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Zガンダム小説3、4巻感想

2009/07/05 00:32|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - Zガンダム小説3、4巻感想
 昨日言ったとおり、また5巻の途中ですが、先週でとっくに読み終わった3、4巻についての感想を少し話します。


 まず、これを見てください。

Zガンダム小説2巻読了

小説の進む具合に相当するアニメ話数

第1巻:1話「黒いガンダム」 ― 5話「父と子と…」
第2巻:6話「地球圏へ」 ― 15話「カツの出撃」半分

 これは先日書いてたものですが、ここで3、4巻を同じように入れると、こうなります:

第3巻:15話「カツの出撃」半分 ― 25話「コロニーが落ちる日」+35話「キリマンジャロの嵐」
第4巻:36話「永遠のフォウ」+37話「ダカールの日」+30話 「ジェリド特攻」+32話 「謎のモビルスーツ」+33話「アクシズからの使者」+39話「湖畔」+40話「グリプス始動」

 第4巻はテレビと比べて、やや厄介な組み合わせになりました。ここではZ小説の構造を語るつもりはないですから、あえて話しませんけど、よく見れば、『Zガンダム』の重要なシークエンスを宿ってる話はほぼ入ってるから、アニメと比べて精彩さはやや欠けてるものの、アニメ後半の中だるみも大半解消させてくれたと感じます。


  また、小説の出版日をアニメの放送日と比べれば、別の発見があります。

Zガンダム小説メモ

27 シャアの帰還 9月7日
28 ジュピトリス潜入 9月14日
29 サイド2の危機 9月21日
(強化人間 1985.09.24)
30 ジェリド特攻 9月28日

42 さよならロザミィ 12月21日
43 ハマーンの嘲笑 12月28日
44 ゼダンの門 1986年1月11日
(ザビ家再臨 1986.01.15)
45 天から来るもの 1月18日

 ここで示したとおり、3巻で一度話の展開を越えたものの、4巻はまた大幅遅れてた。
 で、なぜこうも執拗に話の進むペースを言及してるのかというと、前の言ってた通り、この『Zガンダム』の小説には「業務処理」な性格が存在しているからです。そして、Zガンダム小説の業務処理的な性格の一つは、まさにこのアニメの展開を追う(あるいはアニメの展開に追われる)部分にあります。
 追ってる、また追われてるからこそ、ほかの尽力すべき部分も尽力できなくなります。実際読めば分かると思いますが、Zガンダムの小説は淡々と話を進ませる感じがすごくあります。なんとか小説らしい構成をやりたい一心に、戦闘描写が平坦になってるだけではない。もっと顕著なのは、俯瞰的な目も失われかけた
 従って、同期の『リーンの翼』や『ファウファウ物語』と比べれば、富野の得意とする「展開に触発されて話の中に散りばめてる作者の主張や社会・文明への批判」は、このZガンダム小説では比較的に少ない上に、たとえ出て来たとしても、練りこんでいなかった。もっとぶっちゃけ言いますと、安っぽい。もっとも、富野の文明批判はなんとかUCと違って、消化できる範囲内で展開し、主線に置かなかったから、それほど全体の印象と語り口を影響してないけど、そのせいか、やはり富野小説のなかでも比較的に練りこんでない実感があります。
 ですから、『Zガンダム』がこのようにできなかったのは、ひとえ富野が『Zガンダム』のアニメに追われてたからと思います。それが同期の『リーンの翼』や『ファウファウ物語』がいつもの富野の方法論を上手く出来たことからでも反証に得れます。


 で、実際の内容。
 正直いって、人物の描写はアニメとそれほど変わってないけど、出番の増減によって、キャラクターの印象も変わる。
 たとえば、レコアさん。アニメと一番違ってるのは、もちろんティターンズに入ってないことですが、それ以前、出番が大幅削られた小説版では、なんと大人しい感じさえあります。これはテレビしか見てないならば、到底想像できないことはずです。
 また、アニメなら『クワトロ・バジーナ大尉』というイメージが強かったが、小説版の地の文はもとで「シャアは…」「シャアであった」「~シャアだが」と、一切「クワトロ」を書かずに「シャア」に一貫してます。なので、アニメで見せた「シャアであるクワトロ」または「クワトロを演じてるシャア」は一切感じさせられなかった。
 でも、はっきりこれは間違いだと思います。

 あと…面白いのは3巻のシロッコの思想(と、その観察員であるサラ・ザビアロフ。彼女の「珍獣!パプテマス様観察日記はまことに面白い」)と4巻のハマーンの描写ですね。ここらへんはアニメ版の曖昧な彼らを、より一層深く描いてくれました。
 ピジャン・ダーゴル大佐のご先祖様みたいなジャミドフ・ハイマンはかえって大して存在感がない。それもそうだ。第3巻中盤でようやく本格的な顔見せをしてくれたから。


 上に「俯瞰的な目」と書いてありますが、この物語に俯瞰的な目こそ、富野小説の真骨頂だと思います。劇中の人物はさまざまな遭遇を通じて、時々この俯瞰的な目を獲得したことによって、より理想/真実/理/ニュータイプに近づいてる。たとえ一瞬であっても。これは物語世界で人物と話を完結することを固執してる富野が、キャラクターの深さを深化させる手法です。一見矛盾ですが、富野小説の中では上手く処理されている。この手法一番上手く使ってるのは、おそらく『アベニールをさがして』だと思いますが、ほかの富野小説でも見られます。


コメント
 kaito2198さんのご指摘に思わずうなずいてしまいました(^_^;)
 富野小説が富野小説たるゆえんは、正にその俯瞰的な目にあったんですね。それがキャラクターや彼らが住む世界に奥行きを持たせていると考えたら、あの不思議な魅力にも納得がいきます。物語の中から乖離しすぎる事なく、かといって一個人の中に終始する訳でもなく、絶妙なバランスで成り立っているから富野小説はおもしろいんですね♪
 実を言うと私、小説の方はド素人でして、まだVガンダム,ベルトーチカ・チルドレン,閃光のハサウェイ、ガンダム以外ではオーラバトラー戦記の最初の方しか読んでいないのです。これを機にまた富野小説に手を出してみようかと思います。

 あっ、最後に一つ。kaito2198さんのおかげで、自分がなんとかUCを好きになれない理由がよく分かりました。富野小説が嫌いにでもならない限り、私は好きになれそうもないです(笑)
yasu103 #s.Y3apRk|2009/07/05(日) 03:06 [ 編集 ]
 「俯瞰的な目」は確かに富野の小説が持ってる一大特徴ですね。アニメだったらそれほど明瞭でもないですけど、とりあえず小説という媒体で使われている(小説という媒体でこそ使える)手法として富野小説の中に確立されてるものだと思います。そこは富野監督が言ってた媒体の違いによって方法論の違いですね。
 正直言いますと、「俯瞰的な目」という言葉は昨日記事を書いてる途中でパッと思って、やっとできた言葉ですが、自分はこれがもしかして富野小説しいて富野作品を読み解くためのものすごく大事な視点かもしれないという直感があります。まあそのへんは皆さんのご意見もお聞きしたいのですけど。

 富野小説はオススメですよ。『閃光のハサウェイ』をお読みになりましたら分かると思いますけど、富野監督はオリジナルタイトルの小説に対してもすごく考えていらっしゃって、展開・語り口・テンポも作品ごとにリビルドしてて、文体以外どれも独自な何かを持ってる優れるモノですよ。
 できれば、もちろん全部お勧めしたいのですが、今すぐ全部を揃えろというのも無理ですので、とりあえず初のオリジナル小説の『リーンの翼』、後期のSF快作『アベニールをさがして』、映画以前の展開を描く『ハイストリーマー』(最近は旧版を再販することになるらしいし)、アムロとララァにフォーカスする『密会』とかからはじめてみればどうでしょう?
 というわけで、今すぐ本屋に行って買い求めましょう! ……いや、なんならブック●フでもいいのですが(苦笑)。

 最後、あの小説についてですが、ここではあえて多く言いませんけど、もしよろしければ、とりあえず以下の三つの記事を読んでくれれば幸いです。

■福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その1
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-381.html
■福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その2
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-388.html
■日常のたわごと
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-482.html

 結局方法論の違いだからとも思いますが、どちらかが面白くて読みやすいとすれば、私は富野由悠季の小説のほうが一枚上手だと思います。今月中でなんとか3を描けると思いますので、そのときはぜひyasu103さんのご意見を伺えたいと思います。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/07/05(日) 13:13 [ 編集 ]
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