富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

TOMINOSUKI / 富野愛好病
http://kaito2198.blog43.fc2.com/

プロフィール

kaito2198

Author:kaito2198
台湾人。
ただのファンです。

twitterは@kaito2198です。

仕事やブログ関係のご連絡は
kaito2198@hotmail.comまでお願いします。

給華文圈之富野由悠季愛好者的一些話
關於本站文章的轉載聲明

富野監督関連資料一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

グーバーウォーク

海外から見たメディア芸術総合センターとアニメ議題 その2

2009/06/07 02:52|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 海外から見たメディア芸術総合センターとアニメ議題 その2
 昨日の話に引き続き、またメディア芸術総合センターとアニメの話。


 いろいろな議論がありますが、結局ここが扱うものは、いわゆる「メディア芸術」といわれている代物です。メディア芸術はなんでしょう、と疑問を持ってる人もかなりいるかもしれませんけど、東京大学の浜野保樹氏によると、「デジタルの技術を使うことによって可能になる新しい表現、複製ができて安い価格で提供される自己表現」といったものの総称が、この「メディア芸術」だそうです。
 定義はともかく、アニメもまさしくこのメディア芸術に属しているに違いないだろう。性質でいえば、アニメは映画に似ていますが、その映画も広義的メディア芸術ですから、アニメももちろんそう。

 しかし、個人にとって一番違和感を持ってる部分は、「メディア芸術」って、一体何を持って「芸術」というのでしょうか? 日本でいえば、映画でさえその芸術という言い方に相応しい系譜やら研究やらシステムやら構築されていないのに、もっと歴史が浅いアニメはいきなり芸術と奉られてるが、果たしてそのアニメという芸術を迎える準備ができたかどうかは、非常に疑わしいことです。

 アメリカの映画界を見よう。映画協会は政府から金を貰ってるのは、主に以下の三つの目的があります:人材の育成、アーカイブ作成、そしてレコグニション。
 長期的に見れば、メディア芸術総合センターもこの路線に進みたいのに違いないのですが、それが一朝一夕でできることではありません。なぜなら、アメリカの映画界と日本のアニメ界には一つ決定的違いがあります。それが、人材の厚さはまったく違います。そして、上で挙げた三つの項目は、実をいつとどれも人材とかけ離れないものなんです。
 映画史の説明はご勘弁ですが、とにかく今アメリカ映画の産学連携は凄まじいものです。現場だけ重視する日本映画・アニメと違って、学校面においての教育・研究 といえるほど映画産業全体と密着している。作家や作品研究などはもちろん、当然、技術方面もまったく抜け目がありません。たとえば、CGという一項目だけとっても、大学院で発表されてる研究論文は数千部あります。それが、アメリカ映画産業を底から支える根源の一つです(ついでに言いますと、韓国もまさに今これを進んでいます)。
 もちろん宣伝やスターなどもハリウッドを語る上に外せない部分ですが、研究面でも、いろんな切り口で「映画」というものを知り尽くせようとしている。これがアメリカが成功する鍵です。当然、だからといってハリウッドがすべて良いというわけではなく、ハリウッドはハリウッドで袋小路に陥ってる部分がありますが、この部分おいては、世界最先端の座を占めてるといっても良い。

 この部分、日本は当然アメリカをまんまコピーする必要がありません。しかし、これは成功してる確実な範として存在しているわけです。学べる部分は、たくさんあるはずです。

 しかし、このようなものは一切語らず、単に建設物のことしか語らないのは、片手落ちという感じが非常に強いです。
 当然、最近政治も関わってるからそうなってるのも承知してますけど、せめて学者を含めての有識人たちはどっちも流されずに、言うべきものをきちんと言い、誰も見つからない盲点を学術面から民衆に呼びかけてほしい。学者さんの空気読めない精神は、このためにあるものですから


 なので、ともかく、アニメは今の時点においては、また芸術と呼ばれるほどの下地が整っていませんと思います。浮世絵は芸術だから、漫画・アニメも芸術というわけわからんことを言っては困ります。海外に認められてから、日本に再ブレイクするパターンが似てるから同じという言い方は信じられないけど、そういう役人や学者、それから一部の世論も、本当にこのようなことを言いました。

 そもそも、現状では、なにが芸術作品、そしてなにが芸術作品じゃないと客観的に見分ける人います? それが個人が一番疑わしいところです。
 アニメも漫画も、あくまで表現媒体の一種なんですから、正確にいいますと、「アニメは芸術、漫画は芸術」ではなく、「一部のアニメ作品は芸術、一部の漫画作品は芸術」であるはずです。となれば、何が表現を保存すべきところまで高めた作品なのか、何がそういう価値がないモノなにか、そういう基準は作って欲しい。
 別に芸術を鑑定するための高尚な言い方ではなく、現実問題として、それら全てを保存・管理するのは現状だけ見ても無理ですし、長期を見ればもっと無理です。デジタル化すれば保存がきくという言い方もありますが、それが今の規模を見れば不経済に極まりない。となれば、選別も必要となるわけです。

 しかし、日本には、本当のアニメを選別できる権威が存在しているんだろうか? 映画なら、それをやってる人はまだいますが、アニメは上の言ってたとおり、技術面においても評論面においても、学問化した価値判断は、未だに皆無といっていいだろう


メディア芸術総合センターについて、青木保文化庁長官と浜野保樹東京大学教授が語る。(5/14)


 これは、文化庁長官の青木保氏と東京大学教授の浜野保樹氏の対談ですが、自分が一番問題を見出してるのは、まさにこの対談の一段です:

青木
メディア芸術についての今後の展望はいかがでしょうか。

浜野
私は、日本人の表現をできるだけ海外に紹介していきたいとも思っています。黒沢明監督は、日本人の持つヒューマニティや正義感を映画により海外に紹介し、海外における日本の評価を大いに高めた人です。黒沢監督の後、それに代わる人として、私は宮崎駿さんや大友克洋さん、押井守さんの作品に感動して、彼らの作品が出るたびに交流のある海外の著名な監督に送り付け続けました。字幕もないのですが、おもしろいおもしろいと。それが映像の力なんですね。

 こういうアニメの見方こそ、アニメを狭くするものだと私が思います。

 そもそも、「字幕もない」というのは、見てる人は内容が分からないことを意味することです。内容も分からないのに、「おもしろい」と思うのは、ある意味褒めてるとも取れますが、本質的でいえば、どこかおかしいと思いませんか? なぜなら、それはただスゴイ映像を見てることではないか。
 目に見える映像の力。それはもちろん否定しません。しかし、フィルムは映像だけで作られたものではありません。映像だけに注目するのは、偏る見方ですし、全貌を知ることもできません。このような基準を持てる人は、アニメの本質を分かることができませんし、映像以外の訴求力を持ってる作品を評価することもできません

私は宮崎駿さんや大友克洋さん、押井守さんの作品に感動して、彼らの作品が出るたびに交流のある海外の著名な監督に送り付け続けました。字幕もないのですが、おもしろいおもしろいと。それが映像の力なんですね。

 作品にどんな感想を持つのはもちろん個人の自由ですが、迂闊にそういうことを言い出した人は、しょせんアニメに理解を示してるとは言いがたい。そうなれば、このメディア芸術戦略を主導する学者さんでさえ、ルックスでアニメを見るだけじゃないのでしょうか。


 そういうルックスでアニメを見るところを含めて、アニメの商業性と作品性をうまく解決する方法論は、未だに見つからないと感じてます。
 一口アニメといっても、さまざまな形態のアニメが存在しているのです。そのなかでも、テレビアニメとアニメ映画は未だに最主流の二つであることは、いうまでもないはずです。しかし、テレビアニメとアニメ映画の制作方式の違いによる作品全体のいろいろな差異は理解されておらず、未だに「アニメ」というカテゴリのなかで語られません。
 そうなれば、映画の全体的仕上げは比較的高いですので、評価されやすい、注目されやすいのも、ある意味道理です。それはいけないとは言えません。しかし、その「評価されやすい、注目されやすい」はテレビアニメ分野の演出家、作品の評価に影響を与えたというと、残念ながらあります。
 また、仕上げについてはそうですが、商業性についても同じです。テレビアニメはアニメ映画と比べて商品としてのルックスがより一層強いので、これがまた評価の仕方を影響し続けます。
 なんとなくテレビアニメとアニメ映画を一緒に語るのと、その差異をきちんと認知した上で語る「アニメ」というジャンルというのは、まったく違うものです

 たとえば、富野由悠季の作品を褒めることは、ほとんどイコール・サンライズ(&バンダイ)作品を褒めることに関しては、当然のことである。富野の作品はほとんどサンライズで作られたから。
 それで、もし国は今「ガンダムは日本アニメの誇るべきアニメ」だと言ったら、民衆はどう反応するのでしょうか? たぶん、多くの人は忸怩と思うのだろう。国家が保証人になって、一企業を「推奨」するのは、どうもおかしいと思ってますから。
 しかし、それは富野由悠季という日本のアニメ界においてその影響力が宮崎駿に勝るとも劣らない人を評価しない理由になるんでしょうか? 答えは、もちろんノーのはずです。しかし、ロボットアニメがほとんどのために、商業性が強すぎるために(しかも、今バンダイは依然にそれで商売をしているならなおさら)、それを理由として、多くの人は目を逸らし、あるいは躊躇してます。

 逆に、上の浜野教授みたい手放しで絶賛される監督とその作った作品もいます。なぜなら、作家本人はともかく、彼らが作っているアニメ映画はいかにも「作品性」が満ちているからです。ルックスだけ見れば、いかにも高尚な格式が整っているからです。それが、最終的アニメの良さ悪さを決定するものではないけれど、画が素敵だから褒めるのにあまり抵抗がないと済みます。
 しかし、これら作品の背後には、ガンダムとサンライズ・バンダイの関係と同じく、ビジネスと利権が絡んでます。これらを芸術と奉るのは、ガンダムを推奨するのと同じく特定の企業に宣伝するような行為なのに、政府・有識者たちを含めて多くの人はそれを企業の宣伝戦略とも知らずに、平気でそんなことを言い出してる。そのへんは一番矛盾なところだと感じます。

 なぜなら、一つの商業アニメ作品が成立するには、金出す人が必要です。これは、テレビアニメもアニメ映画も問わずにそうです。富野由悠季作品だろうと宮崎駿作品だろうと押井守作品だろうと、皆同じです。なので、これらは「アニメ作品」においては、同質なものであるはずです。同質であるはずです。一般大衆なら色んな世論に影響されるのも仕方アリマセンけど、国という大船の舵を切ってる人間が、きちんと方向を見定めるべきです。なんとなく世論に流されてるままで、国家事業を進むのはおこがましいことだと思りませんか?
 これでは、「日本アニメ」の本質を見誤ることになります。ここでいう「日本アニメ」について、杉井ギサブロー監督のテレビアニメ観を一度読んでください。これを理解しないでは、日本アニメを語れません。

 そういう状態でのメディア芸術戦略は、ミーハーですし、片手落ちでもあります。このメディア芸術総合センターに巡る議論のなか、「建設物ありきではなく、中身ありきですべき」という意見は、ここで言ってた話と共通するんです。もっと実のある内容を出してないと、せっかく意欲のプランも霞むと思います。
 国営漫画喫茶というレッテル貼りと戦うより大事なのは、まさにそこなんじゃないでしょうか。そのような声を黙らすには、異議に対する反論を挙げつつ、さらにその一段上に行くのが、どんな雄弁にも勝るものだと私が信じてます。


コメント
まったくおっしゃるとおりだと思います。
いまの日本のアニメ業界のは、ルックスで観る人が作り手になってるんですよね。
そして観ている側もルックスで観てしまうため、指摘できる人がいない。
そういった人達が芸術センターを作るので、国営漫画喫茶と非難されても、何を改善すればそう言われないのかピンと来ていないと思います。
kaitoさんが前の記事に書かれた富野監督の懇談会欠席は、大げさかもしれませんが芸術センターの未来を決めたかもしれません。
がくとん #-|2009/06/08(月) 09:50 [ 編集 ]
そうですね、今のままではやはり思慮が少々足りないといわざるを得ませんね。この当たり前の風潮に(いろんな意味での)指摘を出せるアニメ人は残念ながら今は富野監督一人しかいませんけど、本当ならもっともっと出てくるほしいですけどね。

まあ、言いたいことは全部記事のなかに書いてありますから、あまりそれ以上多く話せませんけど、せめてアニメの本質をもう少しだけ知ってるような人が出てくれれば、こっちももっと安心にこの一大計画を支持できますが。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/06/08(月) 22:19 [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://kaito2198.blog43.fc2.com/tb.php/465-0b2d6399

ブログ内検索

なんとなく富野商品

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

まともに機能しなくてすみません。これからゆっくりペースで直します。

RSSフィード

FC2カウンター

富野監督作品一覧

  • 海のトリトン
  • しあわせの王子
  • 勇者ライディーン
  • ラ・セーヌの星
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 機動戦士ガンダム(劇場版)
  • 機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士編
  • 戦闘メカ ザブングル
  • 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
  • 伝説巨神イデオン・接触篇 -A CONTACT-
  • 伝説巨神イデオン・発動篇 -Be Invoked-
  • 聖戦士ダンバイン
  • ザブングル グラフィティ
  • 重戦機エルガイム
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士Vガンダム
  • 闇夜の時代劇 正体を見る
  • バイストンウェル物語 ガーゼィの翼
  • ブレンパワード
  • ∀ガンダム
  • 劇場版∀ガンダムⅠ 地球光
  • 劇場版∀ガンダムⅡ 月光蝶
  • OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-
  • 機動戦士ΖガンダムⅡ A New Translation -恋人たち-
  • リーンの翼
  • 機動戦士ΖガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-
  • RING OF GUNDAM
  • ガンダム Gのレコンギスタ
  • 富野参加作品一覧

  • 鉄腕アトム
  • 戦え!オスパー
  • リボンの騎士
  • 巨人の星
  • アニマル1
  • 夕やけ番長
  • 海底少年マリン
  • どろろ
  • 紅三四郎
  • 巨人の星対鉄腕アトム
  • おらぁグズラだど
  • 男一匹ガキ大将
  • ムーミン
  • シートン動物記
  • 赤き血のイレブン
  • アタックNo.1
  • あしたのジョー
  • 男ドアホウ!甲子園
  • 昆虫物語 みなしごハッチ
  • さすらいの太陽
  • 天才バカボン
  • ふしぎなメルモ
  • 新・オバケのQ太郎
  • 国松様のお通りだい
  • いなかっぺ大将
  • 正義を愛する者 月光仮面
  • アニメ・ドキュメント ミュンヘンのへの道
  • モンシェリCoCo
  • ハゼドン
  • ど根性ガエル
  • けろっこデメタン
  • ワンサくん
  • 山ねずみロッキーチャック
  • 侍ジャイアンツ
  • 新造人間キャシャーン
  • アルプスの少女ハイジ
  • ゼロテスター
  • 昆虫物語 新みなしごハッチ
  • 小さなバイキングビッケ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 破裏拳ポリマー
  • フランダースの犬
  • 母をたずねて三千里
  • アンデス少年ペペロの冒険
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ゴワッパー5 ゴーダム
  • ろぼっ子ビートン
  • あらいぐまラスカル
  • 合身戦隊メカンダーロボ
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • シートン動物記 くまの子ジャッキー
  • ヤッターマン
  • ペリーヌ物語
  • 闘将ダイモス
  • 未来少年コナン
  • とびだせ!マシーン飛竜
  • まんが日本昔ばなし
  • 宇宙魔神ダイケンゴー
  • 赤毛のアン
  • 科学忍者隊ガッチャマンⅡ
  • ザ・ウルトラマン
  • 宇宙大帝ゴッドシグマ
  • ルパン三世(TV第2シリーズ)
  • 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  • 銀河漂流バイファム
  • ママは小学4年生
  • GUNDAM EVOLVE 5
  •  |  富野作品感想 | 富野由悠季関連 | 井荻麟関連 | 富野情報 | 富野雑談 | レビュー | ブログ運営 | 日常話 | 未分類 | 給華文讀者 | Gのレコンギスタ | 
    Copyright(C) 2007All Rights Reserved. TOMINOSUKI / 富野愛好病
    Powered by FC2ブログ.
    template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.