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富野のZとZZでの役割(下)

2008/10/28 21:44|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
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■富野のZとZZでの役割(上)


前回はZの特異性について語ってしまったが、
今回はZZについて話したいと思います。
が、その前に、二つの発言を見て欲しい。

これは『映像の原則』のあとがきの部分です。

(前略)総監督時代には、ほとんどのコンテを書き直した経歴をもちます。しかし、ぼくがコンテの半分以上を書き直しても、タイトル・テロップに名前を記載させなかったのは、当事者であるスタッフには励みをと考えていたのですが、今になって、それはあまやかしていただけではなかったのか、と反省をしています。

明確に自分がコンテを書き直しても、クレジットしないことを言ってきました。
また逆に言うと、クレジットは富野の名前であれば、
それは必ず初めから自分が手がけたコンテということともとれます



一歩、これは平成極楽オタク談義リスタートのなか、池田憲章さんの発言。

富野さんはある時期もう構えを作ることが仕事みたいなことになって、
ディテールというのはね、意外と緩く作ってた。
それはあの人はな、オレが総監督として才能がある人だと思ってる。

構え、つまり世界観、大まかなストーリーの流れなどっていうこと。
普通ならば原作者のアイデア、富野の場合は富野メモに当たるものだが、
ここでいう「構えを作る自体が仕事」というのは、若手育成のニュアンスも含んでいる。


で、この二つの発言を、以下のコンテ・脚本参加表と対照して見れば、より鮮明になります。

ガンダム:脚本1本、コンテ26本(43話
イデオン:コンテ14本(39話
ザブングル:コンテ5本(50話
ダンバイン:脚本1本、コンテ5本(49話
エルガイム:コンテ5本(54本
Zガンダム:脚本22本、コンテ7本(50話
ガンダムZZ:脚本2本、コンテ22本(47話
Vガンダム:脚本2本、コンテ5本(51話
ブレンパワード:脚本10本、コンテ5本(26話
∀ガンダム:脚本1本、コンテ23本(50話
(構成も脚本に含む)

御覧の通り、ガンダム・イデオンの時のコンテ数はまだ軽く3分の1を超えるのに、
ザブングルになると、今度一気に10分の1まで落ちた。
そしてこのクレジット・コンテが少ない状態はVまで続いて、
ブレンパワードに経って、今度は∀でまた半分近いに回復した。
これは何故かというと、つまり上の富野の発言したとおり、心境の改変、
つまりもうスタッフを甘やかさないために、自らのやり方も代り始めたということです。
この心境の転換は白富野時代とダブるのはまた面白いことですが、ここでは言いません。
脚本とコンテだけに注目する。
つまり、上の『ザブングル』~『Vガンダム』の時期のなか、
Zの脚本とZZのコンテはやはり異例ということが分かる。
で、Zの脚本は前回ですでに語ったから、今度はZZのコンテに考えてみたい。


さて、富野がZZを参与する程度は他の作品に比べて少なめってのは、どうやら本当らしい。
富野メモはZと比べて少なかったし、そのノベライズも書いていなかった。
さらに富野自身が「ZZは遠藤くんの作品」と何度も発言したから、
おそらく元々シャアが出る話は富野が作ってたけど、
シャアが出ないと決定した後のZZの話は、もうほとんど全部が遠藤に任せて、
富野自分がそのシャアが登場する話(つまり逆シャア)を練り直していたのであろう。
しかし、それは果たしてZZは富野の作品ではありませんと意味するのか?
決してそうではありません。


この時期のZを除いたほかの作品と比べれば、
一つ大きな違いがあります。それは前は何度も言った異例のコンテ数。
では、何故こんなに多かったのかというと、それは必要だからです
何が必要?それは作品をコントロールするため。
つまり、構成(物語の流れ)はもうすでに他人に譲ったけど、
自分が原作者であり、総監督でもある以上、
物語を自分の手に抑えるためには、もう一手段しか残ってません。
それは:あえて脚本からでなく、コンテ段階で話を修正するという形を取っている。
こういう方法論は、富野作品のなかでもZZでしか見れない、極めて特異なものでした。
逆にいうと、ザブングルもダンバインもエルガイムもVも、
世界観や流れはしっかり富野の意向を沿ったから、
わざわざ富野自身がコンテを描く必要もありませんでした。


ある人は「待て、でもほかの作品だって富野にコンテを書き直されたじゃないか」と
疑問を持てるかもしれんが、それは違います。
他人の手によって描いたコンテを直すのと、自分がコンテを描くのは、決定的に違います。
どういうことかというと、
コンテというのは脚本で示した流れに沿って、映像の実際の並び方を示す
いわば設計図なものなので、コンテマンに左右されるところが非常に大きいってのが特徴。
同じ脚本でも、他人と同じコンテが描ける人は絶対にいません。
だからこそ、仮にコンテマンが描いたコンテは総監督に書き直されたとしても、
そのコンテはすでに総監督自身が一から描くものと違います。
だって、一度出来上がったコンテは、全部廃棄して新しいものを描かない限り、
最後仕上げたものはどんなに優れたコンテであれ、必ず前のコンテの面影が残ります。
その面影はセリフかもしれませんし、演技のクセかもしれませんし、
場合によって話の運びも残せたかもしれませんけど、
とにかく完成したものは必ず「元のコンテマンのコンテ+α」だということです。
(その「+α」が気に入りませんのなら、
「スーパーコンテ」「コンテver.2」でもなんでもいいです。とにかくそういう意味です)

図解にすると、こうなります。

他人のコンテを富野が書き直す場合
(脚本の流れを沿った)他人のコンテから書き直したコンテ

富野コンテの場合
直接脚本から仕上げたコンテ

どっちの物語に対する制御性が強いのは、まちろん言うまでもありません。



つまり、ZZの話の構造は最後にこうなったのである。

(上位)
原作 富野
プロット、構成 富野(全体の大まかの話、ただし修正前)→遠藤(修正後)
脚本 遠藤
コンテ 富野
(下位)

こういうサンドイッチみたいなやり方は、富野作品の中では非常に少ないのです。
何故かというと、構成を固めてきた後でも脚本に口を出す、コンテに手を出すのが
富野の一般のやり方だが、
こういう脚本をタッチしてないやり方ってのは、確かに例外といえます。
もちろん、富野が影響を受けてた人のなか、原作や脚本からではなく、
コンテでコントロールする演出家は、確かに一人がいます。
出崎統です。
この点、出崎監督の演出論にも関係あるのですが、
特筆すべきなのは、彼の監督作品は原作ものが多いため、
もし作品全体を自分の手でコントロールしようとすれば、
どうしてもアニメ特有のコンテと演出に進まねばなりません。
そういう原作ものの出崎だから、コンテや演出の業師に特化したわけと言えます。
こういった点から見ても、出崎式の作風は間違いなく富野にも影響を与えたに違いない。
(でも、富野は原作者というもう一つの可能性を取ったから、完全に出崎式でもありません)


で、ZZ以外でも、こういう富野メモで脚本を修正せずコンテでやるケースは、稀にいます。
Vガンダムの時です。以下はAの証言:

富野さんは「脚本を一言も変えずに、コンテを切ってみせる」と言ってたらしい。僕らが、そんなところに情熱をもやしてどうするんだ、と思うようなことまでやっていた。

つまり、非常に少ないけれど、確か富野監督が持っている一手法だということが確実です。
しかし、何故ZZにだけこういう手法を取ったのか?
憎いガンダムの続編をやりたくないからか?逆シャアを作るためなのか?
この点について、未だに考えていますから、
心当たりある方、一緒にZZの謎について当ててみましょうよ^^


だから、この長文の末、個人なりに導き出した結論は、
ほかの作品ほどではないしろ、ZZもまさしく富野由悠季の作品であること。
この結論はいったいどういう意味があるかというと、
それは、一見陳腐でガンダムらしくないし富野らしくもないZZは、
実はまったく別の方法論によって作られた作品である。
それに、そういうコンテしかやらない点から言えば、
もしかしたら「さすらいのコンテマン」時期に近いかもしれませんね。

だから、もしこの記事を読んでくださった後、umikazeさんみたいに、
もう一度ZZを丁寧に見直したら、きっと何か新しい発見が見つけます。
その作風も演出も決して投げやりじゃないことは保障します。



とはいえ、僕自身もまさにZZを見直したくない一人なんですから、
なおかつ自分を説得する必要があるのだからね。


コメント
私はZZとVガンは、宮崎駿の『未来少年コナン』を意識した少年の冒険活劇を目指した作品じゃないかな、と思っていて、物語よりもアニメとしての演出に注力してるというのもそういうことだったりしないかなーと、おぼろに思ってみたりします。
今、Vガンの小説を読んでいて思うのは、そこの両立が上手くいっていない“ちぐはぐさ”だったりしなくもないですが…。
囚人022 #TJwDdEqg|2008/10/30(木) 21:47 [ 編集 ]
比べたこと一度もありませんので、こういわれてもいまいち困惑してるのが正直なところです。が、言いたいことは分かります。Vは最後紛れなく富野式の物語に落ち着いたとはいえ、最初は間違いなくそういう感触がありましたよね。ZZについては、自分で見直すか、Umikazeさんのレビューを見てから比較するつもりです。

とまあ、物語は置いといて、単純にZZの作り方はほかの作品と大きく離れているっていうのは、この記事の意図です。
kaito2198 #-|2008/10/31(金) 01:07 [ 編集 ]
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