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産経新聞記事「『ガンダム』富野監督の語った『アトム』と手塚治虫」を説明する

2013/06/24 20:29|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 産経新聞記事「『ガンダム』富野監督の語った『アトム』と手塚治虫」を説明する
 産経新聞は、新たに富野由悠季監督の記事を取り上げました。

「ガンダム」富野監督の語った「アトム」と手塚治虫+(1/4ページ) - MSN産経ニュース

 産経新聞文化面で月1回掲載している連載「テレビ還暦」。5月28日付で国産初の連続テレビアニメ「鉄腕アトム」を取り上げた際には、スタッフの一人だった「機動戦士ガンダム」の生みの親、富野由悠季さん(71)に話を聞いた。紙面では書ききれなかった富野さんの言葉をここで紹介する。

 曰く、この記事→【テレビ還暦60年】アニメは手塚治虫の「発明」だった - MSN産経ニュースで書ききれれなかった話を改めて紹介する話ですが、正直「新しい事実を発掘した」という意味では、今回の話のほうがより中身あるものでした。

 とはいえ、今回の話を読んでいくつか気になるところがありますので、以下は引用しつつ少し説明したいと思います。

 それにしても、この三品貴志という記者はかなり熱意がある方だと思います。記事をまとめる腕もいいですが、なによりかなり正確に富野監督の言葉の真意を汲み上げてくれたと感じます。前回と今回の記事に対して、この三品記者に称賛を送りたい。


1、虫プロはアニメ素人の集まり?

富野さんの入社時には、すでに使い回しや省略表現でセル画の枚数を節約する「リミテッドアニメ」の手法がある程度確立されていたという。「アニメは全部動かさなくても伝えられるということを教えてもらった」と富野さん。ただ、「週ペースでものを作ることにすでに現場は慣れていましたが、とにかく忙しく、演出論などを議論をしている時間はなかった」とも明かす。

 富野監督は昔からよく「虫プロで教わったことは何も無かった」みたいな言い草をしてきましたが、案外これが実情でしょう。職人とかの論調ではないが、「現場で盗むしかない」というのは、昔でも今でも、そしてどの業種にも言えることです。

 とはいえ…映画的な方法論と理想を持っている富野監督がまったく映画を無視して、ひたすらアニメを作っているように見える環境に不満を持つのも、ごく当たり前のことでしょうね。詳しくは自伝『だから僕は…』を参照すれば分かりますが、入社3日目で自分の日記に「こんなところに絶望した」と富野監督が言ったのに、さすがに思わず吹きました(笑)。

 演出論を議論する時間は無いといいましたが、富野監督のことだ。新人の制作進行のときでも、すでに当時の先輩だったりんたろう氏の演出に異議申し立てたことも今を読むと微笑ましい。


2、手塚先生とTVアトム

 最盛期ほどではないしても、多くの漫画連載を抱えていた手塚さんと、富野さんは打ち合わせ以外ではほとんど話をしたことがないという。ただ、番組の視聴率が悪化して“キレる”手塚さんの姿は印象的だったようだ。

 「スタッフ全員が呼び出され、手塚先生が『君たち、これだけ視聴率が落ちているのは同じようなことをやっているからですよ!』と怒鳴る。われわれは『また怒った』と後で言っていましたね」

 記憶を憶えている限りでは、これは初出の話だと思います。アトム後期に別の番組も始まって、視聴率が落ちてるからってそう単純に片付けられるものでもありませんが、そう考えているのはものすごく手塚氏らしいですね。


3、トリトンの原作変更について

 プロデューサーは、その後「宇宙戦艦ヤマト」を手がける西崎義展さん。富野さんは手塚さんの原作に飽きたらず、西崎さんに「原作、無視していいですか?」と告げて、設定やストーリーに手を加えた。

 「その仕事が来るまで、本当の意味で自分がオリジナルが好きかどうか分からなかった。単純に海獣をやっつける展開が気に入らなくて、最終回はシナリオなしで勝手に描きました。ライターとはけんか別れして虫プロには出入り禁止になるし、(虫プロのあった東京の)練馬付近にはしばらく近づけなかった」

 本人の性質(たち)の賜物でしょうけれど、それにしてもここ数十年、西崎に絡む話は大抵ややこしく聞こえます。もちろん富野さんのトリトン話とて例外ではありません。ここでちょっと解説します。

 前半の話は、もともと虫プロで製作予定だった時期、つまり西崎がまだ手塚から版権を騙し取った以前に決めた方針でした。これに関して、西崎はもとより、虫プロと手塚治虫本人も了承済みでした。しかし、そのあと西崎が虫プロから版権だけ取って行っちゃったので、後半の話になります。

 ここで留意してほしいのは、前半の話と後半の話は一見関連性がありますが、実は別件だということです。富野監督が一時期虫プロと悪い関係になってたのは本当のようです。しかしそれが最終回のためというより、むしろ西崎が裏切る後でも、なお彼のもとで仕事をしてたためというほうが適切かもしれません。そのうえ「手塚トリトン」とまったく異なる最終回に持ってきたんで、虫プロの人の心証が悪くなるのもある意味仕方ないことです。

 ちなみに、当時のライターにケンカ別れをして、以降に組むことなかったという富野監督の言葉も正確ではありません。たとえば『トリトン』のライターの一人であった辻真先氏とは、『勇者ライディーン』でも組んでました。富野監督の言葉を検証しないでそのまま信じると、誤解を生む恐れがあります。

 あと、まとめブログみたいな頭悪い捉え方は、もちろんしないでください。あれはただの金儲けのやり口です。


4、宮崎駿と高畑勲

 「虫プロでの経験はその後のヒントになったが、同時代のスタッフのアニメ論、映画論が聞けなかったのはいやだった。宮崎さん、高畑さんと出会い、アニメを映画として作っている同世代の作り手がいると知って、命拾いした。両方を体験できたからこそ、制作予算のあるロボットアニメをやるとき、『もしかしたら映画らしく作れるかもしれない』『どういう物語を付加するかが重要だ』と思うことができた」

 ご存知のとおり、富野監督は宮崎駿氏を非常に高く評価しています。そして高畑勲氏の演出を評価し、氏を師の一人として尊敬しています。しかし、よく富野監督の話を読めば分かると思いますが、宮崎氏を単独に取り上げることはあっても、高畑氏を単独に評価することは、実をいうとあまり無いかもしれません。いわば、常に「高畑・宮崎」というラインの上で評価するものです。

 アカデミー賞まで取った宮崎氏を評価するのは、当たり前のことですが、これを根拠に、「富野は高畑より宮崎のほうを評価している」と捉えている人がいるようです。実情を考えれば、長く高畑氏の演出を支えてきたのは宮崎氏の画だったので、このような見方も当たり前でしょう。また、ジブリ時代の実績を考えると、「宮崎>高畑」と断定したい人も出てくるのでしょう。しかし、高畑氏抜きの宮崎作品も、宮崎氏抜きの高畑作品を見れば分かるとおり、どちらも欠落を持っている作りとなっています。なので、二人セットでこそ隙のない作品を作れる考えは、おそらく富野監督のなかにはあるのでしょう。

 なにせよ、現状はどうであれ、70年代当時では「高畑演出+宮崎画」があればこそ、日本のアニメはさらなるレベルアップを遂げたといえるのでしょう。そういうことから見ても、富野監督が目指している「映画」の理想を、多少伺えることができるのでしょう。


5、深夜枠が好みではない?

 最近のテレビアニメについては「見ていないので作品評はできない」とした上で、深夜放送が一般化していることについて、「夜は寝る時間でしょ。その時間に起きている人を想定してビジネスができる社会は異常だと思う」と言い切る。

 これは一見深夜放送について苦言を呈する話ですが、ビジネス的において仕方ないと思いつつも容認する話だと思います。あと、逆に考えれば、今回のGレコは深夜という可能性があまり無いということをほのめかしているのではないかという深読みもできるかもしれません。枠に関して監督は決定権を持っていませんけれども、それでも「監督はあまりこのような枠で放送したくない」を分かるだけでも価値があると思います。


6、群衆の平準化

 デジタル化やインターネットの普及など、アニメを含む映像メディアの環境は大きく変化しつつある。ただ、富野さんは主にネットの普及を冷ややかに見ているようだ。

 「人の平準化が進むだけでは。群衆は付和雷同する。群衆を一気にニュータイプにする方法が見つからないと、世の中は明るくならない気がする」

 これになんとなく感じている方も多いでしょう。しかしこれを簡単な言葉で表現できたのはさすがと思います。それから、この話にもやはり「全体主義」的なものを憂う感じが入っています。今回のGレコでそれを見せてくれるのか、素直に期待したい。

 もっとも、後半のニュータイプ云々の話は、たぶん語尾に(笑)をつけるくらいのニュアンスだと思います。フィクションの力を信じてるけれども、富野監督はそこまでフィクションと現実を混同しませんから。


7、アトムは富野の原点

 富野さんが初めて演出を手がけた「アトム」の「ロボット ヒューチャー」の回では、未来を予測できるヒューチャーが、金もうけをたくらむ博士に利用され、「人間の役に立つ力なんでしょうか」と自問自答する。アトムは「切り抜けていくんですよ」と励ますが、ヒューチャーは予言通り、博士の手にかかって破壊されてしまう。

 新たなテクノロジーやメディアを、人は使いこなすことができるのだろうか。人は変わることができるのか。希望と悲観が交錯する作品群を発表してきた富野さんの「問い」は、虫プロ時代から変わっていないのかもしれない。

 この富野監督のアニメにおけるデビュー作「ロボットヒューチャー」をお目にかかる縁を恵まれることがありましたが、ホントにまんま富野エッセンス溢れる一作でした。『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』などで見せた富野節は、すべてこの20分強の時間に濃縮しています。機会があれば皆さんもぜひ見るべきです。

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