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井荻麟作詞論 第61回 「本当のエンディングテーマ」

2016/01/30 18:05|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:5
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第61回 「本当のエンディングテーマ」
 井荻麟作詞論の記事は、富野由悠季監督が書いた作詞を紹介・分析する話です。今日の第61回では、「本当のエンディングテーマ」というお題で展開したいと思います。今回は、井荻麟の範疇を超えて、富野作品全般の「エンディングテーマ」についての使い方を語りたいと思います。



 まず、今回の記事タイトルにもなっている「本当のエンディングテーマ」について説明したいと思います。

 TVアニメは通常、OPとEDがあります。OPはオープニングという意味で、冒頭に流されるものです(アパンタイトルの有無を問わずに)。そしてEDはエンディングという意味なので、つまり毎回の終わりに流すものです。

 OPとEDというものは毎回かかれるものなので、作品全体のカラーや雰囲気を作る上、非常に重要な要素なのです。しかし、逆にいうとシリーズ全体を汲んだ上のニュアンスにしなければなりませんので、作品の内容や雰囲気が大きく変わった場合、最終回とのニュアンスに乖離を生じかねません。そのために、映像の差し替え、歌の二番目の歌詞あるいは最終回でED抜きなどの措置で対応したりする作品もあります。

 一方、制作的な都合か、それとも単にそのスタイルを使わないためか、富野作品では最終回でも普通のEDに入ることが大半なのです。そのため、エンディングが単に一つの様式に過ぎないと思ったり、それに物足りないと思う視聴者もきっと少なからずいると思います。そこから生じるのは、「放映フィルムとしてのED」と、「作品にとっての本当のエンディングテーマ」という差が出てくるわけです。

 例を一つ挙げると、たとえば『無敵超人ザンボット3』の最終回のラストシーンでは、多くの家族を失い、ようやく戦い抜けた勝平に向かって、多くの人々が暖かく迎えてくるわけですが、その時かかっているのはエンディングテーマ「宇宙の星よ永遠に」の二番目の歌詞である。

もう 戦いはない 緑の大地よ
走れ 走れ 風よりも 速く

 この歌詞に相まって、もともと感動的だったシーンはさらに盛り上がり、アニメ史上でも屈指の名シーンの一つを作り上げました。しかし、このシーンが終わる途端、また普通のエンディングに入るわけですが、さきほどの情緒との繋がりは一切ありませんので、ドラマの情感の温度差が感じられます。つまり、上のような「最終回のドラマの情感に繋がれるような歌の使い方」こそが「本当のエンディングテーマ」だと定義できるわけです。

 

 以上の定義に則り、富野作品から「本編で歌がかかっている」というパターンをリストアップすると、以下の結果になります。

海のトリトン : GO!GO!トリトン
無敵超人ザンボット3 : 宇宙の星よ永遠に(の2番目)
無敵鋼人ダイターン3 : カムヒア!ダイターン3
伝説巨神イデオン : コスモスに君と
戦闘メカ ザブングル : HEY YOU
機動戦士ガンダムZZ : 銀河一千万年(の2番目)
機動戦士Vガンダム : いくつもの愛をかさねて
ターンエーガンダム : 月の繭(宵越しの祭り)
OVERMANキングゲイナー : キングゲイナーオーバー!
ガンダム Gのレコンギスタ : Gの閃光

 途中降板の『勇者ライディーン』と途中登板の『ラ・セーヌの星』を除けば、15作のうちの10作には、普段のEDと違う「本当のエンディングテーマ」が使われていましたので、かなり多いと言えるだろう。しかし、それぞれの使い方と用途はあくまでケースバイケースなので、以下で順次説明したいと思う。



1、海のトリトン : GO!GO!トリトン

水平線の 終りには
虹の橋が あるのだろう
誰も見ない 未来の国を
少年は さがしもとめる

 最終回で衝撃の事実を判明した後、主人公である少年トリトンは何も言わずに、ただ仲間たちと一緒に再び旅を去っていく。少年が厳しい世界に向かっての旅出は、当然ED「海のトリトン」の雰囲気に合うはずもなく、むしろOPの雄大なる曲調と歌詞と合致している。(というか、制作的に考えると、むしろOPを意識した上の画作りと言える)

2、無敵超人ザンボット3 : 宇宙の星よ永遠に

もう 戦いはない 緑の大地よ
走れ 走れ 風よりも 速く

 多大の犠牲を払いながら、ついに最後の戦いを生還した主人公・勝平に向かって、家族と友人、そして地球の人々が暖かく迎える。孤独を訴える一番目の歌詞と打って変わって、二番目の歌詞は戦いの後の平和を謳うものとなっていて、映像に相まって実に感動をもたらす。

3、無敵鋼人ダイターン3 : カムヒア!ダイターン3

「1 2 3! ダイターン3!」
涙はない 涙はない
明日に ほほえみあるだけ

 最後の戦いは誰も知らないところで終結した後、仲間は一人ひとり別れを告げた。しかし、バスを待っている執事ギャリソンが「ワンツースリー」と口ずさみつつ去っていくと、万丈宅の窓に光が見えた。果たしてそれが灯だろうか。黎明の光だろうか。寂しい光景のなかで流れ始める明るいOPはふたたび希望と期待をもたらし、言い知れぬ余韻を生じる。OPを本編に実在するかのように介入させる使い方は反則的ではあるが、とても素晴らしいものである。

4、伝説巨神イデオン : コスモスに君と

 敵の総司令であるドバが戦闘の命令を出した瞬間、イデが発動した。「そのときであった、イデが発動したのは」という有名な打ち切りである。「コスモスに君と」はそもそも『イデオン』という作品のテーマを内包していたものなので、エピローグシーンを展開しながら流すのに最適だ。もっとも、『発動編』はより完全な映像演出であることを思うと、ここでの「コスモスに君と」は一種の代替案といえるかもしれない。

5、戦闘メカ ザブングル : HEY YOU

 エルチを取り戻したジロンの前に、仲間たちが暖かく走って来ている…。しんみりとしたエンディング「乾いた大地」と違って、希望溢れて、明日へ向かって走り続けているエピローグなので、疾走感があり、意味も合致する「HEY YOU」が使われた。のちの『ザブングル・グラフィティ』のエンディングで「GET IT!」もほぼ同じであることから、ここの使い方はプロトタイプと言えるだろう。

6、機動戦士ガンダムZZ : 銀河一千万年

 ジュドーが仲間たちと別れて木星へ行く。同じくエンディング曲を使っているものの、2番目の歌詞を使われていて、違う感じをもたらしている。

7、機動戦士Vガンダム : いくつもの愛をかさねて

 雪が降り、一人で去っていくカテジナに向かって、シャクティの頬からは思わず涙が落ちた。50話に続いて、エピローグも使われていた。普通のEDは富野監督本人が書いたものではないことを考えると、そもそも「いくつもの愛をかさねて」は最初からテーマにおけるエンディングテーマのつもりで書いたものであろう。

8、ターンエーガンダム : 月の繭(宵越しの祭り)

 前回も説明したが、エンディングテーマとして使われたが、エピローグのように5分も及ぶフルサイズで流したこそは、月の繭の本当の使い方である。もっとも、『ターンエーガンダム』という作品の曲の使い方は実にくせ者で、本当のエンディングテーマである「月の繭」のあとでも、生命力と輪廻を象徴する「宵越しの祭り」が使われ、さらに普通にエンディングテーマがかかってるところに1話限定のED3「限りなき旅路」が使われる。特にED3は映像とまったく合致しなかったが、上手く直前の「月の繭」と「宵越しの祭り」の気分を拾い上げたので、とても爽快な気分になる。そういう意味では、『∀ガンダム』の本当のエンディングテーマは、三曲があるといえるかもしれないね。

9、OVERMANキングゲイナー : キングゲイナーオーバー!

 アナ姫がキングゲイナーオーバーをいきなり歌いだした。前回でも説明したが、やや世界観のリアリティを超えた気配があるものの、勢いで突破するような「演出」ならば、全体的に違和感がないだろう。とにかく原点に戻って、明るい心を抱えて続いでいるという意味では、『ダイターン3』や『ザブングル』の使い方と似ているかもしれない。

10、ガンダム Gのレコンギスタ : Gの閃光

 「Gの閃光」はもともとエンディングテーマなので、本来数えるべきではない。が、『Gのレコンギスタ』は富野由悠季監督が40年以上の監督歴のなかでも、初めて「正規エンディング抜き」という使い方をした作品なので、ここで取り上げることにする。作詞が外部提供のOP二曲に比べて、「Gの閃光」のほうがテーマを握っているので、ベルリの旅出の映像と一体化するのも、まさに最正解である。



 以上は、本ブログが定義した「本当のエンディングテーマ」と、富野由悠季監督が劇中で使った内容を説明しました。OPやEDにおいては、富野作品は制作の都合で、必ずしも贅沢を尽くしたわけではありません。それでも上のj記事を見れば、やはり富野監督がいかに正確な情緒を拾い上げ、エンディングへ誘導することに腐心していることが分かります。これを念頭に置いて見ておけば、別の楽しみを見つけるかもしれません。

コメント
∀のエンディングに関して、安直ですが「宵越しの祭り」は富野監督ご本人に根ざすテーマ、「月の繭」は∀の登場人物を焦点にした曲、「限りなき旅路」は作品を俯瞰気味に包括する曲のように思えました。あらためて言うまでもない事かもしれませんが;;
ただ、わざわざ複数の曲が用意されているという事が肝心なのでしょうね、きっと。
#-|2016/01/30(土) 19:26 [ 編集 ]
ここで定義されている「本当のエンディングテーマ」は監督自身がその作品で提起していた問題に対する答えになっているようにも思えます。答えが視聴者に提示される事によって、物語が完結するのかなと。Gレコに関しては「これは僕から次の世代への宿題として問題提起するからヒントはあげるけど、答えは自分たちで考えて見つけてね」というメッセージなのかなと勝手に解釈しています。「本当のエンディングテーマ」がある事によって次にある「普段のエンディングテーマ」でいつもは「この作品はこれで終わりなんだ」と認識する時間がありましたが、Gレコはそれがあまり感じられませんでした。
「本当のエンディングテーマ」は作品のテーマの答えが出る事による物語の終わり。本文の終わり。に対してその後の「普段のエンディングテーマ」はある種のカーテンコール的な視聴者に「このお話しはこれで終わったんだよ」と伝える意味合いがあるように感じます。
豆腐小僧 #-|2016/01/30(土) 19:59 [ 編集 ]
ななしさん、コメントありがとうございます。
三曲はおっしゃるとおり、それぞれ違う効用が発生していると思います。
それであんな使い方ができたのは本当にズルイとしか言いようがありませんし、ターンエーという作品の懐の深さだと考えています。
kaito2198 #-|2016/02/05(金) 14:57 [ 編集 ]
豆腐小僧さん、コメントありがとうございます。
Gレコに関しては、確かにそれが感じました。
旅がまだ終わってないという点はキングゲイナーも似たようなものなはずですが、
そのへんは私を含めてまたじっくり考える甲斐があると思います。
kaito2198 #-|2016/02/05(金) 14:59 [ 編集 ]
 いずれも優れた使用例で解説がうならされますが『ZZ』だけはという感じもありますね。

 『ZZ』は後半のシリアス化に応じての劇伴の追加収録が無く、むしろ「水の星へ愛をこめて」インストをはじめ『Z』最終録音分からの大量流用で賄った印象。
 (だから終盤は「カミーユ不在のZ」の印象が相当に強くなる。)
 
 だから最後の「一千万年銀河」が流れた時に感じたのは、むしろ「ああ。これしか曲が無いんだよな」という感じで。
JIN #XCGF5fDo|2017/02/07(火) 23:23 [ 編集 ]
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