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ときめく1句(2)

2008/10/31 23:37|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
■ときめくの1句(1)
↑この続きです
■井荻麟作詞一覧
■富野由悠季と声優(富野に訊け2を出せ!)
↑これらも参照

もう5ヶ月前の記事なんですが、続きを書きます。
前の記事も参照して一緒に読んでください。


まずは、この二つから始まります。

で、それらの点を含めて、井荻作詞は一番優れるのは”ざっと心を触れさせる言葉”だと思います。つまり、1曲の詞のなかで、必ずほとんどと言っていいほど人を触れる1句が潜んでいる。そして、このピンポイントの能力こそ井荻作詞の最大特色であり、誰も代わることできない能力なんです(もちろん、全体としての詞の完成度も高いですが、一番井荻色が出るのはやはりそこにあると思います)。

「きっぱり感をなくす」というのは、
富野作品に出てくるキャラの声演技を聞けば分かると思いますが、
実をいうと、その「わざときっぱり感をなくす」という作り方は、
何も声演技の要求だけでなく、富野作品のあらゆる部分に存在している。
だから、コンテ職人だからコンテに作家性があるのではなく、
この「あらゆるもののきっぱり感をなくす」というところこそ、
富野由悠季という作家の作家性に宿るところだと思います。

二つとも僕自分が書いた記事ですが、その指摘してた部分は井荻研究には不可欠なものだと思います。
前回はもういくつかの具体例を挙げましたから、また読んでない方は先に読んでください。


さて、前編の説明不足の部分からしよう。
前の記事では井荻麟作詞は色んなバリエーションで出てると言ってるが、
そのとき書いたその形はこうなります。

作品の真のテーマ」:
これはテーマを作詞のなかに隠れるパターン。
早期はテーマ隠しのため使っている場合が多い。
例:『コスモスに君と』

富野由悠季という人の本音」:
作品と連動してる部分もあるが、一番感じさせられたのは富野という人の本音のパターン。
ガンダムの作詞の場合が多い。
例:『Ζ・刻をこえて』『STAND UP TO THE VICTORY~トゥ・ザ・ヴィクトリー』とか

作品の裏に潜む毒」:
毒というか、物語に潜むもう一つの視点と言えるかもしれません。
例:『カムヒア! ダイターン3』『セーリング フライ』とか

第0話」:
これは世界観作りの一環のために作詞を使ったパターン。
OPまたはEDの場合、オープニングやエンディング映像との連動がよく見れます。
例:『疾風ザブングル』『ダンバインとぶ』『キングゲイナー・オーバー!』とか


で、ほかの曲をも分析してみよう。
まずは『機動戦士ガンダム』の『翔べ! ガンダム』。

も、え、あ、が、れ  もえあがれ 燃え上がれ ガンダム
君よ 走れ

前も言いましたが、『ガンダム』、特にテレビ版は成長を促がすものなんだから、
この曲も一見ロボットアニメの王道でいながらも、きちんとその思いを込めている。
歌詞のなかには「君よ、走れ」があるのだが、これは決してガンダムに言ってることではなく、
「君」、つまり見てる観客たちに言ってること。
その唐突さはまさに前の言ってた「乱調」であり、話す対象の転換でもある。
「燃え上がれガンダム」は「テレビの前でロボットアニメを楽しむ観客」に話すのに対して、
「君よ、走れ」はズバリ「観客本人」に言ってること。


言うまでもなく、ガンダムの大命題は大体こういったものです:
1.男の自立(成長)→
2.ニュータイプ的な幻想(新しい時代への予感)→
3.人は支え合うこそ生きられる(未来の獲得)

それらは『ガンダム』、『ガンダム』劇場版で描いただけでなく、
井荻麟の作詞でも再三繰り返したのが見える。

たとえば、テレビ版の場合、
1に当たるのは『翔べ! ガンダム』『永遠にアムロ』で、
2は『きらめきのララァ』、
3は『いまはおやすみ』。
逆に『シャアが来る!』はどのへんにも当たらない。

で、劇場版の場合、
1に当たるのは『スターチルドレン』『風にひとりで』で、
2は『ビギニング』、
3は『めぐりあい』。
普通に考えれば、『哀 戦士』も1に当たるはずだが、
その視点は男を促すものではなく、逆に客観的戦場を描くものだがら、
実をいうと、微妙にガンダムのテーマからはみ出すといえなくもない。
(ただし、「匂い」は合致するのは言うまでも無かろう)

こういう視点からいけば、
『哀 戦士』に一番近いのは、もしかしたら『シャアが来る!』なのかもしれません。
だって同じく戦場を描くものだし、曲名なんかもシャアをつくが、
よく見てると一面的な描写だけでなく、対戦両方の視点も入っているから、
その性質はまさに『哀 戦士』そのもの。

また、上に挙げた3つの大命題と比べれば、
『砂の十字架』も実はどれに当てはまらないことが見れます。
もっと厳しいことをいうと、一見美しいけれど、実は何もいっていません。
というか曖昧すぎる。もちろん、この曲も「匂い」が合致するためフィットしたものだが、
この視点から見れば、『砂の十字架』の出来は決して満足できないものではありません。


さて、次は『THE IDEON A CONTACT』の『セーリング・フライ
この曲は井荻麟が初めて本格的に音楽ビジネスに参入した曲といえますが、
(これについて、また別の記事で)
その初めてとは思わせない表現の瑞々しさに、さすがに感服ほかならない。
誘惑的、禁断的、かつ肉感的な作詞は、特にこの一句に集中する。

忍び恋のように
スペース・ランナウェイ  スペース・ ランナウェイ

この曲、はっきりいって、ずばりセックスのことを言ってる。
異常に明るいといっていいほどの曲調に
肉感的な歌詞(「ばら色の唇」や「傷口をなめて」とか)という「生」が全曲に溢れている一歩、
「メフィストのくに」「狩人」でどこと暗示する「死」も纏っていてる。
つまり、曲のなか「生」と「死」が同時に存在していて、その交差点は最終的に「性」にいる。
だから、性の両面性を描くことによって、もっと高い視点を獲得する。
そういう意味では、『コスモスに君と』のような優しさを失った反面、
もっと大きな見せ方を引き換えたとはいえます。
(これは、間違いなく「画」の見せ方と関係あると思われる。
テレビ版は予算+打ち切りの関係とはいえ、
画面の見せ方は劇場版と比べると明らかに色々狭い。
代表的なのは最後の転生シーン。
このリメイクするたび画の見せ方もグレートアップする手法は『ガンダム』でも見られる)
あの逃亡は劇中ではどう見てもとてもとてもツライことなのに、
それを「忍び恋のように」という…その一見飛躍すぎる例えは、
実はちゃんとイデオンの根源のテーマを突き止めたといえる。


接触編に続いて、『THE IDEON BE INVOKED』の『海に陽に』ですが、
この曲は劇中に使われていないため、その検証は難しい。
ただ、はっきりいえるのは、
『海に陽に』の歌詞のなかの色遣いはまさしく発動編のエンディングの色なんだから、
もしかしたら元々『セーリング・フライ』と同じくエンディングで使われる予定だったのに、
結局画のイメージ合わないため、使われなかったのかもしれません。


ザブングル~エルガイムまで、作品ごとまったく新しい世界観を打ち出したから、
その作詞も世界観作りに偏重してる。
たとえば『戦闘メカ ザブングル』の『疾風ザブングル』。

ここは地の果て 流されて 俺

これはザブングルの世界観を括ったインパクトある作詞ですが、
『ガンダム』の時と違って、こっちは一人称を使っている。つまり完全な劇中目線。
こういう第1話を見る以前、この世界観をオープニングと歌詞で伝えようとしているのが、
この時期の井荻作詞の特徴である。

同じ機能の作詞は『聖戦士ダンバイン』の『ダンバイン飛ぶ』でも見られる。

オーラロードが開かれた

この曲の歌詞はザブングルより優れるというのは、「オーラロード」という独自な名詞を打ち出すこと。
「オーラロード」。それはすべての物語のはじまりであり、一種の視点転換でもある。
元々異世界ものを描写する難しさというのは、
視点を元の世界から異世界に転換するには多大な力と尺が必要だが、
このダンバインに関しては、オープニングと歌詞だけでその視点の転換を解決したといえる。
オープニングの世界観描写については、↓の記事に参考してください。
■富野作品のオープニング、エンディングと絵コンテ(3)
そして歌詞では、その異世界の異質感を「オーラロード」という言葉に封じ込めることによって、
あらゆる描写を完璧に省略することができた。
そして、その異質感を最初から全面打ち出したおかげで、
後ろが付いてる歌詞もまた違う質感を獲得して、その描写は陳腐に落ちなかった。
これに関しては、もし分からない人がいれば、
翌年の『ガリアン』のオープニングと歌詞を比べてください。
同じく異世界ものというか、『ダンバイン』より徹底的に異世界っぽさを打ち出したのに、
その段取りが足りないため、歌詞もオープニングもひどく無意味にしか聞こえません。
(『ガリアン』ファンに申し訳ないが、それだけ全面的な描写が難しいと言いたいだけです)


あと、『ダンバイン飛ぶ』のこの部分が、
富野の破調というか乱調という特徴を一番出してるところは、もう前で語った通りです。

恐れるな 俺の心
悲しむな 俺の闘志




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