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富野喜幸VS安彦良和(下)

2008/12/12 23:09|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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前回。今回はもちろんその続き。

安彦 日本人ってのは、ホンネに対する信仰が強すぎるのかもしれませんね。ホンネは、大変崇高で、哲学的なもので、シリアスだという考え方があるけど、向こうでいうホンネは、一番自分の好きな事とか、興味のある事とか、もっとフラットな事なんじゃないですか。
 話の成り行きで言わざるを得ないんだけど、そろそろ富野さんもゲリラの親分じゃいけないんじゃないかと(笑)。もう少し正直に作っていいよって客観情勢が出て来たわけだから、もうからめ手じゃなくて、割と真正面から応えるものづくりを、スタンバイして欲しいな、と思うんですが……。

富野 だけど、それは仕事に村する基本的な考え方の違いがあって、僕の場合はむしろ永遠にマイナーで、永遠にゲリラ屋の方が性に合っている部分があるし、そう簡単にはふっ切れないですよ。それと僕は、身体を動かしてないと何も出て来ないんです。まずキチンと出せるものがあれば、今カッコ良く身をひいてね、あとは好きなものだけ出していけるけど、やはりそういう状況はないと僕は思うし。これは『ガンダム』のテーマにもなったけど、僕の場合は生き残り論しか考えてませんから……安彦さんと違って、僕は直接的な表現方式ってのは持ってないから、与えられた場は最終的にそれを利用するという発想しか持ち得ないんです。

安彦 だけど、それはやっぱりアニメ・ディレクターという立場を卑屈に考えすぎてますよ(笑)。

富野 ただ、一般的にTVアニメのディレクターは、たえず仕事をやらなければ食っていけないから、仕事を好みで選ぶなんてとんでもない話で、とにかくやらなければいけないという状況が続いていたのは、経済的にも作り手の立場でも自転車操業になっていくTVアニメの現場というもののせいだったと思うんです。TVアニメの世界で、絵描きもの書き含めた上で、いわゆる”作家”という人たちが出て来なかったのは、それが集団作業だから、という事だけじゃないんです。仕事に対してのシビアーな、各スタッフの個性に対する突き詰めみたいなものが、ないからなんですね。

安彦 大変おこがましい言い方だけど、やはり皆さん処世術が下手だと思います。食わんがために仕事をやらなきぃけない、というのはわかるんだけど、ただそれで100%あきらめがつくってものでもないし、つけちゃいけないわけですよ。2歩前、3歩前の問題ばかりじゃなく、もう少し長い射程をもって考えたら、絶対ほかの処世の仕方って、あると思うんです。

富野 それは、安彦さんがいわゆる安彦キャラクターを持っているから言えるんですよ。実際にルーカスや実写の人たちは、つくり屋としては、生々としてマメでしょ。だから、アニメの演出家が絶対にまっとうにやっていけないかというと、そんな事はないと思うんですけど。

安彦 汚れ仕事を逃げておさまっている人と、すりへって疲れたなァっていう人と、極端なんですね。アニメできれいな仕事をしている人は、あくまできれいな仕事をしていると。やっぱり奇形的な世界って気がしますね。
 でも、よくスポンサーつき、局つきという事が言われるけど、小説家や劇画家、作曲家にしても、ニーズのない所で勝手にものを作ってるわけじゃないでしょ。だから、そういう所でアニメって、あまり特殊化したくはありませんね。

富野 僕だって、そう思います。たとえばスペシャルものの作品条件は、大変ゆるいわけです。だけど、過去のアニメスペシャルものの中で、名作といわれる作品の中に何があるか……本当にホンネ言っていいんだよ、好きに作りなさいと言われた時に、自分のスタイルなり方法なりを持ち合わせていないと駄目なんですよ。要するに”作家”の問題です。
 それより、ものを創るという事に関して言うと、僕はアニメだから、という考え方はしてませんし、所詮は作家性の問題ではないでしょうか。つまり、如何にものを創造(クリエイト)するか、という骨格論を、わかるかわからないかの問題でしかないと思いますね。究極的には、”奴はいったい何者なんだ”って突き詰けられた時に、”俺は俺だよ”って言えるか言えないかで、作家であることが決まると思います。やはりそういう意味での、オリジナル性を含めた自意識を持ちうるか持ちえないか、だけじゃないかよ……。

安彦 この前、ある人から仕事を持ちかけられたんですが、現場仕事はいいから、ホワイトカラーとして、ブレーンとして参加してくれないか、と言うんです。それ聞いて、いや、違うんだ、アニメを作ってる人間は、みんなブルーカラーなんだって答えたんです。全部が全部つくりごとの世界だから、自分も実作業者の一員として、物理的にもやって行かなかったら、最後のアガリまで責任持てないんです。だから、アニメの演出家不在だ、というので実写の監督を連れてきたところで、その人は実作業者になれない。これはその人の責任じゃないんですよ、わからないわけだから、やはり4年なり5年、あるいは10年ねりの経験をつまないと、原画の良し悪しや、撮出し……音の問題などわかってこないし、そういう事の絶対的なハンディを考えると、アニメのリーダー=作家は、アニメ屋の中からしか生まれないというのは、絶望的なくらいははっきり言えるんじゃないでしょうか。

富野 そうとしか言えないからなんですよね。
 これ以後のアニメを考えた場合、この10年ぐらいに発生しているビデオ文化を含めたトータルな映像文化における位置づけが、そろそろちょっと違ってきています。そして当時者としては、その辺まで見透かした上で、ものづくりをしなければいけないんです。日本のリミテッドアニメという世界中どこにもないジャンルが、将来どうなっていくかという先達者意識をもっと現場の人が持って、いろんな形での作り方をしていって欲しいですね。要求がなければフィルムなんか作れるわけないですから、もう局やスポンサーといったかくれミノを使うのは、やめていただきたい。本当の意味での”作家”が出なければならないんですよ。

安彦 それに関していうと、大変長い付き合いをしているアニメ好きの方が、イタリアを雑誌を訳して送ってくれたんです。それで面白かったのは、海外から見ると、日本のアニメ産業は、日産、トヨタじゃないけれど、かなり脅威になってるらしいです。日本には厖大な数のアニメ技術者がひしめいていて、圧倒的な生産基盤があるというのが、向こうの一般的な認識で、一体何をやらかすやら、と固唾を飲んでいるんですね。ところが、それに応えるような状況は、日本には何もないわけですよ。とめどもなく卑屈な精神しかない。よく我々は、アニメブームは現象だけで、浮かれちゃいけない、なんて言ってますが、もうちょっと大きなスケールで、自身をもって世の中変ってるんだなって認識を持って欲しいですね。

富野 ひょっとして世界の期待も日本に向けられているかもしれないから、これから10年、我々もまたがんばりましょうね(笑)、という所でおしまいにしましょうか。

―― どうも今日は、お忙しいところ有難うございました。御二人の今後の御活躍をファンの方々と共にお祈りしております。

          ~昭和55年7月8日高田馬場BⅠGBOXリーズルームにて収録~
          (司会/藤田純二、文責/キングレコード制作部)




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