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富野由悠季が描きたいファンタジーはどういうものなのか。何故バイストン・ウェルという形で表してるのか

2008/12/06 23:43|富野由悠季関連TRACKBACK:2COMMENT:4
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 まとまった話じゃないですが、一応書く。

 きっかけは子犬さんがお書きになったテラビシアにかける橋のレビューです。

ファンタジーってのは辛い現実から逃れるための手段であることは間違いないんだけど、
そこから現実を生きる力を得ようとせず、閉じこもって現実から逃げたままでは本末転倒。
そういったことに気がつかせてくれる。

そこでの体験(ぶっちゃけ「ごっこ遊び」の妄想なのだが)を現実世界にチャレンジする勇気に変えていく。
そういったファンタジーの持つ本来の力を感じさせられた。
富野には申し訳ないが、そういう点はバイストン・ウェルの物語よりも、
構成的にも上手くできていたと思う。

 個人はじつをいうと、あまりこの話が「ファンタジー」だと思わないのですが、このファンタジーの定義に大いに賛同しています。
 で、そこから浮かびあがる疑問があります。そもそも富野監督が考えっているファンタジーはナンなんだろう。何故バイストン・ウェルという形として世に出てるんだろう。

 いろいろファンタジーの定義を調べたいが、面倒くさいからやめた。が、富野監督にとって、自分の理想的なファンタジーは、おそらく一般的なエンターテイメントみたいなファンタジーじゃなかった。
 2005年12月のアニメージュ。

――本作は現代日本の問題意識が反映された硬派な内容ですね。

湯川(淳) 当初は王道のファンタジー、『ハリー・ポッター』とか『ロード・オブ・ザ・リング』のような方向を目指す、とかいってらしたのに……(笑)。

 ……という話ですが、そのなかの『ハリー・ポッター』は間違いなく現代商業ベースに走った物語だから、その内容は面白いけれども、実際あまり深いテーマとか思想を持っていない。単純に児童文学のエンターテイメントとして優秀なもの。で、『指輪』みたいなエピック・ファンタジーとかハイ・ファンタジーとか定義なんてどうでもいいけど、『HP』と比べて明らかにスケールも語る何かも上だったため、より大人の閲読が耐える物語となった。でも、まったくの異世界で異種の者が出てきて、正義と邪悪が魔法と剣で戦う物語なんかは、今でも王道だけども、離れすぎてる感じがないこともない。

 バイストン・ウェルをみると、いかにそれらみたいな正統から離れてるのに苦心するのが伺える(時間順から見れば明らかにおかしい記述だが)。
 1.魔法がない。剣と弓がメインの攻撃武器。火薬とか麻薬とか火器とか強獣とかオーラバトラーが出てるが、基本的に摩訶不思議な力が出てこない。代りにオーラ力(ちから!)があるが。
 2.神がない。宗教もない。世界や種族に階層や上下の関係はあるらしいが、基本的みんなが信じてるのはオーラ力(ちから!)。
 3.種族の分別はあるが、じっさいガロウ・ランとコモン人とチ・フェラリオだったらあまり差がない。やることは基本的同じ(セッ○ス)。
 4.日本人が出てくる。ショウも迫水もエミコもジョクもクリスも鈴木くんも日本人。ハーフは結構あるが、みんな日本人。

 ここまで書いて疲れたので、できるだけ短く書く。4はおそらく一番重要なもので、富野監督がバイストンウェルにおける一番描きたいものでもある。つまりバイストンウェル物語を通じて、日本人の心性を見つめるという、極めて壮大的である同時に、極めて限定的な理想でもある。
 心性を見つめるという、もちろん非常に壮大的なものですが、実際、ある時期まで、バイストンウェルという概念はニュータイプ、イデに続く人の意識というかあらゆる根源を考えるテーマとして、厳然に富野のなかには存在していた。現在はどう思うのは知らないが、『それがVガンダムだ!』のなかでは、

あの時点(注:『F91』の時)でいえば、一応サイボーグものに触っておくというのは、SFというジャンル論として面白いだろうという考えは、僕の中には明確にありました。僕は決して本格的にSF好きではなかったんですが、ミーハーなSF好きとしては、こういうものは面白いんじゃないかなという気持ちは持っていました。そういうことが、自分にとっても芸を広げることになるんじゃないかなとも思っていました。そうすると、『ガンダム』があって、サイボーグものがあって、バイストン・ウェルものがあて、という展開になるのです。

と、少なく2004年までは、依然にバイストンウェルを書くあるべきジャンルだと考えていた様子。NTとかイデはどっちかいうとSF調で語られているが、バイストン・ウェルはむしろ現代より後退してる閉鎖の世界に、新しい変化、つまり変革が入って、世界が変わりつつある形で語られている(その点ファウファウは例外だが)。
 では、何故限定なのかというと、富野監督にしては全人類ではなく、「日本人」に絞った話。入り口として日本人は有効なのかもしれませんが、ただの入口として作用するならば、最新のBW物語である『リーンの翼』は、明らか日本人向けの話になる必要はどこにもないです。じゃあ、何故日本人だからというと、それは富野監督が日本人だからだけでなく、日本人が明らかに世界中でも堕落している人ですから(ごめんなさい。富野監督のなかでは、とのことです)、という日本人を叩きなおしてやるみたいな意図も入っているじゃないかな。実際、小説であろうとアニメであろうと、再三現代人と日本人の甘さや限界を衝撃する事態が起こしてるあたりから見れば、これも間違いないと思う。
 最後、これは物語の構造論ですが、かならず二つの世界の行き来が見られる。どうしてかというより、どういう意味があるのかというと、一番先に考えられるのはジョセフ・キャンベルの神話論ですね。『千の顔をもつ英雄』か『神話の力』か忘れたけど、その旅程については詳しく説明してありますが、方便のため、松岡正剛氏の千夜千冊から引用

 キャンベルの功績はそのくらいにして、本書のテーマである英雄についてであるが、ルーカスが『スター・ウォーズ』に適用した世界の英雄伝説に共通している構造というのは、単純化すると次のような3段階になる。
 (1)「セパレーション」(分離・旅立ち)→(2)「イニシエーション」(通過儀礼)→(3)「リターン」(帰還)。

 英雄はまず、(1)日常世界から危険を冒してまでも、人為の遠く及ばぬ超自然的な領域に出掛けるのである。ついで(2)その出掛けた領域で超人的な力に遭遇し、あれこれの変転はあるものの、最後は決定的な勝利を収める。そして(3)英雄はかれに従う者たちに恩恵を授ける力をえて、この不思議な冒険から帰還する。

 これにフォローするのは、まさに『スター・ウォーズ』という安手のスペースオペラが成功するわけですが、物語論としては極めて単純なもので、バイストン・ウェル物語は、さらにその一歩を進んで、世界構造からこれの再現を企んでいるのが見えます。つまり、安手の王道成長物語に落ちないためにも、表現を高めてもっと深層なものを描くためにも、どうしでもバイストン・ウェルの舞台自体をそう設定しないわけにはいかない。松岡氏はさらにキャンベルの論をこういいましたが、

 キャンベルはまた、神の造形はあらゆる民族に共通する「欲求」にもとづいているという原理を提示し、どんな神の造形も解読可能であることを示した。さらには「神話の力」を現代に通じる言葉であらわした。すなわち、神話には集約すれば4つの力があって、それは、①存在の神秘を畏怖に高める力(これはルドルフ・オットーが「ヌミノーゼ」とよんだものに等しい)、②宇宙像によって知のしくみをまとめる力、③社会の秩序を支持し、共同体の個人を連動させる力、④人間の精神的豊かさに背景を与える力、というものである。

これは明らかにスターウォーズが詰め込んだモノなんかより遥かに深いモノで、バイストン・ウェル物語が意欲的に取り込んでる部分も結構見られるので、これはつまり富野がしたかったのは「神話の再現」だったからではなかろうか。
 だから、富野にとってファンタジーは、ただの別世界の原理に支配される物語ではなく、人類全体の心性に踏まれるものでなければいけない物語。そういう意味から見れば、NT、イデが先にあったため、結果的に尾を引く「壮大でなければならない物語」になったかもしれませんが、少なくともアイデアとしては、大変面白いものだと思ってます。






 と、ここまで書くと、前の文章がまったく意味がないと気付きましたが、せっかくだから消したくないから、このまま置いとく。結論は実際下の3点しかないのにね。

1:(BW世界と人に通じて)「変化」の「変革」と「変質」の両面性を描く。
2:(主人公に通じて)汚染された現代人の心性を洗いなおして、単純に生きるための気力と心構えを描く。
3:(物語全体の流れに通じて)神話の構造を描く。



コメント
丁寧に読んでいただいて恐縮です。赤面しながらキーボードをたたいていますw。

kaitoさんの記事のおかげで自分のブログを客観的に眺める事ができました。、、、、、、、、、ずいぶんいい加減に書いてるな オレww。特に記事のタイトルと中身が一致してないのはひどいw。

12月頭ぐらいからこのブログをチェックしてたのですが、「結構考えてることが被ってるな、kaitoさんの方が説得力があるしオレは撤退しちゃおうかな?オレの文章はなんか読みづらいし。(←さんざん偉そうな事を書いておきながら何たる無責任!)」って思ってTwitterに移行してました。ムラっ気がひどい人間なんです。
が、やる気が出ました。個人的に今年はとても身軽な年なのでwいろいろと勉強しながらブログを更新していきたいと思います。


で、本題ですが、
やはりバイストン・ウェルを定義するのはとても難しいですね。「ドラクエ以前にファンタジーを取り扱ったエポック」という評価が存在するようですが、やはり弱い。ここを一回解体してみたいです。
押井が『TVをつけたらやっていた』で
「・・・『ブレードランナー』に尽きる。これを超えるなんてこと自体がもう不可能に近い。というか、やっちゃたもん勝ちだからどうしようもない。ああいうエポックメイキングな作品と監督は、実は関わりがない。つまり、エポックメイキングな作品を作った監督=優れた監督というわけじゃないということ。」
と発言していて、まぁそれなりに真実ではあるんですが、(ファーストガンダム以外が認知されているかはともかく)エポックに肉迫してしまう御大将のファンとしてはココはスルー出来ないw。

漠然と考えていることですが、ドラクエ以降のRPGによって「異世界ファンタジー」と「行きて帰りし物語」の【都合のよい混同】が加速されたと考えています。その最も最悪な例が『十二国記』だと思います。
この現象をあらかじめ否定していたのがダンバインかと。自分は御大のこのような態度を【否認に拠るエポックメイキング】と呼んでいますw。
母性やら父権にはまったく興味がありませんが、『V』もこの系譜に属すると思います。


あと、福井の『王の心』への発言は勘違いでしたw
http://char.2log.net/archives/blog372.html
上原マリ男 #BejLOGbQ|2009/01/22(木) 03:31 [ 編集 ]
お久しぶりです。本当にご無沙汰ですよ。

どの記事もそれなり苦心して書いたんですが、正直説得力どころが、形さえなっていないものばかりなので(内容以前、文法が…)、お恥ずかしい限りです。もし少し説得力があるように見えるとしたら、それはひとえ上原さんの書き込みとブログ記事のおかげです。それらを読んで、大変触発されていたからこそ、少し論をまとめるようになった自覚は強烈ありますので、これについて本当にありがたいと思ってます。

>【否認に拠るエポックメイキング】
バイストンウェルシリーズの構造は本当に複雑ですし、どれもそれぞれの利点と欠点が互いにせめぎ合ってますから、正直まだはっきりとした考えが出てきませんけど、ドラクエのくだりを含めて、これからも考えてみたいと思います。個人の考えですが、『ファウファウ物語』のあとがきのあの奇妙な浮遊感を掴めば、何か得そうな感じはしますが…。

>王の心
そうですか。そうですよね、あの作品はあの人に合うわけないですね(書き手としての趣味が)。

実は今週に入ってようやくtwitterをはじまって、それで上原さんのコメント?を少し覗いてましたが、相変わらず響く話ばっかりです。なので、またブログで上原さんの記事を読めることに、本当に期待
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/01/22(木) 22:08 [ 編集 ]
いやホントw、自分は適当に書きすぎてると思います。書きなぐり、説明不足、ハッタリ、ぶっきらぼうなブログ&twitterなんで反省してます。kaitoさんが取り上げてくれた中にも「自分で読んでも意味不明w」な記事がたくさんあるので、少し自分でも補足して行きたいと思います。

>ファウファウ物語
物置を探してみます。
上原マリ男 #BejLOGbQ|2009/01/23(金) 05:34 [ 編集 ]
>ファウファウ物語
>物置を探してみます。
読後感は是非聞きたいです。
kaito2198 #L2WcHO2o|2009/01/25(日) 19:13 [ 編集 ]
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