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ガンダム富野由悠季監督の「萌え」に対する言葉一覧

2013/10/03 01:02|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ガンダム富野由悠季監督の「萌え」に対する言葉一覧
 先日、富野由悠季監督が人生相談において、相談者の今のアニメに対する疑問を返答する内容は話題となっていましたが、その「今のアニメ」はどういうものかは明言されていないものの、富野監督の回答を聞いて、すぐ「萌えアニメ」と連想しちゃう人が大半の模様です。

 富野監督の「今のアニメ」発言に関して、実際はアニメ全般だと思うのですが、ここ10年くらいの萌えアニメブームを見れば、特化過ぎる仕様の萌え系アニメが槍玉に挙げられることもある意味仕方ないと思えます。

 なので、今日はこの場を借りて、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』を作ってきた富野由悠季監督本人が直接に「萌えアニメ」を言及した発言を一気に紹介したいと思います。全部に4つくらいがあり、実はすべてこのブログで紹介済みの話なのですが、せっかくなのでまとめた形で皆さんに披露させていただきます。



1、萌えてはいけない?(2005年)

 まずは、デジタルハリウッド大学大学院が2005年11月23日秋葉原にて開かれたシンポジウム「萌えてはいけない。」というイベントに発言したものです。

20年後のコンテンツビジネスでは“萌え”が当たり前のものに?! -萌えてはいけない。(前編)

少年誌系では学園ラブコメの元祖といえる『うる星やつら』に対して富野氏は、作り手側の立場として、この作品が登場した当時(70年代後半)、限りない衝撃を覚えたという。実際、この作品を契機にマンガ界もアニメ界もガラリと変わってしまったところがあり、未だにこの作品を超えるものは出てきていないとのこと。今後10年の間に、次の革新的な作品が出てくるのではないかと思うが、できればそれは東京から発信されてほしい、という富野氏であった。

(前略)その後、ピラミッドの頂点ということから、才能を持った人間の話へ。クリエイターとして最年長でいながら今も現役で作品を発表し続けている富野氏が発言。「ビジネスマンたちに、才能あるクリエーターを食い物にされないよう、がんばらないといけない」という言葉は、非常に重みがあった。そこで、岡田氏が少々暴走し、具体的に実名を出してそれをフォロー。「富野さんはあれだけ作品をヒットさせてるのに、未だにプールのある家に住んでない。でも、○○○○○○○○○の社長はプールをいくつも持ってますからね!」という、DVD化する際はカット間違いなしの発言が爆発。さらに、富野氏は、作品の作り手のスタンスとして、同業の某氏に対しても「多数の人間が関わって制作しているアニメにおいて、自分のセンスだけで方向付けするな、××!!」と吼えまくり。まさに、富野節炸裂である。

 実際に「萌えてはいけない」と言っていませんけれども、それでも「商売によって方向付けられた萌えに屈服してはいけない」と言わんばかりですね。なお、「xx」は誰に関して、一般的にO氏説が有力のようです。



2、「萌えアニメに対する不満があるなら、その熱い想いをモチベーションに変えて、あなたの力で変えていこう!」(2006年)

 次は、アニメージュ2006年7月号の「富野に訊け!」の相談に対する返答です。

富野に訊け!!第45回

美少女たちが賑やかに活躍するアニメ作品は、多くのファンに支持されていますが、中にはこんな風に感じている人もいるようです。それでは富野監督、よろしくお願いします!!

QUESTION 49
富野監督は「萌えアニメ」をどう思いますか?
福島県/クリームカレーさん

 富野さん、初めまして。
 悩みというより疑問に近いのですが、気になることがありハガキを送りました。
 私はアニメやマンガが大好きなのですが、どうも「萌えアニメ、萌えマンガ」 というものにあまり感心しないのです。萌えアニメなどにありがちな過激なお色気シーン、下ネタや、大人数の美少女キャラクター、あざとい脚本など、もはやオタクの人たちにしか受けないアニメなどが最近多いと感じました。なんだかそういうアニメは、オタクの人たちの人気をとるためだけに作品を作っているように思えます。もはや商品展開が見え見えな作品自体が、ただの「商品」に思えてきました。こんな風に言えるのは、僕自身が以前かなりの美少女オタクだったからです。18の若造が偉そうに言ってしまったのですが、富野さんはどう思いますか?
 ぜひ意見を頂きたいので、どうおぞよろしくお願い致します。


 まず最初に、僕が美少女アニメをどう思っているか?という答えからお話しましょう。 クリームカレーさんの文章には、正しい意見が書かれていますし、僕もまったく同じ思いを抱いています。そしていわゆる「萌えアニメ」の問題点も、この文章に書いてありますから、今更僕が何かを言う必要はありません。
 では、何故こういう風に「商品」しか作られないのだろうか、ということをお教えしましょう。こういった問題は、僕自身も幼い頃から考えていました。以前もお話ししましたが、僕は小学生の時『ゴジラ』(編集注:昭和29年公開の第1作)を観て、「せっかくの怪獣映画なのだから、もっと怪獣と人間を絡めたドラマを作るべきなのに、何故それをしないのか」と大変腹が立ちました。そして中学くらいの時に、その事について自分なりの内容を手に入れたのです。つまり、「この映画の作り手たちが、<子供が観る怪獣映画なのだから、この程度の内容でいいだろう>と考え、手を抜いたのではないか?」と。そうでなければ、あんな変な薬品ひとつで怪獣を消してしまうなんてラストを思いつくはずがありません。
 今の話と同じで、結局萌えアニメを制作している人たちは、クリームカレーさんの様に美少女オタクだった経験がないのではないでしょうか。そのために、「商売になる」という理由で作品を作ってるだけの話なのです。本当に「美少女アニメが好き」とか、そういう要素が自分の中にあると自覚している人は、それで商売をすることに恥や照れを感じたりするし、真性のオタクならばそれを隠すでしょう。オタクでないからこそ、商売として割り切って美少女を扱う作品を作ることができるのです。
 ここからの問題は、それを自覚した上でクリームカレーさんが未来に向けて、何をどうしていくかということです。18歳の若造……と自分で思っているかもしれませんが、あなたはもう立派な大人です。これからそういう大人たちに混じって仕事をすることになりますから、どうせなら自分が勝つことができる、もっと売れるものを作ろうという努力をすべきです。先の話の通り、『ゴジラ』に不満を持った僕は、「あのシーンはこうしたらいいんじゃないか?」とあれこれと考えましたが、思えばそれが今の仕事につながっていると思いますし、荒唐無稽なものと現実の人間を結びつけるドラマということを意識した結果が『ガンダム』であるということも言い切れます。
 さらに言うなら、もしあなたがこういったクリエイティブな仕事をしようとする時には、かつて自分が美少女オタクだったことを武器にすることができますので、それを活用することを考えてください。そういうセンスはとても大事なのです。例えば、バイセクシャル嗜好で考えてみましょう。「完璧に男性と女性は分離している」というのは、実は男性社会の迷信だと思います。一般のお客さんはバイセクシャル的の嗜好を誰でも持っていますので、中性的な――男性だったら女性的な面を持つ、女性だったら男性的な一面を持つ――キャラはかなり好きです。一世を風靡した『ベルサイユのばら』のオスカル。あれは男装の麗人という極めて中世的なキャラが受けているという要素があります。また、鉄腕アトムというキャラクターは一見少年ですが、実に女性的なキャラクターです。他にも、それに当てはまるようなキャラクターを、あなたもたくさん思い出せるでしょう。
 そして何より、バイセクシャルな視点を持つことができれば、男性なら自分の男らしさ、女性は自分の女らしさを客観視でき、より多角的に物を見たり考えることが可能なのです。そういう日常的なことも含めて、将来のことを考えるにあたって、あなたも自分の性癖を認めていって、それを日常の中に、仕事の中に、勉強の中に活用して頂きたいと思います。
 当然クリームカレーさんは自分が美少女オタクだった照れや恥があるでしょうし、その部分だけで仕事を進めたら、あなたが書いているとおりの狭い範囲のお客さん向きの商品しか作れないでしょう。しかし、あなたは「それは恥ずかしいぞ」と思っています。その感覚をベースにして100万人が喜ぶ作品を作ろうと考えればいいのです。
 クリームカレーさんの10年先、20年先を見通した企画や作品を是非見せて頂きたいと思います。

 これは相談者に対する返答なので、逆に「萌えを分かってることを武器にして、本当の萌えアニメを作ろう」と励ましたんですね。



3、「萌え系アニメよりも萌えさせる自信がある」(2007年初)

 三つ目は、『機動戦士ガンダム 連邦SIDE』という本に収録されているインタビューの内容です。

┃萌え系アニメよりも
┃萌えさせる自信がある



(前略)
――ロボットが登場する作品でなくとも面白い作品を作れる自負がおありということでしょうか?

 僕はファースト以前、スポ根からギャグアニメ、名作物など、いろいろな作品の演出をしていました。ガンダム以降は、今も申し上げた通り、たくさんのジャンルの仕事を手がけている訳ではありません。けれど、マニアに陥らないという努力は怠っていないつもりです。ですから、監督という大きな立場からの取りまとめ役になった時には、もしかしたら他の方よりは上手にこなせるのではないかと思っているのです。
 幼児向けの作品や、動物が活躍するような作品はもちろん、たとえば美少女物を作れと言われても、やれないことはないと思うんです。「パンチラを本気でやってください!」と言われれば、それをうまく見せる自信はあります。美少女物のオタクにならずに作るという手法を知っているからです。ですから、美少女マニアより面白い作品を作れるのではないかと思います。実際にやったことはないので、うぬぼれているんですけどね。

――美少女アニメ、いわゆる「萌え系アニメ」というものは、パターンを踏襲する作り方なんでしょうか?

 パターンではなく、「萌える」という視聴者の心に寄り添って作ってあげればいいだけのことなのです。先程例に挙げた「パンチラ」で言えば、そのシーンに行くまでに、ちゃんと視聴者の心の準備をさせてあげるのです。準備させて初めてパンツを覗くシーンをやり、場合によってはその先の場面を展開します。視聴者の性的欲求を満たすための、脈略あるシーンの積み重ね…その呼吸をきちんとやるだけでいいのです。
 一人だけの部屋で、こっそり見るものを作るノウハウだって知っているつもりです。萌え系アニメを、物凄くあからさまにもできるし、ほのかな雰囲気で作ることだってできます。パターンというより、すべて「タイミング」なんですよ。そのタイミングも、物語が作りやすいからという自分の都合のタイミングではないんです。「どうしてもそうならなければならない」という必然的な設定を物語の入り口に作り、物語の流れに脈略を持たせることが重要なのです。

――ちなみに、現存の萌え系アニメに関しては、どのようにお思いですか?

 僕は、文化庁メディア芸術祭などアニメに関するコンペの審査員も務めています。ですから、この1年の作品を大雑把にですが100本ほどは見てきました。それで強く感じたことがあるのですが…「僕が“萌え”を演出するなら、あんな声の声優さんは使いませんよ」。今主流になっている、癇に障るような声よりも、もう少し落ち着いた優しい声の方を探すことから着手するでしょうね。萌え系に癒しを求めている視聴者が、あんなにワンパターンな声とセリフで満足するわけがないのです。僕には、今の作り手が視聴者をナメているとしか思えません
 そのことは、演じる声優さんの側でも感じているようです。ある女性の声優さんから「セリフがいつも同じなんです」と相談されたことがありますから。同じような声、同じような演技、同じような話の展開、同じようなシチュエーション。3カットも見れば先がわかってしまうような作品は、面白くもなんともないでしょう。萌え系アニメの作り手には、「どうか、マニアになる前に人を楽しませてくれ」と言いたいですね。

――楽しい作品を作るには、具体的にどう作ることが重要なのでしょうか。

 プロフェッショナルに考えれば、思考がマニアックになっています。でも、マニアックになる前に、とても重要なことがあるのです。「萌え系」や「美少女アニメ」と呼ばれるものですら、バラエティーショーでなければならない…ということです。
 だから、チラッと覗くパンツのデザインや柄模様だけに意識を集中しているような美少女アニメを見ると、僕は「それは違うだろう」と思います。バラエティーショーの肝は、やはりキャラクターです。作り手の好みかもしれませんが、同じような美少女キャラばかりゾロゾロ出てきても、それはバラエティーショーにはなりません。違う性格を持つ様々なキャラクターがどう絡み合うかという構図を、きちんと作っていかなければいけないと思うのです。

 この話は富野が萌えに関する一番多く語った内容で、自分が実際に萌えアニメを手がけたらどう演出するかに関して、具体的に述べた話です。「萌え系アニメよりも萌えさせる自信がある」は一見大胆不敵な発言のようですが、実際の説明を読めばそのような自信を持っているのも頷けます。こんな萌えアニメは見たくないですか? 私は一度見てみたいです。



4、「『萌え』があったら、その先にあるものも描け」(2007年後半)

 4つ目は、「電撃PLAYSTATION」2007年9月14日号付録「Re:Play VOL.9」の特集、「ACEの証」に収録されている富野監督のインタビューです。

物語における少年は高いスペックを持っている


遊ばせてもらったという「キングゲイナー」の世界観

――まずは「オーバーマン キングゲイナー」についてお聞きしたいですが、どのような敬意で逃走劇という世界観が設定されたのですか?

富野由悠季監督(以下、敬称略)とにかくバカなことをやってみようという志の下、企画がスタートしました。途中、物語の方向性として間違ってしまったと思う部分もあったのですが、アニメ作品として遊ばせてもらうのもいいかなと思い、そのまま制作しました。
 ボクが思っていた「遊び」という要素を、ほかのスタッフにすごくマジメに考えられてしまって困ったこともありましたけどね。どうしてもシリアスな方向に引っ張られてしまって「戦闘メカ ザブングル」のときのように、物語のレールが意図的にはずれたような方向に進めなかったことで、若いスタッフとの軋轢(あつれき)や、自分のパワーの衰えみたいなものを強く感じました。
 実際、現在のアニメはマジメにつくりすぎていると思えるものが多いです。例えば、「ご主人様~」と迎えてくれるメイドが登場するアニメがあるとします。本当にメイドがいたら楽しいはずなのに、多くの作品がメイドを出したことで安心しきっているのが現状でしょう。「萌え」があったら、その先はどうなるのか? 人として成長するのかダメになるのかが描かれていない。たとえダメになるとしても、そこで堕落を究極的に描けるのなら、それは作品として成立するはずです。バニーガールな網タイツキャラがいたとしても、そんなキャラは40年前にすでに登場しています。そのキャラを物語のなかでどう特化させるかという部分に視点がいかないのは作り手として悲しいですよね。

 昔ブログでコメントを残してくださった方のお言葉を引用しますと、「萌えでも何でもいいから、やるならとことんまでやって、そこに小さいながらもテーマを見出す方が面白い」ということですね。



 以上の話は、富野由悠季監督本人が直接に「萌えアニメ」を言及した全部の発言でした。「目が大きいのは視聴者が視線に飢えている反映」など、ほかにも似たようなニュアンスの話はありますが、あえてこの4つだけをピックアップし、紹介させていただきました。これらの話を全体的に見ると、萌えアニメ批判よりも、萌えアニメの一歩先にあるものを期待しているように読めますよね。

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 余談ですが、『リングオブガンダム』においても、富野監督はビューティメモリーという非実在キャラクターに対して「あえて美少女として描く覚悟が出来ている」としています。実際のフィルムがわずか3分強であるのにも関わらず、ビューティメモリーちゃんは「真面目系空気読めないコスプレ二次元ながらタッチブルSFっ娘」という属性を付加された最高に萌える女の子です。

 富野監督の萌えアニメは激しく見たいですけど、まず新作の「Gレコ」にも萌える女の子が出ることを期待しています。すでに提示されたヒントだけでも、どうも「ツンデレ海賊っ子」「大胆不敵幼馴染」「クール天才なのにヘタレっ子」「カリスマ弟思いお姉さん」が存在していると思われますので、こりゃ期待せざるを得ないって感じですよね。

 富野由悠季監督に限らず、いろんな演出家による、より刺激的な萌えアニメが見れる世になることを祈ります。


 最後におまけとして、この話も読んでほしいと思います。

Animation Meister - Vol.2 富野 由悠季 インタビュー | 文化庁メディア芸術プラザ

——アニメばかり見てきた世代のスタッフと作業をしていて、具体的に困ることはありますか?

まず、打ち合わせなどで日常会話が通用しないんです。これをハッキリと意識したのは『機動戦士Zガンダム』の頃ですからで、気配としては最初の『機動戦士ガンダム』の頃にはもうあったんじゃないでしょうか。25年前、つまり、アニメがそろそろ職業として世間に認知され始めた時期と重なります。それよりも前の、僕なんかがアニメの業界に入ってきた頃には、もうちょっと日常会話が使えたという感触があります。当時のスタジオにいた人たちには、大人の世界に打って出ようとする気概があったし、その隣では学生運動で旗を降ってたヤツもいたりして、とにかくちゃんと言葉が使えていました。今はまったくダメです! アニメ育ち、ビジュアル育ちの若い人たちには、頼むから社会に出るまでにきちんとした日常会話を覚えてきて欲しいとお願いしたいのです。彼らが分かる言葉をこっちが探さなければならないというのはこちらがやせてしまいますからすごく困るのです。

たとえば、「カッコイイ」という言葉で伝えようとしても、アニメとかコミックに出てくる「カッコイイ」もの以外はカッコイイと思えない子たちがいます。「これこれこういう美女を描いてくれ」と言っても、そこらへんのアニメやコミックに出てくるような美女しか描けない。彼らは、自分でスケッチをしても、そこから何かが生まれるということがない。裸婦像や自然を描きながら、そのミックスから新しい何かを生み出すことができないんです。それは、ここ20年の間に顕著に見られる現象で、だから最近のアニメ作品に出てくる絵のパターンはすべて「なんとか系」「誰それ系」と、簡単に系列化されてしまうので、それは媒体としてもジリ貧になっていくだけなのです。
(中略)
小中高で教えてくれる一般教養のすべて、中でも一番重要なのは修身・道徳だと思います。つまり、公共に対して個というのはどうあるべきかという問題を考えて欲しい。そういうセンスを磨いて欲しいんです。作品を世に出すというのは公の行為なわけです。ニュートラルに見てエロスを感じる、ニュートラルに見てカッコイイというのが公共に供するべき作品。芸術作品であれば、それ以外の偏ったもの、変なものはあってもいい。ただ、それは公共に供するものではない。この見境をどこにつけるのかというところがまさに大人の見識で、このような話が分かる能力が必要なのです。

 去年あたりに一時期大騒ぎともなった東京都表現規制の話にも通じる話だと思います。

 あと、どうも「富野が制作者全員に高尚な作品を作ろうと強要している!」と誤解している人はいますが、実は富野監督は性的な表現そのものを否定していないですね。でも、エロはやはり単なる「お色気」「サービス」よりも、「エロス」が大事でしょう?

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