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富野由悠季と声優(富野に訊け2を出せ!)

2008/10/10 22:12|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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また金魚とパヤオとの戦いに戻りますので、
たまにこうやって富野考えをしてくれないと、
頭おかしくなりそう。

というわけで、単行本「富野に訊け」の中の一編です。
悩み自体は青少年ありがちな夢なので、
答えも道理で「地道にやるしかない」といったものだが、
実はこの答えには富野の声優についての考え方を説明している。
ひょっとしたら、これが富野の声優の好みや選ぶ方について、
一番詳しいものなんじゃないのかなほどな発言ですので、
ここで載せます。

Q.19
声優と俳優、とちかがなりやすいのでしょう?
岡山県 カイザーさん

 私は将来、声優になろうと思っているのですが、俳優と声優の違いって何なのですか? 声優の方がなりやすいということとかもあるんでしょうか?
 また富野監督が声優を選ぶときに、いちばんポイントにしていることは何ですか?

A.
テクニック的に違いがあっても、
どっちらも高度な技術を要する仕事。
憧れを実現させるためには日頃の努力が大切!


 まず僕が声優を選ぶ時のポイントは、作品のキャラクターに合った声を持っている、もしくは演技をすることができる人を選んでいるだけです。そして、他の演出家の考え方は知りませんが、僕の中では「声優、役者という区切りつけずにキャスティング」をするように心がけています。
 その中でも特に気をつけているのは、これからの成長が期待できる人を見つける努力をしていることでしょうか。それは僕のような年寄りの任務でもあると考えています。また、僕自身にとって重要なことなのですが、「他人を見る目を訓練する」ために、若い人たちに手伝ってもらって、自分の勉強にしているということでもあるのです。
 あと、声優さんたちだけでキチンとまとまった作品は、きっぱりと音声がまとまっている印象の作品になるのですが、一方で声優さんの中に半分くらい舞台やテレビで「顔見せ」をやっている役者たちを入れると、そのきっぱり感がなくなり、ちょっとバランスの悪い印象になります。僕の場合は後者のパターンのほうが好きなので、むしろまとまった感じにはしたくないのです。声優だけでやりますと、確かに聞きやすいのですが、物語というものはそんなにきちんとしたものではないはずで、それが面白いものだと思いますから、作品全体が、何かグジュグジュしているような感じが出るようにしています。それが作品の中で「味」になる、ということもありますからね。
 さて、声優と俳優とどちらがなりやすいか、という話ですが、これはもうケースバイケース、と申し上げるほかありません。なりやすいとは言い難いですが、「絶対になれないのか」と言われれば、そうでもありません。
 声優と俳優という職業は、基本的に「演技をする」という点において同じものだと考えています。しかし、全身を見せて演技をする演技論と声だけで演じる演技論の中に、どうしても違いが出てくる部分があります。顔見せならぬ「声見せ」という演技論も、なきにしもあらずなんです。それはアフレコの際、はじめに設定されたセリフの長さに、何としても当てはめなくてはならない技術が必要とされる、ということです。顔見せの演技者である役者さんは、自分の動きやタイミングに合わせて演技をしますので、自分の演技を外から与えられた呎(映像作品の長さ)の中にはめる必要がありません。ですから、それができるかできないかで、アテレコが得意な人、不得意な人が出てきます。それが上手な人のほうが、声優というものに向いているのでしょう。この技術を習得することは、とても難しいことなのです。一方で、どんなに声の演技が上手くてもフリーな顔見せの演技は苦手、という人もいます。考えてみれば、ある感情を表現するのに「自由に演じてみろ」お言われた時、「自由に」ということは実は何もガイドがないということです。その分、とても難しいわけです。
 あと、俳優の場合は、とにかく見栄えで何とかなる部分もあるからです。どんなに個性的な体格や風貌でも、ある作品のキャラクターには当てはまることがあって、だからこそあの黒澤明監督ですら、自らの映画に素人を使ったのです。声優の場合厳しいのは、見栄えは関係なく全てが演技ひとつで片付けられてしまうことです。もっとも『機動戦士ガンダム』がいい例なのですが、年齢に関係なく、何歳になっても同じ役を演じることができるという利点もあります。
 ですから、あなたが一体どういうふうな役者、もしくは声優になりたいのか、という目標を定めているかが問題になります。簡単に自分の素のままで演じることができる、とは思わないでください。本気になって声優、もしくは俳優になりたいのなら、まず「他人を演じる」「感情を人に伝える」ということを日常の中で自己訓練していくべきです。
 残念ながら世の中はとても厳しいので、その才能を認めてくれる人と出会える運を持っていないと、絶対に俳優にも声優にもなれません。ならどうすればいいか? その方法は、あなたが一生懸命勉強するなかで目に付いてくれるはずです。たとえば、雑誌に掲載されている専門学校の広告やタレント募集記事などに目をつけて、いろいろと参加ししいくのも大事なことです。実際採用がなかったとしても、「こういう人を使いたい」と思っている人と出会える可能性が高まるわけですから、そういった日常の勉強の中のチャンスは自分で見つけていくしかないのです。
 あと、俳優や声優は憧れだけでは務まらないことにも気をつけてください。声の劣化がないように、声優さんは皆さん各自でいろんな努力をされています。それは「自分を律する」ということです。声優に限らず、たとえばSMAPにしたってあれだけの仕事をこなしているのは、人生の中でそれなりの犠牲を払っているということです、人気商売っていうのは、そういう側面があることを覚えておいてください。あなたが考えているほと、芸能人、ラクじゃありませんよ!

俳優や声優は、自分を律して
いろんな努力を行っている。
人気商売は決してラクじゃない!

…なんだか耳が痛くなるのですが、
その声優の部分に注目したい。


まとめにすると、ポイントはこれらです:
1.作品のキャラクターに合った声を持っている、もしくは演技をすることができる人
2.これからの成長が期待できる人
3.声優さんの中に半分くらい「顔見せ」の役者たちを入れさせて、きっぱり感をなくす

1はもう基本条件で、
おそらくほとんどの監督や音響監督はこれを原則としてやっていけると思います。

2というポイントで人を選ぶのは、たぶんそんなにいません。
これは声優本人の資質や努力、あと演技指導などにも関係しているが、
一部の声優さんは何作経っても、何キャラの声を当たっても、
まったく同じにしか聞こえませんことも多い。
(こういうとき、えげつない商売をしている場合は多いだと思うが…)
その点、富野作品を参加した声優がよく演技を身につけてたといわれている。
表現力が増した、演技の幅が増えたとかの例、たぶん挙げるまでも無いでしょう。
もちろん声優本人の努力や音響監督などの要素も無視できませんが、
富野が要求するもの、あるいはその秘めた才能を導き出す指導も大きいなのでは、
といった部分も一緒に考えなくては。

で、本題は3。
その「きっぱり感をなくす」というのは、
富野作品に出てくるキャラの声演技を聞けば分かると思いますが、
実をいうと、その「わざときっぱり感をなくす」という作り方は、
何も声演技の要求だけでなく、富野作品のあらゆる部分に存在している。
だから、コンテ職人だからコンテに作家性があるのではなく、
この「あらゆるもののきっぱり感をなくす」というところこそ、
富野由悠季という作家の作家性に宿るところだと思います。


作詞で例えよう。
まずこの記事を読んでください。

■ときめくの1句(1)

自分の言葉を引用するのは恐縮だが、コレ↓

井荻作詞は一番優れるのは”ざっと心を触れさせる言葉”だと思います。つまり、1曲の詞のなかで、必ずほとんどと言っていいほど人を触れる1句が潜んでいる。そして、このピンポイントの能力こそ井荻作詞の最大特色であり、誰も代わることできない能力なんです(もちろん、全体としての詞の完成度も高いですが、一番井荻色が出るのはやはりそこにあると思います)。

で、井荻作詞のバリエーションの多さと同じように、この”ざっと心を触れさせる言葉”も「作品の真のテーマ」「富野由悠季という人の本音」「作品の裏に潜む毒」「第0話」…など、いろんな形で出てきます。



当時はこういいましたが、あの時言ってた”ざっと心を触れさせる言葉”っていうのは、
その歌詞のギクシャクさによって、人の耳に残すという作り方。
上の記事にも例があるのですが、もっとも特徴を出ている歌詞を挙げるとしたら、これです。

恐れるな 俺の心
悲しむな 俺の闘志


この並び方は何度聞いてもおかしい。
ですが、インパクトがあって記憶に残りますし、何より伝わるものはきちんと伝わった。
こういうところは富野由悠季という人の好みであって、
富野由悠季という作家が見つけた一つの正解でもあります。
「キングゲイナーエクソダスガイド」の富野x広井x田中対談でも、こういう話が出てきます。

端正の広井、破調の富野

富野 広井さん、詞もやっていたんだ。
広井 はい。
田中 富野さんの歌詞は、曲先の場合なんかでも「ここにこんな言葉がはまってくるのか」というおもしろさがあるんです。広井さんは、そこのところすごくちゃんとはめてくるんですよ。逆にきっちりしすぎていて、つまらないことがあるぐらい。
富野 僕、きっちりできないの。要するにボキャブラリーが狭いからさ。
広井 昔、「美は乱調にあり」という言葉を聞いた時、「あ、そういうことか」と思ったことがあるんですけど、僕はなかなかその乱調というのができないんですよ。
富野 「美は乱調にあり」か。その言葉、ずいぶん久しぶりに聞きました。だけど僕みたいなのは、詩人になれなかった人間だというコンプレックスがあるから、きっちりしきれない部分があるのね。
田中 富野さんの詞は全体がぎくしゃくしているけど、本当はどこか一ヵ所だけ、トゲのように刺さる部分があると理想的なんですよ。例えばオーケストラでも、ドミソの和音でドーンと鳴らすことがあるじゃないですか。そこにラのフラットが入ると、ちょっと音が濁るんです。それが聴く人にひっかかりを生んで、印象的になるんです。それからすると、広井さんはきっちりしているから、どっかにそういうひっかかりが欲しくなるんですね。
広井 公平さんの仕事では、そういう部分はずいぶん教えてもらいましたね。整合性をとってきちっとはめることがいいことじゃなくて、多少崩れたりしているほうが、「なに、この言葉?」って光ってきたりする。公平さんは、それすら計算するなって言うんですよ。

テレ隠れのため、ウソを言ってる人の言葉をこの際置いて見ると、
富野の特徴がよく見えます。
そして、これらの特徴は「富野節」というセリフ回しでも見られます。
口ケンカとか飛躍的な思考とかかみ合わない会話とか哲学を語るとか独り言とか、
それらの点を含めて、とにかく変な言葉遣いが多いなんです。
この部分、演劇的という指摘もあるのですが、まさしくそう。
つまり、何かを表現するとしての原理原則を富野が握っている、ということです。


「一見きっぱり感がなく、バランスが悪く感じるが、全体から見ると味が出る」という富野の作品作りについては、これからも語りたいと思います。



余談だが、最近やまむらはじめさんの漫画を読み始めたが、
その普段の可愛らしい絵柄と富野に訊けの富野のお茶目さがすごくギャップがあって、
本当にビックリしました。もうこの人のファンになりそうですよ。
残念なのは、単行本する際、氏の挿絵を一緒に収録することは無かったが、
もしどこかに再掲載すればいいですな。

つか早く富野に訊け2を出せ!徳間!


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