富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

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富野由悠季のゲームとの22の接点

2009/10/23 03:36|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:12
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 富野由悠季のゲームとの22の接点
 何日も遅れてしまったんですが、ついに出来ました。富野由悠季監督とゲームのすべての接点についてのまとめです。どうかこの記事「富野由悠季のゲームとの22の接点」を楽しんでください。基本的は年代順で並んでいますが、一部は前後順を変えさせていただきました。
10月24日追記:ザコソルジャーさんの情報提供で、もう1つ追加しました。
12月21日追記:広井王子氏との対談を追加。




 富野とゲームの接触は早い。幼少期の頃から富野はすでに花札、トランプといった遊具を使うゲームを熟知した。今から見ればレトロな遊びだったかもしれませんけれど、そこからゲームがどう作用し、どう人を魅せるという「ゲームの機能」を思い知った。
 のち富野はさまざまなハードウェアやソフトウェア、さらにゲーム業界全体に対していろいろ建言や意見を述べるようになったが、そのゲームの原理原則に対する思考はおそらく全てにおいてここから組み立てられたと思われる。
Another Century's Episode 2 PREMIUM INTERVIEW 富野由悠季) 


 それから、86年『機動戦士Ζガンダム ホットスクランブル』では、富野は早くもその制作者である遠藤雅伸氏と対談し、その頃認知されるようになるばかりの「ゲーム作家」を肯定していた。また、いち早く今でいうライトユーザーとヘビーユーザーを両立できる、かつ異文化の人々にも受け入れられる、つまり誰でも遊べる普遍性を持つゲームを善としていた。これが、まさに今日本のゲーム文化が歩いている道のり。
バンダイ完全必勝ブック機動戦士Zガンダムホットスクランブル 富野由悠季vs遠藤雅伸


 また、それなりガンダムシリーズを知ってる人なら分かると思いますが、『機動戦士Zガンダム』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時には、「全天周囲モニター」という技術があります。それはコックピットの中央に浮かんでいるシートに、360度外を照らすモニターがついているものだが、その映りだしている映像で載っているパイロットに宇宙酔いを与えさせないため、わざとCGでリアル感をなくすゲーム的な映像で安心感を補う。さらに、戦場で測ったデータなどを基づいて、コックピットには瞬時にCG映像による戦闘シミュレーションもできる。
 これは現実に存在している技術なんだが、後にゲームに大量引用されて、さらに近年では現実の軍隊の訓練にもフィードバックされてたもので、こんな所から見ても、富野の先見の明が伺える。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
小説『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』第1冊


 このように、富野が現実の技術を作品世界に導入したのは、上の例だけではない。
 『機動戦士Vガンダム』では、主人公のウッソ・エヴィンは一人住まいの不法居住者のため、インターネットに通じて、図書館にアクセスして色んな学問を勉強をしつつ、ネット技術を駆使して盗聴をしたり役所の書類を盗んだりしている。また、父が作ってくれたゲーム機(実際は旧時代のMSのシミュレーションマシン)に通じて、ウッソはMSの操縦も習っている。ですから、ウッソが「出来すぎた子」であるのも、すべて彼の両親によって仕組まれた環境によるものだったのは、もう言うまでもないはずだ。
 今サンライズのプロデューサーでハイエンド事業部副部長であり、当時は制作設定であった河口佳高によると、当時富野からウッソのこの設定の説明をしてもらったが、全然分からなかったということです。インターネット本格的普及した数年前のことを考えれば、分からないのも仕方ないと言える。
『機動戦士Vガンダム』第4話「戦いは誰のために」
小説『機動戦士Vガンダム』第1冊
裏トミノブログ│5話の追い込み


 90年代中期は、富野もっともゲームに接近していた時期だった。

 まず、95年から2年かけて書いた『ガーゼィの翼』本文のなかでは、はっきりとRPGゲームを強烈意識している記述が散見している。このゲーム的の楽しさと現実的の厳しさを同居している小説は、第1巻の連載誌・テーブルトークRPG誌「LOGOUT」と文庫本のレーベル「ログアウト冒険文庫」の読者を意識して書かれたものだが、おそらく富野は作品全体の物語と設定自体を使って、当時大ブームだったファンタジーRPGゲームとゲーマーたちに、RPGの在りようと、ゲームと現実の関係性といった思考を問いかけた。
小説『バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼』第1~5冊


 実際、この『ガーゼィの翼』では、富野は身近でゲームを含めるメディアミックスを試していた。
 ノベルズを連載しつつ、小説を原作とし、OVAとゲームを作るという計画でした。この計画が進んでおり、小説第1巻を書き終わった後、その1冊と残りのプロットに基づいて、ゲームの制作に入った。またOVA化にあたって、小説最初のプランに囚われずに、映像表現に相応しいキャラも追加した。さらに、そのOVA作品での追加キャラを連載中の小説とゲームにも入れた。
 結局、『ガーゼィの翼』のゲームは練りこみがいまいち足りなかったため、ゲーム自体もそれほど良作とは言えなかったけれど、これほど緊密かつフレキシブルなメディアミックス戦略の試しは、今でもそれほど見かけできないし、富野本人にとっても初めての挑戦で、貴重な経験だった。
『バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼』第5巻あとがき


 『ガーゼィの翼』以外でも、富野はいろんなところで新しいチャレンジをしていた。
 小説『アベニールをさがして』では、主人公の日向オノレがインターネットに通じて、海外の世界シミュレーションゲームを遊んでいる。この遊びもチャットも学習も兼ねる「セント・リラティブ」は、神々の世界のいくつもの星を生成し、その力のありようについてお互いに話し合いながら取り合うゲームは、いわば一種の箱庭ゲームで、ネットに通じて全世界に展開しているのだけではなく、ゲーム内容と作品世界の宇宙開発黎明期の雰囲気との合致も、ゲームそのもの以上に、もっと何か大きいものが動いてると示唆している。
 そのようなゲームは今となってメジャージャンルとなり、ネットゲームというものも今では常態となっていることから分かるとおり、富野のセンサーの鋭さは、たとえ精神不調なときでも健在である。
小説『アベニールをさがして』第1冊


 また、富野本人は電子ゲームをそこほどやりこんでいないものの、自伝『∀の癒し』などでは、夫婦二人で「IQ」や「パズルバブル」を遊んでるエピソードを披露して、別のところでパソコンに入っているゲームなど飽きずにやってるという発言もしている。
 このように、富野はゲームに興味を持ちつつも、それほど熱中してないのも、自分のゲームにハマるかもしれない気性をよく知った上で、意識してゲームに近づかない努力をしているからです。
『∀の癒し』
『ロマンアルバム GaZOスペシャル ガンダムミレニアム』富野監督、ゲームを斬る!


 また、富野は別のところで、当時一世を風靡した大ヒット作『電脳戦機バーチャロン』のプロデューサーである亙重郎とも対談していた。二人の話題はゲームやガンダムに留まらず、当時の文化、社会情勢、エンターテイメント、メディア、インテリ、クリエイターのあるべき心構え、人の生死などまで膨らんでた。話の内容は二人の別業界のトップランナーが互いに一切の武装を外して裸のままで会話したゆえ、痛々しいほど本音のぶつかり合いになってるが、これほど例を見ないありのままの対談は、間違いなくアニメ界とゲーム界の会話のなかでも貴重である。
 このほか、富野は『天外魔境』『サクラ大戦』など有名なゲームを手がけた広井王子ともプライベートな親交を持ち、のち『キングゲイナー』のときでも音楽家田中公平氏と交えて異業種対談をし、3人がアニメやゲーム、それから芸能やエンターテイメントについて大いに語った。
『CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON REFERENCE "SCHEMATIC"』
(『OVERMANキングゲイナー エクソダスガイド』)


 そのほか、『ガーゼィの翼』の前後では、富野はさらに今までのゲームのシステム、ストーリーとキャラクターを踏まえつつ、バイストンウェルワールドを背景とした出版・ゲーム・映像の三位一体を同時に視野に入れる企画書を取りかかった。それによると、タイムトラベルとタイムパラドックスといった要素も視野に入れたとのこと。
 このような野心が満ちているゲームとメディアミックス企画は、今日までも実現できなかったのはまことに残念ではあるが、もし実現したら、さぞ面白いだろう。またゲームではないが、富野がここで思いついた発想は、アニメ『リーンの翼』の第5話にも使われて、富野のこのタイムパラドックスのアイデアは、未だに作品のなかに生きている。
『ガーゼィの翼~バイストン・ウェルの世界~』ロングインタビュー1
『ガーゼィの翼~バイストン・ウェルの世界~』ロングインタビュー2
『ガーゼィの翼~バイストン・ウェルの世界~』ロングインタビュー3


 富野発のゲームは一見現実とは程遠いだけど、実際かつては一度実現しかけた。90年代後半当時、64DDをプラットホームをしているカプコン開発・富野原作のゲームを作る話は、カプコンと富野の間には存在していた。ゲーム内容こそ一切不明であるが、おそらく富野がもっともゲームに接近していた時だろう。
補足資料:ウィキペディア「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」項目


 上で言ったカプコン開発・富野原作の64DDゲームは後ほど64DDの消滅などの問題のため、実現こそしなかったが、その延長線にいるのは、2001年の大ヒット作『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』というゲームです。また、この作品においては、富野は監修というポジションを勤めていた。
『機動戦士ガンダム 連邦VSジオンDXメディアファクトリー』



 以上で述べたとおり、富野は90年代ではなんとかゲーム界にも参入したいと思い、いろいろやってきたが、結局さまざま複雑な問題によって、全体は失敗に終わりまして、富野も一見ゲー業界とのコラボレーションに対して消極的になってしまったが、そうではなかった。2000年代に入っても、富野は依然にゲーム業界とは絶縁になっていなかった。

 まず、次世代ゲーム機の争いのなかで一人勝ちとなったPSが開拓してた路線の延長線にいるPS2の抬頭、つまりハイスペックのプラットホームとゲームがますます盛況になる21世紀初では、富野は見た目とスペックを追求することだけに腐心するようになっていたゲーム業界の状況に警鐘を鳴らした同時に、ゲームクリエイターたちに「ゲームが本当に追求すべきゲームの本質」と「ゲームが独自に持っている面白さ」をもう一度見直すべきと忠告した。また、性能が高くなると共に、かえって親しみさを失いつつあったゲームに対して、富野もゲームの原理原則に戻って、老若男女に問わずに、誰でも触れやすくてシンプルかつ長く遊べることこそ、ゲームの第一要務ではないかと発言した。
 富野がここで言ってたPS2に対する疑問は、のちPS3が直面してる問題とまったく同じですし、触れやすいゲームというのが、今のWiiに彷彿している。このへん大体10年前の話を現実の事情を比べてみれば興味深い。
『週刊ファミ通2000年3月31日号』富野由悠季監督インタビュー(ゲーム編)!
『ロマンアルバム GaZOスペシャル ガンダムミレニアム』富野監督、ゲームを斬る!


 また、富野はハードウェアに留まらず、実際ソフトウェアにも見識を持っている。
 『機動戦士ガンダムG-GRAPHIX 0079』では、富野は実際ガンダムのゲームを遊んでみて、感想を述べていた。その際、ゲーム内容への建言だけでなく、ゲームでのデザイン・表現性、ゲームならではサービスや遊び心、ゲームの面白さなどについて語った。
 富野がここで語ったどう表現を取り入れてユーザーを満足するのか、どう映像をゲームの物語に組み込まれるのかなどのアドバイスは、当時と比べれば、近年では確実にこの方向に向けって改善しつつある一方、やはり大半のゲームは旧態依然なので、もう10年前も近くの話だったが、依然に参考する価値があると思える。
『角川ゲームコレクションEX 機動戦士ガンダム G-GRAPHIX 0079』


 さらに、富野の着眼点はゲームのウェアと表現に留まらず、「マリオ」、「ポケモン」、「ドンキーコング」などゲームキャラクターにもあった。富野がこれらのキャラを褒めるのは、そのキャラクターの上手さやゲーム発のキャラクター性を認めるのだけでなく、ゲームに通じて世界のシンボルにもなりえたエポックメイキング的なキャラから、ゲームの「文化」として可能性を見出しているからだ。
富野由悠季監督台北ゲームショー講演


 こうして、ゲーム界にきちんと見据えている富野だが、彼はただ傍で見ているだけではない。
 富野が時々自作のキャラクターやメカのラブデザインを担当することは業界のなかでも有名だが、ワンダースワン専用ゲーム『SDガンダム GGENERATION GATHER BEAT』では、彼はラスボスメカである「グロムリン」の名称と原案デザインを提供した。『機動戦士ガンダム』制作時の構想メモ(いわゆる「トミノメモ」)の没メカに基づいたものだが、エンディングのスタッフリストでもちゃんとクレジットされている。
ゲーム『SDガンダム GGENERATION GATHER BEAT』




 と、ここまで言ってたのはすべてゲームを対象している話だが、そのゲームを作るのは所詮人間である。そして当然、富野はこれを見逃すわけがありません。
 上で語ったカプコンとの接触の間、富野は当時カプコンの超人気作『ファイナルファイト』シリーズなどのプランナーであった凄腕アーティスト安田朗と親交を深め、やがて彼をアニメ業界に引っ張りいれた。安田は後『∀ガンダム』や『OVERMANキングゲイナー』、『リング・オブ・ガンダム』などで富野と組んでで、デザイン面に大きく貢献していた。また、富野のゲーム界人材起用は安田に留まらず、安田の仲介により、同じくカプコンで活躍している西村キヌの優れる才能をも取り入れた。
『∀ガンダムデザインズ』
『OVERMANキングゲイナー エクソダスガイド』


 以上の経験と、このように身近にゲーム畑の人間がいるからこそ、2002年の作品『OVERMANキングゲイナー』では、富野が主人公ゲイナー・サンガとキーキャラクターの一人であるシンシア・レーンをネットゲームオタクとして設定していた。作品のなかに現実生活の大切さを訴えつつも、ゲームに通じて得た関係と経験を否定しないで、両方を肯定する形となっている。
『OVERMANキングゲイナー』


 『Another Century's Episode 2』は、近年富野とゲームの一大接点である。当時の最新作『リーンの翼』がゲームに登場することをきっかけに、富野は特典DVDのインタビューを受けてた。自分のゲーム経験、ツールとしてのゲーム、ゲーム機能論と潜在しているリスクやゲームのメッセージ性などについて大きく語っていた。そしてそのなかでも特筆すべきのは、メッセージ性の件である。ゲームは人を取り込んでいる魅力と危険性があるからこそ、ゲーマーたちに正しいメッセージを伝えるべき、と。
 このような心構えは、40年前から富野がアニメにかけている生涯の志であり、今まさに文化の一翼を担うようになってるゲーム業界にとって、ひょっとしたら一番大事なものかもしれません。何故ならば、かつて他のメディアが文化に進化したときも、そうしてまったく同じ道のりを乗り越えてたから。この話は、後のCEDEC講演でも繰り返されている。
Another Century's Episode 2 PREMIUM INTERVIEW 富野由悠季) 


 それから、この『Another Century's Episode 2』では、富野は別の新しい試しをしていた。
 スケジュールのため、結果的『リーンの翼』アニメ本編よりいち早くゲームに登場することになった、もうひとつの主人公であるサコミズ・シンジロウ役の小山力也に対して、富野はアニメより先にゲームのアフレコを実施し、現場でいろいろ指導をしていた。また、それとは逆に、ゲームのために設定した服装や武装に触発され、あらかじめそれらのゲーム設定をアニメ本編に組み込んでたこともしていた。
 このような制作スタイルは富野にとって初めてだけでなく、ゲーム現場の人間にも貴重な経験を与えた。
裏トミノブログ│A.C.E.
裏トミノブログ│戦闘服の使い道
『電撃PlayStaion 2007年9月14日号』付録Re:Play VOL.9


 それだけでなく、『リーンの翼』制作中では、富野はアーケードゲームとトレーディングゲームをあわせた『機動戦士ガンダム0079カードビルダー』に興味を持ち、実際に遊びたい意欲も示していた。ここ数年エンターテイメントと芸能に注目をかけている富野だが、新しいものに対する好奇心やセンサーは、依然に若いままである。
裏トミノブログ│ゲームのお話




 そして、この記事最後の締めとして、今年(2009年)9月2日CEDECにての講演を紹介したいと思います。
 この講演全体の話はゲームの枠を遥か超えてたが、ゲームの部分だけに限定すれば、大まかでいえば①「自分のゲーム業界に参入したい思い、でも参入できなかった悔しみ、それに対するコンプレックス」、②「30年経った日本のゲーム界へのメッセージ、原理原則を考え続ける」、③「ゲームは悪で、その悪を越えるようなゲームを作れ」、そして④「ゲームクリエイターたちに高い志を持つべきとエールを送る」という4点に集約できます。
 富野はまず90年代の色々を含めた、結局自分がそれ以上ゲームに近づけなかった思いを告白し、自分のスタンスを明らかにしてから、アニメ人としての自分がゲーム畑の人々に何かを提供できるかのを客観的に述べた。
 次に、富野は30年を経ったゲーム業界に対して、この業態がそろそろ固まる危機を乗り越えるのは、今一度ゲームの原理原則に考え直すべきと言った。富野は「テトリス」、このゲームボーイ普及の最大の功臣といっても過言ではないゲームを遊びの原理原則に極めて近い電子ゲームを基準にしたうえで、何か人を楽しませるもの、何かこれからの方向性を示せるものを見つけ出すのを、ゲーム業界将来歩むべき道とした。
 ここから一転、富野は突然「ゲームは悪、無駄」と言い出したが、これがまさにゲームクリエイターに届く挑戦状である。かつて映像を扱う業界のなかでももっとも最下等といわれたアニメ業界に従事し、そして努力して、アニメの地位上昇や社会への認知度に莫大な貢献をしてきた富野が、自分若いときの心がけを若い世代のゲームクリエイターにも伝いたいからこそ、わざとそのような挑発をかけた。
 そして最後、富野は自分より二回りか三回り、下手にすれば四回り年下のゲームクリエイターや志望者たちに、高い志を持って、考え続け、努力し続け、他人を受け入れ、生き続けろと話した。これが、おそらく今の富野由悠季が若い人たちにもっとも伝いたかったメッセージだろう。
リンクまとめ:富野由悠季監督CEDEC2009基調講演


 

 以上の22点はこの20数年以来、富野由悠季がゲームとのすべての接点です。次は『富野とCGの7つの接点』について書きたいと思います。CGに関する主とした7つの接点を語りつつ、アニメやゲームとの関係を語るものになると思います。ご感想ご意見ありましたら、是非寄せてください。

 それでは、最後の最後、これを引用させていただきます。

 「自分がどういうふうな位置づけにいるか,観察し,判定する能力も必要。スポンサー,自分より能力がある人,先輩のいうことも聞かないといけないかも。本当の話をすると『あいつより俺のほうがわかってる,おまえにはやらせない』とかなりムキになっている」

 舞台を歩きながら,右手でマイクを持つ富野氏は,このような話をしながら,ちょうど直射日光をさえぎるように客席をときどき見ていた。そして,話の勢いを一度止めてから,客席にまっすぐ体を向けて,こう切り出した。

 「これだけの数の人が集まって見れる。こうして話をしながら,どの話をすればどんな顔をするか見ていた」。ほぼ同時に,講演にしては明るい客席が,より明るくなる。一呼吸置いて,富野氏は言った。

 「俺,おまえらと一緒に仕事やりたいから」。

 このメッセージが、富野由悠季監督の切望なる願いだろう。


おまけ1
富野が言ってた「ゲームを作りたい」一覧
Ⅰ(『ガーゼィの翼~バイストン・ウェルの世界~』ロングインタビュー1
Ⅱ(『ガーゼィの翼~バイストン・ウェルの世界~』ロングインタビュー3
Ⅲ(64DD原作ゲームの補足資料:ウィキペディア「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」項目
Ⅳ(『機動戦士ガンダム 連邦VSジオンDXメディアファクトリー』
Ⅴ(『週刊ファミ通2000年3月31日号』富野由悠季監督インタビュー(ゲーム編)!
Ⅵ(『角川ゲームコレクションEX 機動戦士ガンダム G-GRAPHIX 0079』
Ⅶ(リンクまとめ:富野由悠季監督CEDEC2009基調講演
Ⅷ(おまけ:東大名誉教授原島博氏のコラボ賛同発言

 なので、ゲーム界の皆さんよ、マジ誰か富野監督と接触してくださいよ。


おまけ2
接点まとめ簡易版
①幼少期、花札・トランプに通じて、ゲームの原理原則を知る
②ゲーム作家に注目、遠藤雅伸氏と対談
③『Z』と『逆シャア』で、CG応用技術と戦闘シミュレーション技術を描く
④『V』で、インターネットと戦闘シミュレーションゲームを描く
⑤『ガーゼィの翼』で、RPGを意識する物語を描く
⑥『ガーゼィの翼』で、ゲームを含めるメディアミックスを試す
⑦『アベニールをさがして』で、世界シミュレーションの箱庭ゲームを描く
⑧「パズルバブル」を何年間も遊ぶ
⑨『バーチャロン』プロデューサー亙重郎氏と対談
⑩出版・ゲーム・映像を一括する、タイムパラドックス要素を含める作品の企画書を書く
⑪カプコンと64DDの原作ゲームを企画するが、自然消滅
⑫上の延長線で、『連邦vs.ジオン』を監修
⑬ハイスペック化するゲームに警鐘を鳴らし、ハードル低いゲームを提唱
⑭ゲームの映像でどう客を楽しませるのを建言
⑮ゲーム発のキャラクターを評価
⑯『SD Gジェネ ギャザービート』で、デザインを提供
⑰安田朗、西村キヌなどゲーム界人材をアニメで起用
⑱『キンゲ』でゲームオタクの主人公を描く
⑲『A.C.E.2』特典で、自分のゲーム観とゲーム論を語る
⑳『A.C.E.2』で、『リーンの翼』ゲーム用アフレコをアニメより先に行う
21『カードビルダー』に興味を示す
22CEDECで講演。若い人にエールを送る同時、ゲーム界を参入したい意欲をアピール

コメント
ワンダースワンで発売された「SDガンダムGジェネレーション ギャザービート」シリーズ(2000~2002年発売)に登場するMA・グロムリンのデザインも富野監督が担当しており、ゲームのエンディングでもデザイナーとしてクレジットされています。
想像でしかありませんが、「連邦vs.ジオン」シリーズ同様にガンダムゲームを作った際に富野監督に実質的な原作料を払う、という流れを富野氏とマリーガル・マネージメントが作ろうとしていた時期のものだと思っています。
またギャザービートシリーズは本家Gジェネとは異なり外注されたものなので、富野監督もバンダイよりはいちゃもんを付けやすかったのかもしれません。
ザコソルジャー #mQop/nM.|2009/10/23(金) 20:14 [ 編集 ]
教えてくださってありがとうございます。ワンダースワンを見た時点で「ヤバイ、あれを忘れたんだ!」と思いましたよ(笑)。

あれのデザインは知ってますが、ゲームは遊んだことないので、デザイナーとクレジットされてるのは知りませんでした。ちょっと面倒くさいですが、記事に追加します。ありがとうございます。連ジの経緯はまさにおっしゃる通りだと思います。上のソースなんかでも富野がそれらしき発言をしましたしね。

ところで、今回の記事はいかがでしたか? ご感想伺いたいです。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/23(金) 21:40 [ 編集 ]
大作お疲れ様です。
実は富野とゲームと聞いて、まっさきに思い浮かべたのがSDバトル大相撲でした。
「これがさいこぱわーだ」
子犬 #HL3aOXhs|2009/10/23(金) 22:02 [ 編集 ]
富野が審判?親方?として出てくるあれですよね。遊んだことあります。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/23(金) 22:16 [ 編集 ]
「ギャザービート」の件なのですが、富野監督のクレジットがデザイナーだったかは自信がなくなってきました。
すいません。
「原作・富野由悠季」だった気もします。
名前を見つけて驚いた記憶があるので、クレジットされていたのは間違いはないと思うのですが……。

kaitoさんの今回の記事は十分な情報量があって、素晴らしいと思いますよ!
上手く言えませんが、90年代はゲームやパソコンに代表されるような日常へのデジタルの侵入への恐怖があった時代だった気がします。
例えばゲーム感覚で犯罪を犯す人が出て来る事が問題視され始めていました。
でも今は「バーチャルvs.リアル」「デジタルvs.アナログ」みたいな対立軸は廃れちゃいましたね。

2000年代の作品のキングゲイナーになると、ゲームと現実を上手く繋げられる人ならゲームをするのもありだよね!というような、ゲームに好意的なまとめ方になっていました。
サマーウォーズも同じまとめ方なのかな?見ていないので分かりませんが。
富野監督は本心では「ゲームは悪」と思っている人なので、もし今、ゲームと関わるなら、もっと深い回答を示してほしいかな~、と思いました。

まとまった綺麗な文章じゃなくてごめんなさい。
ザコソルジャー #mQop/nM.|2009/10/24(土) 03:43 [ 編集 ]
 お世話になっております。
 読み応え充分でしたね。資料集めにかかった時間と手間を考えると尊敬してしまいます。

 富野×遠藤の対談は読んだことありませんでした。対談中では褒めていますが、ゲームはすごいつまらなかった記憶があります(ぼくはすぐ飽きた)。

 ビジネス誌掲載の富野情報も助かりました。ラジオは、私が住んでいる北海道では聞けない局だ…
坂井哲也 #-|2009/10/24(土) 15:31 [ 編集 ]
あんまり今回の記事とは関係ないかもしれませんが、
PS3の配信コンテンツ「まいにちいっしょ」内の「トロ・ステーション」で
遠藤雅伸氏がゲスト出演したとき、遠藤氏が富野監督と対談したときに印象に残ったという富野コメントを
大富野アップローダにうpしときました。

暇なときにでも見てくださいな。
コタ-2 #-|2009/10/24(土) 20:12 [ 編集 ]
ゲームじゃないですけど、富野監督は『それがVガンダムだ!』や日経ビジネスAssocieのインタビューでは似たような発言をしましたよ。

「ガンダムがお台場の人工的な景色にマッチしたのは、当たり前なのですが、新たな発見でもあった。ガンダムがマッチして見えたことは、我々の暮らしを考える能力が低下してきている証拠で、リアルに物事を考えられなくなってきているのではないか、という証明。私たちが今もっている感覚や認識はリアルと言うより、フィクションの上で成り立っているのではないか、ということ。」

kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/25(日) 13:32 [ 編集 ]
あのゲームは遊んだことないです。評価やプレイ画面いろいろ見たことありますが…。当時富野監督は90年代以降ほどゲームに関わってなかったんで、なぜああも褒めたのはちょっと分かりませんけれど、やはりゲームそのものよりも、遠藤氏あるいはゲームという媒体に何か可能性を見出したんではないかと思っています。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/25(日) 13:36 [ 編集 ]
貴重な資料ありがとうございます。ありがたく受け取っていただきました。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/25(日) 13:37 [ 編集 ]
素晴らしい!読みごたえに感激いたしました。
私もなぜかゲーム業界に近くなりましたので、がんばらなきゃなあ
グダ #-|2009/10/26(月) 22:33 [ 編集 ]
ほほう、グダちんさんはクリエイティブな仕事をついてるのは知ってますが、よもやゲーム業界に近いところだったなんて、それはすごいですね!

では、どうか仕事頑張って出世して、富野をゲーム企画に招聘できるようなポジションについてください。そうですね、とりあえず監督90歳以前を期限しようか、と、無責任に煽ってますw

いや、本当に頑張ってください(笑)。あと、この記事の内容をゲームと富野監督両方に興味ある方にも伝えてください。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/10/27(火) 00:56 [ 編集 ]
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