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『イデオン・ライナーノート』から見る決してカリスマになれない富野喜幸

2008/11/26 00:23|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『イデオン・ライナーノート』から見る決してカリスマになれない富野喜幸

「偉そうなのよね。そういう語り口ってさ」
 これは長谷川プロデューサー。
「知ってます? 声優さんが6月だかにデモやったの? 10月からギャラが上がったんですよ」
「知ってるよ。起きて、万国の労働者。いいじゃないですか」
「そうです。小生も労働者。おたがいに裕福にならなけりゃ、アニメ界の進歩なんてありませんからね」
「亜阿子もそういってる。幼稚園に入れなくっちゃならないし」
「はい、はい。で、ね? わかるでしょ? 予算があって物を創っているってこと」
「承知してますよ。アマチュアじゃないんだから……いや、アマチュアならもっと予算がきびしいか?」
「だから、キャラクターの数、減りませんか? はじめの話と違うじゃないですか。ぜんぶ殺す、順々に整理するっていっていたでしょ? それがどうですか? ちっとも減りゃしない。10月からデモのおかげで声優のギャラ・アップで予算わくを超えてんですよ。なぜ、1度のアフレコに20人の声優がいるんです? ゲスト出てくりゃ数がふえますわな?」
「はい……キッチ・キッチン出して、まずかった? 鵜飼るみ子ちゃん好きなんだよね」
「そういう私事の好みが入るから……。殺してください。つぎつぎとね」
「そりゃ、はじめっからの予定です。殺します。コスモも殺しゃあいいんでしょ?」
「そうスよ。だいたい、おかしいんだ。なぜ、ギジェが生きてんです? シェリルとひっつくなんて……」
「その話、嫌いなの?」
「好きですよ」
「じゃあ、死なないじゃありませんか」
「ハルルは、もう出ないんでしょ?」
 と、形勢不利となるとまた話を変える。
「死んでませんから、出ます」
「なぜ、ダラムと心中させてやらなかったんです。ミスですよ。ミス!」
「ああ、やりたかったんだよね。心中道行きってのはね……30話代に入ったらつぎつぎとやるからさ……」
「えー、お話中……総監督」
「はい!」
 無精髭の石崎くんはこちらの具合いに構わずにちょっとひっかかることがあると聞きにくる。すごくまめな人なのね。
 こちらも、シビアー長谷川の追及を逃れるためにはたいへんに幸いと話にのる。
「このゲル結界の光のパターン、こんなもんでいいのでしょうかね」
 と、カット袋からつぎつぎと原画を持ち出して見せてくれる。
「あ、前の話での処理は……」
 こちらも、いかにも仕事にかかったぞってポーズをとると、さすが長谷川プロデューサーも口とがらせながらも引き退ってくれる。
 それを眼のすみで追いかけて、
「まかせる、まかせる。好きにやって、石崎くん」
「えー、ですが、総監督のイメージをいただいたほうがよろしいかと……」
「しつこいのね」
「はい」
「……ぼくにイメージがあると思うの?」
「ハ?……ご冗談を……」

どうですか、この愉快犯っぷりは。
共に自分を書く(描く)のに、
『だから僕は…』みたいな超真面目で一片の偽りも無い本を書いた一方、
こういうチャラチャラしたものをも書いてた。
一つは真面目で我慢強くて謙虚な演出家。もう一つはだらしなくていい加減な監督。
でも、どっちも富野喜幸という同じ人。
同時にこのまったく違った二面で自分を描けるその自己コントロールの良さと創作力に、
本当に脱帽するほかない。
でも、それゆえに、彼は決して世俗がいう「カリスマ」にはなれません。

上の文章を読んでいただいて、おそらく分かると思いますが、
世の中、どこにこんなにぶっちゃけ言うカリスマがいるのかしら?
世の中、どこにこのようなわざと自分を凡俗でバカと描くカリスマがいるのかしら?
確か富野の意図とおり。その内容は非常に面白い。
半分ウソ、半分真実を混ぜてるような語りで進むその書き方に、
読者たちはまるで本当の現場を知ったような錯覚に陥って、
その内容すべてを事実として受け入れてる。
その証明に、この連載は最初からフィクションと断ってるにも関わらず、
一旦妊娠話が出ると、大量な赤ちゃんのための物資が出版社に送られていた。
つまり、手法としてはたいへん成功でした。
しかし、内容が信じられるため、その作り上げたチャラチャラした印象も、
不本意ながら、その手法と共に、読者の心に届いた。
ある岡田斗司夫と唐沢俊一と池田憲章が出てたトークショーでは、
三人が口を揃ってこのようなことを言ってた。

池田:ぼくは、あの人が謎の人でいればね、もっと……(唐沢に遮断された)。
唐沢:それはありますね。あれだけカリスマを持った人間は、逆に「正体を見せない」という……。実際の声を聞いたことある人が少ないというのがありますね。
岡田:(ひたすら頷く)

でも、それがどうした?正体以上表してもいいじゃないか?
どうせ実際に実力あるし、別にその実を損することにはならないからいいじゃないか?
確かにそうです。が、もっと大きいな問題があります。
それが、そういうぶっちゃけ言いすぎ人間は、
商品として売るのに決定的に都合が悪いってこと

そう。確かに富野は実際のアニメの演出力がある。その言動も魅力がある。
でも、どれも売れるのに決定的な要素にはなれません
宣伝というのは、とどのつまり都合がいい部分だけ全力でプッシュして、
都合が悪い部分は全力で隠すというズル賢い大人のやり方。
(すみません、自分も今これをやってるが)
こういうやり方は、皆さんもご存知でしょうけど、富野の拳動と徹底的に相性が悪かった。
特に、あとはまた別の記事で紹介してるけど、
この連載の担当編集者はほかでもなく鈴木敏夫という人のため、
連載中、彼に徹底的に富野という素材を観察するチャンスをたっぷりくれました。
そして、富野のそのぶっちゃけ言いすぎる性格が仇になって、
鈴木に商品として失格と見なし、また別のターゲットを探しに行った。
それがもちろんパヤオのことである。
現に日テレビの物量攻撃にしか見えない宣伝の波に出てるパヤオは、
そりゃもうほとんど都合がいい面しか出てないよね。
彼をサンタみたいやさしい長者と思う人は、それはそれはもう一杯いるよ。
怒ってる場面が出てきても、それは求道者としての厳しさ。
不機嫌で八つ当たり(に近い)場面が出てきても、それは創作の苦しみ。
パヤオの今までの言動から見れば、彼自身はそれほどの修養があるとは思えないから、
こういう宣伝の仕方は、ひとえあの人・鈴木がコントロールしているのはほかない。


結局、岡田が言ってるのは正解かもしれません。
富野をうまくプロデュースする人はなかなく出てこなくて、
結局、富野をプロデュースするのも富野本人しかない。
つまり、富野の作品創りも富野本人のイメージも、
結局富野一人がコツコツで築き上げるものなんだ、と。
だから、何が言いたいのかというと、決して商品として売れないのが富野という人だから、
結局いつもいつも作品自身で勝負するしかない勝負師の宿命を背負うしかない。

でも、本音をいえば、やはり富野を売れる本当のプロデューサーに出てほしい。
素材自体は大変いいものだし、やりがいあるものだから。
(サンライズのP?あれは論外)



コメント
鈴木さんとはそんな縁があったんですね。
でも、『だから僕は…』も「超真面目で一片の偽りも無い本」とばかりは思えない節はありますよ。多面性があって実体がどこにあるのか分かりにくいというのは、カリスマかどうかは別にして魅力は感じます。カリスマというのはイメージを作られたキャラクターでしょうからねぇ・・・。
こんなふうにぶっちゃけた事を言っていても、人は勝手にいろんなイメージを監督に投影してくるだろうし。
「アニメ屋は黙ってアニメを作ってろ」みたいな空気はまだあった時代(そういう空気は今でもなくなったわけではない)で、それに反発はしなきゃいけないし、一方でアニメファンはアニメの現場の実体も知らないで勝手に夢を膨らませているし。
そういうものが全部見えちゃう人だったから、こういうふうにしかやれなかったんだろうなぁと私は思います。
囚人022 #TJwDdEqg|2008/11/26(水) 01:15 [ 編集 ]
イメージとか想像というのはそれほどやっかいなものですからね。このへんは僕がそういう時代の目線がかなり欠けているので、囚人022さんみたいな経験者がいて、本当によかったと思います。

ところが、囚人さんが仰ったその「思えない節」はどのへんなんでしょう?『イデオン・ライナーノート』の半端ふざける口調ではなく、事実をベースに赤裸々で自分の半生を語る分、かなり迫真だと思いますが(もっとも、「迫真」という言葉を使う時点すでにアレですが)。
kaito2198 #-|2008/11/26(水) 01:31 [ 編集 ]
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