富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

TOMINOSUKI / 富野愛好病
http://kaito2198.blog43.fc2.com/

プロフィール

kaito2198

Author:kaito2198
台湾人。
ただのファンです。

twitterは@kaito2198です。

仕事やブログ関係のご連絡は
kaito2198@hotmail.comまでお願いします。

給華文圈之富野由悠季愛好者的一些話
關於本站文章的轉載聲明

富野監督関連資料一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

グーバーウォーク

井荻麟作詞論 第60回 劇中歌と芸能としての作詞

2016/01/20 17:08|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第60回 劇中歌と芸能としての作詞
 井荻麟作詞論の記事は、富野由悠季監督が書いた作詞を紹介・分析する話です。今日の第60回では、「芸能」というキーワードをめぐり、『ブレンパワード』から『リーンの翼』までの富野由悠季監督およびその作詞について語りたいと思います。時期でいえば、だいたい1998年~2006年頃のことになりますが、特に厳密的に定義しておりません。



 まず、今回のタイトルは「劇中歌と芸能としての作詞」となっていますが、内容的に以下の記事の続きとなりますので、まず読むことがオススメいたします。

井荻麟作詞論 第21回 ザブングル~エルガイム時期の富野由悠季と井荻麟
井荻麟作詞論 第32回 Z~V時期の富野由悠季と井荻麟

 また、前後のビジネス事情にも触れますので、以下の記事も合せてお読みください。

井荻麟作詞論 第27回 富野作品のOP・EDおよび挿入歌におけるビジネス事情その1
井荻麟作詞論 第53回 富野作品のOP・EDおよび挿入歌のビジネス事情その2

 上の話を簡単にまとめると、ガンダムおよびアニメビジネスの拡大で、富野由悠季監督はかつて作品の歌の作詞に関する主導権をレコード会社に明け渡しました。これによって、富野は主題歌の作詞で作品をコントロールする手法を失いましたが、変わりに模索して獲得したのは挿入歌からのアプローチでした。



 『Vガンダム』で一時半引退したものの、のちの『ブレンパワード』で復帰を果した富野は、今までとまた違う手法を手に入れました。自らの精神不調という経験に相まって、復帰後の富野は健やかなアニメを作ることにこだわり続けている。それに合せて浮上したのは「身体性への追求」というものだ。そして作詞において(もちろん作品も)は、富野が見つけた手法は「芸能」を作ることだ。

 具体的にいうと、富野は挿入歌を単に「フィルムを放映する途中に流す曲」ではなく、劇中で実在する歌として扱い、実際の作劇に組み込めたことです。この井荻麟記事ではそれを「肉声」と呼んでいますが、すなわち、劇世界のなかの肉声を再演することによって、世界観の奥行きを浮き彫り、作品を深化させ、「芸能」を果すことなのです。

 そのため、『Vガンダム』の4曲の挿入歌のうちにわずか1曲しか肉声として扱わなかったものの、その『V』を皮切りに、富野は『ブレンパワード』以降を挿入歌を大量に入れた上、『キングゲイナー』の「氷の上のおやすみなさい」を除いて、全ての挿入歌を「劇中に生きる歌=世界を生きている人たちの肉声」として作ったのです。

 それに留まらず、『ターンエー』『キングゲイナー』劇中の挿入歌は大半直接「祭り」を描くことになっています。劇中の演出の仕方を見る限り、全部が有効的だったとはちょっと言いがたい※かもしれませんが、それでも富野がどういう方向性を目指しているのかは明瞭です。

※たとえば『∀ガンダム』の「月の魂」と「宵越しの祭り」は上手く複数回に使えたものの、『キングゲイナー』の「ミイヤの祭り」と「本当かい!」は監督である富野以外は使いこなせなかった節がありました。



 このように、『機動戦士Vガンダム』から兆候を見せ、『ブレンパワード』『ターンエーガンダム』『キングゲイナー』、あるいは『リーンの翼』をも含めた作品群で全面的に打ち出したOP・EDでテーマやメッセージを打ち出し、挿入歌で世界観を深めるという使い分けによって、井荻麟は作品に対するコントロールを再び手に入ることができました。これは富野がビジネスと戦いながら、本当の「作品」を作りたいという20年以上の経験や知恵によって、ようやく編み出した手法でした。

 一見、これはすでに究極的な結論ではあるが、実はそうではなく、やがて『ガンダム Gのレコンギスタ』の「Gの閃光」では、富野はさらなる高峰を作ることになります。これについて、また別の回で説明いたしましょう。

 
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://kaito2198.blog43.fc2.com/tb.php/1677-746777c2

ブログ内検索

なんとなく富野商品

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

まともに機能しなくてすみません。これからゆっくりペースで直します。

RSSフィード

FC2カウンター

富野監督作品一覧

  • 海のトリトン
  • しあわせの王子
  • 勇者ライディーン
  • ラ・セーヌの星
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 機動戦士ガンダム(劇場版)
  • 機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士編
  • 戦闘メカ ザブングル
  • 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
  • 伝説巨神イデオン・接触篇 -A CONTACT-
  • 伝説巨神イデオン・発動篇 -Be Invoked-
  • 聖戦士ダンバイン
  • ザブングル グラフィティ
  • 重戦機エルガイム
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士Vガンダム
  • 闇夜の時代劇 正体を見る
  • バイストンウェル物語 ガーゼィの翼
  • ブレンパワード
  • ∀ガンダム
  • 劇場版∀ガンダムⅠ 地球光
  • 劇場版∀ガンダムⅡ 月光蝶
  • OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-
  • 機動戦士ΖガンダムⅡ A New Translation -恋人たち-
  • リーンの翼
  • 機動戦士ΖガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-
  • RING OF GUNDAM
  • ガンダム Gのレコンギスタ
  • 富野参加作品一覧

  • 鉄腕アトム
  • 戦え!オスパー
  • リボンの騎士
  • 巨人の星
  • アニマル1
  • 夕やけ番長
  • 海底少年マリン
  • どろろ
  • 紅三四郎
  • 巨人の星対鉄腕アトム
  • おらぁグズラだど
  • 男一匹ガキ大将
  • ムーミン
  • シートン動物記
  • 赤き血のイレブン
  • アタックNo.1
  • あしたのジョー
  • 男ドアホウ!甲子園
  • 昆虫物語 みなしごハッチ
  • さすらいの太陽
  • 天才バカボン
  • ふしぎなメルモ
  • 新・オバケのQ太郎
  • 国松様のお通りだい
  • いなかっぺ大将
  • 正義を愛する者 月光仮面
  • アニメ・ドキュメント ミュンヘンのへの道
  • モンシェリCoCo
  • ハゼドン
  • ど根性ガエル
  • けろっこデメタン
  • ワンサくん
  • 山ねずみロッキーチャック
  • 侍ジャイアンツ
  • 新造人間キャシャーン
  • アルプスの少女ハイジ
  • ゼロテスター
  • 昆虫物語 新みなしごハッチ
  • 小さなバイキングビッケ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 破裏拳ポリマー
  • フランダースの犬
  • 母をたずねて三千里
  • アンデス少年ペペロの冒険
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ゴワッパー5 ゴーダム
  • ろぼっ子ビートン
  • あらいぐまラスカル
  • 合身戦隊メカンダーロボ
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • シートン動物記 くまの子ジャッキー
  • ヤッターマン
  • ペリーヌ物語
  • 闘将ダイモス
  • 未来少年コナン
  • とびだせ!マシーン飛竜
  • まんが日本昔ばなし
  • 宇宙魔神ダイケンゴー
  • 赤毛のアン
  • 科学忍者隊ガッチャマンⅡ
  • ザ・ウルトラマン
  • 宇宙大帝ゴッドシグマ
  • ルパン三世(TV第2シリーズ)
  • 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  • 銀河漂流バイファム
  • ママは小学4年生
  • GUNDAM EVOLVE 5
  •  |  富野作品感想 | 富野由悠季関連 | 井荻麟関連 | 富野情報 | 富野雑談 | レビュー | ブログ運営 | 日常話 | 未分類 | 給華文讀者 | Gのレコンギスタ | 
    Copyright(C) 2007All Rights Reserved. TOMINOSUKI / 富野愛好病
    Powered by FC2ブログ.
    template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.