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井荻麟作詞論 第39回「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」

2013/10/11 15:49|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第39回「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」
 井荻麟作詞論の記事は108回予定です。今日の第39回では、テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』の1stオープニング「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」について語りたいと思います。



STAND UP TO THE VICTORY
作詞:井荻麟、みかみ麗緒/作曲:川添智久/編曲:神長弘一、川添智久、井上龍仁/歌:川添智久/コーラス:田村直美

激しい雨が心を震わせる あの日のように
ただ走り抜けた昨日までの My dream 信じているのさ

 映画『機動戦士ガンダムF91』が終わった後、富野由悠季は直接的な続編を作ることがなかった。代わりに、その宇宙世紀第2期という枠を継承して作ったのは、2年後のTVアニメ『機動戦士Vガンダム』だった。テレビシリーズとしての復活は、実に7年ぶりだった。とはいえ、前にも言ったとおり、商業的な縛りを強く受けているガンダム主題歌において、富野は本作でもこの1stオープニングテーマの作詞のみを手がけた。

 作詞は井荻麟・みかみ麗緒と連名されている。歌手の川添智久氏によると、もともとの歌詞はより低年齢層を意識した内容であったため、富野に変えてもらった現在の歌詞とはかなりの差異があったらしい。それでも、井荻麟がクレジットの前に置かれたことからも、やはり井荻麟主体の詞であることが推測できる。



 この作品は今までのガンダム作品よりも子供をターゲットするために、全体のカラーは当初低く設定されていた。この「STAND UP TO THE VICTORY」の歌詞が表している比較的に素直で明るい内容などからも、今までのシリーズよりも低く構えている姿勢が随所に見られ、その影響を強くうかがえる。

STAND UP TO THE VICTORY
いくつもの朝をむかえ いつかきっとつかんでみせる


 また、歌詞全体を見ると、内容が「君」と「僕」にフォーカスして、『ガンダムF91』からの「少年と少女」という命題を継承していると感じられる。

君が僕を見つめつづけてくれるなら

かけがえのない君の優しい笑顔抱いて

 こうしてみると、今でこそ『クロスボーン』が『F91』の続編と見られるが、こうしてみると、『Vガンダム』こそが『F91』の正統的な続編であることを伺える。



 さらに、いつもの井荻の持ち味もある。

終わりの無い Defenceでもいいよ

 かなりマイルドされているが、「終わりの無いDefence」では、ポジティブながらほろ苦い味が出てくるなど、正直子供向けに似つかわしくない描写だが、富野が好んで使う手法だ。当時の富野が捨て身覚悟で『Vガンダム』を作った状態にダブらせると、このシンプルな歌詞からはその意気込みが強く感じられる

 この「苦しみのなかにもがきながらも前に進む」という方向性はこのオープニングテーマで提示され、ED1、OP2、ED2も全部この「STAND UP TO THE VICTORY」の延長の上にいる。そういう意味では、富野は井荻麟として書いたのはこの1曲のみだったが、実質的に残りの三曲の方向性をディレクトしたとは言える。

 また、いろんな問題意識および特色を継承しながらもバランスよく保っていたという意味では、この歌は井荻麟の作詞のなかでも非常によく出来ている一曲なのだ。



 ところで、歌詞の二番目にはもう一つ隠されている要素があると思われる。

感じているよ 生命(いのち)のRhythm
君が僕の心の中にいるかぎり

 一見「君」と「僕」だけに注目するかような歌詞のように見えるが、全曲に散りばめていく「時間」という要素を加味すると、「次の世代へ希望を託す」というメッセージがおのずと浮上してくる。

 男性と女性があれば、当たり前のようにセックスを連想させる。そしてセックスがあれば、セックスの先にあるものを連想させる
。富野作品の一貫にして不変のテーマなんだから、歌詞で表しても何もおかしくないのだが、ウッソやシャクティのような小さな雄と雌でも、そのあり方とメッセージの伝わり方が『Vガン』本編を見れば、自然に感じ取るのでしょう。

 この「世代交代」という要素はここではまだ軽く触れただけだったが、のちの挿入歌4曲では、強く打ち出されることになる。このことからも、やはりこの「STAND UP TO THE VICTORY」は『機動戦士Vガンダム』という作品を包括している作詞といわざるを得ない。


 最後、冒頭でも論じたが、「STAND UP TO THE VICTORY」の初期歌詞は現在のとは大きくかけ離れていると言われている。はっきりとした出典はよく分からず、インターネット上で見られる記述はこれのみである。

『Vガンダム』の初期OPを歌った川添智久氏は「(最初にあがってきた歌詞が)行け行けガンダム~、みたいな歌詞だったので変えてもらった」旨の発言をしている。


 とはいえ、変更があるとはいえ、前も後も井荻麟主体の歌詞であることに変わりない。また、ほかの共作曲と同じく、誰がどこまで手がけたのを細かく論じる必要性はあまりないので、歌詞だけ見れば、追求自体はそれほど意味があると思えない。

 それでも、『Vガンダム』という作品初期に大きなてこ入れが入ってたように、「歌詞」も作品作りの素材の一つなのだから、「歌詞」自体の価値ではなく、作品が作り上げられている軌跡の一環として見るならば、歌詞の変更から作品の移り変わりを検討することも大いに可能でしょう。そういう意味では、将来の課題として引き続き追いたいと思う。

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