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井荻麟作詞論 第25回「わすれ草」

2013/04/07 00:47|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:6
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第25回「わすれ草」
 井荻麟作詞論の記事は100回予定です。いよいよ全記事の1/4を完走した第25回の今回では、テレビアニメ『戦闘メカ ザブングル』の挿入歌2「わすれ草(そう)」について語りたいと思います。



わすれ草
作詞:井荻麟/作曲:馬飼野康二/編曲:馬飼野康二/歌:MIO

ときには思い出すだろう
冷たい夜露 降る星を

 「HEY YOU」に続いて、作詞・井荻麟、作曲・馬飼野康二、歌・MIOという同じ面子で臨んだ二番目の挿入曲。この時期の他の井荻麟作詞曲よろしく、曲に含まれているストーリーが独立しているものの、歌詞に散りばめられているフレーズと言葉遣いを見ると、やはり『ザブングル』の背景である荒野を想起させる世界観に基づいている。しかし、「HEY YOU」が陽気で、お天道様の下で闊歩する曲だとすれば、こちらの「わすれ草」はやや翳りを抱え、夜空を見つめるような曲だ。



 この曲が特筆すべきところは、なんといっても「HEY YOU」と同じく人の温かさというか、人肌を感じさせてくれる歌詞となっていることでしょう。

ときには思い出すだろう
冷たい夜露 降る星を
しのいで包む 一枚の
マントの下の ぬくもりを

 いや、むしろこちらの歌詞は肌寒い空気とマント下の暖かさの温度差を感じさせるだけあって、余計にその温暖が恋しくなるものとなっている

 そして、この歌詞に続く。

だから今 どこにいるのと
叫んでる 私の心

 説明するまでもなく、これは失恋のことを歌っている。しかも二番目の「腕が憶えた ぬくもりを」を読めば分かるとおり、人のぬくもりを憶えてしまった後の失恋なのだ。同じく恋を歌う曲として、「HEY YOU」の爽やかさに比べて、こちらがよりセンチメンタルな曲となっているのは夜のせいか、一度ぬくもりを覚えたせいかは定かではない。ただし失恋による一抹のせつなさを覚えつつも、なおたくましさを持っている「HEY YOU」に比べて、「わすれ草」はより哀愁に浸る悔しさと悲しさの色を帯びている。

 そして、このような寂しさ、懐かしさ、悔しさ、悲しさは全部、タイトルに集約されている。

わすれ草が あるのなら
教えてくれ こっそりと

 忘れ草の読みは正しく「わすれぐさ」だが、井荻はここであえて「わすれそう」と読ませて、「忘れそう」と書けている。忘れたくても忘れられない。そんな自分の弱さを認めている。でも、きっといつか自分のそんな未練を振り切って、忘れそうになれる。そのような気持と願いは、この「わすれ草」に託している



 ところで、前の記事では「HEY YOU」がラグの心情を代弁する曲だといったが、逆にこの「わすれ草」は、内容的にいえばまったく合致するわけではなかったが、あえて言うならもう一人のヒロイン、つまりエルチ・カーゴを想起させるんだろう。洗脳されるとはいえ、エルチはそんなたまじゃないだろう、と疑っている人はいるかもしれないが、少なくともラグがこんなにセンチな人じゃないのは確かだ(笑)。

 しかし、「HEY YOU」が女性の強さを見せた一面だとすれば、この「わすれ草」はそんな強い女性が見えないところでふと弱さを見せたもう一面だといえる。同じく失恋の曲でありながら、MIO氏のハスキーな声も相まって、ドライすぎる世界を生きてきた女性の強さと弱さを見事に表現してくれた。そういう意味でも、この「わすれ草」やはり「HEY YOU」と対になって、語るのに欠かせない一曲だ。


 それにしても、「わすれ草」が「HEY YOU」と曲風が正反対な曲となったのは、ひょっとしたらMIOを売り込む商業的な思惑が入っているかもしれません。それでも二曲を完璧な出来まで仕上げた富野由悠季、馬飼野康二、MIOのコンビには、もうただ感嘆するしかありません。

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コメント
・・・・じんわりきますねえ、この記事。まなじりに涙がにじんできます。

この曲って、劇中エルチ寄りで使われてるのかとおもってたら、ラグやエルチがアイアンギアーを家出したときに使われていたような記憶があるんですけどね。
2番の歌詞に「私の未練」って言葉があって、まさにエルチやラグのジロンへの未練たらたらなお話の中でかかっていたと思うんですよ。

完全にひとりよがりな話ですけど、この曲で女たちが見上げる星空って、断ち切りがたい男への想いを抱えながら、雄大な星空をみてかえって自分の小ささを嘆いているようにも感じられるんですよね。でも「ときには負けるのがつらく」って歌詞のように、強がらなきゃゾラという荒野の中では生きていけないって思いもあるから、強くありたい自分と弱音を吐いちゃう本音の自分が複雑にコンフリクトしている印象を受けてます。

1作品の中で両極端な歌詞の唄を、MIOさんに歌わせた富野監督って、どれだけMIOさんを信頼してたんだろって思っちゃいます。
波のまにまに #-|2013/04/08(月) 09:13 [ 編集 ]
波のまにまにさん、コメントありがとうございます。
そうですね、記憶に関する話だと、どうしてもエルチを思い出しますが、実際はエルチ寄りの使い方をなされてないのですね。HEY YOUと対する曲なので、もっと全体的なものという感じもします。
それから、前回と今回のコメントはものすごくタメになりました。参考しつつ記事を修正したいと思います。ありがとうございます。

真面目の話、富野さんはそれほどMIO氏に深く関わっているとは思いませんが(それなり接触はあっただろうけど)、確かにMIOの声は富野が手に入れた数多い歌手のなかでも最高レベルのものだと思っています。

そういやこのブログはご存知ですか? 富野作品でいえばイデオンとザブングルに対する言及は多いですが、とても読む価値があるものだと思います。
http://kosumosunikimito.blog9.fc2.com/
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/04/08(月) 21:17 [ 編集 ]
ご返信、ありがとうございました。
あまりにも主観でコメント差し上げただけですのに、あまりにおっしゃりように恐縮至極です。ああした物言いになってしまうのは、それこそ中学生の時からあの曲たちをずっと聞き続けていたせいで、十分な映像ソフトもなかった時代に、曲だけで想像力の翼を広げまくっていたからだと、自己分析してみたり・・・(てへ)
そんなにお気になさらず。

教えていただいたブログをちらっと拝見しました。
なんと申しましょうか、読んでる本がずいぶんと似通っておりまして、びっくりいたしました。
これからちょっくらのめりこんできます(笑)

さて、このあと「ザブングルグラフィティ」から「ダンバイン」「エルガイム」と続きますよね。記事を楽しみにしております。
波のまにまに #-|2013/04/08(月) 22:14 [ 編集 ]
今はCOMING HEY YOUと苦戦中です…>_<;;
あと、エルガイムは本編観たことないので、かくまえにまず本編の観賞をしなければなりませんから、
もう大変なんです(笑)。
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/04/09(火) 17:52 [ 編集 ]
最近のカラオケはすごいもので、あるんですよね、この曲が。もちろん熱唱。

なぜ「わすれぐさ」でなく「わすれそう」なのか。
音の響きからそうしているのかと思っていましたが、
なるほど、そういう解釈ですか。納得。
やま #1zVaBB6M|2015/03/05(木) 21:19 [ 編集 ]
井荻麟曲はほぼありますよ。
システムによっては抜けたりするものもありますが、
JOYSOUND系列は未CD化のやつを除いて全部歌えると記憶しています。
kaito2198 #L2WcHO2o|2015/03/06(金) 22:03 [ 編集 ]
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