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リーンの翼完全版に関する私見

2009/12/03 19:16|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - リーンの翼完全版に関する私見
 昨日の記事では、このたび発売となる小説『リーンの翼 完全版』について、こういうことを言いました。

もしこの「OVA『リーンの翼』相当部分の書きおろし」を執筆した意図が「アニメで表現しきれない部分を小説で説明する」ならば、さすがの自分も失望の声を上げるかもしれません。固有な小説方法論と世界を持っていらっしゃる富野監督ですから、そんなことはしないと信じたいのですが、それでももし後出し小説でアニメを説明するというノベライズならば、正直どれほど存在意味(価値はきっとあるでしょうけれど)があるのか、自分でも疑いたいくらいです。そればらば、アニメ版『リーンの翼』に追加カットといくつかのリテイクカットをするほうが、はるかにマシです。当然、アニメには予算やらの事情があるでしょうけれども…。

 これをうけて、一部から「違いますよ。ただのアニメ版のノベライズではなく、小説後・アニメ以前の『誰も知らなかったサコミズの姿』についてかなりページが割かれていますよ」というご返事を受けましたけど、自分が気になるのは、そこではありません。なぜならばその部分について、描写があるのは当然のことですし、ページ数の多さ少なさも正直副次的なことでしかありません。
 大事なのは、その部分を描くことによって、何ができるということです。当然、今まで一度も失望させることがない富野監督ですから、今度も安心して信じていいという言い方もできますが、やはり多少懸念があります。


 旧小説版『リーンの翼』とアニメ版『リーンの翼』の間には「誰も知らなかったサコミズの姿」というものがありますが、二つの『リーンの翼』はすでに繋がってる現状にとって、その部分を描かなくても、実は作品に決定的な支障を与えることがありません(当然、富野監督の親筆による描写はきっと魅力的なのでしょうけれど)。
 大局眼を持ち、達観してる小説ラストのサコミズと、長年生き続け、執念に捕われるようになったサコミズが、こうも違ってるのに、何故繋がっているというと、富野監督の方法論には「飛躍」という概念があります。これによって、具体的なシーンを描かなくても中身を発展させますし、一見隔りがある前後のシーンでも、これによって埋まることができます。
 ちょっと具体的にいいますと、たとえば『∀ガンダム 地球光』と『∀ガンダム 月光蝶』がそうです。『地球光』のラストは核爆の後、ソシエがウェディングドレスを着てるシーンに対して、『月光蝶』の最初では、一行はすでに宇宙に上がってる頃の話です。二つの話の間には、かなりの隔りがあるにも関わらず、ちゃんと繋がっているのは、『地球光』の後半では、すでに宇宙へ上がるという意思をずっと示唆してるのに加えて、『地球光』と『月光蝶』の間にはフィルムを切り替えなければいけないという映画的、そして物理的な時間があるからです。この時間が、観客の中で余韻を生み、期待を催し、想像を膨らませるものとして作用してますから、二つの作品を繋げることができます。ですから『地球光』と『月光蝶』にはこの「飛躍」という手法で出来ているといっても過言ではありません。
 逆に、『新訳Z』にはこれがありません。『ZⅠ』と『ZⅡ』の間、『ZⅡ』と『ZⅢ』の間には、具体の飛躍が見られません。


 それと同じく、リーンの翼も実をいうと、この「飛躍」の手法によってつなげられます。具体的には以下の二つの記事を読んでください。

『リーンの翼』新装版は飛んでいけるのか? 前編 《新訳Zでは処理できない小説版リライトと、神事や能によって開放されたバイストンウェル世界》
『リーンの翼』新装版は飛んでいけるのか? 後編 《小説リライトを可能とするもう一つの翼と、肉体と精神が再び整合を求めるサコミズ》

 ですから、このように実はすでに繋がっている『リーンの翼』に対して、具体的なシーンに落とし込んでも、果たして最初の頃与えたニュアンスより上手く作用できるかどうかについて、一純粋な富野ファン、そしてリーンの翼ファンとしては、杞憂だと知りながらも、心配の声を上げずにいられません。
 とにかく、すでに存在してるアニメ版と小説版の価値と存在意味を損なうようなものなら、私は好んでいません。別に旧小説『リーンの翼』を丸抱えで擁護するつもりはありませんし、『新訳Z』も『Zガンダム』も肯定派です(というか、今まで一度も富野作品を否定することがありません)。当然、自分も嬉しい誤算を期待しています。しかし、3年ぶり(ショートフィルム『リング・オブ・ガンダム』を除くと)に富野の新作が見られる分、それだけ期待も大きくなりますから、当然、それは自分のエゴだと承知してますけど、これについて、是非ご了承ください。


 それでも、昨日の記事の後、こんなコメントを頂きました。とてもいい話なので、この記事にも転載させてください(富野信者さん、ありがとうございます)。

富野には、小説は小説、アニメはアニメという意識があります。
ガンダムシリーズの小説版では「小説版は小説版の続編であるべき」という態度のコメントが見られます。
Ζでの、1stから繋がらない事への謝罪などがそうです。
その後のシリーズも、小説版はアニメ版とは無関係に、独自に時系列を繋げているという解釈で執筆されています。
例えば「閃光のハサウェイ」は小説「逆襲のシャア」の後の物語であって、アニメ版のF91との間の物語ではありません。
後出し小説とは縁遠い作家ですし、アニメで語れなかったミッシングリンクを小説で埋めるような作業もしないでしょう。

「OVAリーンの翼に相当する加筆」というのは、アニメの視聴者よりも、小説のバイストンウェルシリーズの読者へ宛てる意識が強いと思われます。
つまりは、それがOVAリーンとほぼ同じ内容であれば、小説の読者にもその物語を読ませねばならないという要素であると思います。
あるいは、OVAリーンに相当するのは、その「富野による決着」とも言える大事な要素を指していると考えれば、その要素を上手く小説版に追加できるアイディアをひらめいたのではないでしょうか。

 ここでおっしゃった「小説のバイストンウェルシリーズの読者へ宛てる意識が」や「『富野による決着』とも言える大事な要素」でしたら、確かに納得できます。この一文を読んで、自分は突然釈然となり感じさえあります。そうですよね。何があっても、最終的はやはり富野監督を信じるしかないですよね。


小説関連記事
富野由悠季小説『リーンの翼』、2010年新装版発売決定!
『リーンの翼』新装版は飛んでいけるのか? 前編 《新訳Zでは処理できない小説版リライトと、神事や能によって開放されたバイストンウェル世界》
『リーンの翼』新装版は飛んでいけるのか? 後編 《小説リライトを可能とするもう一つの翼と、肉体と精神が再び整合を求めるサコミズ》
バンダイチャンネル、『リーンの翼 完全版』正式告知

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『リーンの翼 COMPLETE』発売決定
『リーンの翼 COMPLETE』応援記事その1 「時間から見る『リーンの翼』構造」
『リーンの翼 COMPLETE』応援記事その2 「『リーンの翼』資料総まとめ」

コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
#|2009/12/04(金) 08:08 [ 編集 ]
そうですね。内容については富野監督の「作家性」に任せていればいいですよね。こうして新作を読むことができるだけでも、とっても幸せといえます。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/12/04(金) 12:01 [ 編集 ]
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