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井荻麟作詞論 第35回 「一千万年銀河」

2013/08/20 02:06|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:6
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 井荻麟作詞論の記事は100回以上予定です。今日は第35回で、テレビアニメ『機動戦士ガンダムZZ』の2ndエンディング「一千万年銀河」(第26-47話)を語りたいと思います。



一千万年銀河
作詞:井荻麟/作曲:芹澤廣明/編曲:若草恵/歌:ひろえ純

いく百 いく万 いく億の星よ
なぜ光るだけなのか 語る力を示せ

 前作の『Zガンダム』では、監督の富野由悠季は1stオープニングと挿入歌の作詞を手がけた。それでも外部からの商業的な要請が強すぎるため、今作では、富野による作詞はついに「一千万年銀河」のみとなった。

 しかし、『ガンダムZZ』が『機動戦士ガンダム』から始まったTVシリーズガンダム作品のとりあえずの終了であることを考えれば、この曲は事実上宇宙世紀第1期のガンダム作品の最後の曲である。それゆえ、この「一千万年銀河」という2ndエンディングは実は単なるエンディング以上の意味を持っていると言える。

 タイトルを観ると、ガンダムの舞台である宇宙自体が、この歌詞が描いている対象となっている。スケール感でいえば、今まで紹介した井荻が手がけたガンダム作詞のどれよりも大きい規模なものだ。また、「宇宙(そら)」「時代(とき)」などガンダムシリーズお馴染みなキーワードも入っていて、これらを包括して語っている。

 そのため、「一千万年銀河」は『ガンダムZZ』を包括するエンディングというより、むしろ今までのガンダムシリーズに対する結論付けというニュアンスが強いと感じられる。同曲のエンディング映像でも、ガンダム→MK2→Z→ZZという総括的なものとなっていて、曲と同じよう味付けがなされている。



 歌詞自体を注目すると、一番目を引くのはなんといっても星に関する描写であろう。

星の数だけ 命を貯えれば
銀河の群よ 光を変えて見せろ

 ここでいう「星」は、いうまでもなく「人」の暗喩で、「光」は、人の心から発する「力」のことである。そして、このように星の光を集めれれば「希望」となる。こうして置き換えてみると、この曲は人に希望を持って前に進むように促すものだと分かってくる。比喩としては極めてシンプルなだけに、ものすごくストレートな歌詞である。

 あえて歌詞を一字一句で解釈しないが、以下の歌詞で全曲を結ぶのは、ちゃんと意味があるものだ。

光 一千万年

 これは、空間と時間両方のことを歌っている詞ほかならないのだ。「刻(とき)」という角度で観れば、一千万年は間違いなく時間であるし、「宇宙(そら)」で観れば、一千万年光年は空間のことを意味している。このように、時空のことを包括しつつ、人類が生き延びて、希望を遠く末永く届いてほしいというのは、ガンダムシリーズ全体のテーマではあるし、生みの親である富野由悠季の人間に対して切望な願いかけでもある



 以上の話を理解できれば、二番目の歌詞はよし面白く見える。

いく百 いく万 いく億の星よ
つながってみせる時 来たのだと信じれば
光の鼓動が待ち望んでいた 始まりの刻(とき)

 これをよく吟味すれば、なんとなく『ZZ』の次作、あの『逆襲のシャア』の話に似てません? 『ZZ』の原案がもともとシャアと決着をつける展開だったことを考えれば、この曲の歌詞に『逆シャア』のニュアンスが含まれているのも当然おかしくないけれど、それでも実際の映画版と非常に似ている展開となっている。

つながってみせる時 来たのだと信じれば →敵味方問わずにアクシズを止める
光の鼓動が待ち望んでいた 始まりの刻(とき) →人の心の光
裏切る星の 色まで塗り変えれば
歪(ゆが)み捻(ねじ)れて 闇に落ちることなど →恐怖を感じず、むしろあたたかくて安心を感じる
まだ止められる 生命の応えだから →アクシズの奇跡

 という具合に、合致するところはいくらでもある。

 この歌詞が作られたとき、映画版『逆シャア』のテーマと展開がすでに決められたかどうかは我々が知る由もないが、少なくこの歌詞をみると、『逆シャア』のあのラストはもともとガンダムシリーズに内包し、限りなくシリーズ全体の結論を反映するものだと分かる。そういう意味では、映画版のラストを批判する人はいるのでしょうけれど、あのラストこそがガンダムという一大シリーズを象徴する無二の演出だ。そして『逆シャア』の後、『∀ガンダム』に至るまでは、そのラストよりガンダムシリーズを包括できる結論も存在しなかった



 最後、この「一千万年銀河」には『ガンダムZZ』本編もしくはテーマを反映したところがあるかに関して言えば、上で言ったとおり、歌詞全体は『ZZ』という作品よりガンダムシリーズのまとめなので、残念ながら直接に『ZZ』からのフィードバックは無いといわざるを得ない。

 とはいえ、この歌詞が持っている「健やか」な部分は完全に主人公ジュドー・アーシタというキャラクターでなきゃ感じさせることができない要素だったので、そういう意味でも、やはり『ZZ』抜きで成立できない歌詞と言えるかもしれない。


 このようにして、『ガンダムZZ』はあまり評価がよくないですが、1st-z-zz-CCAという流れの上では、やはり欠かせない作品だと思っています。

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コメント
逆シャア的な解釈が可能というのは目から鱗。

本文でご指摘の通り逆シャアとしての答えというより
ガンダムシリーズ全て(もしかしたら富野作品全てかもしれない)における
テーマといえるかもしれませんが。

おっしゃるとおりZZは健やかですよね。
コナンをめざし、人間のもっているパワフルさを
前面にだしたザブングルでさえ
エンディングでは少し影をみせるのに対して
リィナやサエグサ、カミーユまで出して
とことんまで大団円にしたってのはZZくらいでしょうか?
(だからこそ最後にこの曲が流れるところはいいですね)
まぁこの辺が異端として好まれないところの一つだとは思いますが。
みなさん鬱屈しておりますな(笑)

ちなみに。
本放送時に
「いく百、いく万、いく億の金よ〜〜♪」
と替え歌を歌っていた俗物バカの私の幼少時代。
まそきぃ〜 #-|2013/08/21(水) 14:47 [ 編集 ]
長谷川裕一ガンダムがあるのだな、と改めて納得。
starship #-|2013/08/23(金) 12:11 [ 編集 ]
>まそきぃ〜さん
あくまで自分の意見を付き加えますと、だからこそプルの死をまったく無視したような話に納得できませんでした。
もちろんそれはどの作品でもそうでしたが、少なくVではオリファーさんたちでさえ墓参りのシーンがあったんですよ。
この部分以外、全面的に賛同です。

>starship
長谷川氏本人の方向性もありますが、やはり彼はミックスしてアレンジするのが上手いですね。
ZZ→逆襲のなんたら→V外伝→クロスボーン
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/08/26(月) 02:58 [ 編集 ]
確かにそうでした。
本当にプル&プルツーに関してはなかったことくらいの描写でしてね。
エルピー計画も持っている身としては
そんなことも忘れてて恥ずかしい限り。

ZZ=プルという考えもお持ちの方が多い中で
あの扱いは確かにむごい。

ZZですのでどの程度富野監督が噛んでるか
私はよくわかりませんが、
「人工物」に対する悲劇というか、
ぞんざいな扱いというか嫌悪感というか
そういうものがあったんでしょうか、うーん…。

ただプルツーあたりが生きていればまだしも
死を悼む描写が入ったら
あそこまで脳天気な明るいエンディングには
ならなかったでしょうから、
意図的にはずされたっていうことでしょうか。
監督ももうどうでもよくなって、
無理矢理何の問題もないハッピーエンドにしたかった?
まそきぃ〜 #-|2013/08/28(水) 12:52 [ 編集 ]
ジュドーは将来外宇宙へ旅立つキャラであるということが富野の企画書に記載されているので
飛び立つ心というのは彼のことを指していると解釈していいでしょう。
プルの死にリアクションが少ないのはあれが自殺願望の成就だからでしょうね。
#-|2016/06/16(木) 09:03 [ 編集 ]
そうですね、そのような解釈でも素敵だと思います。
プルに関しては私には分かりませんので、コメントを控えさせていただきます。
kaito2198 #L2WcHO2o|2016/06/17(金) 01:10 [ 編集 ]
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