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2010年度メディア芸術部門会議報告書の富野発言

2012/02/09 18:25|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:1
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 日本の文化庁が去年で開かれたメディア芸術部門会議報告書は公開されましたが、富野由悠季監督も会議の参加者の一人でしたので、その発言は記録に残ったのです。以下はその発言をリスト化した結果です。富野のこういう活動を「文化人ごっこ」と揶揄している人はときどきいますけど、私は別にそうとは思いません。が、やはり本業に専念してもらいたい。Gレコまだかよゴルァ。



メディア芸術部門会議 報告書 (2011年2月開催)

オープニングセッション「メディア芸術祭の14 間の軌跡と展望」

これまでの歩み
富野――〈文化庁メディア芸術祭〉立ち上げプロセスの中で起こった、部門分けなどのさまざまな戦いのお話を聞いて、私のように長年、巨大ロボットアニメというジャンルで仕事をしているような人間からしますと、そもそも〈文化庁メディア芸術祭〉のようなものが政府の支援で立ち上がっていること自体が不思議にしか思えなかった、というのが正直な感想で
す。審査委員として3年間携わりましたが、審査は本当に難しかったです。

これからのメディア芸術
富野――私の個人的な感覚で申し上げると、〈文化庁メディア芸術祭〉に対しては、国家が文化に手を出すというのはいかがなものか、しょせん統制するだけのことになるのではないかという思いは、今も変わらずにあります。
 しかしその一方で、こういうこともありました。〈文化庁メディア芸術祭〉第3回の企画展「Robot-ism 1950-2000」で村上隆さんと対談をしたのですが、国際的なアーティストと対談させてもらう機会が、ロボットのタイトルで作品をつくる私にもやってくるようになったということで、やはり大きな、プライドを裏付けてくれる出来事になりました。審査委員を務め
ても感じたことですが、この実感は、特にフリーランスのアーティストやクリエイターにとっては一番必要で、大事なことな のです。
 もちろんクリエイティブな仕事は、ヴァン・ゴッホのように、生きているうちは評価されない場合もあると覚悟するべきでしょう。しかし来年の収入がないのにがんばり続けるわけにいかないのも現実であると、私自身フリーランスの立場で長年感じてきました。志が高く優れた作品であれば評価されるのだという裏付けを与えてくれる〈文化庁メディア芸術祭〉が今日ここまで来たことは、ある意味当然であると同時に、さらに社会的に広く認知され、ここでの評価がクリエイターたちにとってのプライドになるようなものになっていってほしい。そのために何をすべきかは、今後も考えていかなければいけないと思います。

部門別セッション❷アニメーション部門
アニメーション部門から見るメディア芸術祭の課題と評価

1. 審査委員の体制と選考方法

審査委員の任期や数について
「実際に審査委員をしたときに、4年目はやらせてもらえないという絶望感もあるが、時代性を考慮するといいことだと思う。このまま5年、10年と続けていくときに、現在のシステムはそれほど悪くないやり方【富野】」

審査委員の選定について
「審査委員は幅広くあってほしい。ただもうちょっと違うジャンルの人、アニメや映画が嫌いとか、読書しかしていないというような人を本当は入れたい。異業種、異能の人を審査委員に入れる必要がある【富野】」

2.応募方式

ジャンルの混在について
「企画論による差別をするという大人の配慮こそ、まさに商業主義的なものに陥っていく。今のアバウトなやり方はむしろ最善だと思う【富野】」

海外作品の応募数について
「応募本数で、その映画祭のクオリティが決まるというのは信用していない。『アニメーション』ではなく『メディア芸術』という縛りはとても重要【富野】」

3.賞金と助成を結び付け

賞金額の提案について
「大賞に1億5000万ぐらいの賞金を付けると、ステータスを獲得できる。次の作品の、少なくとも準備金にはなる額【富野】」

総括
「アニメとマンガがあまりにも大衆化しているために、認識論や評価論がどこかで狂っている。だから、本当の意味でよい作品なのか、力があるかということではなく、今の時代に合っているだけで評価されてしまうこともある気がする。数十年後に受賞作品を並べたときに評価されるものにするには、厳格に公正なシステムをつくることで達成できるものではない。だからこそ、審査委員の構成だけは気を付けたい【富野】」

部門横断セッション❹メディア芸術を社会につなげるために

2.賞金の高額化
「〈文化庁メディア芸術祭〉で受賞することのクオリティを示すものとして、大賞には超高額の賞金、たとえば1億5000万円を出すということをやるだけでいいのではないか。賞としてのステータスが上がるうえ、1億5000万円をもらった受賞者が、それをどのように有効活用して次の作品をつくるかで、才能にふるいをかけるメカニズムも働き、個の才能を測ることにもなる【富野】」


4.「曖昧さ」の維持
「今のこの段階で、〈文化庁メディア芸術祭〉のやるべきことを簡単に右や左に振るのはやめた方がいいのではないか。もうしばらく、12年ほどはこの状態を見ていくべき。それだけの時間をかければ、ある部分の時代相が見えてくる。そこで初めて次のステップへの方向性が見いだせるのではないか。現在の時点で、もっと細分化を、もっと公明正大に、もっと公平にと迫る発想は危険である。アバウトさ、曖昧さという日本人の一番の特性に乗ってやっていくということで、いいのではないか【富野】」

5.日本の競争力
「アーティストは、いいルートやいい先生がいれば育つわけではない。創造行為に絶対的な『不足感』は不可欠で、完璧な体制がすべての解決にはならないことも付け加えておきたい【富野】」

6.フィジカルな拠点を設ける
「アートというのは理念の問題ではなくフィジカルから発生しているものだということは、忘れていただきたくない【富野】」

クロージングセッション「メディア芸術祭のこれから」
「文化の在り方をわれわれが共有できていないのではないか。その部分の構築が、海外に対して自国の文化政策を示す『新しい戦術』になる【富野】」


 以上はレポート形式(というより引用の仕方)だったから、発言はどうしても途切れますので、正直富野ウォッチャーにとって読むものとして価値は高くないです(富野監督と関係ないしな)。



 個人が興味を持っているのは、むしろプロフィールです。なぜか、二通りがあります。

富野由悠季 TOMINO Yoshiyuki アニメーション監督/
第10・9・8回アニメーション部門審査委員主査、第11・9・6回アニメーション部門審査委員会推薦作品

1941年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部卒業。1964~67年、虫プロダクション所属。『鉄腕アトム』『リボンの騎士』など手塚治虫作品のアニメ化に脚本・演出担当として参加。フリーとなってからは、『海のトリトン』のほか、『未来少年コナン』『赤毛のアン』などにも参加。『機動戦士ガンダム』『聖戦士ダンバイン』などでロボットアニメに新境地を切り開いた。

1941年、神奈川県生まれ。1960年代半ば、虫プロでTVアニメ『鉄腕アトム』の制作進行、演出を経てフリーとなり、夥しい数のアニメ・シリーズの絵コンテを描く。70年代後半からは自らの原案・演出で、ロボット・アニメに新風を吹き込み、1979年の『機動戦士ガンダム』の大ヒット以後も、数々の話題作を提供し続けている

 それから、メディア芸術祭関連の情報も見ものです。審査委員主査を勤めた2004-2006年の受賞作はご自分でネットを使って探してください。むしろ、後の審査委員会推薦作品は興味深い。

 調べると、富野作品が第6回(2002年)の審査委員会推薦作品に該当するのはアニメーション部門長編の『ターンエーガンダム I 地球完 II 月光蝶』と『オーバーマン キングゲイナー』のダブル入薦。そして、第9回(2005年)では『機動戦士Ζガンダム ―星を継ぐ者―』だった模様です。

 しかし、『リーンの翼』は確か2006年完結だったので、2007年の推薦作とはいったい……? もしかして富野監督は裏で別の作品を担当したとか…? そんなささやかな期待を抱いて調べた結果は……(続きを読む↓)































 『ガンダムTHE ORIGIN』でした。がっかりするよな。

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#|2012/02/11(土) 00:52 [ 編集 ]
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