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『 愛とまぐはひの古事記』レビュー

2011/11/11 07:23|レビューTRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『 愛とまぐはひの古事記』レビュー
 富野由悠季監督の解説を目当てに、大塚ひかり氏が2005年で書いた『愛とまぐはひの古事記』の文庫本を購入して、1日で読破した。ここでちょっとレビューを書きたいと思う。



 まず、この本には日本最古の歴史書『古事記』に対する「新説」が込められているが、それはあくまで大塚ひかり氏の解読に基く論調なので、学術的な価値はほぼない。

 それから、大塚氏は時々本のなかで突如自分の経験を語り始めるが、彼女に慣れている読者にとっていいかもしれないが、私のように初読者にとって、大塚氏のキャラクターにそこまでの魅力がないため、はっきり言ってそういう話は本を読む上の邪魔でしかない。

 また、彼女は本のなかで12本の話を取り上げたのだが、そのすべてが面白いわけではない。古事記を読んだ身から言わせてもらえると、ほかにももっと面白い話があるはずなので、正直一部の選択はそれほど上手ではないと感じた。もちろん、そこは人それぞれの感性によるものだが…。

 以上をまとめれば、別の本はまだ読んでいないからこういうのも恐縮だが、この本を読む限り、厳しい話をいうと、大塚氏は一流の物書きではないかもしれない。

 しかし、それではこの本に価値がないかと言ったら、決してそんなことは無い。むしろこのように神話を読み解く方法論を知らない全ての人に読ませたいくらいだ。



 では、この本の価値はいったいどこかにあるかといえば、作者の「連想ゲーム」の気持ちよさだ。

 一般的でいえば、古代の話や出来事を現代人の価値観や判断で読み解くのは、タブーもいいところだが、作者はあえて自分という器を通じて、古事記などの日本神話を語った。その「あえて」という行為は一見作者の現代人として、そして一個人のエゴでしかないが、意外にも時間を越える真実がその行為のなかにあるかもしれない。しかも、それは別に作者のセンスが特別とかじゃなくて、ただ女性としての感性を駆使しただけからすごい。

 イザナミとイザナギの国づくりを「女性から先に告白する場合は大抵上手くいかない」と、アマテラスの天岩戸岩隠れを「強姦されたトラウマ」と、そして「ヤマトタケルノミコトはホモ」とするなど、およそ学術的な解読とかけ離れて、まるで下世話を語るように日本神話論を展開する。

 が、まさにその下世話なところがいい。下世話は時間をも越えて、普遍的な様子を持つものだから、全編を通して作者は誤読がある恐れにせよ、こういう大胆な切り口によって、ひょっとしたら過去と現在を瞬間的に繋げたのかもしれない。
 いや、実際こうして一つの切り口を貫いて一冊の本をまとめたんだから、この際誤読もいいかもしれない。そういう気持ちいい誤読であれば。

 太刀を見るや否や、全て男性器と連想する。蛇を見れば、すかさず女陰と連想する。この解読行為のなかには明らか誤読が存在していると分かっていながらも、ついについに作者の解読に従ってエロの目を開く。漢文だらけの文字だけではなんとも思わないかもしれないが、作者の口(文章)を通して伝えれば、たちまちエクスタシーが秘めている話の連続になる。



 作者が本のなかで話したように、本当に人を癒せるのは、世間のヌルヌルの「癒し系」ではなく、むしろ古事記に代表されるような凶暴で頭悪い(直感的という意味で)話かもしれない。

 どうして気持ちいいか。それは、理屈が込められておらず、しかし長い歴史のなかの出来事と人間の有様が凝縮しているような話が、アホなまでに素直に語られているからだ。こういうアホだが、人間のもっとも原始的な一面を文字に通じて体感できるのは、確かにストレスとプレッシャーを和らぐことができる。

 つまり、心理学的でいえば、古事記はまるで人間の映し鏡のようなものと言えるかもしれない。そういう箱庭療法的なものが、物語に生きている他人が人の生死、愛憎、そして性を演じさせたことを通して、自らの知を広め、肝を冷やし、心のバランスを再建することとリンクしているのではないだろうか。

 まあ、とにかく結論をいうと、この本を読んで、このような方法論というか深読力というか観察目を盗めば、きっと将来の読書人生の役に立つだろう。そういう意味では、オススメな一冊です。



 大塚氏が本のなかで面白い指摘の一つには、古来日本の物語のなか、本当の宿命のライバルというのは、必ず非常に緊密な絡みがある、と。それも現在の目で見るとホモと思われても仕方ない濃密な絡みである、と。これは富野作品のなかでもよく見かける。

 一番代表的なのは、『機動戦士ガンダム』のアムロとシャア。いうまでもなく、この2人は精神的なホモ関係を持つのは、もはや周知のことだ。事実、富野監督もそのつもり描いたのだから。

 それから一方的なホモだが、『聖戦士ダンバイン』のバーン・バニンクスがある。ショウは対してバーンを気にしないものの、バーンは勝手にライバルと認定し、執拗に追いかける。まあ、最後ショウもバーンのホモ根性を認めたが、抱き合って共に死ぬのだから、バーンにとっても本望なんだろう。

 それだけじゃない。『アベニールをさがして』の笛吹慧と『OVERMANキングゲイナー』のゲイン・ビジョウ。2人とも色男だが、年下の主人公たち(オノレとゲイナー)に対する挙動は、なぜかどこかホモっぽい。 もちろん、この二つの作品の場合、兄貴たる人物がかっこよすぎるから、弟分の主人公たちが勝手に濡れちゃうだけなのだが、こういう年上の男に導かれたのも悪くないね(この点においてシャアは失格)。

 また、ライバルとはいえないが、『リーンの翼』のエイサップ・鈴木くんとサコミズ王がある。5話では、鈴木くんは仲良くサコミズ王を抱いて(まるで阿部さんを抱いてる道下正樹のように)一緒に空へI'm King of the Worldをして、どうみてもリュクスよりサコミズ王ラブだった。

 まあ、富野監督はオネエ言葉を自在に操り、台湾の講演で「男性の女性性と女性の男性性も描きたい」を言い、ロランの描き方を分からないスタッフに「あなたの中の女を出せばいいじゃない!」と叱責したお人だから、こういうところを分からないはずがない。





 なお、この本の文末に富野由悠季監督の解説が入ってますが、特に新しい話が入っていませんので、また別の記事で紹介させていただきます。

コメント
ビジョンじゃなくビジョウですよ。
そういえばアスハムはゲインを追いかけてましたね。
本田 寛 #-|2011/11/11(金) 19:52 [ 編集 ]
と思ったら、マジだった! 6年も勘違いしました…。ご指摘ありがとうございます。
そういえばアスハムもそうでしたね、彼の場合はさらに+妹ラブなのですが。
kaito2198 #-|2011/11/11(金) 20:47 [ 編集 ]
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