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井荻麟作詞論 第32回 Z~V時期の富野由悠季と井荻麟

2013/06/26 22:18|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第32回 Z~V時期の富野由悠季と井荻麟
  井荻麟作詞論の記事は100回以上予定です。今日の第32回では、『機動戦士Zガンダム』から『機動戦士Vガンダム』までの富野由悠季監督およびその作詞について語りたいと思います。時期でいえば、だいたい1985年~1994年頃のことになりますが、特に厳密的に定義しておりません。



 さて、第21回では『戦闘メカ ザブングル』から『重戦機エルガイム』までの井荻麟作詩の特色を示し、そして第27回ではその時期前後のビジネス事情および作詞の変遷を語った。『ガンダム』映画化の勢いで、富野由悠季監督が作品においても作詞においても空前な権限を勝ち取ったが、『エルガイム』の頃になると、逆に成長してきたビジネスの波に抑えられた傾向を強いられた。

 そしてついに来たのはガンダムシリーズの続編だ。『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』だった。常に新しいものを求める富野にとって、評価もしくは商業的要請とは別に、ガンダムの連続は作家性の否定および作り手の挫折以外の何者でもない。
また、作詞においても、ビジネス先行の波に押されて、主題歌の作詞をレコード会社の意向でプロの作詞家に譲ることになった。前回でも言ったが、作詞で作品をコントロールする手法を持つ意味では、この武器を失うことは敗北と見なしてもいい。

 しかし、こうしたなか、井荻麟の作詞はまた違う様態を示し始めた。確かに歌詞の絶対数でいえば少なくなった。また、主題歌の作詞も多くて1曲に限ることになっていた。しかし、制限されたからってそのまま諦める富野由悠季ではない。その作詞は、むしろ別の方向へ成長していく。



 前期に比べて、井荻麟の作詞はこの時期ではかなり異なっている。そして一番違うところは何かというと、何より「世界観ありき」という要素がこの時期ではまったく見かけなくなったことなのだ。それだけでなく、その世界観に付随している「物語性」も「作品の方向性」もまったく見かけなくなった

 両時期の最初の井荻作詞の冒頭を見比べれば、その違いは一目瞭然。

ここは地の果て 流されて俺
今日もさすらい 涙も涸れる

(戦闘メカ ザブングルOP「疾風ザブングル」)

今は動けない それが運命だけど
諦めはしない もう目覚めたから

(機動戦士ZガンダムOP1「Ζ・刻を越えて」)

 この差異が、特にオープニングやエンディングにおいては顕著だ。『ファーストガンダム』の続編にあたるガンダム世界であるために、異世界三部作みたいに世界観をあらかじめOPやEDで紹介する必要がないからかもしれない。もしくは、『エルガイム』などで参入しているプロ作詞家の作り方を模倣しているからかもしれない。考えられる原因はいくつかあるが、どのみち、これらの差異が示したのは、富野由悠季および井荻麟が新たな局面を向かって、新たな転換を果たすことに他ならないのだ。



 その代りに、この時期の井荻麟作詞――特に主題歌のOPとED――からは一つ、さらに強烈なものが浮かび上がる。以下の例をご覧下さい。

今は動けない それが運命だけど
諦めはしない もう目覚めたから

(機動戦士ZガンダムOP1「Ζ・刻を越えて」)

あゝ このままで明日を探そう
振り返る事などないさ
自分を傷つけないで

(機動戦士ガンダムF91イメージソング「君を見つめて-The time I'm seeing you-」)

終わりの無い Defenceでもいいよ
君が僕を見つめつづけてくれるなら

(機動戦士vガンダムOP1「STAND UP TO THE VICTORY」)

 これらの歌詞からは、非常に強い「意志の表明」が感じられる。劇中の人物のことを歌っているという読み方は真っ当だが、こういう逆境を逆らうような叫びが、どうしても原作者・総監督の富野の声に聞こえてしまう視聴者も多いでしょう

 こういう要素は、『エルガイム』以前でも皆無ではない。しかし世界観と物語を含まれない分、この意志表明はより一層強く感じられる構造となっている。そして、本編入る前の「第0話」(もしくは作品を包括するPVなど)として、さながら総監督の富野が作品開始する前に視聴者へ向かって「それでも私はやるしかない」と宣言しているようだ。

 それゆえ視聴者には、これらの歌詞が示している姿勢、それから本編に生きているキャラクターを、どうしても富野の姿と重ならざるを得ないように見える。また、この時期において「苦境にもがきながらも、決してあきらめない」という意志の表示が、一貫として「富野ガンダム」のテーマになっていて、富野の監督したガンダム作品が他のシリーズと一線を画する”深さ”を獲得できたわけである。ガンダムが富野の代表作に言われるのは、決して売り上げが良いだけではない。そこには作家性の発露があるからだ。



 また、挿入歌においても、井荻麟の作詞は以前と違う傾向を示している。今まで富野が作った挿入歌は多く独自の物語性を付随していて、物語を歌うものだったが、この時期のものにはこういう特徴が見られない。むしろ、具体的な物語を歌わずに、情緒を醸す方向に注力しているように聞こえる。

 『逆シャア』の「我らが願い」と『Vガンダム』の「ひなげしの旅のむこうに」はそのまま劇中の肉声として作品に内包されている。また、他の挿入歌も叙情的で、作品に色をつける役割を果たしている。

引き裂かれた 愛が
それっきりおしまいになると思わず
一度、知った 愛は
鍛えられ 次のもの さがす 力に

(機動戦士Vガンダム 挿入歌「いくつもの愛をかさねて」)

 これらの歌詞は前の時期より文芸的になり、作品を深化する方向性へ向かっている。周知の通り、物語には「変化」がいる。歌詞に物語が含まれない分、気分の「前進」が見えなくなるが、その代りに、同じ場所での情緒の「掘り下げ」はできる。かくして、主流ビジネスから離れて(端的に示したのは、挿入歌はシングルからサントラ収録になったことであろう)、今までの武器を失った井荻が、不本意な苦境を強いられた末、また新たに作品をコントロールする武器を手に入れたのだ。



 以上で言及した「意志の表明」はこの時期特有なもので、それらがガンダム作品であることと無関係ではない。また、「文芸的な要素で作品を深化する」という手法はこの時期から初めて見れるもので、のちの復活三部作(つまり『ブレンパワード』以降)にも繋がるもので、井荻麟のさらなる境地を伺えるのだ。これらの話はあえてここで割愛して、これからの記事で語ることにしよう。


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