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『映像演出の教科書 シナリオと絵コンテを読み解いて学ぶ』レビュー

2011/11/26 23:51|レビューTRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『映像演出の教科書 シナリオと絵コンテを読み解いて学ぶ』レビュー
 先日の予告とおり、今日は藍河兼一氏の『映像演出の教科書 シナリオと絵コンテを読み解いて学ぶ』をレビューしたいと思います。「教科書」というからには、以下の文章は主に「映像を勉強したい人」向けて書かれているものです。なお、本ブログは富野由悠季監督のファンという立場から、富野監督の著作『映像の原則』も併せて語りますが、どうかご注意を。



 さて、富野由悠季監督が書いた映像演出に関する技術書『映像の原則 改訂版』は出版されました。改定版は旧版に比べて大幅読みやすくなって、誰も気軽に読める一冊になりました。この本を教科書として採用した大学や専門学校も多く、演出志望の人にはとてもオススメな本です。

 しかし一方、『映像の原則』を読んでも、いまいちピンとこないと思っている演出志望者もいるはずです。「読んででも演出の全貌を分からない」「もっと丁寧に説明してよ」「もっと多い例を挙げろよ」とかの声は、きっといるはずだろう。初心者でも分かりやすい本のはずなのに、なぜこういうことが起きるんだろう? 当然、富野監督の書き方が下手だからではありません。

 では、理由はなんなんだろう。それは、実際富野監督はまったくの初心者をこの本の読者と想定していなかったからです。富野監督が人に教えるときの原則はだいたい「やればわかる」ということで、この本を書いたときも同じで、こんな本を取るくらいだから、きっと映像演出に興味あるに違いません。興味があるからには、最低限の学力や経験を積んでいる、もしくはそれらを身につく勉強をしているはずでないと、そもそも話にはならないと考えているはずです。

 だから、『映像の原則』は一見難しいようですが、実は一度でも実際にアニメ制作を経験したある人が読めば、自然にいろいろ分かるものだと言えます。つまり、そもそもこの本の前提は、「読んで勉強したいと思うな! 読む前から勉強は始まっている!」というものです(※注:単に映像を鑑賞したい人ならば、そんなに構えて読む必要はなく、逆に流し読みをするほうが、それらの「原則」に入りやすいかもしれません。)。

 だから志望者ならば、今すぐ筆をとって、とにかく書いてみよう。これはなにも絵コンテに対する原則ではなく、すべての勉強の肝心だといえます。



 それでも、どうしても筆が重くて動けないならば、まず『映像の原則』をおいて、藍河兼一氏の『映像演出の教科書 シナリオと絵コンテを読み解いて学ぶ』を参考すれば、映像制作の全体像と基礎的知識、さらにサンプルを得て、安心して描けるのだろう。そういう意味では、この本は『映像の原則』に入る前に、いちばん分かりやすいサブテキストだろう。

 それでは、まずこの本の紹介と目次から観てみましょう。

『ビデオサロン』誌の人気連載「実践!絵コンテトレーニング」が一冊にまとまりました。
絵コンテは、多くのスタッフが一つの映像作品を作り上げるうえで意思疎通に欠かせないもの。
本書では、4本のオリジナル脚本を元に描かれた絵コンテと解説を見ながら、映像演出の具体的なノウハウを学んでいきます。
さらに絵コンテの見方や書き方をはじめ、映像制作の作法や段取り、映像表現のテクニック解説など、映画やドラマ制作を本格的に手がけたいと考えている方はもちろん、ドキュメンタリーや紀行ビデオ作品の演出に悩む方にも必ず役立つ情報が満載!

【目次から】
●第一章: 絵コンテの基礎知識
作品 「PEEK A BOO」
●第二章: DSLRを使った映像制作の実際
作品 「静かな海のバニー」
●第三章: SF作品から演出の奥深さを学ぶ
作品 「夕暮れ時のベントラ」
●第四章: 絵コンテから演出意図を読み取る
作品 「小説少女」

コラム
絵コンテの役割
時間をつまむ
シナハンとロケハン
シーンとカットとテイク
主観と客観
サイズと構図
物語の構想
DSLRとレンズ選び
シフトレンズ
不可能な設定
のりしろ
ファーストカット
漫画と絵コンテの違い
タイトル部の考察
映像トリック
カメラワークで印象を変える
長まわし
ラブ・シーンの演出
カット割りの応用
アクションつながり
音は接着剤
血糊のレシピ
映像の作法/NG集~ジャンプカット
映像の作法/NG集~ズームインズームイン
カット割りの映像トリック
映像の作法/NG集~カメラワーク中のカット
移動のカット
映像の作法/NG集~眠いパン
SF異星人
知っておきたい業界用語
視点
回想シーンの挿入
映像の作法/NG集~ダサい画
映像の作法/NG集~イマジナリーライン
映像の作法/NG集~ダサいつなぎ
ロケハンでの部屋の選び方
「間」の演出
俯瞰撮影
ミニマムフィルムのすすめ
ラストシーン

 このとおり、作者が4作の短編映画のシナリオや絵コンテを完全収録するほか、さらに絵コンテの読み方、カメラワークの記入法や見方、フィルムを作る上のノウハウなどをまんべんなく紹介してくれました。さらに、この4つの作品の完成フィルムはすべてyoutubeでご覧になれますので、シナリオ→絵コンテ→実際のフィルムという過程をじっくり味わえることができます。この部分は作者が書いた演出解説とともに読むと、面白さはさらに倍増するに違いません。

 一概ではいえませんが、『映像の原則』によると、実写畑は絵コンテを作成することが少ない。また、黒澤明監督の絵コンテを観て分かるように、実写はたとえ絵コンテがあるにしても、むしろ「ストーリーボード」に似ている形のものが多いです。しかし、この作者は実写映画の監督であるにも関わらず、非常に細かい絵コンテを作っています。制作した作品は短編映画という性質を抜きにしても、大変分かりやすいです。まさに絵コンテを観れば、フィルムの7、8割を想像するということです。つまり、この本で言及した絵コンテの重要性は、ほぼ富野監督が『映像の原則』で言った話と合致していますから、『映像の原則』の前にこの本を読んでも、まったく違和感を感じないはずです。

 ただ一つ個人として残念なのは、本書に収録されている4本の作品のシナリオと絵コンテはすべて著者(=監督)個人によるものなので、富野監督が言ってた「絵コンテ段階でシナリオを改訂する」作業がこの本では見られませんでしたが、それでも『映像の原則』のサブテキストとしては最適です。また、アニメと実写の絵コンテやフィルムに関する微妙な「クセ」(特性、違いなど)がわかって、よりアニメにも実写にも共通する「映像の原則」を納得できるはずだと信じたい。



 やや値段が高いですが、映像好き、もしくは勉強したい人にとっては損はしないはずです。また、玄光社はこの本以外にもいろいろなカメラや映画に関する本を出版していますので、興味ある方はぜひ探してください。


 以上の本をマスターしたなら、この本も楽勝楽勝です。


 以上はプラス面ばかり取り上げましたが、少しだけ自分が気になるところを言います。あくまで個人の見方のことなので、欠点とは言えないのですが、まずこの作者のコンテの絵柄は(目大きい、肢体細い、手足大きい)というもので、ちょっと読んでで気持ち悪いです。それから、やはり好みの問題ですが、この作者の短編映画はすべて夢と現実をごちゃしているようなもので、正直好きではないです。
 この二点を除けばとても良質な「教科書」に違いませんが、読んでるときはひっかかったのも本当のことです。

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