富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

TOMINOSUKI / 富野愛好病
http://kaito2198.blog43.fc2.com/

プロフィール

kaito2198

Author:kaito2198
台湾人。
ただのファンです。

twitterは@kaito2198です。

仕事やブログ関係のご連絡は
kaito2198@hotmail.comまでお願いします。

給華文圈之富野由悠季愛好者的一些話
關於本站文章的轉載聲明

富野監督関連資料一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

グーバーウォーク

井荻麟作詞論 第2回「カムヒア!ダイターン3」

2012/12/31 02:00|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:6
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞論 第2回「カムヒア!ダイターン3」
 井荻麟、もとい富野由悠季の作詞を語る記事は100回予定です。今回はその第2回で、テレビアニメ『無敵鋼人ダイターン3』のオープニングテーマ「カムヒア!ダイターン3」の話になります。



 最初は、歌詞の冒頭を見ましょう。

カムヒア!ダイターン3
作詞:日本サンライズ企画室/作曲:渡辺岳夫/編曲:松山祐士/歌:藤原誠

「1 2 3! ダイターン3!」

涙はない 涙はない
明日に ほほえみあるだけ
カムヒア ダイターン3
ダイターン3

 まず、イントロ部分のセリフ挿入や主役メカの名前の連呼、雄々しい歌詞などから読み取れるとおり、1978年当時ロボットアニメの王道セオリーを忠実に守っている

 この「主題歌に主役メカの名前を入れる」というセオリーは、ロボットアニメ誕生以来ずっと続けてきた主題歌における様式美といえるものだった。しかし、のち富野喜幸が『機動戦士ガンダム』でロボットアニメのいろいろな様式を破った後、このセオリーが絶対視されることもだんだん無くなってきた。

 たとえば、1983年のアニメ『装甲騎兵ボトムズ』における主題歌、監督の高橋良輔自ら手がけた「炎のさだめ」の歌詞では、すでにどこでも主役メカの名前を見かけない作りとなっていた。

 しかし上の流れとは逆に、『ガンダム』でブレイクスルーを果たした富野は世間のロボットアニメの歌詞をよそに、かえって自作の主題歌に主役メカの名前を入れて続けてきた。例を挙げると、上の「炎のさだめ」同じく1983年の「ダンバインとぶ」では、執拗くらいに「オーラバトラー」と「ダンバイン」を歌詞を入れてきた。

 この傾向は、2002年で作られた『OVERMANキングゲイナー』でも同じだ。富野はロボットアニメの販促に対して義理厚いと言わていれるが、その意図はどうであれ、ロボットアニメの主題歌に現れている大きな趨勢と違う方向でやってこられたことを考えれば、実に興味深いことだ。



 セオリーを守る一方、この歌詞には独自な特色を持っている。

 まず、「行け!ザンボット3」の「我ら」はあくまで視聴者=ちびっ子目線であったのに対して、「カムヒア!ダイターン3」の「われ」は視聴者とは違う世界に住んでいる目線の人物である。

(1番目)
日輪のかがやきを 胸に秘め
俺の体が 俺の体が燃えている

(2番目)
日輪のかがやきを 背に受けて
俺の体の 俺の体の 血がさわぐ

 『ダイターン3』の最初のコンセプトが「007と旗本退屈男を合わせた男がロボットを搭乗するアニメ」であったように、歌詞全体では大人びて洒落た雰囲気が漂っている。Aメロの「涙はない 涙はない 明日に ほほえみあるだけ」「悲しくない 悲しくない 明日に 希望があるだけ」などで描かれた雰囲気は、明らか子供が理解できる範疇を越えたものだった。
 
 そしてこの歌詞には名前こそ出てこないものの、明らかに主人公・破嵐万丈の内面を描くもので、前年の「行け!ザンボット3」と比べれば、グッと深くなると感じられる

 また、同じ年の『闘将ダイモス』『宇宙魔神ダイケンゴー』『科学忍者隊ガッチャマンII』など似た性質のアニメ主題歌の歌詞と比べても、頭ひとつ抜きん出るレベルのものだった。



 しかし、この歌詞の特徴は上記の大人っぽさ以外にも、さらに一つ特筆すべきところがある。

 この歌詞をよく吟味すればわかると思うが、曲は明るい口調と歌詞で展開されているけど、やはり前作の主題歌と比べれば、全体的が暗いトーンを呈している。

 一番象徴的だったのは、この歌詞である。

撃てよ 砕けよ
地獄の底に落ちるとも

 自ら地獄へ落ちる恐れも顧みずに、敵を討つ---これは明らかに子供向けものを意味している。それまで書き重ねた明るさを、全部引返すようなドス黒さなのだ。

 一段目の歌、つまりアニメのオープニング映像にかかっている歌詞だけを聞くと、ポジティブで永遠に諦めないかっこいい主人公を想像するのは容易である。しかし、二段目を聞かなければ、我々は主人公の影となる部分を知ることができないだろう。

 「明るく振舞いをする大人の主人公」と「暗い影を背負いながらも明るく振舞う大人の主人公」。この二つの描き方は一ヶ所しか違わないが、その中身は実に天と地の差がある。

 オープニングの映像から察するに、監督の富野のなかでイメージする、主人公万丈が背負う日輪というのは、日中の黄色い太陽ではなく、むしろ夕暮れみたいに真っ赤で暗い影が落としているそれだと想像できる。それこそが、万丈の色だ。

 こういうぐっと視聴者の心に刺さるような「作品の裏に潜む毒」こそは、富野もとい井荻麟作詞の最大の特徴で、富野作品と共通しているような作風だ。そして、このテーマに繋がっている隠し味ともいえる「毒」を二段目--つまりアニメのオープニングに放送されない歌詞のなかに隠して、建前と本音を書き分けるやり方は、のちの井荻麟作詞に多く見かける技法だ。



 ところで、この作詞のクレジットはやはり「日本サンライズ企画室」という名義になっているが、それについて他の作詞に合わせて紹介したい。


 この曲が聞けるアルバムです。前回の「行け!ザンボット3」とまったく同じだったりして。

無敵超人ザンボット3/無敵鋼人ダイターン3 究極BGM集無敵超人ザンボット3/無敵鋼人ダイターン3 究極BGM集
TVサントラ,堀光一路,藤原誠,こおろぎ’73,ザ・ブレッスン・フォー,鈴置洋孝,間嶋里美

キングレコード
売り上げランキング : 156268

Amazonで詳しく見る by AZlink

サンライズ ロボットアニメ大鑑サンライズ ロボットアニメ大鑑
Windows,アニメ主題歌

キングレコード
売り上げランキング : 13956

Amazonで詳しく見る by AZlink

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編
渡辺岳夫

キングレコード
売り上げランキング : 110923

Amazonで詳しく見る by AZlink

コメント
今年も残すところ、あとわずかとなりました。kaito2198さんには富野由悠季監督関連の記事をたくさん取り上げさせていただき、大変お世話になりました。ありがとうございます。

富野監督の新作「Gレコ」に関しては、8月に『富野監督、「Gレコ」制作に本格突入!』というニュースが入ってきたので、来年こそは大きな動きがあると期待しています。

では来年も引き続き、よろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。
Randal #A8/4QVso|2012/12/31(月) 19:00 [ 編集 ]
Randalさん、こちらこそいろいろお世話になりまして、本当にありがとうございます。

そうですね、さすがに来年には何か動きやアナウンスがあると思います。
そうでなければこの新作の戦いは悲しすぎるは悲しすぎる…(イデオン風)。

それでは来年も引き続きよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。
kaito2198 #-|2012/12/31(月) 21:20 [ 編集 ]
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

>主人公万丈が背負う日輪というのは、日中の黄色い太陽ではなく、
>むしろ夕暮れみたいに真っ赤で暗い影が落としているそれだと想像できる。
>それこそが、万丈の色だ。

この部分とても好きです。
ここだけで全部の説明ができますね。
イメージも沸きやすいです。
すごくいいです!心に来ました!
まそきぃ〜 #-|2013/01/01(火) 13:12 [ 編集 ]
>ここだけで全部の説明ができますね。
実はこの言い方を聞いて、ちょっと凹みましたよ。じゃあほかの文章はなんだったのかってw
このシリーズはまだまだまだまだ続きますので、これからもコメントいただければ嬉しいです。
kaito2198 #-|2013/01/02(水) 21:21 [ 編集 ]
「説明」というより「集約」というような言葉を選んだ方がよかったですね。すいません。

私としては、いかに印象の強い表現を、的確に、そして出来ることなら短く表現することに
憧れをもっているので、あの部分がとても感動しましたし、気に入ったのです。

もちろん、それまでの部分があってのことですし、
富野(井荻麟)研究においての価値は、他を抜きにしてはありえないと
思っています。

なにはともあれ、アマゾンのカートに入りっぱなしの究極BGM集を
はやく決算せねば、と思っております私です。
まそきぃ〜 #-|2013/01/06(日) 16:01 [ 編集 ]
謝るほどのことじゃないですよ。
実は私もその言葉に自信がありますので、言われて逆に光栄だと思っていますよ。

究極BGM集はいいですよ。
主題歌と万丈イメージソングだけでもそんな価値があると思います。
kaito2198 #L2WcHO2o|2013/01/06(日) 16:42 [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://kaito2198.blog43.fc2.com/tb.php/1210-dca8cddd

ブログ内検索

なんとなく富野商品

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

まともに機能しなくてすみません。これからゆっくりペースで直します。

RSSフィード

FC2カウンター

富野監督作品一覧

  • 海のトリトン
  • しあわせの王子
  • 勇者ライディーン
  • ラ・セーヌの星
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 機動戦士ガンダム(劇場版)
  • 機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士編
  • 戦闘メカ ザブングル
  • 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
  • 伝説巨神イデオン・接触篇 -A CONTACT-
  • 伝説巨神イデオン・発動篇 -Be Invoked-
  • 聖戦士ダンバイン
  • ザブングル グラフィティ
  • 重戦機エルガイム
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士Vガンダム
  • 闇夜の時代劇 正体を見る
  • バイストンウェル物語 ガーゼィの翼
  • ブレンパワード
  • ∀ガンダム
  • 劇場版∀ガンダムⅠ 地球光
  • 劇場版∀ガンダムⅡ 月光蝶
  • OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-
  • 機動戦士ΖガンダムⅡ A New Translation -恋人たち-
  • リーンの翼
  • 機動戦士ΖガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-
  • RING OF GUNDAM
  • ガンダム Gのレコンギスタ
  • 富野参加作品一覧

  • 鉄腕アトム
  • 戦え!オスパー
  • リボンの騎士
  • 巨人の星
  • アニマル1
  • 夕やけ番長
  • 海底少年マリン
  • どろろ
  • 紅三四郎
  • 巨人の星対鉄腕アトム
  • おらぁグズラだど
  • 男一匹ガキ大将
  • ムーミン
  • シートン動物記
  • 赤き血のイレブン
  • アタックNo.1
  • あしたのジョー
  • 男ドアホウ!甲子園
  • 昆虫物語 みなしごハッチ
  • さすらいの太陽
  • 天才バカボン
  • ふしぎなメルモ
  • 新・オバケのQ太郎
  • 国松様のお通りだい
  • いなかっぺ大将
  • 正義を愛する者 月光仮面
  • アニメ・ドキュメント ミュンヘンのへの道
  • モンシェリCoCo
  • ハゼドン
  • ど根性ガエル
  • けろっこデメタン
  • ワンサくん
  • 山ねずみロッキーチャック
  • 侍ジャイアンツ
  • 新造人間キャシャーン
  • アルプスの少女ハイジ
  • ゼロテスター
  • 昆虫物語 新みなしごハッチ
  • 小さなバイキングビッケ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 破裏拳ポリマー
  • フランダースの犬
  • 母をたずねて三千里
  • アンデス少年ペペロの冒険
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ゴワッパー5 ゴーダム
  • ろぼっ子ビートン
  • あらいぐまラスカル
  • 合身戦隊メカンダーロボ
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • シートン動物記 くまの子ジャッキー
  • ヤッターマン
  • ペリーヌ物語
  • 闘将ダイモス
  • 未来少年コナン
  • とびだせ!マシーン飛竜
  • まんが日本昔ばなし
  • 宇宙魔神ダイケンゴー
  • 赤毛のアン
  • 科学忍者隊ガッチャマンⅡ
  • ザ・ウルトラマン
  • 宇宙大帝ゴッドシグマ
  • ルパン三世(TV第2シリーズ)
  • 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  • 銀河漂流バイファム
  • ママは小学4年生
  • GUNDAM EVOLVE 5
  •  |  富野作品感想 | 富野由悠季関連 | 井荻麟関連 | 富野情報 | 富野雑談 | レビュー | ブログ運営 | 日常話 | 未分類 | 給華文讀者 | Gのレコンギスタ | 
    Copyright(C) 2007All Rights Reserved. TOMINOSUKI / 富野愛好病
    Powered by FC2ブログ.
    template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.