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富野と『Wrong About Japan』と普遍性について

2008/05/12 20:43|未分類TRACKBACK:1COMMENT:2
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(注:一応前編の翻訳みたいなモノですが、日本語間違いだらけなので、
見なくてもいいと思います。習作のつもりで張ったんです。)

ずっと興味を持ってるが、最近ネットサーフィン(死語?)したら、
なんとこっちの書店でもこの本を入荷するらしい。今度買ってみようかな。
その前に、ちょっと読前感を書きたいと思います。
意外にも、日本のサイトにこの本に対するレビューはそれなりあるようですが、
今回は一応ひびのたわごとの子犬さんの翻訳を引用するだけ。
子犬さん、ありがとう(というか、無断引用だが...)。


この本の目玉はなんと言っても、富野に対する作者の愚直な問いかけなんでしょう:

「チャーリーと私はいつも機動戦士ガンダムを興味深く見ています。けれども私たちは絶えず私たちには欠けているもの・足りないものがあるのではないかと探してしまいます。日本の視聴者には明白なことであっても、我々には手の届かない何かがあるのではないでしょうか?」
富野氏は目を閉じ、「う~む」と長いこと唸ってから答えはじめた。
「実はあなたたちに足りないものなんてないんです。」ポールが通訳していく。「なぜなら富野氏は作品をつくるときにはそのようなものが全く存在しないように意識して作っているからです。例えば富野氏は民族性を持たせることを避けようとしましたし、多種多様な文化や価値観に基づくそれぞれの「常識」を、人類全体が共有しうる「一般的」「普遍的」なものに置き換えようとしたのです。」

ハァ?

「富野氏はなんらかの民族を特定しうる全ての要素を取り除こうとしたのです。」

この答えに対して、作者はさらにたたみかけて行く:

「おそらく、富野氏は『日本的な普遍性』のことを言っているのではないだろうか?」そう私は提言した。
富野氏は笑顔をうかべるほど和やかだった。
私はさらにしつこく言い寄った。「でも一度キャラクターが話し始めると・・・『日本語』を話し始めると、確実にその話し方自体が何か社会的な意味を伝えるはずではないですか?もしそうなら我々ガイジンにはそれを聞き取ることができません。キャラクターの声はその出身地や教育水準を示唆してはいないのですか?」
富野氏はさも私が何もわかっていないと言わんばかりに「ああぁ」とこぼした。。

「富野氏はこう考えています。」ポールが言った。「そのようにあなたが考えるのは国民性に対して関心を抱いているあなた自身の性格といったようなものではないでしょうか。富野氏に関しては、あなたがこだわるそのようなものを完全に排除しようとしました。富野氏は常にキャラクターを作る際には標準的に、普遍的に、そして地域や国家や民族を連想させないように心がけました。」

(引用はここまで)


ん...普遍性ね...
訓練された富野信者の身として、富野の言う「普遍性」を完全に理解してるつもりですが、
やはりガイジン親子の疑問と伝えたいニュアンスもなんとなくわかります。
監督は常に究極な普遍性を追求してるのも知ってますし、その努力も認めますが、
ここでも示すとおり、明らかにその描写の中で同質性を感じ取れない人もどうしでもいます。
そして、何故そんな短い文章の中ではあそこまですれ違ったのかというと、
一番大きいのはやはり文化の差異なんでしょう・
作者の日本に対する認識不足、あるいは自分が作った「日本」という幻像に囚われすぎのは、
間違いなく作者を偏った解読に導いたのです。
「モノを作る」の理想と現実、作品の「リアル」とは如何なるものか、
キャラの言語や背景、戦争の衝撃や武士道...などなど、
どれ一つも富野の考えとはまったく無いといいほど噛み合わない。
(まあ、富野の奇妙な社会論もその一役を買ってるが)

チャーリー少年の失望っぷりについては...
もしオレは小学生だったら、オレもガッカリと違わないが、
現実と理想の差はみんな一度味わったものなんだから、
きっと成長のいい糧になるでしょう。
社会的はもちろん、世間的にもそうですし、トミノ信者ならみんな経験したものよ。
(そうでなきゃトミノ信者なんて務まれないよw)
まあ、これも一つも境界線ですよ。
多くの人はここで挫折して普通の人になるが、
一旦ここを越えて、ますますトミノを止められなくなったら、
間違いなく、立派な信者の誕生ですよ。


一つ面白いのは、
日本のネット界でこの本に対する反応多くは:作者はちょっと考えすぎなんじゃないの?
なるほど、確か考えすぎかもしれません。
それでも、たとて作者の考え方は日本に対する幻想から立ち上がったものでも、
その思考はやはりなんらかの意味があると思います。
というのも、個人的はとてもじゃないが、
やはり大半の日本の方より欧米の入り方を分かるつもりです。
これこそ富野の言うカルチャーミックスだと自分が理解してるし、
それなり真面目でコレを考えて来たんです。

つまり、どういう話かというと、
いま我々が立ったこの位置、いま我々持ってるこの風土、
我々を最終的にいまのこの視点を獲得させるという考え方です。
加えて、富野は2007年のASIAGRAPHでこういう言いました:

「文化は発生地ではなく同心円状に発展した周辺にこそ残る。地方が中央を意識するからこそドーナツ化で残る」

こういう意味では、我々はまさにこういう文化の重ね合わせている地域にいるのです。

オレ自分でいえば、オレはかなり日本に偏った方と自他とも認めるつもりですが、
それでもオレみたいのも富野が理解できない視点を理解できるのは、
まさにその文化による影響だったんじゃないですか。
中国でも日本でも米国でもないが、でも同時にこの三国のなんらかのモノを持ってる国(風土)。
それは台湾。
道理で、富野は台湾の講演でこう言いました:

そういうものを満たす風土としては、台湾というのは、とても特異な経験をした土地であるために、そこから発信されるものが、ひとつの“指針”になっていくのではないかというふうに思っています。

台湾に住んでる身にとって、まさにこういうことなんですよ。





文化といえば、最近の某アニメを思い出した。
ここ1、2年その作品の盛況っぷりを見て、なんとなく違和感を持ってるんですが、
最近T口監督が雑誌やメディアの発言を見て、ようやく分かったんです。
「ああ、この人は文化が人に与える影響などをまったく意識せずに、
何もかも自分の才能だと思ってるんだ。」
もちろん、荒唐無稽(by手塚先生)の話をドラマまで作り上げるのは、
間違いなく優れる才能だと思うのですが、
自分はどうしてこういう立ち位置にいるのかまったく意識しないで、
オレ一人、自分自身独特な個性によってモノを作れると思うのは、
やはりなんかちょっと違うと思います。


これもオレが自分の立ち位置を考える中、ついでに思いついたものですが、
台湾という環境にいる人、ああいう描写はあまりにもほろ苦いんだ。
あまりにもほろ苦過ぎて、少し矜持がある人ならば作らないし、作れないと思う。
だって、虚構の中で現実を勝つにしようなんてあまりにも空しすぎてほろ苦いじゃないか。
ああいう政治的な統治の状況を見ると、いくら作品は虚構で楽しくて見れるが、
意識深層の中で自然に喚起する現実の環境との連想は、結局どうしでも避けられない。
これはこの土地、この環境で育たれた自分というモノで、否定しようには否定しきれない。
ですから、いくら大上段に構える描写にしても、自分の才能と錯覚するのは、
やはりおこましいだと思います。


結局、
普遍性を放棄して、色々仕掛けを仕掛けた時点から、押井守が言う通りになるのは自明の理:

「仕掛けて成功した作品もありますが、おそらくは仕掛けて成功した時点で終わってしまう。 詳しい方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば某スタジオで『コードギアス 反逆のルルーシュ』 を制作して、久々の大ヒットだと言われています。 でも、ぼくはそれでも3年以内に消滅するだろうと思います。仕掛けて成功した作品は、 仕掛けが有効なかぎりは成功するのですが、仕掛けの時期は10年、20年と続くわけではないからです」

押井監督はガンダムについて、認めてないところも色々ありますが、
それでも彼は『ガンダム』の普遍性を完全に認めたんです。
普遍性という要素を捨てる同時、
仕掛けて成功したことよりも大切なことも一緒に捨てられたと気づいてほしいですね。
コメント
まずはブログ開設おめでとうございます。
早速リンクを貼らせていただきました。

また拙訳を取り上げていただきありがとうございます。
今となってみれば直訳すぎて日本語としておかしい部分もあり、
自らの英語力・国語力の無さに恥ずかしい限りです。
外国語を翻訳するのは大変で、
その点日本語の読み書きにも堪能なkaito2198さんには頭が下がります。

私はコードギアスは見ていないのでなんともいえないのですが、
「普遍性」の点については、
同じ文化圏に属するものからは見えない視点で、
興味深く読ませていただきました。
また言葉の端々に富野に影響されたと思われる言葉遣いが散見されるのも興味深かったです。

逆にお伺いしてみたいなと思ったのは、
日本人の私にとっては非常に印象深かった「リーンの翼」の5話についてです。
この回では東京大空襲、原爆、沖縄戦などが登場し、
非常にメッセージ性の強い話になっています。
サコミズにも「リーンの翼は沖縄の命、大陸、半島からの命も吸った」と語らせていますが、
この話に共感できるのはこれら太平洋戦争時の話を共有知識として持つ日本人だからであり、
別の、文化、歴史、風土の人々には理解されないのではないかと思ったからです。
つまり「日本人の普遍性」にまとまってしまい、
世界的な「普遍性」は持ち得ないのではないかということです。
もしリーンの翼をご覧になっていらっしゃったら、
ぜひとも感想をお伺いしてみたいです。
子犬 #HL3aOXhs|2008/05/14(水) 23:19 [ 編集 ]
コメントありがとうございます。
こんな辺境の地にいらしてもらえるなんて、とても恐縮です。
こちらからもリンクさせていただきます。

リーンの翼の話は別のエントリーに書いてますから、
もしよろしければ、見に行ってください。
kaito2198 #-|2008/05/15(木) 23:06 [ 編集 ]
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kaito2198氏のエントリが面白かったので、トラバ オーバー ザ シー。 僕のブログは、女性向コードギアス感想サイトからもリンクをしていただいているっぽいので、ご紹介しマース。 (あ、今度相互リンクした方がいいのかな・・・?でも女性にいきなりっていうのは不躾で
「玖足手帖」(呶呶日日) 2008/05/14(水) 01:35
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