしれない娘、自分を諌めようとしているかもしれない娘、それもわかっている。だけども、事態がこういう風に推移したら小娘の思ってる風には全部いかねぇぞっていうのもあるでしょう。でもそういうのも持ちつつも、エイサップみたいなヤツと会った時に、今回の迫水ってのはものすごく敵になる理由があるんですよね。あ、これ以上のことは言えない。それはもう本編のモチベーションになってるから。

――ストーリーを拝見して日本という国を強く意識された内容だと感じました。在日米軍のありようですとか現代日本のポリティカルなテーマに関して、監督が映像作品上でこうまでストレートに表現されたのは珍しいことに思えます。こういう話題になるとそこだけしか見ず右だ左だと騒ぎ立てる人もいますから、エンターテイメントとしては面倒な部分もあるのでは?

富野 だからキャラクターの話にしているんですよ。だけど基本的な設定は、そこまでカバーしているつもりです。

――バイストン・ウェルの物語には今後どのような可能性があるのでしょうか? また今後の作品化の予定は?

富野 今は、しゃべれないですねぇ。

――今から変わるなんてことないでしょうね。

富野 変わるんじゃない。だけど………やっぱりダメ?(笑)

(2005年10月)

 あまりにも長すぎるので、文字起しだけで力尽きました。このロングインタビューにたいする感想は明日にします。




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コメント
リーンの翼に関して、こういうお話されてたのですね。富野氏v
すごい興味深かったです。
管理人さん、この膨大な量の書き起こし、本当にご苦労様でした。感謝です。
こちらへのコメント、レス、週明けになると思いますが、入れますので、
しばしお待ち下さいね。
ブロ友申請もさせて下さい(願)

おに #mQop/nM.|2010/01/10(日) 00:20 [ 編集 ]
そうですね、たかが漫画の巻末のインタビューと舐めかかりましたが、よくもこんなに長くとは、疲れるわ(笑)。コメント、お待ちしております。

ブロ友は大歓迎ですが、正直ブロ友ってサービスは何なんのかがよく分からないですけど。
kaito2198 #L2WcHO2o|2010/01/10(日) 12:35 [ 編集 ]
トラバさせて貰いました。

「『Z』やる時にアムロを生き返らせた。」
という所が富野監督らしい表現で好きです。

迫水はバイストンウェルで聖戦士として十分活躍していましたが、
彼が王になったら、別の能力が要求され苦労すると思います。
王様として迫水が苦労する話もみたいけど、絶対その部分はないかな^^;
俺はナンバー2か3だと言いつつも、監督をやりつつプロデューサー職も兼ねている富野監督とダブりました。
ザコソルジャー #mQop/nM.|2010/01/10(日) 15:29 [ 編集 ]
>彼が王になったら、別の能力が要求され苦労すると思います
そうですね、小説のラスト直前、彼はもう人間として完成した感じさえありますが、王を勤めるには、また別の能力が必要できからね。

>俺はナンバー2か3だと言いつつも、監督をやりつつプロデューサー職も兼ねている富野監督とダブりました。
ああ、そういう見方もありますね。ほかの話は後ほどそちらのブログでお邪魔します。
kaito2198 #L2WcHO2o|2010/01/10(日) 21:26 [ 編集 ]
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リーンの翼完全版、遅まきながら予約してきました。予約特典は先着1000名分とのことなので、特典が貰えたらラッキー程度に考えています。小説・リーンの翼は、はっきり言って富野監督の著作の中で一番面白いです。(閃光のハサウェイも捨てがたいですが…)綺麗に完...
雑魚兵士的Blog 2010/01/10(日) 15:20
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