富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

TOMINOSUKI / 富野愛好病
http://kaito2198.blog43.fc2.com/

プロフィール

kaito2198

Author:kaito2198
台湾人。
ただのファンです。

twitterは@kaito2198です。

仕事やブログ関係のご連絡は
kaito2198@hotmail.comまでお願いします。

給華文圈之富野由悠季愛好者的一些話
關於本站文章的轉載聲明

富野監督関連資料一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

グーバーウォーク

宇宙世紀語り――『F91』の場合

2008/12/16 22:31|富野由悠季関連TRACKBACK:1COMMENT:7
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 宇宙世紀語り――『F91』の場合
関連記事
■宇宙世紀語り――『逆襲のシャア』と『閃光のハサウェイ』の場合
■宇宙世紀語り――『Vガンダム』の場合


 今日書いてる最中で気付いてたことですが、アニメはもちろん、実際富野は小説のなかでも、一度も宇宙世紀の時代順から離れてることはありません。小説でいえば、79-80年の1st、85-6年のZ、(原案のみの)86-7年のZZ、87-8年の逆シャア、89-90年のハサウェイ、91年のF91、93-4年のVという順番で、一度も時間順を飛ばしたことがありません。おそらく富野のなかでは、宇宙世紀というのは、いわゆるSFの年表的なやり方と違って、常に前進してゆく一つの世界観であるかもしれません。
 しかし、それでも例外があります。それは『ガイア・ギア』です。ガンダムシリーズの鬼子のこの作品は、唯一時代順から離れてる小説である。でも、内容はよく知りませんが、あとのF91-Vの時代ラインとはちょっと異なるらしいなので、おそらく書いてた当時の富野も将来はF91以降を書く羽目になることを予想しなかったかもしれません。
 でも、そんなの実はどうでもいいです。気になるのは、『ガイア・ギア』にはこのような小説の序があるかどうかということです。これに関しては身近には一人の達人がいますが、さすがに人頼りっぱなしするのもどうかと思いますので、今日はF91だけにします。


 生み育ててくれた母と父がいるならば、そこに戻るのが人でしょう。
 もちろん、その逆もあって、不幸な生立ちをもてば、両親を憎しみ忘れようともします。ときには、殺そうとも……。
 それも、父と母がいるから起ることですから、結局は、戻ることなのです。
 両親を賞賛し敬うのも、嫌悪し遺棄するのも、それを、家族という範囲で見るかぎり、個人の問題としてすませられることですが、世の中は、ひとつの家族だけでその暮しがなりたつわけではありません。
 ひとつの家庭のまわりには、その衣食住をまかなってくれる社会があり、生計をたてるために、両親たちがでてゆく社会があります。そして、そのなかで、ひとつの家庭が、子供を育てることができるのです。
 子供を育てるために大人が働く、というのとはちがいますし、家庭のために働く、というのも、働くために家庭がある、という理解もまちがっています。
 人の感性は、大変に柔軟性に富んでいるもので、本来、それらの事々を縦糸のようにつなげて考えることはしないものなのです。人は、ふんわりとそれら個々の問題をつつむように捉えて、日々の営みを行っているのです。
 生物が生きつづけるためには、子がいなければならないのですし、この子を生むために、生物は生長しなければならないのです。そして、餓死しないためには食べ、こごえ死にをしないためには衣類を着、生殖の場としての巣と子育てのための家が必要なのです。それおを拒否することは、生物として生まれたおのれを自らの手で抹殺するしかないのですが、それを思いつくのは人間だけなのです。ここに、知恵をもったことの決定的な矛盾があると嘆くのもまた人間だけです。
 考える頭を持ってしまった『人』は、このときから不幸を背負ったともいえましょう。生きることの問題点のかずかずを抽出して、それを論理の糸の上にのせて、その因果関係を考えるという知恵を身につけてしまったときかrあ、人は社会を複雑に織りこむことに専念した生物だということができます。
 それでいて、その考えかたは、瑣末な現象を理解することに駆使されて、大局と個のかかわりあい方を考える場合、基本を忘れて個の問題を正当化したり糾弾したりすることを恥じることなく行なうようになりました。
 ですから、全体として人間の行為をみるとき、支離滅裂なものの累積したものにみえることが往々にしてあるのです。
 そのような心と感性の上にのっとってつくられた人類の歴史が、旧世紀時代の人の進化の歴史だったといって良いでしょう。
 それはまちがっていたようだ。本来、人は、もっとふっくらとしたものでじゃなかったのか、と想像するようになったのは、この宇宙で唯一命を生むもの、地球が瀕死の病に犯されて、その再生も難しくなってからでした。
 人類は、種として英断をくだしたときがあったとすれば、この地球を救うために、地球を破壊しつくした自分たちが地球からはなれて、地球に一万年の安息の時間をあたえるべきである、と決断したときだったでしょう。
 その決断が国際連合でくだされて、それを実行にうつしたとき、世界中で膨大な抗争事件が起り、国家間、文化の違いによる地域間の大量虐殺事件も、枚挙にいとまがありませんでした。
 しかし、国際連合は、それを悲しむ心は安易なヒューマニズムであって、人の狭隘さの証明でしかなく、近代人のエゴイズムであると断定して、宇宙移民を強行しました。
 巨視的にみれば、そのときの国際連合の判断は、地球を汚染しつくした人類が当然支払うべき代償であったことは、まちがいありません。
 スペース・コロニー時代に足を踏みいれる決断をしたときの人類は、ようやくにして、大地にたいする謙虚さをもてたのです。
 しかし、人は、親があって子につづくものです。このときに起った惨事と栄光の双方の面から生まれた禍根は、宇宙時代(スペースエラ)に引き継がれてしまったのです。
 しかし、スペース・コロニーに人類の大半が居住して、ユニバーサル・センチュリーも一世紀あまりを過ぎれば、人類が宇宙に暮らせる習性を身につけられたことを、神に感謝をしても良いという考えもうまれました。
 地球にしか住めないと信じられていた人類が、宇宙に住めるポテンシャリティ(そのものが持つ内的力)を持っていたからです!
 しかし、スペース・コロニーが当然の世界の在りようと信じられるようになたときには、人は、また旧世紀時代に犯したと同じ過ちを犯すのです。
 なぜなら、人が生物である限り、親を忘れることができない宿命が為さしめることでありますから……。
 だから、ここに、新しい家の捏造も生まれるのです。

 その論理と結論の間の跳躍的思考を楽しんでください。これこそシャーマン的な発想。


コメント
ガイア・ギアには前書きも後書きもまったくありませんよ。
連載版でも序のようなものはありませんでしたね。
子犬 #HL3aOXhs|2008/12/17(水) 20:48 [ 編集 ]
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-19.html
機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー
アニメージュ 徳間書店
1987年5月号~1988年4月号(全12回)
*1:最初の文庫版のタイトルは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

ガイア・ギア
ニュータイプ 角川書店
1987年4月号~1991年12月号(全56回)
*1:第1~5回タイトル「機動戦士ガイア・ギア」

『ハイ・ストリーマー』の感想をそのうち書こうと思いながら、「こりゃあいったい…」と言いたくなるところがあって書けないままなのですが、指摘されてみれば、『ガイア・ギア』と並行して連載されていたんですね。
『ハイ・ストリーマー』のあとがきは、さすが富野ファンの私も目を覆いたくなる、いつにも増してグダグダの言い訳全開でしたが、
「『逆襲のシャア』版の映画化に平行して、そのストーリーを組み込みながらも『ハイ・ストリーマー』として、さらに継続する物語を想定しておりました。」
と書かれてありました。

当時のファンの心情としては、『逆襲のシャア』でアニメとしてのガンダムシリーズは、完全に終わったんだろうと思っていました。
この当時の富野監督にしても、かなり悩んでいた時期だったのかなぁと私は思います。
囚人022 #TJwDdEqg|2008/12/17(水) 21:14 [ 編集 ]
>子犬さん
そうでしたか。これがひょっとしたら富野のなかでは、『ガイア・ギア』はガンダムシリーズとあまり関係ない作品という傍証になるかもしれませんね。未読ですからなんともいえませんが、もしかしたらSF活劇として『アベニール』あたりに近いかも。

>囚人022さん
えっと、旧版のあとがきは読んだことないので、なんとも言えませんが、当時のファンのガンダムは『逆シャア』で一旦終わったんだろうなと想像できます。

で、もしかしたら『ガイア・ギア』もこの『ハイ・ストリーマー』も『閃光のハサウェイ』も富野が「ガンダム終わったあとの本当の自分のガンダム」を獲得するための一環ではないか、とあくまで邪推ではありますが思わずそう感じています。実際、曖昧な言い方ですが、この3作がともにどこかでワザとガンダムらしさを捨てるような雰囲気が感じ取れないわけでもないですから、『ガンダム』を捨てるじゃなくて、今までの『ガンダム』とガンダムファンを捨てることによって新しい何かを作る、というのは富野監督が『逆シャア』時代とそのしばらく後の摸索ではないかと思います。
kaito2198 #-|2008/12/17(水) 23:38 [ 編集 ]
長くなってしまったので、たまには私も写経しました。(笑)
でも、ここでのやりとり以前に旧版『ハイ・ストリーマー』の感想を書こうと思ったときに、この「あとがき」を全文載せるほうが、へたな感想よりいいのじゃないかということは思っていたので、背中を押された、という感じではあります。

どうせ写経するのであれば、読んでて目がうるうるしてくるような、いいことを書いてあるものを写したかったのですが、今度のはちょっと哀しい写経でした。

でも写経をしながら思ったのは、
>「ガンダム終わったあとの本当の自分のガンダム」を獲得するための一環ではないか
と、kaito2198さんが言われたとおりの洞察からもう一歩突っ込んで、「お前の俺ガンダムを誰が許すと言ったか」的な圧力があったのではないかという邪推でありました。

しかし今回は、ちょっと本当に辛かった…。
囚人022 #TJwDdEqg|2008/12/18(木) 21:24 [ 編集 ]
旧版は持っていませんので、とても助かりました。ありがとうございます。ブログの記事は拝読しましたが、一番面白い処というか、私自身が完全に見落としちゃったのは、この話実は連載モノなんです!ということです。つまり、方向修正は効く!ということですね。そうすると、やはり最後『逆シャア』として終わったのは富野監督にとって不本意でしょうね。

http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-205.html
これは2002年の新版巻末のインタビューですが、言ってることは概ね同じです。従って、あくまで私見ですが、そんなに痛いこともない…はずだと思いますね。
kaito2198 #-|2008/12/18(木) 22:22 [ 編集 ]
新版のあとがきはこちらに載っていたのですね。
改めて読み返して直感的に思ったのは、
「あ、この二つの違いこそが『平気でうそをつく人たち』なのかも!?」
http://dargol.blog3.fc2.com/blog-entry-2237.html
だったりしました。

おっしゃるとおり前篇も変なふうに面白い行きかたをしていたのに、途中で無残に潰れていってしまって、ほとんど跡形もなく「完」と打っておいて。
それで、「そんなの覚えてないですよ」っていうのは、本当に凄い。(笑)

概ね同じといいますか、まさに「平気でうそをつく」ことができるようになって、でもそれで富野監督、本当に良かったですね、という気持ちです。(皮肉な物言いではなく、タフになれた富野監督を心から祝福したい気持ち。)

とにかくこれで、私は『平気でうそをつく人たち』も新版『ハイ・ストリーマー』も買わなくちゃならなくなりました。(笑)
囚人022 #TJwDdEqg|2008/12/19(金) 00:45 [ 編集 ]
それゆえ、富野のガンダムはそれだけ迫真ですね。富野作品はどれも面白いですが、テーマを語るレベルに達するのは、やっぱりガンダムというジャンルだと思います。
kaito2198 #-|2008/12/19(金) 19:17 [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
 私の手元にあるのは「1988年3月15日初版」と奥付に書かれているアニメージュ文庫です。 TOMINOSUKI / 富野愛好病 宇宙世紀語り――『F91』の...
囚人022の避難所 2008/12/18(木) 02:19
トラックバックURLはこちら
http://kaito2198.blog43.fc2.com/tb.php/294-cbd69adf

ブログ内検索

なんとなく富野商品

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

まともに機能しなくてすみません。これからゆっくりペースで直します。

RSSフィード

FC2カウンター

富野監督作品一覧

  • 海のトリトン
  • しあわせの王子
  • 勇者ライディーン
  • ラ・セーヌの星
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 機動戦士ガンダム(劇場版)
  • 機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士編
  • 戦闘メカ ザブングル
  • 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
  • 伝説巨神イデオン・接触篇 -A CONTACT-
  • 伝説巨神イデオン・発動篇 -Be Invoked-
  • 聖戦士ダンバイン
  • ザブングル グラフィティ
  • 重戦機エルガイム
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士Vガンダム
  • 闇夜の時代劇 正体を見る
  • バイストンウェル物語 ガーゼィの翼
  • ブレンパワード
  • ∀ガンダム
  • 劇場版∀ガンダムⅠ 地球光
  • 劇場版∀ガンダムⅡ 月光蝶
  • OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-
  • 機動戦士ΖガンダムⅡ A New Translation -恋人たち-
  • リーンの翼
  • 機動戦士ΖガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-
  • RING OF GUNDAM
  • ガンダム Gのレコンギスタ
  • 富野参加作品一覧

  • 鉄腕アトム
  • 戦え!オスパー
  • リボンの騎士
  • 巨人の星
  • アニマル1
  • 夕やけ番長
  • 海底少年マリン
  • どろろ
  • 紅三四郎
  • 巨人の星対鉄腕アトム
  • おらぁグズラだど
  • 男一匹ガキ大将
  • ムーミン
  • シートン動物記
  • 赤き血のイレブン
  • アタックNo.1
  • あしたのジョー
  • 男ドアホウ!甲子園
  • 昆虫物語 みなしごハッチ
  • さすらいの太陽
  • 天才バカボン
  • ふしぎなメルモ
  • 新・オバケのQ太郎
  • 国松様のお通りだい
  • いなかっぺ大将
  • 正義を愛する者 月光仮面
  • アニメ・ドキュメント ミュンヘンのへの道
  • モンシェリCoCo
  • ハゼドン
  • ど根性ガエル
  • けろっこデメタン
  • ワンサくん
  • 山ねずみロッキーチャック
  • 侍ジャイアンツ
  • 新造人間キャシャーン
  • アルプスの少女ハイジ
  • ゼロテスター
  • 昆虫物語 新みなしごハッチ
  • 小さなバイキングビッケ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 破裏拳ポリマー
  • フランダースの犬
  • 母をたずねて三千里
  • アンデス少年ペペロの冒険
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ゴワッパー5 ゴーダム
  • ろぼっ子ビートン
  • あらいぐまラスカル
  • 合身戦隊メカンダーロボ
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • シートン動物記 くまの子ジャッキー
  • ヤッターマン
  • ペリーヌ物語
  • 闘将ダイモス
  • 未来少年コナン
  • とびだせ!マシーン飛竜
  • まんが日本昔ばなし
  • 宇宙魔神ダイケンゴー
  • 赤毛のアン
  • 科学忍者隊ガッチャマンⅡ
  • ザ・ウルトラマン
  • 宇宙大帝ゴッドシグマ
  • ルパン三世(TV第2シリーズ)
  • 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  • 銀河漂流バイファム
  • ママは小学4年生
  • GUNDAM EVOLVE 5
  •  |  富野作品感想 | 富野由悠季関連 | 井荻麟関連 | 富野情報 | 富野雑談 | レビュー | ブログ運営 | 日常話 | 未分類 | 給華文讀者 | Gのレコンギスタ | 
    Copyright(C) 2007All Rights Reserved. TOMINOSUKI / 富野愛好病
    Powered by FC2ブログ.
    template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.