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富野由悠季作品の系譜における『アベニールをさがして』の地位(その1 『∀ガンダム』との関係)

2009/02/02 12:22|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:1
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 小学生の従兄弟がウチに遊びに来てるため、なかなか更新する暇はなかったのですが、予告通り、『アベニールをさがして』について書きます。しかし、一度自分のノート書きを読み返してみたら、なかなかまとめきれない部分がありますので、そのため書きかけ程度でしかない部分もあるのですが、一応書いて、皆さんの意見を伺いたいです。もしご意見ありましたら是非コメントしてください。


 さて、この『アベニールをさがして』は、一言でいえば、バイストン・ウェル的なものガンダム的なものがドッキングしちゃったようなものだと思います。バイストン・ウェル的なものと、ガンダム的なものは一体どういうものなのかに聞かれても困ってますが、ここでは便宜的にガンダム的なものとバイストン・ウェル的なものをそれぞれ「現実と対応するもの」と「あるのですから、仕方がありませんみたいなもの」と規定して、詳細は後述します。

 まず、この作品一番特徴なのは、なんといってもその「交流」の部分にいます。交流は、もちろん工学・電力のあの交流ではなく、人と人がコミュニケーションを取る交流です。辞書を引くと、交流の定義は「異なる地域・組織・系統に属する人や文物が互いに行き来すること。」と書いてありますが、この作品はまさに様々な立場にいる人が、様々な言語を持って、様々なところに行って、様々な接触を果たす物語といえます。
 書名『アベニールをさがして』の通り、このはアベニールを探す話である。ミステリ風ってわけじゃありませんけど、話の進行はまさに一行がアベニールにまつわる様々な謎や今まで知らされていない事や現象を探しながら、自分を主張する形を取っています。
 最初日本にいる普通の日本高校生日向オノレ、サージェイのビジター笛吹慧、流れ者のアウトサイダーであるフール・ケア。三人が宇宙に上がった際捕まったコンラッド部隊の捕虜カレッカ・ゲイズ。宇宙で初めて接触したシャトル「キャロル」のクルー、スターバスター・プロジェクト成員のビックス・アケモや船長、副操縦士スェッソン・バスーンなど。フロント3の責任者ブッシェル・カッハ博士、ネフポ・フロント3駐留部隊のヨーゼフ・ペランダ大尉。極秘に宇宙に上がって笛吹らと交流するサージェイのスペース・クルーザー「ショウカク」の艦長槌田中佐、副官前嶋大尉、伊上軍医、可信技術大佐と笛吹の部下であるソン・ケージ、冷泉キョーコ両准尉。ほかには「フロント・フロンティア」にいるコスモ・クルツの教祖、後半分拉致の形で同行を強制された祈女(いのりめ)のアベニール。コロニー「スペースカルカッタ」のバー「カバスカバス」でストリッパーをやってるダンサーのアベニール(ここでわざと出身と身分を書いてる部分を注目してほしい)。
 ざっと数えてもこれだかあるメンバーが、みんな一つの船(キャロル→ショウカク)に乗って、時として反発し合う、時として協力し合う。しかも、皆互い自分と違う人に多少偏見や敵意を持ちながらも、その違いを容認し、あるいはそれを埋め合わせようとしている、あるいはソレを物事を円融的に進ませるために利用する。これほど積極的かつ自発的にコミュニケーションを取ろうとしているのは、今までのどの富野作品(小説にせよアニメにせよ)とも見かけない描写である。そして、この部分でこそ『∀ガンダム』ときちんと繋がっている部分です。

 『∀ガンダム』に関する監督である富野の発言のなか、一番気になるのは、なんといっても「平気でうそをつく人たち」に触発された部分にあります。この本と『∀』の関係について、富野はこういいました。

富野 そして「平気でうそをつく人たち」(編注)という本を読んで、人間というのはすべてを、個だけではなく組織自体が忘却するという心理的な側面をもっているというのがわかった。これまでのガンダムを全部事実だというふうに肯定してもいい。肯定したことも含めてすでにウソかもしれない。肯定するということ自体、それをする人にとって過去は、本当にあったのか、なかったのかということも全部疑問符をつけていいもんなんだってわかった瞬間、「∀」のというより、ロランやディアナ、キエルの物語をつくり出せたんです。
 そこで、こっちのファンは好きになるけれども、別のファンは嫌いになるだろう、というのも見えました。だから映画に戻った。正面切って僕の思っている映画的なものに落とすしかないなと。アニメだ、メカものだ、ガンダムものだというではなく。うっすらと“ガンダム記憶”をもっている人たちが、「うん、これでいいんだよね」と思える作品っていうのは、映画的な総論で見せるしかないと覚悟を決めていました。

 しかし、個人的は、そんな作品外部のガンダム記憶より劇中の黒歴史、黒歴史よりロランたちの振る舞いが気になります。というか、『∀ガンダム』はまさにウソツキたちの物語であります。
 考えてみてください。劇中のキャラたちは皆嘘を言ってます。ディアナとキエルはもちろん、ロランもローラ以外、身分を隠すわ話半分しか言ってないわなどの善意を持ってる悪事(?)を散々やっちゃってるし、ほかにはグエンやリリー、あるいはミランやアグリッパら上にいる人間なども、自分の立場で物事を多面から利用している。軍事勢力でいえば、イングレッサ・ミリシャもディアナ・カウンターも互いに自分の都合で行動を取っていながらも、その内部は決して一枚岩ではありません。あの人格者のハリーでさえキエルなどを利用している節があります。このように、こいつらは殆ど全員が自分の立場を熟知した上の行動を取っている。唯一の例外はソシエ嬢ちゃんだけ。こりゃ幸せになれないよね(ん?メシェー?メシェーはキスでボクウチュウフクキテナイくんを釣ったし)。その黒さは、決してほかの富野作品に劣れないと断言できます。
 でも、実際劇中で見た通り、このように嘘を言い合ったり、互いに利用しあったりする状況でも、人が決して黒くなりません。なぜならこのような交流は、大半は互いに承知して進む部分が、多く占めています。騙されてもかまいません、とか、利用されても平気、ではなくて、その騙され利用される現状を承知した上で、互いの関係を築くため、物事を進ませるために、意図的に乗る。また、人を騙すのも、人を利用しようのも、そのためである。その心はズルくても、決してダーティじゃありません。騙す、騙される、利用する、利用される。これら全部を含めて、「交流」といいます。『∀』でいえば、特に宇宙に上がってからは特に顕著になっている。ロラン、ソシエ、キエル、フラン、メシェー、グエン、リリ、ミハエル、ヤニー、シド、ラダラム、ヤコップ、ブルーノ、ジョン、エイムズなど、それぞれ自分固有の何かを持って宇宙と月で見たものを反応する。その反応は、時は皆にプラスの方向に働いてるが、時は逆に他人を邪魔する。でも、それも他人ができる範囲内で埋め合わせば済むこと。これこそ協力であり、交流でもある。
 あくまで予測ですが、もしかしたらこれこそ富野が『ターンエー』で本当に書きたかったものかもしれませんし、これがあるからこそ、白富野といえます。人が死ぬとか死なないとかと、関係ありません。そして、それを示した最初の作品は、『ターンエーガンダム』ではなく、この『アベニールをさがして』であります。


 いろんな人から違う部分を求める。これが、人のあり方であり、『アベニール』と『∀』が挙げてくれたテーマでもあります。『アベニール』と『∀』に似ている部分はほかにもありますが、その多くはアイデアと設定に関わるもので、長く書いちゃった今日ではとても書ききれないから、残りは明日で書きます。


 また、『平気でうそをつく人たち』と『∀ガンダム』についての関係は、このブログほか、下の二つの記事もオススメです。

囚人022の避難所
フィクション=「平気でうそをつく」=邪悪なもの??


ひびのたわごと
「忘れる」ということではなかった


 そうだ。このしばらく続く一連の記事は『アベニールをさがして』を読んだ人に向けて書かれるものですので、内容についてはできる限り書かないつもりですが、ネタバレになる部分も多いだろうから、未読あるいはこれから読みたい方でしたら、是非本書を読んでから、この記事を見るのをオススメします。


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#|2009/02/03(火) 00:43 [ 編集 ]
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