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井荻麟作詞論 第59回 「はじめてのおっぱい」

2016/01/19 16:48|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第59回 「はじめてのおっぱい」
 井荻麟作詞論の記事は、富野由悠季監督が書いた作詞を紹介・分析する文章です。今日の第59回では、ネット配信OVA『リーンの翼』の挿入歌である「はじめてのおっぱい」について語りたいと思います。



はじめてのおっぱい
作詞:井荻麟/作・編曲:樋口康雄/歌:永嶌花音

ひとつぶがいっぱい
いっぱいの・・・

 『リーンの翼』の第2話の冒頭と第6話で少しだけ出ていたこの挿入歌は、残念ながらサントラが発売されていないので、現時点、判明できる歌詞は上掲の部分だけ。なので、将来全文が判明された場合、記事は書き直す予定ではあるが、一応今回は上記の歌詞に則って説明を展開したい。



 非常にシンプルな歌詞なのだが、吟味できるところが非常に多い。

ひとつぶがいっぱい

 この歌は何を歌っているかというと、つまり「赤ちゃんがおっぱいを吸っている模様」なのだ。さらにカメラを少しロング気味にすると、「小さな女の子が母の哺乳の模様を眺めている」という描写に気づくはず。

 なんという瑞々しい歌詞、なんという瑞々しい情景であろう。

 簡単な歌詞でありながら、女の子の目線を遺憾なく表した。「ひとつぶ」というのは、目を細めて見た母の丸っこい乳首のことであり、そして「いっぱい」というのは、赤ちゃんが小さい口を開けるも、乳首を含んだだけで精一杯になる様子だ。そこには小さな女の子が不思議な目でまじまじと乳首と赤ちゃんを観察している模様が記録されていて、それが大人には決して二度と味わうことのないものの、不思議と懐かしく思う光景だ。

 そしてこれらの歌詞から見出せるのは、つまり母性の芽生えというものだ。



 女の子が母親でしかできない哺乳をじっと観察するというのは、つまり性の意識がまだ確立していない小さな女の子でも、確実に「女性であること」に興味を持つことだ。もっと言っちゃえば、母になることを学んでいることだ。そして、赤ちゃんに興味あるのも、間違いなく母性の発露であるほかならない。

 これを、ほぼ同じ時期で作られた宮崎駿監督の映画『崖の上のポニョ』のテーマソング「崖の上のポニョ」(補作詞が宮崎監督)に対比すると、より一層明瞭になる。メインの作詞は近藤勝也氏ではあるものの、補作詞として宮崎が入っている上、二曲には色んな相似性があるからだ。二曲の歌手は共にリアル幼女(注:永嶌氏が当時10歳、大橋のぞみ氏が当時8歳)であるイメージもくみ上げると、「ポニョ」が「小さな女の子が、小さな女の子が可愛いという唄を歌う」であるのに対して、「はじめてのおっぱい」は「小さな女の子が、赤ん坊が精一杯にお母さんの乳を吸っている所を観察しているという唄を歌う」というものだ。

 つまり、「ポニョ」が小さな女の子の無邪気な一面を切り取って、その一瞬を永遠に愛でたい歌であれば、この「はじめてのおっぱい」は小さな女の子がいつか母になり、生命を産むことを予感させて、その変化していく心性を称える歌なのだ。優劣を比べられないものの、幼女を幼女のままで見ている視点と、幼女がいつか母になることを期待させる視点のどちらは想像(ファンタジー)の幅が広いかというと、答えは明瞭なはずなのだ。

 性の意識どころか、自分さえ確立していないような小さな女の子から見れば、自分より小さい赤ん坊はまるで別のような生き物に見えるだろう。小さな生命に対する好奇心は、即ち赤ん坊~自分~母~赤ん坊という生命の繋がりを想起させるものなので、「はじめてのおっぱい」は女の子の母性を描く唄であり、小さい命の誕生と生きることに対する讃歌でもある

コメント
「リーンの翼」は未だにサントラがリリースされず「はじめてのおっぱい」もフル音源が確認できないのですが
ある意味この歌は『完結していない』故に聴く者の想像を駆り立てるんですよね。
ポニョとの対比で「主観(ポニョ)」と「客観(おっぱい)」というのは確かに作家性の違いを表していて面白いなぁ、と。

後はどこのメーカーでもいいので「リーンの翼」劇伴サウンドトラック集を早く…
コタ-2 #-|2016/01/19(火) 17:59 [ 編集 ]
記事についてのご感想ありがとうございます。
サントラがほしいですよね...悲願ですね。
kaito2198 #-|2016/01/20(水) 17:15 [ 編集 ]
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