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井荻麟作詞論 第50回「月の魂」

2015/03/31 18:49|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第50回「月の魂」
 井荻麟作詞論の記事は、富野由悠季監督が書いた作詞を語るものです。全部は100回以上の予定です。今日の第50回では、テレビアニメ『∀ガンダム』の挿入歌「月の魂」について語りたいと思います。



月の魂
作詞:井荻麟/作曲:菅野よう子/編曲:菅野よう子/歌:レット隊

月の魂(たま)よ
月の魂よ 宿れ 宿れ 宿れ
我らが魂と 宿れ 宿れ 宿れ

 この曲は監督の富野が『∀ガンダム』で書いた三番目の挿入歌だ。あくまで物語世界に存在している「肉声」として書かれた意味では、「宵越しの祭り」と似ている性質を持っている。しかし、同じく一定の「コミュニティ」を描いた歌詞でありながら、この曲はさらに一歩進んで、部族の歌とも取れる高揚感を持つものになっている。



 上にも書いたが、「宵越しの祭り」が「地方での祭り歌」だとすると、「月の魂」は「部族の降神の歌」というより原始的な要素を持っているものであろう。

 作曲に相まって、その共同体の大きさを実際にイメージすることもできよう。月への憧れを象徴し、その土着性と月の信仰を表すような描写をなされていて、一見ただの雰囲気作りとも思えるが、月信仰が実在することを踏まえて、レット隊という月の末裔なのに地球で原始的な暮らしをする出自を考えれば、正暦の地球というフィクション世界の歴史を想起させられる。また、フィクション世界の奥行きを一気に出させることもできる。

 また、レット隊の性格付けにもなっていて、曲を聴くだけでその時代錯誤感としぶとい生命力を自然的に流れてくることができるだろう。



  ところで、この曲は劇中では24話の初登場、27話のフラット踊りと爆発シーン、39話の最後の宇宙漂流の計4回で使われたが、一番印象を残すのは、なんといっても「夜中の夜明け」―ーすなわち核爆弾の爆発シーンでしょう。その意図によく分からない人もいるので、以下で少しだけ解釈を試みたい。

 そもそも、降神の歌は神を求める――つまり超越的な何かに触れることによって、生と死の狭間に近づきたい性質なので、レット隊のこの歌もまた例外ではない。となると、あのしぶとい生命力から来る力強い歌による鼓動の後ろにあるのは、逆説的に厳然なる「死」なのだろう。

 狂気の象徴とも言われる月の下で、神の歌を歌う。それはすなわち生と死の極限を求める。また、核爆弾の絶大なる威力を考えると、あのような人間ではどうしょうもない爆発の前では、人々は思わず宗教的な意味と異なる神々しさを感じるのも、ある意味当然なことであろう。そのような人智を超えた力のもとでは、人はひれ伏すしかない。

 「生と死の狭間で、神々しい圧倒的な力と狂気に震え上りつつ、生命の鼓動を感じる」という意図でそのシーンにかけたと解釈することができるし、逆にこの光景でさえ人間が作り出したことを考えて、人の愚かさに嘆くこともできよう。ただ、言葉にするとかえって陳腐化する気がしてならないので、あえて解釈に頼らずに自分の感じる気分に浸ることもいいかもしれない。



 上の話を考えると、この曲が計4回の使われ方の性格も分かってくるかもしれない。

 24話の初登場では、レット隊の顔見せとして、その場違い能天気で時代錯誤感を醸しだす。27話のフラット踊りでは、レット隊の性格を再度アピールすると共に、核爆弾の争奪戦を控えても、なお好戦な態度を示すその人類の闘争心と愚かさを暗示する。

 そして核爆弾のところは上で書いた通りとして、、39話の最後の宇宙漂流では、逆に27話と違って「死が必至な場面で、生命を謳歌する」という、まさに逆手に取った使い方をして、見事にこのレット隊のテーマを「生きても死んでも元気いっぱい」という境界に昇華してくれました。
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