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ガンダムは「鋼彈」?「高達」? イデオンは「伊甸王」=「エデンの王」!?――富野由悠季作品から見る中国語圏におけるアニメ翻訳事情

2014/01/26 13:10|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:2
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 前回では、富野由悠季監督の全小説の中国語・英語表記という記事を掲載しました。将来的にそのリストを基にいろいろな話を展開したいと思いますが、今回は台湾においての翻訳表記を中心に、そんな富野作品の中国語圏における受容および事情を少しだけ紹介したいと思います。



機動戦士ガンダム

 中国語圏は漢字表記の文化圏ですので、3か4文字の漢字があり、しかも他のタイトルとの識別ができる場合、そのままタイトルにしちゃうケースが多いです。たとえば『少女革命ウテナ』ならば「少女革命」、『美少女戦士セーラームーン』ならば「美少女戦士」などと漢字だけ残す表記そのままでもいいです。逆に『新世紀エヴァンゲリオン』の「新世紀」だけが差異化は足りなかったため、「福音戦士」とつき加えたのです。

 この法則だと、「機動戦士ガンダム」シリーズは「機動戦士」だけでいいはずですけど、台湾においても、香港においても、あらゆるところにおいても、ガンダムは一度も「機動戦士」と呼ばれずに、しっかりと「ガンダム」の翻訳表記で愛されています。

 要するに、中国語圏においても「ガンダム」は格別です。機動戦士という作品の中身とかけ離れている呼び方を、ファンは拒絶しています。



 で、「ガンダム」は、台湾では「鋼彈」と表記され、公式においても用いられています。管理人であるkaito2198は台湾人ですので、ここでは台湾を基準にして紹介しています。もっとも、最近は香港や中国のファンからの要請で、できるだけ「GUNDAM」で紹介していますが…。

 ちなみに、「1stガンダム」は台湾では正式に放送されていませんので、その存在が台湾人に初めて知られるのは書籍経由でした。ちなみに当時の書籍では「鉄人甘達」というタイトルでした。数年後、台湾の国営テレビ局が正式に『Zガンダム』を放送する時、すでに「Z鋼彈」という表記にされていました。

 それから、香港では「高達」と表記されていますが、これは『Gガンダム』の本編にも紹介されている名前なので、おそらく日本のガンダムファンにとっては一番有名な海外表記なのでしょう。

 とはいえ、「高達」と日本の縁はGガン以前に存在しています。バンダイがアジアに進出する際、一番最初に選んだ拠点は香港でしたので、「高達」という表記の存在は早くも80年代中期に確認できます。

 最後の中国ですが、版権上の問題で、ガンダムは公式では「敢達」と表記されています。おそらく香港との差別化を図るための措置だと思われます。

 が、中国のガンダムファンは90年代からずっと香港からの情報を受け取り続けましたので(もちろんアンダーグラウンド)、今でも「高達」と呼ぶ人がほとんどで、「敢達」と呼ぶファンは皆無といっていい。

 こういう表記の変遷を見ても、ガンダムが中国語圏における受容史の片鱗を覗けますよね。



伝説巨神イデオン

 イデオンですが、台湾では『傳說巨神伊甸王』と訳されています。完全に当て字の表記ですが、意外にも別な意味が付き加えられています。

 「伊甸」という言葉ですが、こちらでは主に「エデン」の訳語とされていますので、「伊甸王」はエデンの王――すなわち「楽園の王」、因果地平=伊甸(エデンの園)という見方もできるわけです。

 だから、『イデオン』は日本では「イド」からとって、「イデ」の擬人化が「イデオン」という具合なんですが、中国語圏においては、「伊甸王」は原語よりダブルネーミングなところがあり、「因果地平のことを匂わせているかもしれない」というもう一つの意味が含まれています。素晴らしい。

 ただ一つ誤解してほしくないのは、台湾の宗教観は日本ほど電波じゃなく、かなりニュートラルな捉え方ですので、別に「楽園の王」だからといって、変な想像を招くことはありません。



バイストン・ウェル

 バイストン・ウェルシリーズは台湾において『聖戦士ダンバイン』を中心に認知されていますので、知名度そのものはそこそこあります。とはいえ、いかんせん80年代前半の作品でしたので、おそらく「スーパーロボット大戦」経由の認識が多いと思われます。

 で、バイストンウェルですが、「バイ」「ス」「トン」「ウェ」「ル」とやたら音節が多い固有名詞に加えて、『ダンバイン』も『ガーゼィの翼』も『リーンの翼』もそれぞれ異なる時期に異なる版権会社により流れてきたものなので、バイストン・ウェルも「拜斯頓威爾」「拜斯威爾」「拜斯頓」などと、さまざまな表記が混在しています。

 ちなみに、うちのサイトではもっとも忠実に原語の響きを反映する「拜斯頓威爾」と統一します。



ブレンパワード

 『ブレンパワード』ですが、台湾においては『機動神脳』と表記されています。

 「脳」はまだしても(ブレンだしな)、どこに「機動」があると思わず目を疑いたくなる人もいるかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります。

 台湾においては、映画やドラマ、アニメのタイトルの命名法則の一つとして、「同じく監督か俳優(とにかく顔役として認知されている人間)の作品は同じ枕詞がつくタイトルにする」というものがあります。たとえば、シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーの映画は台湾では『ターミネーター』が「魔鬼終結者」と訳された以来、彼が主演する映画は必ず「魔鬼~」という枕詞が付かねばならないという不文律が存在しています。

 ちなみに、アーノルドがかつて台湾に来て、「魔鬼~」という命名法則を教えられたとき、「うおー私は悪魔(DEVIL)ではありません」とかなりビックリして、そのあと記者の「それは『すごぶる強い』という意味ですよ」という言葉で、また笑顔に戻したというし出来事もありました。

 で、『ブレンパワード』という新作は富野由悠季という「機動戦士ガンダム」の監督の作品ですから、「機動」を付かねばならないという寸法です。

 ちなみに、「神」はおそらく神とまったく関係なく、単なる語呂合わせに漠然と入れた文字だと考えられます。



OVERMANキングゲイナー

 『キングゲイナー』は台湾では「極限戦士」と訳されています。「OVERMAN」からの翻訳ですね。

 キングゲイナーという名詞について、台湾では「王者蓋納」と訳されていますですが、さすがに「極限戦士王者蓋納」がタイトルだと8文字で、いくらでも文字数が多すぎるので、あまり差異化ができてない名前という感じですが、結局「極限戦士」に落ち着いたわけです。

 ちなみに、香港では「帝皇戦記」と呼ばれています。キングならばせいぜい「王者」だと思いますが、香港では「帝」「皇」などの豪華感?がある文字が好まれますので、こういう「キング」偏重のネーミングになったのです。



教えてください。富野です

 ガンダムエースの名物連載ですが、意外にも正式なタイトルが存在していません。「敝人富野,請指引我」はこちらが仮に訳したものです。直訳なのでひねりがないのはちょっとアレですが…。

 というのも、台湾でもガンダムエースが出版されていましたが(2008年末休刊)、肖像権など権利上の問題か、労力のわりに地味のためか、「教えてください。富野です」は台湾版ではオミットされました。そのため、正式タイトルと言えるものが存在せず、こちらが仮に訳したものです。



映像の原則

 知識と諫言とネタの宝庫『映像の原則』ですが、台湾では翻訳出版されていませんので、前回の「影像之原則」もやはり自分がつけたタイトルなんです。特にひねりもいらないタイトルなので、ごく当たり前だと思います。

 とはいえ、将来もし中国語圏に出版される機会があれば、「影像之原則」のほか、「影像原則」「影像的原則」などのタイトルも考えられます。元々漢字の使い方からして「の」は別に訳されなくてもいいですし、「的」の使い方も「之」とほぼ同じものと考えていいです。

 ただし、一般的いうと「之」のほうが改まった感じがありますので、格式を正したいときはだいたい「之」のほうを使うことが多いのです。

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コメント
イデの話は前回分のコメントを見て、いたく感動しておりました。

同じ監督、同じ出演者だと枕詞がつくってのはそういや日本でもありますね。
「沈黙の〜」とか「裸の〜」とか。

ガンダムは台湾が一番かっこいいです、字的に。
まそきぃ〜 #-|2014/01/27(月) 10:20 [ 編集 ]
そうですね、なんとなく漢字圏ならば似た法則があるのではないかと思いますが、やはりそうですよね。
kaito2198 #L2WcHO2o|2014/01/30(木) 22:23 [ 編集 ]
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