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富野由悠季とフランス映画 および映画の娯楽性と芸術性について

2014/02/12 23:34|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:4
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 今日は、富野由悠季監督とフランス映画についての話を少ししたいと思います。



 先月のハリウッド提携記者会見において、富野由悠季監督は「(Gレコ、現在のリメイク新作を除いて)87歳まではあと1、2本を作りたい」と発言しました。

 87歳でいえば、現在富野監督のお歳である72歳にプラス15歳という年齢を挙げたに過ぎないように聞こえましたが、実際は違います。

富野由悠季監督、ハリウッド「Legacy Effects」提携会見 - 全文書き起こし (2) 僕にとって「Legacy Effects」は、新型の戦闘機に乗るような気分 | マイナビニュース

87歳という年齢については、ある前例を聞きました。現にその年齢でも映画を作って、撮って、大変素敵なコメディー映画を作っている監督がいるとすれば、やはりそれは僕にとっての目標値にもなります。そういう監督に負けないようにがんばりたいと思います。監督の名前を挙げておきます。アラン・レネです。(※フランス人監督。現在91歳。87歳時の2009年に『風にそよぐ草』、2012年に『あなたはまだ何も見ていない』を発表)

 と、このように、実際にレネ監督の『風にそよぐ草』を意識した上の発言なのです。

 富野監督は最低でも87歳まで作りたいという意欲は当然大変素晴らしい話なのです。が、ここで着眼したいのは、『風にそよぐ草』を「大変素敵なコメディー映画」を評しているところなのです。



 基本的に、富野由悠季という作家が映画において理想とするのは、ハリウッド発のアメリカ映画なのです。

 エンターテイメント論を論じるときに、富野の映画に対する原風景はそもそも芸術性溢れるヨーロッパ映画ではなく、大衆娯楽に富んだハリウッド映画だったからです。近年の代表作『∀ガンダム』の舞台、ストーリー構成と編集技法を見ても分かるとおり、『風と共に去りぬ』などのハリウッド大作を強く意識している作りとなっています。

 この富野のエンターテイメントに対する考え方の原型は、もしかしたら『宇宙戦争』(1953、ジョージ・パル)や『キング・ゴング』、『白鯨』『海底二万哩』『ウエスト・サイド物語』など幼少期に見た映画まで遡ることができるかもしれません。あるいはそう考えるのは早計かもしれませんが、富野監督の「映画におけるエンターテイメントのあり方」の一つとしてハリウッド映画である考え方は、とにかく昔から今日まで一貫しています。

 もちろん、富野監督が『タイタニック』を初めとしたジェームズ・キャメロン監督の作品を褒めているのもそういう原因によるところが大きいと思われます。



 一方、富野監督はやはりフランス映画を初めとしたヨーロッパ映画に大変憧れを持っています。

 富野監督が好きと挙げた『勝手にしやがれ』『青いパパイヤの香り』など、もしくはジャン=リュック・ゴダール監督や卒論のお題ともなっているミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品もそうですけど、とにかくその強すぎる芸術性が富野青年を圧倒していました。多感の高校時期から大学時代を沢山みて、卒業後は『鉄腕アトム』で電動紙芝居をやるしかなかった当時の富野が、ヌーベルバーグに強く敗北感を感じたのも無理もない話です。

 しかしもう一方、「大衆映画はどういうものであるべきか?」という面において、富野はヨーロッパ映画を高く見ていません。個別な良作はあるものの、全体的にその高い芸術性は時折娯楽性を減殺しますから。富野が、自ら映画の芸術性への憧れを封印したという言い方もできるかもしれません。



 『映像の原則』を読んでみると、富野監督は決してヨーロッパ映画の全体をそれほど高く評価していません(貶す、もしくは評価しないこともありませんけれど)。

ヨーロッパでは、アートを意識しすぎて、妙に考えるものを目指していたりしますから、映像が流動的でなくロジック的になっているのでしょう。これは推測です。

 上の話は「映像の流動性」に関する話なのですが、それでも万人向けを目指しているときに、やはりアメリカ映画のスタイルは一番近道という考え方があります。そういう意味では、手放しに評価するわけではありませんが、富野監督が今回ハリウッドと提携するに決意したのも、こういう思考による産物と考えられます。

 それでも、近年の『アメリ』といい、今回の『風にそよぐ草』(『小さな中国のお針子』も言えるかな)といい、「趣味としてのフランス映画好き」は、やはり富野由悠季監督のどこかに生きていると感じられます。



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 予告編です。実をうと、私も見たことありませんので、機会があれば見てみたいです。

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コメント
御大、作品はすごく商業的なのに、アチラコチラに御大の本音がチラチラしているあたり本来は芸術家肌なんじゃないのかなぁと思う
名無しさん #-|2014/02/13(木) 01:58 [ 編集 ]
そうですね、自分の志向というか嗜好が本来芸術的であると自覚しているからこそ、「商業的」をあくまで第一義として求めているのでしょう。だから「富野監督は作家性にこだわってて商業性を無視している」という論調はまったくの見当はずれだと思いますよね。
kaito2198 #L2WcHO2o|2014/02/13(木) 02:18 [ 編集 ]
どうも。
ツイッターでもコメントしたのですが、特にご指名をいただいたので(笑)ブログにもコメントを残させていただきます。

宮崎監督が引退発表した時に、「実写では高齢でも作品を撮り続けている監督がたくさんいる」という意見があって、さらにそれに対して「実写とアニメの監督では労働力が違う」という反論が出ていました。

ぼくはその反論に納得していたのですが、その後の富野のアラン・レネ発言に嬉しくなりました。富野らしい発言ですよね。

『風にそよぐ草』、未見なのでいつか見てみたいなあ。
坂井哲也 #-|2014/02/13(木) 19:31 [ 編集 ]
ありがとうございます。こういう話題は映画ファンのほうが反応しやすいと思って。

確かに労働力でいえばそうですね。
なので、うまく行けば富野監督はだんだん映画のほうへスライドしていくと思いますが、それでもアニメのほうが苦労するのに違いません。
ただ、アニメにしたってその労働を減軽する取組みがないわけでもありませんので、そういう意味でも制作会社にはきちんとしてほしいものです。
kaito2198 #L2WcHO2o|2014/02/14(金) 17:27 [ 編集 ]
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