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井荻麟作詞論 第31回「傷ついたジェラシー」

2013/06/05 19:47|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:4
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第31回「傷ついたジェラシー」
 井荻麟作詞論の記事は100回以上予定です。今日は第31回で、テレビアニメ『重戦機エルガイム』の挿入歌「傷ついたジェラシー」について語りたいと思います。



傷ついたジェラシー
作詞:井荻麟/作曲:筒美京平/編曲:戸塚修/歌:鮎川麻弥

星降る 夜は 胸さすから
マシンを 片手に

 前作『聖戦士ダンバイン』では挿入歌をやらなかった監督の富野由悠季だったが、この作品において、また挿入歌の歌詞を手がけることになった。そしてその曲がこの「傷ついたジェラシー」だった。本編でいえば、第24話の「アスフィー・ハート」のラストに使われている。

 しかし、この曲の説明に入る前にはっきり言おう。この「傷ついたジェラシー」は非常に分かりにくい歌詞となっているのだ。もっとも、この歌詞が難解であるのには訳がある。

 前回も言ったが、この『エルガイム』という作品は監督の富野由悠季がオープニングテーマを手がけなかったアニメだったので、『戦闘メカ ザブングル』や『聖戦士ダンバイン』などで主題歌の歌詞で「世界観を提示する」という機能がなくなっている。そして井荻麟本人の主題歌から受け継ぐ言葉や物語性を持てなかったため、この挿入歌も主題歌からさらなる広がりを見せなかった。逆に、この挿入歌から展開されるフレーズもあり、それらの要素をたった1曲で解読するのは、決して簡単なことではない



唇が 痛みをこらえて
泣かないで 私の心よ

あすがあるから いまは忘れてる
ジェラシー

 歌詞を素直に読む限り、男女の間の感情あるいは恋愛を歌うものだと読み取れる。しかしよく2番目を読むと、それだけでなく、どうもそういった感情を乗り越えるような節があると感じられる。なので、この歌詞が恋や愛などの感情を歌う内容というよりも、あくまで恋と愛などの感情も含まれている内容という言い方は適切かもしれない。

 この曲の雰囲気が比較的に沈んでるのは、明るい曲調のOP2「風のノーリプライ」のカップリングだったためだろうか。また、EDの「スターライトシャワー」に続いて、井荻麟がこの作品において作った二曲目であることも考慮に入れたい。こうした複雑な要素が絡み合ったことも、この歌詞の意味の難解さを手伝う一因となっている。



 特に分かりにくい件は、なんといっても二番目の歌詞だ。

火傷の 跡を ただ見つめて
泣くのは やめよう
五つの 星を 掴めるなら
この体 捨てても

 1番目の歌詞を受けて、火傷(やけど)はまだ「恋の傷」だと解かすことができる。しかし、「五つの星」と「体を捨てる」という飛躍ぶりは、もはや恋愛の話に収まらず、ロジックで理解できないものとなっている。

 『ザブングル』の挿入歌みたいに本編の要素を想定するような歌詞ならば、まだ解読することもできるが、この曲からは特にそういった関係性を見出せないから分かりにくい。が、もしこの歌詞は本編のある部分を想定して描かれたものだとすれば、ひょっとしたら富野にとっての理想的な『エルガイム』の色合いを伺えることができる



 どころが、この曲は全曲暗い雰囲気のままで進行しているが、歌詞の意味を汲み上げれば、暗い気持ちだけど、それでもなお明日を向けて、歩こうというする気持ちがよく読み取れる。「生きるために、とりあえず前に進むしかない」という暗き前向きのようなものが、いわゆる富野由悠季の作品によく出てくる一大特徴といえるのだが、それがこの歌詞でまさに遺憾なく表している。『機動戦士ガンダム』の歌詞でも男性に対して似ているような訴えが出てくるが、この歌詞には女性の心情が秘めているとすれば、より一層興味深い話なのだ。

 それにしても、この曲の立ち位置(カップリング)といい、時期(84~85年)といい、曲の難解さ(内容の飛躍)といい、どれを取っても非常に翌年の『機動戦士Zガンダム』の挿入歌「銀色ドレス」に似てると思えてならない。しかし、歌詞全体の雰囲気と性質は、かえってまったく逆のものを呈してる。これはまた大いに吟味できる話だが、第34回の「銀色ドレス」の記事でまた語りたいと思う。


 それにしても、この時期の富野作品の主題歌シンガーが、キングレコードさんの意向で抜擢されたことは多いのですね。まあ、スターチャイルドからして富野と切っても切れない関係ですからね。

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コメント
どうも。
この曲が使われたのは24話「アスフィー・ハート」ですが、
二番目が歌詞を含めるとこれはポセイダルの影武者であるミアンの真のポセイダルであるアマンダラに対する
届かぬ愛を唄ったものだと想像できます。
(一番目の悲哀のモチーフが、いきなり五つの星とスケールが大きくなるのはそのためかと)

余談ですが、FSSのイメージアルバムに収録されてる「瞳の中で ~Dancin`Eyes~」という曲にも
同じく「五つの星~」なるフレーズが使われ、
こちらは主人公アマテラスの妾であるラキシスに心情が唄われてます。
千秋クリストファ #-|2013/06/05(水) 21:57 [ 編集 ]
実を言いますと、このようなありがたいご指摘を頂いた時点、この記事はすでに半分成功しました、というのはこちらの気分です。なぜならばエルガイムをまだ見終わってない私が、この記事を上手く書けそうにありませんから。この記事の出来に私個人も不満を持っています。しかしこれを終らないと、これからの記事も書けませんので、とりあえず60%くらいの完成度のままで公開しました。じっくり皆さんのご意見を参考しつつ、エルガイム全編を見終わったら、修正させていただきます。
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/06/05(水) 23:56 [ 編集 ]
 もちろん毎回読んでいますが、最近ゲームにうつつを抜かしておりまして…久しぶりのコメントです。

 この歌は以前、私が富野作詞について記事を書くきっかけになった(削除しちゃいましたが)作品で、ちょっと思い入れがあります。

 「五つの星」は単純に、ペンタゴナワールドの設定を踏まえての言葉でしょうから、野心ある男性の側にいる女性の心情を表した歌詞でしょう。私はレッシィ→ダバの歌詞だと思っていますが、どちらにしろ、千秋クリストファさんがコメントなさっているように「女性が男性を想っている」歌詞であると思います。

 ビジネス事情の話も興味深く読みました。「CAT’S・EYE」がヒットした後でもあるし、売野さんや筒美さんの起用など、メーカーも本気だったと思います。富野と鮎川さんの対談では、富野がオリコン入りを目指すために、作詞の座を譲った感もあったのですが、やはりメーカー主導だったんでしょうね。やらしい話、印税を考えるとそう簡単に手放せるものでもないでしょうし(笑)

 それと、kaito2198さんのブログの話題がコメント欄でちょっと出たので、紹介しておきますね。
 ttp://talkingscarlet45.blog.so-net.ne.jp/2013-05-20-1
坂井哲也 #-|2013/06/10(月) 20:35 [ 編集 ]
ゲームですか、ちょっと意外ですね。つか坂井さんがプレイするゲームに普通に興味を持っています。

前の記事が削除されたのは、実に惜しかったんですよ。当時は今ほど井荻麟に入り込んでいなかったので、憶えていない内容もありました。

今回の記事についてのご意見は参考になります。全話見終わったら、こういったご指摘は必ず記事に反映します。ありがとうございます。

リンクの紹介ありがとうございます。あとブログの紹介もありがとうございます。これらの記事はかかる手間のわりにいまいち反響がはっきりと見えませんので、こういうのはすごくありがたいというか、モチベーションになります。
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/06/11(火) 21:19 [ 編集 ]
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