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ときめくの1句(1)

2008/06/07 02:59|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
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前も言いましたが、井荻麟は劇世界を作る人なんです。
そのため、彼の作詞はあるいはその世界の入口だったり、物語の象徴だったり、登場人物の代弁だったり……など多岐にわたる。だから、彼は一般という作詞家のような売れる詞の変わりに、色んな詞ができるものなんです。
思えば、単純さも優しさも滑稽さも悲しさも美しさも泥臭さも健やかさも儚さも悲壮さも、愛も恋もバイオレンスも人の意志も未来に対する望みも……これ以上書いても言葉の羅列にしかならないからやめておくが、こんなにたくさんの要素を書ける人なんて、客観的から見ても、そうそういないと思います。
で、それらの点を含めて、井荻作詞は一番優れるのは”ざっと心を触れさせる言葉”だと思います。つまり、1曲の詞のなかで、必ずほとんどと言っていいほど人を触れる1句が潜んでいる。そして、このピンポイントの能力こそ井荻作詞の最大特色であり、誰も代わることできない能力なんです(もちろん、全体としての詞の完成度も高いですが、一番井荻色が出るのはやはりそこにあると思います)。

で、井荻作詞のバリエーションの多さと同じように、この”ざっと心を触れさせる言葉”も「作品の真のテーマ」「富野由悠季という人の本音」「作品の裏に潜む毒」「第0話」…など、いろんな形で出てきます。以下は『ザンボット3』~『イデオン』の詞を例として挙げますが、これはあくまで私見ですから、ご意見あれば是非一緒に語ってください。



まずは『無敵鋼人ダイターン3』の『カムヒア!ダイターン3』:

撃てよ 砕けよ 地獄の底に落ちるとも

この曲だけ、おそらく僕と同じ意見を持ってる人も多いと思います。すなわち正統派で熱血な詞のなかで、この1句だけ主人公の万丈の影のところを書いてた。こういうまるでそれまで書き重ねた明るさを全部引返すようなドス黒さを作る手法は、劇中でも覗けます。それもそうだ。何せ井荻と富野は同じ人ですから。

それと、井荻作詞を論ずるとき、やはり作品や映像と分けきれません。詞の価値は独立と考えるべきだけど、井荻作詞の手法や富野と井荻の関係から見ても、どうしでも簡単に分けきれないものなんです。これについて僕も未だに考えていますが、少なくともアニメ作品の補強やオープニングとの連動の部分は、詞を考える上のサブテキストと見なしても適切だと思います。


次は『機動戦士ガンダム』の『永遠にアムロ』:

男は涙を 見せぬもの 見せぬもの
ただ あしたへと あしたへと 永遠に……

これはゾッとしないものの、まるで少年の成長を促すような詞は、間違いなく『ガンダム』の一大命題である。そして、この男と成長のテーマは、後ほどの1stガンダム関連曲でも見られます。


それから『機動戦士ガンダム』の『シャアが来る』:

一人で死ぬかよ 奴も奴も呼ぶ
狙いさだめる シャアがターゲット

この詞は何故ここを上げたというと、それは”敵対の瞬間を意識した瞬間”なんです。つまり、敵を道連れにしようという意識を芽生る瞬間の色んな思いが、この1句のなかに秘めている。


次は『機動戦士ガンダム』の『いまはおやすみ』:

あした二人は血みどろで
風に 風に 風に 舞う

これはまだしも天と地をひっくり返したような1句なんです。それまで詞で書かれた未来への謳歌、若者への祝福を突然血と死の暗喩に片付けて、そのまま曲を終わる(不思議なのは、それすら美しさと感じること)。なお、『富野由悠季全仕事』で井荻関連記事を書いた鶴岡法斉氏でも、この1句に印象深いだという。


次は『機動戦士ガンダムⅠ』の『スターチルドレン』:

顫えたくない 顫えたくない
強い男と 讃えられたい

このまるで演歌のような泥臭さは井荻作詞の一大特色であり、そして、この曲もやはり前と言った通り、男の成長を提起した。ところが、この曲が提筆すべきなのはその作詞自体にいません。見てたとおり、この曲も宇宙を言及した曲なんです。しかし、『めぐりあい宇宙』の2曲の描き方と比べれば、あまりにも泥臭すぎて、あまり宇宙と意識させることはできなかった。もちろん、宇宙は必ず美しいと描かなければならないとは限らないが、「スターチルドレン」といういかにもな曖昧な描写から見ても分かると思いますが、宇宙とか戦争とかはあくまでも『ガンダム』という作品の武装理論であり、本当のテーマはやはり「男の成長」にいます。


次は『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』の『哀戦士』:

疾風(はやて)のごとき 死神の列
あらがう術(すべ)は わが手にはない

この曲は一番優れるのが、なんといっても「哀」の使い方。それは単に富野由悠季が『宇宙戦艦ヤマト』にたいする反発だけでなく、実際「愛」と「哀」の間のギャップや倒錯的なアンバランスによって、戦場の生と死を描けた傑作である。で、その戦場に直面した者たちは自分のベストを尽きたものの、「抗う術は我が手には無い」と、またしもアンバランスの情景を人々に伝えたのである。


次は『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』の『めぐりあい』:

誰もひとりでは 生きられない

これは詞から見ても映像から見ても『1stガンダム』の終わりですから、集大成という意味で、結束としての1句なんです。さらに映像と相まって、『ザンボット3』の最終話と同じように、涙を流さずにいられません。つまり、悲しみも寂しさも愛しさも、愛も恋も涙も経って、最終的は人は過去やこれからのすべてを含めて、誰かと支え合わなければなりません。そうなると、この簡単すぎる結論こそ、「めぐり合い」の真意である。


次は『伝説巨神イデオン』の『復活のイデオン』:

必殺の 技が撃つのは 我が身なのかと

ほかの曲と比べて、この曲ちょっと異なるのは、作品の回を重ねて、この1句の重さがだんだん増えてます。そして、「正義のあかしか」の「か」の使い方は、またしも心憎いもので、富野の毒がにじり出したものである。


最後は『伝説巨神イデオン』の『コスモスに君と』:

傷をなめあう 道化しばい

この1句は『イデオン』を知る人なれば、もうこれ以上説明をいらないものかもしれませんが、この情けなさこそ『イデオン』という作品の愛らしさところであり、一番魅力的なところでもある。
コメント
すごいっ!
自分は本当は井荻麟のファンなんじゃないか? と思えてくるほど

富野が逆説的な認識を 手段ではなく目的として捉える動機が解った気がしました。
上原 #BejLOGbQ|2008/06/07(土) 05:25 [ 編集 ]
ありがとうございます。
井荻麟の世界は今まであまり触れられていないんじゃないのかなと思いますので、これからもコツコツと書きたいと思います。
kaito2198 #-|2008/06/08(日) 20:52 [ 編集 ]
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