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富野由悠季が演出作品『どろろ』第16話を語る

2013/08/18 14:35|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 手塚治虫原作、杉井ギサブロー監督、虫プロ制作のテレビアニメ『どろろ』は2008年に「どろろ Complete BOX」としてdvd化されましたが、その特典の絵コンテ本に収録されている富野由悠季監督のインタビューを紹介します。



富野由悠季(第16話演出)

 第16話の自分のコンテを見て思うのは、その前にコンテを切った第3話と第4話に比べれば、一歩か二歩は作品風になってるな、ということです。ただ、第16話にしても、そんなに褒められた感じはしなくて、かなりひどい演出だと反省させられる作品なんで、絶対見てほしくないと思います。そういう出来です。第3話、第4話は、実を言うともっとひどいですけど……。

 『アトム』はまだ、映画的な問題をあまり気にしないですむ作品だったんです、マンガ絵っぽいから。『どろろ』になると演出的に実写っぽくなってきているため、映画処理を絶対に見逃しちゃいけない部分があるんですけど、フィルムを見るとコンテマンとして大問題だというところが随所にありました。よくもまあこれで世の中、無事に済んでたなっていう感じがします。そういう作品だったということを改めて了解しました。

 演出は僕、やってませんね。フィルムを観ても、自分で(最後まで)演出を手がけたという感じはないんです。コンテ様のカッティングしか見えなくて、上がったフィルムについては僕が触ったカッティングとはちょっと違う皮膚感がきちんとあるんです。具体的には、カメラのスピード感が違います。撮影出しに関わっているかどうかという違うなんで、同じ下手にしても、自分の下手さじゃないなっていうことですね。『アトム』を見ると間違いなく自分でやったという実感がありますよ。どんなにひどい作画であっても、自分が撮影出しまでして、編集までして、場合によってはアフレコにも立ち会って、という過程がこの辺(目の前)にひょいと見えてくるものがあるんです。あ、全部やってるな、これはまずいよねというのはあります。でも、第16話の場合、そのまずさがどんどん(自分から)遠くなっていくので、実際にはコンテを描いただけで、後は預けたんだろうと感じました。

 全体の構成という点でいえば、20何分という中でお話を通していくことについては、第4話に比べれば第16話のほうがはるかにちゃんと出来ていますが、肝心なところがダメでしたね。お話を作っていくことに関して間違いなく意識していたことは事実で、まだプロになったとは言えないけれども、一生懸命プロになろうとしている自分自身をこのコンテから感じますね。

 基本的には、虫プロを辞めてまた出戻って来た、なおかつ他のプロダクションにも出入りするようになって、この時期、自分の生活体験、孤立感みたいなものは嫌でも意識するようになっていました。それで、この『どろろ』の時には、キャラクターのつかまえ方が変わってきた、ということはあります。物語を作るとき、キャラクター固有なものを作るっていう意識ははっきりとありました。もちろん、原作にそういう匂いがあればきちんと把握して、自分のものにして出していこうともしていました。「妖馬みどろ」に関して言えば、その辺のことは意識して、なおかつそれほどあからさまでなく劇構成をして見せようという気配はあります。下手なんですけど、自立したいという欲は感じました。

 いつまでも虫プロというものがあって、そのなかで仕事が出来るものだと思っている、つまり仲間意識をたえず共有したい人とそうでない人の違いでしょう。この当時で言えば、フリーで1年半くらいやってきて、自分が感じていた、現実はきついという気分を虫プロの人たちはまだ感じてないんだ、というような苛立ちがあったことも事実です。フリーランスの場合は、基本的に自分にしか描けないもので仕事をしていくわけだから、鍛えられるものなら鍛えなきゃいけないという思いがありました。そうでなければ、それから10年後にロボット物をやったとき、「ガンダム」のようなものを作れるわけがないと思います。そういう意味で、ものを作っていくっていうのは固有なもの、つまり個としてしかやっていけなくて、共同作業のなかでは基本的には生み出し得ないものなんだということを認識しつつあった時期とも言えます。それは今回『どろろ』を観直して一番端的に感じることでした。

1941年11月5日、神奈川県生まれ。1964年3月に虫プロ入社。『鉄腕アトム』の制作進行、演出助手を経て、同作で演出デビュー。『リボンの騎士』演出の後、1967年にフリーに。1968年、『夕やけ番町』で初チーフディレクターを経験。虫プロ作品ではその後『アニマル1』の演出を経て、『どろろ』に参加。監督としての代表作は『海のトリトン』『無敵超人ザンボット3』『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『戦闘メカ ザブングル』『ブレンパワード』『∀ガンダム』など。

 正直、最初このインタビューを読んだとき、好きではなかったんです。他の人が内容を説明してくれたり、当時の思い出を語ったりするのに対して、富野監督は自分のことばかりしてて、なおかつ失敗失敗と言っていました。性格とはいえ、『どろろ』に対していささかリスペクトが無いじゃないの?と思いました。

 しかし、今となってはこれもこれで良しだろうと思うようになっています。思い出深く自分の「作品」に対する感想を語ることはもちろんいいですが、ドライなまでに淡々と「演出」を語るのも、この作品に対する理解を深めるものだと理解できますし、そもそも外部スタッフでしかない富野に感想を語らせてもしょうがないから、結局こういう話になるだろうと。

 なにがともあれ、貴重な話であることに代りにありませんので、ここで紹介しました。



 ちなみに、この本は富野のほか、監督の杉井ギサブロー、演出の出崎統、高橋良輔の絵コンテとインタビューも収録されていますが、どれも当時を知るための資料として貴重である。特に高橋を除くと、杉井・出崎・富野のコンテは本編を観るまでもなく、カット数だけでそれぞれ当時の作風、優劣、手法が見えてきて、非常に面白いものです。



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