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福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その1

2009/03/25 22:17|未分類TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その1
 先日、福井晴敏氏の最新小説『ガンダムユニコーン』について、こんな感想を書きました。

今日は読書日

(前略)はっきりいって、福井ファンがよくもこんなモノを面白いと思うなんて、本当不思議でした。ただただクドイ言い回しと形容表現に箸にも棒にも引っかからない心情描写を加えて、ありきたりのストーリー展開、テンプレに則る人物造型、ファンサービスのための連続のオマージュと懐かしいキャラ。そして何よりテンポが作ってない。こんなのがいいとは、非常に失礼なのですが、口が裂けても、とても言えません。

 そうしたら、福井ファンと思われる方から反論のコメントを頂きました。非公開コメントでご許可を頂いてないため、残念ながらここでは示せませんけど、大体の意味は福井氏への誹謗中傷はやめてくださいという話です。
 このコメントに対して、当時はこのような返答をしたのです。

コメントありがとうございます。この記事は感情任せで書いたものですから、批判はあるんだけれど、批評が含まれていないことについて、いまは反省しています。いまは、自分の意見をもっと具体的な形にして、「批評」っていう形にするように努力しています。

 この短い文章以外も、少し自分の意見を述べましたが、なんとかユニコーンに対する意見をもっと具体の話にできないだろうとここ数日がずっと考えて、そして考えた末にできたのが、今回の文章です。大要は前回コメント欄での返答はほとんど同じですが、もっときちんとした形にしたんで、もしこれを読んで私の意見を受け入れていただければ幸いです。


 『機動戦士ガンダムユニコーン』という小説は、いろんな問題があるけれども、ここでは書き手である福井が書いた内容そのものだけに絞っていきたいと思います。福井が富野ファンであるかどうか、ユニコーンはガンダムとして許せるかどうかみたいな話は、ここでは一切関係ありません。

 で、始筆する前に、先にこの文章に与えた前提は以下の四点です。

ストーリーを語らない
 物語の構造を触らないのは、まずこの話はまだ終わってないのが一番の理由。それに、ストーリーは作家が面白いだろうと思いついたものなんだから、別に良いも悪いもない。

テーマを語らない
 テーマを触らないのは、テーマは一作家が作品に与える本源みたいなものなので、否定できるかできないかのモノじゃない。もしソレを否定すると、作品自体も無意味になるから、作品を語る上にはこれを避けたい。

既存のガンダム作品との整合性を語らない
 ああいったものは一切触れるつもりが無いのは、まず自分がガンダムそのものに執着あるわけでもないし、ああいったガンダムの歴史はやっかいものだから、そういった批判はガノタの方たちに任せます。

スタイルを語らない
 作風を触らないのは、これも作家が持ってる固有的なものだから、好みはあるものの、好き嫌いだけで論じるつもりは無い。

 この四点を前提として、この小説の問題を以下の7点だけに絞ります。

1 説明と描写の問題
2 一段落の重さの分配とバランスの問題
3 会話を単独にしないで、段落の中に置くという問題
4 現実問題をそのまま話の中に置くという問題
5 ガンダム設定に頼りすぎる問題
6 言葉が不明瞭という問題
7 主人公をニュータイプする条件という問題


 あくまで自分が『ユニコーン』を読むに当たって感じた問題点ですから、もし何か反論やご意見があれば大歓迎です。どうかお気楽にコメントください。


1 説明と描写の問題
 福井氏の文章から一つだけ特徴を挙げるとすれば、それはおそらくその長文だろう。あの隅から隅までの徹底的書き尽くすような文章に惹かれてる人にとって、それが魅力的に違いません。
 しかし、この御仁の文章の描写には一つ問題があります。それは、描写をする時に設定しておいた目線の切り替えがとても曖昧で、また説明をする際に、よく目線不明な描写を使うのです。いわば描写と説明を混同することです。
 試しに、以下の文章を読んでください。

 エビか、ヤドカリの化け物といった体のモビルアーマーが身じろぎし、威嚇するかのごとく巨大なクローを前面に突き出す。いかな大通りであっても、このモビルアーマーがなにも壊さずに通れるということはない。その這いずったあとには焼け焦げた瓦礫の道が港まで続き、途中にはモビルスーツが爆発したことを示す大穴が開いていた。対峙したのもつかのま、意外な俊敏さで繰り出されたクローにビルを粉微塵にされ、《ジムⅢ》は砕け散った瓦礫とともに一ブロック先の交差点に後退した。
(中略)
 包囲される直前、モビルアーマーは後方に突き出すコンテナ・ブロックのシャッターを開放し、小型の物体を宙に打ち上げた。甲羅のように見えるコンテナ・ブロックから噴射煙がわき起こり、総計十個の物体が射出される。遠目にはミサイルに見えたそれは、射出されると同時に姿勢制御スラスターを噴かし、自らの推力で中空に浮遊してみせた。
 球皮の小さい気球と見える舞台の下部が三つ叉に開き、花弁のように咲いたユニットが鏡面を思わせる光沢を放つ。それぞれが意思あるもののごとく動き、モビルアーマーを取り巻いたレフレクター・ビットは、四方から撃ち放たれたビームの照射線上に素早く移動し、そのミラー・ユニットにメガ粒子弾を受け止めた。それは光を浴びた鏡と同様、高熱粒子の光弾を光の速度で反射し、直角に折れ曲がったビームをあらぬ方へと弾いた。
(中略)
「ビームを弾き返すのか……!?」
 隊長が理解したときには、生き残った部下が破れかぶれのビームを乱射し、はね返されたビームがさらに二機の《ジムⅢ》を撃ち砕いていた。爆発の照り返しを赤茶色の機体に浴び、モビルアーマーは平然と前進を再開する。巨大魚に群がる小魚さながら、併せて動いたレフレクター・ビットが中空で揺らめき、頭部と思わしき部位に刻まれたスリットの奥でモビルアーマーのモノアイが閃く。その目に人外の魔性を感じ取った隊長は、瞬間的に激発した。路上に降下し、ビームサーベルを引き抜くと、牽制のビームライフルを撃ち放ちつつモビルアーマーの懐に飛び込んでいった。
「こいつがぁ!」
 ビットの防御陣を突破し、内側に入り込みさえすれば勝機はある。ジグザグの軌道を描き、モビルアーマーに切りかかった隊長機は、それ以上に素早く動いたクローに先手を取られ、後退をかける間もなく鷲掴みにされた。身長に匹敵する大きさのクローに挟み込まれ、宙高く掲げられた《ジムⅢ》の機体が、人型のハンマーになって左右のビルに叩きつけられる。二度、三度と振り回された機体は、最後に逆さ落としの要領で地表に激突させられ、瞬間的には音速に達する衝撃が《ジムⅢ》の頭部をぺちゃんこにした。リニア・シートから投げ出された隊長も首の骨を折って即死したが、モビルアーマーには関心のないことだった。壊れた人形になった《ジムⅢ》を放り捨てたモビルアーマーは、両のクローをブルドーザーのシャベルよろしく振り上げ、行く手のビルを打ち壊しながら前進を続けた。


 以上の文章を読んで、いかがでしょうか? 一貫にして化け物として描かれてるこの《シャンブロ》の描写は、これじゃ怪物を描いてるか機械を描いてるのか分らなくなるのだが、まあそれはいいとして、この一見精彩には見える戦闘描写は、実は非常に重大な問題が潜んでいます。それはズバリ上に書いてある通り、いろんな視点をごちゃ混ぜしたのです。
 第1段で例えにすれば、「エビか~」はGMⅢパイロットたちの目線です。直接目撃したからです。対して、「いかな~」は神視点からの説明。どころが、「意外な俊敏さで~」はやはりGMⅢパイロットの目線に対するもの、「《ジムⅢ》は~」はまだ説明に戻ってる。つまり、一段だけでも3回も目線を切り替えた。
 最後の一段でもう一つのたとえにします。「リニア・シートから投げ出された隊長も首の骨を折って即死したが、モビルアーマーには関心のないことだった。壊れた人形になった《ジムⅢ》を放り捨てたモビルアーマーは、両のクローをブルドーザーのシャベルよろしく振り上げ、行く手のビルを打ち壊しながら前進を続けた。」というくだりには、合わない目線が同居しています。つまり、「即死」「モビルアーマー」「関心」は全部違う視点からのものにも関わらず、同じ一文のなかに置かれてる。それから、ジムⅢを「人形」と見なしている目線がないにも関わらず、単の比喩として「人形」という目線を含むべきだった言葉を使った。こういった問題はほかでもいくらでもありますから、どうか自分で探してください。
 ただ読むだけのなら、そりゃ日本語で書かれていますから、誰でも読めるのですし、内容が何を書いてるのも分るのですが、こういった目線のごちゃ混ぜは読者を混乱させ、描写と説明を曖昧するだけですので、できれば避けたいものです。ことに長文を駆使するような作家さんならなおさらです。


2 一段落の重さの分配とバランスの問題
 福井氏の文章から一つだけ特徴を挙げるとすれば、それはおそらくその長文だろう。あの隅から隅までの徹底的書き尽くすような文章に惹かれてる人にとって、それが魅力的な「綿密な語り」、「ディテールに富む描写」、「細部まで拘る福井節」なわけですが、逆にそれを好きじゃない人にとっては、冗長な文章に見えます。
 実際数えてみると、福井小説の1章あたりに、200字以上の段落は常に40~50%を占めている。それは長いと思うかどうかは個人の差もありますが、実際ガンダムエースの連載版を一度でも目を通したことあれば、確実に長いと思えるはずです。何故ならば、連載版のフォーマットは1行19字ですから、200字もあれば1段落は必ず10行を超えてますから、読むのに非常にクドイです。しかし、ここらへんは単行本のフォーマットにしちゃうと行数もだいたい半分になって、そのクドさも減軽させるんだろうから、ここらへんは実はあまり気にしていません。
 逆に、もっと気になるのはその長文ではなく、福井氏の文章の段落分けのバランス分配です。今、手持ちしてる文章を読む限り、その文章には一つのクセがあって、行数が近い段落は何故かよく連続に出てきます。
 試しに「重力の井戸の底で」③で例えしますと、「06:06」の箱のなか、その段落の行数はこういったものです:14、20、10、19、26、14、14、14、8、9、11、5、10、12、15、8、17、11、11、11、9、16、6。また、「08:44」では:4、15、16、7、12、10、11、11、11、11、12、14、4。ほかでも似たようなもの、とにかく行数近い同士が頻繁に出てきます。
 何故かこれが問題になるというと、それは、同じ長さ(重さ)の段落の連続は、文章のメリハリを悪くするからです。もっと簡単に言っちゃうと、テンポが悪いのです。これはそれほど大きい問題とは思えませんけど、この小さな欠点は『ユニコーン』という小説では頻繁に出てきますから、決して気にしなければ済むものではありません。おそらく福井氏の文章書いてる時のクセみたいなものだと思いますが、段落分けは書き手の書くテンポである同時に、読み手の読むテンポでもありますから、予めコントロールするのは可能ですし、コントロールする必要もあります。こういったクセもちゃんと文章に反応してくるから、気をつけなければいけません。


 書いてるうちに長い文章になってしまったので、3回に渡って掲載します。以下は続きです:

福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その2
■福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その3(執筆中)


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