富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

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井荻麟作詞論 第2回「カムヒア!ダイターン3」

2012/12/31 02:00|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:6
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 井荻麟、もとい富野由悠季の作詞を語る記事は100回予定です。今回はその第2回で、テレビアニメ『無敵鋼人ダイターン3』のオープニングテーマ「カムヒア!ダイターン3」の話になります。



 最初は、歌詞の冒頭を見ましょう。

カムヒア!ダイターン3
作詞:日本サンライズ企画室/作曲:渡辺岳夫/編曲:松山祐士/歌:藤原誠

「1 2 3! ダイターン3!」

涙はない 涙はない
明日に ほほえみあるだけ
カムヒア ダイターン3
ダイターン3

 まず、イントロ部分のセリフ挿入や主役メカの名前の連呼、雄々しい歌詞などから読み取れるとおり、1978年当時ロボットアニメの王道セオリーを忠実に守っている

 この「主題歌に主役メカの名前を入れる」というセオリーは、ロボットアニメ誕生以来ずっと続けてきた主題歌における様式美といえるものだった。しかし、のち富野喜幸が『機動戦士ガンダム』でロボットアニメのいろいろな様式を破った後、このセオリーが絶対視されることもだんだん無くなってきた。

 たとえば、1983年のアニメ『装甲騎兵ボトムズ』における主題歌、監督の高橋良輔自ら手がけた「炎のさだめ」の歌詞では、すでにどこでも主役メカの名前を見かけない作りとなっていた。

 しかし上の流れとは逆に、『ガンダム』でブレイクスルーを果たした富野は世間のロボットアニメの歌詞をよそに、かえって自作の主題歌に主役メカの名前を入れて続けてきた。例を挙げると、上の「炎のさだめ」同じく1983年の「ダンバインとぶ」では、執拗くらいに「オーラバトラー」と「ダンバイン」を歌詞を入れてきた。

 この傾向は、2002年で作られた『OVERMANキングゲイナー』でも同じだ。富野はロボットアニメの販促に対して義理厚いと言わていれるが、その意図はどうであれ、ロボットアニメの主題歌に現れている大きな趨勢と違う方向でやってこられたことを考えれば、実に興味深いことだ。



 セオリーを守る一方、この歌詞には独自な特色を持っている。

 まず、「行け!ザンボット3」の「我ら」はあくまで視聴者=ちびっ子目線であったのに対して、「カムヒア!ダイターン3」の「われ」は視聴者とは違う世界に住んでいる目線の人物である。

(1番目)
日輪のかがやきを 胸に秘め
俺の体が 俺の体が燃えている

(2番目)
日輪のかがやきを 背に受けて
俺の体の 俺の体の 血がさわぐ

 『ダイターン3』の最初のコンセプトが「007と旗本退屈男を合わせた男がロボットを搭乗するアニメ」であったように、歌詞全体では大人びて洒落た雰囲気が漂っている。Aメロの「涙はない 涙はない 明日に ほほえみあるだけ」「悲しくない 悲しくない 明日に 希望があるだけ」などで描かれた雰囲気は、明らか子供が理解できる範疇を越えたものだった。
 
 そしてこの歌詞には名前こそ出てこないものの、明らかに主人公・破嵐万丈の内面を描くもので、前年の「行け!ザンボット3」と比べれば、グッと深くなると感じられる

 また、同じ年の『闘将ダイモス』『宇宙魔神ダイケンゴー』『科学忍者隊ガッチャマンII』など似た性質のアニメ主題歌の歌詞と比べても、頭ひとつ抜きん出るレベルのものだった。



 しかし、この歌詞の特徴は上記の大人っぽさ以外にも、さらに一つ特筆すべきところがある。

 この歌詞をよく吟味すればわかると思うが、曲は明るい口調と歌詞で展開されているけど、やはり前作の主題歌と比べれば、全体的が暗いトーンを呈している。

 一番象徴的だったのは、この歌詞である。

撃てよ 砕けよ
地獄の底に落ちるとも

 自ら地獄へ落ちる恐れも顧みずに、敵を討つ---これは明らかに子供向けものを意味している。それまで書き重ねた明るさを、全部引返すようなドス黒さなのだ。

 一段目の歌、つまりアニメのオープニング映像にかかっている歌詞だけを聞くと、ポジティブで永遠に諦めないかっこいい主人公を想像するのは容易である。しかし、二段目を聞かなければ、我々は主人公の影となる部分を知ることができないだろう。

 「明るく振舞いをする大人の主人公」と「暗い影を背負いながらも明るく振舞う大人の主人公」。この二つの描き方は一ヶ所しか違わないが、その中身は実に天と地の差がある。

 オープニングの映像から察するに、監督の富野のなかでイメージする、主人公万丈が背負う日輪というのは、日中の黄色い太陽ではなく、むしろ夕暮れみたいに真っ赤で暗い影が落としているそれだと想像できる。それこそが、万丈の色だ。

 こういうぐっと視聴者の心に刺さるような「作品の裏に潜む毒」こそは、富野もとい井荻麟作詞の最大の特徴で、富野作品と共通しているような作風だ。そして、このテーマに繋がっている隠し味ともいえる「毒」を二段目--つまりアニメのオープニングに放送されない歌詞のなかに隠して、建前と本音を書き分けるやり方は、のちの井荻麟作詞に多く見かける技法だ。



 ところで、この作詞のクレジットはやはり「日本サンライズ企画室」という名義になっているが、それについて他の作詞に合わせて紹介したい。

▽続きを読む▽

井荻麟作詞論 第1回「行け!ザンボット3」

2012/12/30 03:38|井荻麟関連TRACKBACK:0COMMENT:4
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 突然ですが、今日から「井荻麟作詞論」という富野由悠季監督の作詞について評論する記事を始めたいと思います。何年をかけて100回くらい書く予定です。よろしくお願いします。

 ひとこと作詞と言っても、結局アニメ映像や音楽などの要素に絡むものですが、ここではそれらの要素を極力抑えて、できるだけ作詞そのものにフォーカスしたいと思います。まぁ、どのみち初めての試みなので、書きながら模索したいと思います。



 それでは、今回は第1回としてテレビアニメ『無敵超人ザンボット3』のオープニングテーマ「行け!ザンボット3」を語りたいと思います。

 まずは、歌詞の紹介から始めたいと思います。あの団体からの請求を避けるために、歌詞の全文引用は控えます。どうかご自分で見つけてください。ネット上ではいくらでも探せるものと思います。

行け!ザンボット3
作詞:日本サンライズ企画室/作曲:渡辺岳夫/編曲:松山祐士/
歌:堀光一路、ザ・ブレッスンフォー、ザ・チャープス

 ザザンザーザザン ザザンザーザザン
 ザザンザーザザン ザザンザーザザン
 ザンボット3 ザンボット3
 ザンボット3 ザンボット3 ゴー

 巨大ロボットアニメの全盛期で作られた作品の主題歌だけあって、非常に正統なロボットアニメソング的な歌詞とはいえる。

 当時のロボットアニメが販促アニメと言われたように、絶対不可欠なのはちびっ子視聴者に対して「子供が憧れそうな強いロボット」というセールスポイントを絶えずアピールすることだ。

正義の姿 巨大ロボット
その名も 我れらの ザンボット3
戦え 我れらの 我れらの 仲間


 そしてこの至上命題が、歌詞にも現れている。Bメロに出てくる「巨大ロボット」「我れらの」「仲間」などの言葉や、サビの主役メカの名前連呼が、これまでのロボットアニメのセオリーを踏まえていると言える。



 次は、主役メカのザンボット3が三体合体のため、Aメロでは「愛と勇気と力」や「海と山と大空」で見かけたように、歌詞には3つの単語の並列がよく出てくる。

 また、「3つのメカがひとつになって」という詞には、メカの特徴を表しながら、主人公たちパイロットは三人が力を合わすイメージを視聴者に伝える意図も感じられる。

愛と 勇気と 力とが
静かに 眠る 海の底
飛び立て 飛び立て 飛び立て
3つの メカが ひとつに なって


 これらの歌詞は同じく3体合体の『ゲッターロボ』に比べれば、非常に似たような構造を持っており、三体合体ロボットのセオリーを踏まえていることは自明のことだ。

三つの心がひとつになれば
一つの正義は百万パワー

三つの心がひとつになれば
一つの勇気は百万パワー

三つの心が一つになれば
一つの理想は百万パワー

(永井豪作詞『ゲッターロボ!』)

 ただし、これらの単語自体には特別な意味を持てず、あくまで格式を揃うためのものであって、作品中の実際のキャラやストーリーを象徴する意図が薄いと思われる。



 以上を読めばわかるとおり、「行け!ザンボット3」という作詞はほとんどセオリーを踏まえて作られているが、一つ興味深いのは、「宇宙」という言葉に対する捉え方だ。

 今でこそ「ロボット→宇宙」という発想が非常に当たり前なものになっている、この歌詞が作られた当時では、ロボットアニメの主題歌は意外にも「宇宙」を言及するものが少なかった。たまに見かけても、大抵特に意味がないフレーズとして書かれたことがほとんどで、本格的なものでいえば、『惑星ロボ ダンガードA』の主題歌くらいだった。

 しかし、「行け!ザンボット3」の歌詞のなかでは、「広い宇宙へ翔いて行け」という簡単ながらも具体的描写が出てくる。オープニングのアニメ映像に相まって、単に一フレーズとして処理するのではなく、宇宙そのものを描きたい意図が感じられる。

広い 宇宙へ 翔(はばた)いて 行け


 『ザンボット3』という作品は実際8.5割以上の話が地球を舞台にする点を考えれば、実に興味深い話だ。

 もちろん、歌詞ではラスト3話の舞台は宇宙であることを意識しているであろう。また、海・山・大空と来れば、最後は「宇宙」になるのが当たり前であることも考慮に入れたい。

 しかし、のちの監督作品に見られたように、監督の富野喜幸が「宇宙」に対するただならぬ興味や憧れを考えれば、この曲に「宇宙」というフレーズが出てくるのも、ひょっとしたら偶然ではないかもしれない。



 ところで、この詞の作者が井荻麟であるかどうかについては異論があります

 実際のクレジットを見れば、2012年の現在では「日本サンライズ企画室」という名義となっています。このブログおよびこの記事では富野由悠季監督作という説を採っていますが、実際の状況および別の説については、近いうちに別の記事で語りたいと思います。

2016年3月23日追記:この曲の作詞者について二説がありましたが、現時点、富野由悠季監督によるものではないという可能性のほうが大きいです。詳しくは井荻麟作詞論 第4回「日本サンライズ企画室」クレジットについて を参照されたい。



▽続きを読む▽

演出家と脚本家の対決 〈富野由悠季・辻真先〉対談(後半)

2012/12/26 12:51|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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演出家と脚本家の対決 〈富野由悠季・辻真先〉対談(前半)

 前回↑の続きです。

富野「1%は絶対譲れない部分を守らなければいけない」

 ガンダムの企画書って見てないんだけどどんな企画書?

富野 僕も企画書はよく知らない。(笑)ロボットものの体裁で合体シーンは必ず入れると、だけど話はこっちだよという説明をしたんです。

 テレビの場合、30分間だと一点豪華主義がいいんです。あれもこれもってのはかえってダメなんです。他のことは99%まで妥協しても、残る1%、これをはずされたらオレ降りるよというところがないとダメですね。

富野 今まででいうと、その1%は演出者の我の部分になっちゃうんです。そうじゃなくてその作品を成立させていくための1%でなければならないんです。

 それを第三者に納得させるためには先のほうまで見えてないとね、感情論になっちゃいますから。

富野 そういう意味で、辻さんの書き方にかなり教えてもらったところがありますね。それは作品に対する見切りっていうのちゃんとしてるからなんです。

 その見切りっていうのは?

富野 だいたい普通のライターは俺がこれを書かせてもらうよって書く人が多いんです。辻さんの表し方っていうのは、そういう自分の我から出発している部分を載っけようという仕方はしていないんです。

 うん、それは僕がプロデューサーから出発したこともきっとあると思うんですよね。スタッフを説得するのに意地や我ではできない。つまり作品にとって捨てるべきか、残すべきかというやり方でやって来たわけです。

富野 そういうことはここでいうとすごく簡単に思えてくるんですけど(笑)、現場でそれをやってくれるスタッフっていうのはそれほど多くないですよ。辻さんの脚本見てすごく分かりやすいのは、ここだけ残せば、いいんだなってのがすぐわかるんです。でもそうじゃなくて「なぜあのセリフをはずした。」っていう人が多いんです。

 そういうときは「できたものを見てくれ。」というよりしょうがないんじゃないですか。かりに自分が消しとんだって作品がよければ自分も得だと考えるから僕なんかは許せますね。ただ許せないのは、このあいだ某番組ではじめからキチンとコンテ切ってってくれたわけです。僕はずいぶんでいねいにやってくれてるなあと思ってみてて、最後にこっちはオチがあるわけです。それが終わりのほうになって途中でCMになっちゃった。あれって思って後で聞いたら、「最初からキチッとやってったらあそこで秒数足りなくなったからやめました。」って。(笑)あれにはあきれた。

富野 そういう全体状況をもう少し見渡せる演出家が育って欲しいなと最近思うし、新番組もなるべく見てるんだけど、皆ガンバッてるのはわかるんだけど、その頑張り方がどうもね。

 視野が狭いんですね。虫プロがいけなかったのはそういう部分がある。アニメーターでアニメ大好き、それしかやってないからダメになっちゃう。

富野 僕もね、虫プロのとき、すごくうしろめたさがあったんです。というのはアニメがそれほど好きじゃなかった、都合でやらざるを得なかった。だけどこういうやり方もあっていいんじゃないかって思いだしたのが「トリトン」なんです。それは僕のドラマや映画に対する考え方をアニメに投入してったらどういう表れ方をするかってことなんです。意外とそう考えている人は少ないんじゃないんですか。だからたとえば宮崎(駿)アニメのように絵の都合から発生したようなドラマに与したくないんです。観るだけなら好きですがね。

 それとテレビに対する考え方も違うような気もしますね、他の人はわりと必要悪としてテレビを考えているけれども、富野さんはむしろテレビ・アニメというものを積極的に取り込んで視聴者までも演出してしまおうという意識がありますね。だから富野さんのやり方でガンダム以後の場合、僕が「ヤヤッ」と思ったのはそおこのところが新しいというか、テレビの人、というものをものすごく感じるんですけどね。富野さんテレビってどういうふうに考えてます?

富野 うん、僕もしょせん必要悪だと考えている部分はありますよ。一つ違うことは、媒体として無視できないから、それを利用しないと損だなって考えています。ただテレビは必要悪だという考えは変わらないんです。というのはビデオが普及したりすると生活そのものが変わってしまうでしょ。一歩も外に出なくても済むっていうような生活のパターンの変革を強要するんです。それは人の感情生活の上でけっして健康なことではない。一方でアウト・ドア・スポーツを商品化するという悪癖を生んだりしてね。いま番組の当事者が番組を見ることを一番拒否しているんじゃないんですか?

 僕もそういうところありますよ。趣味を全部仕事にしちゃったから。マンガなんか好きだったんだけどなあ。(笑)

富野「実写だったら『鞍馬天狗』か『零戦』を作りたいですね」

--辻さんのその膨大な仕事量のエネルギーというのはどこから来てるんですか。

 ハングリーだからです、いつ食えなくなるかわかんないという。やっぱり新しいものが好きっていうか、組織化されちゃうとつまんない。僕がテレビ局に入ったときはまだ800台ぐらいしかテレビがなかったんですから。それが面白かったです。「バス通り裏」を始めて二~三週して報知新聞に記事が載っていたときは嬉しかったですね。今でも覚えています。報知の人がやっとテレビを買ったんだなって、(笑)なにしろ僕でさえ持ってませんでしたから。その後の漫画の原作でも、アニメでも同じです。そこで競ってるときが面白いんです、誰か優秀な奴が出てくると、いち抜けたと他のところに行っちゃうんです。そのくり返しですね。いま、パズラーでしょ。ほとんどいないわけです。赤川次郎さんぐらいでしょ、若い人向けのパズラー作家っていうのは。だから今だったらワサワサできるってんで始めたんで。それで将来はトラベル・ライターを最終的にやってそれでチョンにするつもりなんです。
 日本で一つだけトラベル・ライターの養成講座があって、できたとき早速行ったんだけど、そこの審査の人が、僕の放送作家教室の生徒だったんです。それで「先生やめなさいよ。」って言われて、それでやめたんです。結局、自分の好きなことを一つずつつぶして行くわけです。

富野 こちらは、そういう意味で好きなものがないから。(笑)

 だけど映画は最初好きだったんでしょう?

富野 いや、あまり好きじゃない。

 僕は富野さんなんか、松竹あたりで製作費をかけて実写をやればいいと思う。手アカのついた監督じゃないものができるんじゃない。

富野 やらしてくれっていえたらねと思いますけれど、最近ますますわかったことは、アニメっていう媒体は凄いなってこと。

 可能性とかを含めてね。

富野 だからもし、僕が30歳の時に今のような状況があったら、完全に実写に行ったでしょうね。松竹の人に実写を撮るなら何を撮ります?って話をされたことがあって、今撮るんだったら「鞍馬天狗」と「零戦」を撮りますと言いましたけど。「鞍馬天狗」はタイトルだけで客が呼べる、それにTBSが失敗した。その理由は簡単だ。草刈正雄を使う鞍馬天狗は007でなければならないのを、(笑)パリ・コミューンにしょうというウソがあるから。だから僕が撮る「鞍馬天狗」のイントロはこうなんです。宮の都に出る、どこかの山あいのシーン、雪が降っている。鞍馬天狗が白馬に乗ってる。それに杉木立から忍者もどきの新選組が切りかかる。それを鞍馬天狗が蓑笠の雪をふり払ってたたき切る。その新選組が死に際に一言いう「鞍馬天狗が帰ってきたっ。」、そこでメインタイトルがバッと出る。(笑)これが鞍馬天狗。零戦は、パイロットが日本の負けを予感しながらも、戦わざるを得ない。が一方最高のパワーの戦闘機を作らなければならないという技術者のフィクションです。それにあの現実の日本の空気をかぶせた時にガンダムと同じ図式の物語になります。この二つが僕の考えてる映画です。でも、どっちも今の日本映画のお金じゃ撮れないんです。(笑)

--最後に辻さんが、今後の富野さんに期待することを聞かせて下さい。

 やっぱりご自分で納得する、この人、自分で納得しないとダメなんです。(笑)そりゃいろんな納得の仕方があって、百パーセント納得できれば理想なんだけど、ある一部分だけで開き直ってもらって、流されてやるんじゃなく、もちろんそんなことはないと思うけれど、何らかの形で納得できるものをやっていただきたい。それだけです。ガンダムのときにびっくりした、それもいっぺんにびっくりしたのではなく、チビチビとびっくりさせられた、今度はどうやって驚かせてくれるか、というのが期待するところですね。

富野 それは、うーん、あんまり人に期待しちゃいけないと思います。(笑)

 この対談に対する感想は、次回辻氏の自伝を紹介する同時に書きます。


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『イデオン』BD発売記念オールナイト 富野、湖川らも出演

2012/12/22 17:07|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:2
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 タイトルの情報を含めて、最近のイデオン話をまとめてお伝えします。



1、『伝説巨神イデオン』発売記念オールナイト上映イベント
『スペース・ランナウェイ 復活のイデオン祭り』


 『機動戦士ガンダム』に並ぶ双璧となす富野由悠季監督によるアニメーション傑作『伝説巨神イデオン』がBlu-rayBOXになり、2013年2月20日発売することことを記念して、サンライズは発売記念オールナイト上映イベント『スペース・ランナウェイ 復活のイデオン祭り』の開催を決めました。それにあわせて、ゲストに富野由悠季総監督、キャラクターデザインの湖川友謙やメカニカルデザインの樋口雄一を迎えたトークショーも実施することになりました。

 また、上映エピソードは12本に定め、どのエピソードが上映されるかは公式サイトで人気投票を実施し決定する形となっています。投票期間は2012年12月22日(土)〜2013年1月27日(日)になります。

 チケットの購入情報は以下のとおりです。

『スペース・ランナウェイ 復活のイデオン祭り』
日時: 2013年2月1日(金)
会場: 新宿ミラノ2
開場: 22時 開演:22時30分(いずれも予定)
内容: ゲストトーク&人気投票にて選ばれた12エピソードの上映
ゲスト:富野由悠季(総監督)、湖川友謙(キャラクターデザイン)、樋口雄一(メカニカルデザイン)
※来場者全員に樋口雄一描き下ろし 復刻劇場版宣伝B2ポスタープレゼント

料金: 前売 3500円 / 当日 4000円 (ともに税込・全席指定)
チケット発売日:2012年12月29日(土)午前10時より
Pコード:550-630
インターネット購入  http://t.pia.jp/cinema/
■直接購入
チケットぴあのお店 営業時間 10:00~20:00(営業時間は店舗によって異なります)
セブン-イレブン 営業時間 0:00~24:00(発売初日は10:00~)
サークルK・サンクス 営業時間 7:00~23:30(発売初日は10:00~)
■電話予約
音声自動応答 TEL:0570-02-9999 

 なお、公式サイトはこちらからです。みんなもどんどん投票しますぜ。

伝説巨神イデオン│サンライズ



2、Blu-ray BOXカバーに湖川友謙氏描き下ろしイラスト

 2013年02月20日に発売される『伝説巨神イデオン』TVシリーズ Blu-ray BOXのカバーイラストは、湖川友謙氏の描きおろしイラストを使用することが決めました。その見本も出てきました。白地にコスモの横顔というデザインです。湖川氏によりますと、

IDEONシリーズ版ブルーレイのパッケージデザイン、チェック待ち。
私のイメージは、(白に白)と伝達済み。

 とのことだそうです。

 画像は勝手に転載できませんので、リンク先のサンライズ公式ページでご覧になれます。

NEWS│『伝説巨神イデオン』湖川友謙氏描き下ろしイラストのBlu-ray BOX 公開!|伝説巨神イデオン



3、バンダイナムコライブTVにイデオン大好評放送中

 もう始まって2週間くらいでしたが、バンダイチャンネルの「バンダイナムコライブTV」は今でも『伝説巨神イデオン』を月〜金・毎日ライブで大好評放送中です。スケジュールは以下となります。

バンダイナムコライブTV・アニメロード
伝説巨神イデオン 第12話
注目のアニメ作品を
月〜金・毎日ライブで配信中!

第12話 白刃の敵中突破
姉のハルルを説得しようと試みるカララは、ベスと共にバッフ・クランの陣営に向かった。だが、そこでハルルがカララに与えたものは、屈辱だけであった。それを見たベスは、たった1人で敵陣へと切り込む。ただ、異星人の女性・カララのために…。
公式サイト:http://www.ideon.jp/
公式ハッシュタグ:#ideon
『伝説巨神イデオン』Blu-ray BOX
2013年2月20日発売! ¥57,330(税込)
BOXイラストは湖川友謙・ディスク収納ケースイラストは樋口雄一描き下ろし!
初回限定生産特典:復刻記録全集

『伝説巨神イデオン劇場版』Blu-ray好評発売中!

発売元:(株)フライングドッグ 販売元:ビクターエンタテインメント(株)

<今後の配信スケジュール>
第12話  12/24 (月) 19:30~20:00  <再配信> 12/25 (火) 0:30~1:00
第13話  12/25 (火) 19:30~20:00  <再配信> 12/26 (水) 0:30~1:00
第14話  12/26 (水) 19:30~20:00  <再配信> 12/27 (木) 0:30~1:00
第15話  12/27 (木) 19:30~20:00  <再配信> 12/28 (金) 0:30~1:00
第16話  12/28 (金) 19:30~20:00  <再配信> 12/29 (土) 0:30~1:00

 来週からはバンダ・ロッタ嬢が大活躍の第13話『異星人を撃て』、カミューラ・ランバン・アタック炸裂の第14話『撃破・ドク戦法』、ダミドの最後の輝きである第16話『必殺のダミド戦法』などですので、是非見逃さないように! 海外は見れませんが、精神はイデオンファンの皆さんと共にいます。

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 今度の商品。

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演出家と脚本家の対決 〈富野由悠季・辻真先〉対談(前半)

2012/12/20 02:28|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 今日紹介したいのは、「伝説巨神イデオン&富野喜幸の世界」というムックのなかで、富野由悠季監督とテレビアニメ創生期から活躍してきた大御所である辻 真先氏との対談です。

 辻真先氏でいえば超有名人なので、いまさらここで紹介しませんが、氏は今でも毎日小説を書きつつ、大量な本や漫画を読みながら、ブログ・ツィッター・フェイスブックを更新している、バイタリティ溢れている元気なお年寄りです。気になる方は氏のtwitterを読んでください。

 対談の量が多いので、今日はその前半です。



富野喜幸vs辻真先 超多忙対談
次はどんな風に驚かせてくれるかが楽しみ


虫プロ時代、脚本家と演出家という関係だった辻真先と富野喜幸の両氏。今や、それぞれの領域で日本のアニメを代表する存在として大車輪で活躍中。超多忙の日々を送っている二人の夢の顔合わせが遂に実現。



辻 真先(つじ・まさき)
●昭和7年名古屋生まれ。
●NHKのプロデューサーとして「お笑い三人組」「バス通り裏」等を担当する。NHK退社後はフリーの脚本家として活躍中。また推理小説界にも進出し、超多忙の日日を送る。
●代表作品
アニメ脚本「Dr.スランプ」「サザエさん」「夏への扉」等多数。
小説「TVアニメ殺人事件」「ブルー・トレイン殺人事件」等、「アリスの国の殺人」で第35回推理作家協会賞受賞。



辻「富野さんは、途中のプロセスにこだわるんだよね」

--最初のお二人の出会いというと、『鉄腕アトム』で脚本と演出担当で組まれた「悪魔の風船」(第104話 S・40・1・23放送)あたりになるのでしょうか。

辻 僕、富野さんがものすごく印象に残ったのはアトムのときよりも『リボンの騎士』のときなんです。そのときは、がっちり打ち合わせをやっていたから。

富野 逆に僕は「リボン」のときは全然覚えていないんです。(笑)極端な言いかたをすると、「悪魔の風船」しか覚えてないんです。
 ただ虫プロの文芸部の中での辻さんは他の人たちとはちょっと違っていたんですね。もう一人の代表選手に豊田有恒さんがいて、僕はどっちを取ればいいのかって考えたことがあります、そういう気分でライターをみていましたから、虫プロってとこはずいぶんやりにくいところだなあという印象が凄く強くって。

辻 群雄割拠だね、よくいえば。みんなそれぞれやり方が違う。

富野 僕は入社して、半年ぐらいで演出にいったんです。そうすると面食らうわけ。辻脚本がくる、豊田脚本がくる。(笑)それともう一つ面倒なのは平見(修二)さんがいたわけです。それがたがいちがいに来るから、たまらない。でも自分では意識していなかったけど、ずいぶんトレーニングになったわけで、あとからみるとすごく役に立ったんです。というわけで辻真先っていうライターというのは、その中の一つの派閥としか見えなかったから、個人という見方はあまりしなかったんです。それは豊田さんについてもそうなんです。

辻 豊田さんは確かにそのバックにSFの人がたくさんいたから。
 豊田さんとは何やりました?

富野 はじめてやったのは「ロボットポリマー」(S・40・3・13)なんです。

辻 なるほど。そうかそうか。(笑)

富野 それから辻さんとは関係のないことなんだけれど、「悪魔の風船」というのはたいへんな作品でしてね。「鉄腕アトム」が作画の外注出しをした最初の作品なんです。

辻 あーそうだ、絵がずぶん違うなあということだけは覚えているんです。

富野 なおかつ僕の演出した二本目の作品ですからね。だから僕は原画を見ても、全然わからない。(笑)その上あのころのアトムは作画から仕上げまで三~四週間だったんです。とにかく作品レベルをとやかくいえなかった。

辻 一本目はオリジナルでしょ。サブタイトルは?

富野 「ロボット・ヒューチャー」です。新田修介のペンネームで……。で、オリジナルの脚本ということなんだけども、ホントは脚本なんかなくって、ぶっつけでコンテ書いたんです。(笑)

辻 でも、あのころの虫プロは、そういう人多かったよ。

富野 で、まず人の脚本を扱うことで神経をつかっていて。辻真先って何者なんだ。(笑)半年経っていてだいたいはわかっていたつもりですけど、何度か顔合わせてましたし、スタジオの隅で豊田さんが脚本直していたりするのを見てましたし。それで作画は社内でやってくれないから、外に持ってくわけです。本来なら虫プロ代表で行くわけですけれどもまだ2本目ですから、りんちゃん(りんたろう)あたりから、「てめえにできるわけないだろう」という冷たい眼で見られるし。(笑)そのときからです。いじけ節が始まるのは。(笑)そういう体制下で『ジャングル大帝』が始まって、あのころ辻真先だろうがなんだろうが、反発があったのは、みんな『ジャングル大帝』に行くわけです。(笑)残存兵力でなぜ『鉄腕アトム』を作らなくいけないのかって話になったときに、せつなさだけがあるから、僕は虫プロの時代の人ってみんな好きじゃないんですよ。(笑)

辻 「悪魔の風船」のとき、脚本のうちあわせやなんかじっくりやりましたっけ? たぶんあれ、流れ作業みたいにね、アトムの場合、手塚先生のOKが出ると、演出の方に渡すという三角関係の記憶があるんですよ。それに比べて『リボンの騎士』のときにびっくりしたのは、演出の人は絵ヅラのほうから来る人とドラマのほうから来る人がいるわけだけども、富野さんのドラマ性にびっくりした。僕は子供の頃からアニメが好きで、この絵が欲しいという、一点豪華主義のところがあるんです。ところが富野さんは途中のプロセスを大事にするんですよね。
 で、最初何度か打ち合わせたときには、途中飛ばしたって、どうせこの絵になるんじゃないか。どうせ死刑にされるんなら13段階だろうと、24段階だろうと同じだというふうにやってて、二度目か三度目に、おやって思ったのは、途中の積み重ねによってヤマ場がもう一つ上にあがってね。(笑)これはこのほうが面白くなる、というのが最初の印象なんですよね。わりとよくネバったというか、それまでネバる人は山本瑛一さんがいたんですよ、僕は『ジャングル大帝』の第一話、半年かかりましたから。(笑)富野さんは、今のガンダムでも細かいところの積み重ねを若い人達が面白がると思うんだけど、それは『リボンの騎士』のときからあったわけですよ。あれはサブ・タイトル忘れちゃったんですけど、確か文字通り、塔の中の死刑台かなんか、高い所へ上がっていく話なんだけれど、あの作り方なんか面白かったです。

富野 よく覚えてないですね。(笑)

辻 富野さんとは全然逆に、手塚先生のときに注文されて困ったのは、奇想天外にして下さいという、その注文しか来ないんです。私は自分で奇想天外にしてるつもりなんだけれど。(笑)
 確か、アトムが夢を見るという「夢見る機械(ドリーム・マシン)」(第81話 S・39・8.1)のとき、精一杯面白い絵ヅラを考えたんだけど、手塚先生はそれ自体が気に入らない。だから落差が詰まらない、あれはまいったですね。

富野 それは僕が残存部隊でやってた時も同じでしたね。僕は『リボンの騎士』のこと覚えてなくて、資料なんかみて、あれ、21話までやってるなんてびっくりしたんだけども、「世界一のおやつ」と「こわされた人形」が最後の虫プロの仕事で、その二本が辻さんのご本です。いま辻さんがおっしゃられた通り、僕は全然作り方変わってないんですね。

辻 変わっていないですよ。

富野 自分でもいやなんだけど(笑)。

辻 変わってない、頑固な人でね。もう一人頑固な人がいた。永島慎二。あの人は今でも印象に残ってます。

辻「スポンサーまで演出しないと演出家になれないんだよ。」

富野 でも、僕は「リボン」をやってるときはいやだったんですよ。というのは「アトム」を作ってすごくうぬぼれていた時期だったんです。「リボン」ではチーフディレクターにはなれなかったし、抵抗感がものすごくあって、それが虫プロをやめる一番の原因だったんです。でもうぬぼれていたおかげで虫プロやめてひどい目に会いました。トリトンやるまでの6年間ほどはCMもやったし、プロダクションを渡り歩いて、いろんな種類のコンテを切らしてもらって、やっぱり「リボン」のC・Dをやらなくて良かったと6年間かけてやっとわかったんです。そのくらいテクニック、ノウハウがいろいろあることがわかってきたんです。その学習する時期があって『海のトリトン』に当たったのが良かったと思ってますね。「トリトン」のときに久し振りに辻さんにお会いしたんですよね。でも僕がコンテマンやってたときに辻さんの脚本はどこへ行っても回ってくるんですよね。(笑)

辻 ハハハ、そういえば結構あったかもしれないですね。

富野 『マリン・キッド』なんかも僕やりました。辻さんはずっとフリーでやってらしたんですよね?

辻 そうです、虫プロは文芸部に囑託というかたちで。最盛期には、第一稿書く前にギャラをもらったこともあります。「うちは早いでしょう。」って。(笑)あれをやっちゃいけません。(笑)

富野 僕も給料が一万円ぐらいのとき、コンテ料で7万円ぐらいもらったことがあるなあ、20年前の7万円ですよ、すぐ全部使っちゃったけど。(笑)で、虫プロやめたときはお金がなくてホントに困りました。(笑)

辻 「トリトン」やってどうでしたか。

富野 すごく自分でふらふらしていきながらも、自分でアニメをなんとか作っていけるなって思えたことですね。あれが終わったのが31ぐらいのときかな、この7~8年それが支えになったんですね。もし、あの後どこかのプロダクションに入っていたら、絶対「ガンダム」、「イデオン」は作れなかったでしょうね。自分では結果的にはサンライズに戻って来たことになっちゃったんですね。

辻 それは元虫プロということだから? 他になにかひっかかりはあったんですか?

富野 なんにもなんです。その頃は帯番組の仕切りやっていたです、「夕焼け番長」とか。僕にとっては帯番組でもイニシアチブを取れなければ、全体が見えないから厭だというこだわりがあったんです。それでライディーンの話がくるまでじっと我慢してたんです。自分でお話を作るってことにすごく興味があったから……。

辻 そうですね、話を作るってことを考えると、テレビのワンクール、ツークールを一人で引き受けるというのは、これは凄い情報量というか、細かく巨大な物が積み上げられるんですよね。小説百枚、二百枚なんてメじゃないです。ましてシナリオの枚数×視聴者の数などはじいたら世界最大のメディアになっちゃう。例えば『サザエさん』だと、7分間の間に4コマのものを30本入れようと思えば入れられるんです。そうすると長谷川町子さんがひと月かかったものが7分間で入っちゃうんです。それが30分で3本入るのだから、新聞の3か月分が30分で入っちゃうんです。これは膨大なもんです。だから話を作るということだったら楽しいでしょう?

富野 楽しいと同時に、物量に圧倒されるという気持ちも凄くある、だからライターの存在が絶対なければならない。自分が全部ペラ70枚ぐらいのものを毎週書いても間に合わないんですよね。最初の時期には週に二本ぐらい書かなくちゃいけませんよね。

辻 演出なんかしてるヒマがないよね。

富野 あの物量を支えていって、なおかつ物語のロジックを確立させて行かなきゃならない。それには物語のテリトリーに関する見切りがついてないとできないんです。

辻 富野さんの場合は自分の世界を作るからそれがわかってないと打ち合わせができないわけですよね。

富野 ただ初めから線を引くのは無理なんですよね。それは『勇者ライディーン』のときに痛感しました。オリジナルを起こすのはホントにたいへんなことだなって。それで僕はアニメを作る環境ということを良くいうようになったんです。

辻 自分の上のスポンサーまで演出しないと演出者になれないんですね。僕は逆に、NHKでそれやってて疲れ果てちゃった。子供の頃考えると、級長にはなれなくて、副級長にはなっていた。女房役は得意なんです。

富野 よくわかる。(笑)

辻 演出の人と行司役のプロデューサーとちゃんと話ができればいいんだけれども、えてしてプロデューサーの言いなりになっちゃう。そうなるとその番組はだめですね。

富野 だからガンダムのときは二本立て使ったんです。はずす部分をはずせっていったらすぐにはずせる。それで話のシーンをこっちにあるという構造のものをヌケヌケとやりましたね。(笑)

(続く)

 この対談や辻さんに対する感想は後半の対談に合わせて、次回で書きたいと思います。

演出家と脚本家の対決 〈富野由悠季・辻真先〉対談(後半)

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富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~目次

2012/12/15 22:27|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 富野由悠季監督が著した小説は全部23作75巻あります。

 以下の一連の記事は「あらすじ」「作品解説」「アニメとの関連」「トミノ的必見ポイント!」「連載と各版本の比較」「入手状況」「イチオシセリフ」の7つの要素から、その富野小説に対する紹介記事の目次です。

 クリックすると、リンク先の記事に飛ばします。



富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ 前置き

富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その1

1、『機動戦士ガンダム』

2、『伝説巨神イデオン』

3、『リーンの翼』

4、『機動戦士Zガンダム』

5、『ファウ・ファウ物語』


富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その2

6、『「イデオン」ライナー・ノート―アニメの作り方教えます』

7、『破嵐万丈シリーズ』

8、『オーラバトラー戦記』

9、『機動戦士ガンダム ハイストリーマー』

10、『機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』


富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その3

11、『ガイア・ギア』

12、『シーマ・シーマ』

13、『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』

14、『機動戦士ガンダムF91―クロスボーンバンガード』

15、『機動戦士Vガンダム』


富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その4

16、『アベニールをさがして』

17、『ガーゼィの翼』

18、『王の心』

19、『密会-アムロとララァ』

20、『ブレンパワード③記憶への旅立ち』


富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その5

21、『OVERMANキングゲイナー』

22、新版『リーンの翼』

23、『はじめたいキャピタルGの物語』


 もし何かご意見ありましたら、ぜひコメントを寄せてください。どうぞよろしくお願いします。

富野由悠季、横浜F・マリノス オフィシャルマガジンにて登場し小林祐三と対談

2012/12/14 10:26|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 本日発売の横浜F・マリノス オフィシャルマガジン『TRICOLORE 2012 冬号』では、富野由悠季監督とプロサッカー選手小林祐三氏との対談が収録されています。


横浜F・マリノス 公式サイト|Yokohama F-Marinos Official Website

12/14(金)朝日新聞出版より、横浜F・マリノス オフィシャルマガジン『TRICOLORE 2012 冬号』の発売が決定いたしましたのでご案内いたします。
本誌は、2012シーズン後半戦の振り返りはもちろん、選手の素顔に迫る企画が満載。ファン・サポーター必見の一冊です。
オフィシャルショップ、神奈川県内書店にて販売いたしますので、ぜひご一読ください。

◆オフィシャルマガジン『TRICOLORE 2012 冬号』
◇定価 600円(税込)
◇コンテンツ
・樋口靖洋監督インタビュー
・中村俊輔キャプテンインタビュー「“大人びたサッカー”ができるように」
・中澤佑二 400試合出場記念インタビュー「すべての出会いに感謝」
・【スペシャル対談(1)】
 栗原勇蔵×荒波翔(横浜DeNAベイスターズ)「背番号4の誓い」
・【スペシャル対談(2)】
 小林祐三×富野由悠季(『機動戦士ガンダム』総監督)「正しい努力をしていこう」

 小林氏はガンダムファンとしても知られていて、シャア役の池田秀一とも対談したことがあります。加えて若さでいえば、ほぼ富野監督の対談相手のなかでも最年少かもしれません。才能がものをいうプロスポーツとはいえ、どんな対談を開けてくれるのか楽しみです。

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富野由悠季監督サンマリノ・アニメフェスティバル情報まとめ

2012/12/11 19:28|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:3
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 富野由悠季監督は12月7~9日のイタリア・サンマリノアニメフェスティバルに参加したのに、日本のメディアは誰も報道してくれませんでしたので、今回の情報をまとめました。

 ちなみに私はイタリア語が分かりませんので、内容の判読についてはすべてグーグル先生の「イタリア語→英語」を頼んでいます。



 まずは、今回富野監督と同じくゲストとして行った影山ヒロノブ氏のブログです。

オープニングセレモニー〜カリオストロの城BLOG|KAGEYAMA HIRONOBU OFFICIAL SITE

昨日は午前中にまず サンマリノ アニメフェスティバルの開会式が行われ

JAMProjectも、富野監督やアリプロジェクトと一緒に参加しました。
俺、喋りました。 もちろん……………. 日本語で。(笑)
福ちゃん意外は、初対面だったのだけれど 富野監督もすごく気さくで良い人です。
監督、成田で集合場所にたむろっている遠ちゃんや俺達を見て
「やからがいるな〜〜。 からまれたら嫌だな〜〜。」って思ったんだって。(笑)
テープカットやフォトセッションにも参加しました。( ̄ー ̄)v


That’s some storm!BLOG|KAGEYAMA HIRONOBU OFFICIAL SITE

昨日、朝から雪は積もってたんだけど、
その後、どんどん吹雪が強くなって、
けっきょく夜まで「猛吹雪!!」状態でした。
でね。 ぶっちゃけ会場までたどり着けないお客さん続出で。
ちょっと 寂しい客席だったんだけど、それでもたどり着けたお客さん達はウルトラ熱いビッグファンばっかで、
結果。 最高のライブができたと思うよ。( ̄ー ̄)v
(中略)
そんなわけで、夜のアコースティックライブも良かったよ。( ̄ー ̄)v
富野監督も来てくれたってことで、みんながんばりました。

 ちなみに富野監督写真一枚あり。



 続いて、「SAN MARINO NOTIZIE」、すなわち「サンマリノニュース」というサンマリノ関連のプレスについて報道と評論をするネットニュースサイトには、富野監督ご夫婦とSAF事務局とサンマリノ役人がイベント前日に対面するニュースが伝えられています。

The organizers of the San Marino Animae Festival at the hearing by the Captains Regent of San Marino at News

Particularly appreciated the presence of Mr. Yoshiyuki Tomino, internationally renowned artist and creator of the famous saga of cartoons and Daitan Gundam 3

 報道内容自体にややミスがあるものの(たとえば作品が「DAITAN GUNDAM 3」になったり)、亜阿子さんもはっきりと写っている超貴重な一枚。



 続いて「Il Messaggero」、つまり「メッセンジャー」というイタリア新聞紙では、サンマリノアニメフェスティバルに関連して、富野監督のインタビューと思われる話を掲載しました。「と思われる」と言っているのは、この記事のリリースは12月4日、つまりイベント前3日のことでしたので、その内容は正直どこから来たものか私もよくわかりません。
 というわけで、このニュースに関して情報を求めます。イタリア語を分かる人、どうか教えてくださーい。ちなみにインタビューをやった人はこの人らしいです。

The author of Gundam: my cartoon against the war - The Messenger

 出自は不明ですが、中身のインタビューらしき話は紛れも無く富野監督のものです。ガンダムはいかに巨大ロボットアニメから脱却、ガンダムの女性要素、日本アニメが世界中に受ける訳、CGに関する意見などが読めます。



 次は、「screenWEEK」という映画などを扱うエンターテイメントサイトで、ここには富野監督の発言の一部と、講演の内容が二つの記事にされました。

San Marino Anime Festival - begins the international event dedicated to Japanese animation | The Blog ScreenWeek.it€

"The new shoots arise on new land. The innovations that bring changes do not come from the things already settled. I hope that this is the right environment where they can be born soon new talent. But this does not depend on the strength of the organizers, depends on 'you young' you will come to see the festival. That's why I think it's great the meaning of a land where he was still the smell of history. "
(注:2009年ロカルノ映画祭での発言)

"The event, which is a point of encounter between the cultures of East and West, is the first attempt to present a European public - and more generally outside of Japan - all the charm of Japanese animation. The selection of this first edition presents an overview of some of the most emblematic works of the production souls, those who over time have made ​​such a true icon of Japanese culture in the world.
proposal is to offer 'high quality 'he can for once to break away from the common belief that the souls product results in a form of expression of the fantastic is not suitable for an adult audience. This project therefore seeks to promote the idea of an "international culture" based on mutual mixture of cultures of different countries, and on the concepts of peace and brotherhood. "


San Marino Anime Festival - At the roundtable Yoshiyuki Tomino speaks of the female figures of current and future | The Blog ScreenWeek.it€

The director Yoshiyuki Tomino met the press at the presentation of the Festival of San Marino Anime Mobile Suit Gundam movie trilogy, built in the early eighties. During the roundtable Tomino spoke about the figure of the woman within the world of Gundam, of what he called the sense of wonder, or [...]

 もっともこのレポートはプレス会見の質問応答の一部しか紹介していない模様です。日本語翻訳はちんぷんかんぷんですが、英語訳ならなんとか読めると思います。



 次の二つはアニメ系サイトです。一つは「GUNDAM CORE」というガンダム系サイト。

San Marino Animae Festival: report

After a quick buffet offered by ' Department of State for Tourism and a few jokes with the teacher Tomino, we went to see the first movie of Gundam, Mobile Suit Gundam I , after which he was sent a video summarizing the animated film teacher to Toriton ( 1971 ) to the trilogy of films Mobile Suit Zeta Gundam: A New Translation ( 2005-2006 ), followed by an interesting meeting of the sensei who spoke a little 'of the past and the future of humanity, as well as the road cinema of the past and that special touch of class that the teacher has called " Sense of Wonder , "a sense of wonder and amazement that in his opinion only child who remains despite the passing of years can show in their work.

 このサイトによると、富野監督は講演やプレスに対する会見以外、いくつかのファンサイトによる共同取材もありました。うpされる次第またご報告します。また、NHKも取材に行ったらしいので、ここ数日NHKに注目すれば出るかもしれません。なおこの記事も写真2枚あり。

 次は、「nanoda’.com」というやはりアニメを中心としたサイトが書いた記事です。

San Marino Animae Festival: report

Finished the meeting we went to the round table that Tomino sensei held with journalists after the personal interview he held with us and friends Gundam Core. The sensei was always interesting in his answers, always leaving several turning points and giving interesting arguments and explanations of his works.

 この記事は上の内容と大差がありませんが、次のは違います。なんと講演の録画とレポートをまるごと上げてくれました。

San Marino Animae Festival: Interview with Yoshiyuki Tomino

Friday, December 7, after the screening of the movie Mobile Suit Gundam I Arengo in the Hall of the Kursaal Congress Centre, and a video with the videography of the teacher Yoshiyuki Tomino , the sensei gave a talk with the audience, talking about the past and present of ' Japanese animation.

 アニメの歴史や本質に関する話で、ディズニーや手塚治虫に対する言及もある模様です。

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 以上は現時点、私個人が現時点集めた文字情報の全部です。以下は、映像の情報を紹介します。

▽続きを読む▽

富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その4『アベニールをさがして』『ガーゼィの翼』『王の心』『密会-アムロとララァ』『ブレンパワード③記憶への旅立ち』

2012/12/08 23:56|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 富野小説の世界へようこそ ~富野由悠季全小説案内~ その4『アベニールをさがして』『ガーゼィの翼』『王の心』『密会-アムロとララァ』『ブレンパワード③記憶への旅立ち』
 大変お待たせしました。富野由悠季全小説案内のその4で、最終回です。今回紹介する作品は『アベニールをさがして』『ガーゼィの翼』『王の心』『密会 アムロとララァ』『ブレンパワード』の5作です。




アベニールをさがして

アベニールをさがしてsmall

あらすじ
 軍国主義化した近未来の日本に、ベストン・クーリガという者が突然に謎の機体で東京上空に侵入し、その危険性を「アベニール」からのメッセージとして、電波ジャックで日本国民に訴えてきた。その不可解な挙動に対し、勇猛なる青年パイロット笛吹慧がテンダーギアを乗って出撃し、高校生日向オノレが好奇心に惹かれて、戦う現場に駆けてくる。しかし、現場に駆けた彼らが目撃したのは、拳銃を握った一人の少女と、謎の機体「アラフマーン」の足下で倒れていたベストン・クーリガの遺体だけだった。
 笛吹、オノレとフール・ケアはそれぞれ複雑な思いを抱いたが、そんな彼等の気持ちを構うこともなく、やがてアラフマーンにめぐる戦火が広がっていて、三人を中心に、宇宙開発にめぐる陰謀がいよいよ明らかになる。果たしてアラフマーンは? そしてアベニールとは?

作品解説
 富野由悠季監督が1995年から1996年かけて執筆したジュブナイルSF冒険小説。青少年向けと作者が明言したことだけあって、謎の神秘組織、宇宙開発に巡る陰謀、暗躍する新興宗教、ミステリ、ロボットバトルなど、SFと青少年好みの要素と題材を上手く融和した出来となっている一作だ。

アニメとの関連
 この作品は舞台が軍国主義化した日本と、機体がテンダーギアと設定されているため、一見どの富野アニメとも関係はなかった。しかしよく読めば、ミノフスキー粒子、フォン・ブラウン・ビリッジなど、ガンダムシリーズでもお馴染みの深い設定が出てくる。そのため、この作品はガンダムじゃないでありながら、時々ガンダムシリーズの宇宙世紀(ユニバーサル・センチュリー)の宇宙開拓初期を描写した作品として挙げられている。
 また、この小説で提起したいくつかのアイデアは、のちの『∀ガンダム』にも影響を与えたと富野本人が発言。それがどの部分かに関して、富野本人は明言してないけど、自分が読んでで、その要素を探すのも一興と言えるかもしれない。

トミノ的必見ポイント!
 富野=ロボットと思っている人は多いと思う。しかし意外なことに、富野のノベライズじゃないオリジナル小説はたった一作を除いて、ロボットが登場する小説なんてなかった。そして、この『アベニール』はその唯一の例外でした。
 しかし、この作品は以上の要素だけではない。同時期に書かれた『ガーゼィの翼』『王の心』が一つのテーマを中心に展開されるのに対し、この小説はアイデアがてんこ盛りで、宇宙世紀の世界観の一部を借りつつ、『ガンダムF91』『Vガンダム』の構想を発展させ、さらに後続の作品の雛形を示してくれて、『V』と『ブレンパワード』とつなぐミッシングリンク的な作品とは言える。

連載と各版本の比較
 版本の違いはない。

入手状況
 朝日ソノラマより出版されたが、今は絶版。

イチオシのセリフ
追加中




ガーゼィの翼

ガーゼィの翼ALLsmall

あらすじ
 浪人生千秋クリストファーが、帰郷の途中でヤマトタケルノミコトを祀る白鳥神社を通るとき、突然謎の声と共に異世界に飛ばされた。そこで彼を待ち伏せているのは、奴隷に使われているメトメウス族とそれらを使役するアシガバ族なのだ。
 いきなり異世界に放り出されたクリスだが、そんな彼は一息つく暇もなく、すぐメトメウス族と共に逃亡する旅を余儀なくされた。一族の棟梁ケッタ・ケラス、神秘な力を持つ巫女ハッサーン、彼に興味津々な女戦士リーリンスなどとも共に行動し、生き延びるためには、クリスは敵軍の無慈悲な追撃を退き、厳しい自然環境を乗え、そのうえ味方の信頼にも勝ち取らなければならない。果たして、クリスはガーゼィの翼を持つ聖戦士になれるのか?

作品解説
 富野由悠季が1995年からTRPG雑誌ログアウトに連載されて、1997年に完結した作品。また、この小説を原作にしたOVAも3巻発売された。オーラマシンなどロボットの要素を排除し、RPG的テイストや要素を取り入れつつ、『リーンの翼』の剣闘や戦記の要素を継承するなどと、ある意味現代版の『リーンの翼』といえる。

アニメとの関連
 同じくバイストン・ウェルシリーズの一つだが、その性質が小説版『リーンの翼』に似ていて、『聖戦士ダンバイン』から持ち込まれた要素はほとんど無かった。
 また、小説の第1巻が終わった頃に、OVAの話が浮上したため、第2巻以降の展開はアニメと並行する形となっていた。もっとも、アニメは『海のトリトン』以降唯一の非ロボット富野作品であり、独自な展開を持っているなどと特筆すべきところも多いが、巻数の関係で物語がどうしても途中に終わる形なので、小説こそ『ガーゼィの翼』の完全版ともいえるでしょう。
 ちなみに、この作品はバイストン・ウェル物語のなかでも唯一フェラリオが登場していない話でもある(アニメでは登場している)。

トミノ的必見ポイント!
 バイストンウェルサーガでいえば、地上の人がオーラロードを通して、異世界に行った話だ。しかし富野はこの作品において、大胆にも新しい要素を導入した。「肉体と精神が二人に分ける」というものだ。もちろん、こっちの世界やあっちの世界に行ったり帰ったりすることもない。つまり、バイストンウェルシリーズのなかでも異色とはいえる。また、近年「身体性」の大事さを常に強調している富野だが、いかに知識と経験を統合し、両方のバランスを取ることに関して、富野が考えた理想的な有り様は、この作品を通して伺えることができる。
 こう書いてはテーマ的に大変そうに見えるが、中身は他の作品以上に若い世代を意識するようなライトタッチがなされていて、そういう意味では文体的にも内容的にも気軽に読めるものになっている。

連載と各版本の比較
 連載版は確認したことなかったが、加筆修正がされている模様。また、第2巻以後は書き下ろしになっているため、版本の差異はない。

入手状況
 OVAまで制作された作品だが、残念ながらすでに絶版した。最初はログアウト文庫で出版されたが、発売元のアスペクト倒産の後、ファミ通文庫版として出版されるが、表紙から中身まではまったく同じ。

イチオシのセリフ

「手当たりしだい、女とやれるというのは、ヒーローの特権だけど、そういうものがないのって理不尽だよな…。愛をリーリンスとハッサーンに振りわけて、アイシェとタンスは、成人までの楽しみとしてとっておく…。相手はメトメウスだけじゃないぞ。勝ったところから、自分好みの女を調達できれば、男の夢の完成だよぉー。」






王の心

王の心small

あらすじ
 母なる大地が滅びかけた時代に、カロッダのシェラン・ドゥ・グラン王が立ち上げて、数百年に及ぶ国内の動乱を一代で平定した。人民は王が果たした偉業を称え、国を救う“天翔伝説”の実現を待ち望んだ。そして老いた王者グラン王は、世界のありのままの姿を己の目で確認すべく、そのまま王位を譲り、一人旅に余生を捧げるつもりだった。
 しかし、そんな望みが叶う前に、グラン王は突如世間を去っていた。死因は毒殺、容疑者は彼の娘と孫たちだった。陰謀、そして王位の行方にめぐって、カロッダ国内は不穏な空気に包まれ、再び動乱に陥ろうとしている…。
 そして、亡くなったグラン王もまた神の見えざる意志によって蘇り、傍観者として王族と国家、そして世界の行く末を見守ることになった。

作品解説
 富野由悠季が一時的テレビアニメ界から身を引いた時期、1995年から1996年かけて書いた小説。同時期に書かれた二つの別作品が既存のアイデアを用いたのに対して、本作は完全に新しい舞台と設定で展開されている。
いつも小説書きとしての自分を卑下する富野本人をして、「(本作で)初めて小説家と言えるかもしれない」と言わしめたこの大いなる問題作は、絶対に読むべし。

アニメとの関連
 この作品はまったくのオリジナル小説なので、どのアニメとも関連性がほとんど見当たらない。あえて挙げるとしたら、世界全体が砂漠の匂いをしている点でいえば、『戦闘メカザブングル』(や小説の『シーマ・シーマ』)に似ているかもしれない。

トミノ的必見ポイント!
 現代だろうと未来だろうと異世界だろうと、かならず「一夫一妻制」をこだわり続けてきた富野由悠季。しかし、この作品は違う。主人公であるグラン王が、4つの妻と1人の愛人をもち、その間に10人近くの子供を儲けている。つまり、この作品は富野監督が「アブノーマルを描く」と端から宣言したに等しい。
 実際、本の中身を読めば、その内容は実にアブノーマルな要素が散りばめている。処女、生首、惨殺、吸血、野合、強姦、ふたなり(!)、近親相姦など、富野のほかの小説ではおおよそ読めないものが、全てこの作品にある。
 こう書くとなんだかすごくエログロなんだけど、実際はただの奇をてらうものではない。むしろ、妖美な雰囲気を醸しつつ、人の世の哀れと人の心の怪しさを真摯に描いて、人の本質を迫る作品とは言える。この妖しくも荘厳なる世界は、富野作品のなかでも唯一無二なものと断言できる。

連載と各版本の比較
 版本の違いはない。

入手状況
 カドカワノベルズより発売されたが、当然ながら絶版。富野小説のなかでもレアな部類に属している。

イチオシのセリフ
追加中




密会-アムロとララァ

密会small(角川mini文庫版)

密会 アムロとララァsmall(角川スニーカー版)

あらすじ
インドのガンジス川畔にある売春宿で働いてる少女ララァ・スン。戦乱のなかで幼い女性が生きるのに男性に身をすがるしかないのだが、皮肉なのが苦難の時代においては、その残酷な温柔郷はむしろ恵まれた環境だと言える。そんな宿命を強いられている彼女だから、時々訳も無く脱走を試みるのである。
 ある日、ふたたび逃げ出したララァはまた途中で捕まったが、まさにその時、一人の青年将校によって助けられた。青年の名前はシャア・アズナブルという。ララァは自分を別の世界へ導いた青年に恩義を感じ、彼に人生を捧げることを決意した。
 一方、サイド7に住んでいる少年アムロ・レイ。母に見捨てられ、父にも無視されてきた孤独な彼も、また別の鬱屈を抱えている。そして戦争の激化により、戦火がサイド7まで広がり、アムロも巻き込まれて、戦いに出ることに余儀なくされる。
 アムロとララァ。やがて二人は、宇宙(そら)でめぐり合うことになる…。

作品解説
 1997年、角川書店のミニ文庫より上下巻として発売された富野由悠季監督の小説。内容もミニ文庫のフォーマットに合わせて、『機動戦士ガンダム』のダイジェスト小説となっている。富野が自作のノベライズを手がけるのはほぼ慣例となっていたが、のちの新作『∀ガンダム』のノベライズを二人の作家に譲れたため、現時点、富野が書いた最後のガンダム小説である。

アニメとの関連
 アムロとララァの二人にフォーカスするこの作品は、間違いなくファーストガンダムのノベライズだ。しかし処女作の『ガンダム』小説と違って、富野は後書きでこの小説をガンダム劇場版の原作と想定してるらしくため、内容も雰囲気も劇場版の補足だと捉えているほうがイメージしやすいでしょう。

トミノ的必見ポイント!
 この小説は一言でいうと、ニュータイプ的な感覚、特にアムロとララァの間のめぐりあいを、男女の間の感情に置き換えた作品だ。もっと言えば、「交感」を「交歓」に翻訳した恋愛小説だ。富野の小説家としてのスキルがほぼ熟成した後期の小説だけあって、非常に読みやすい文体となっている。繊細で痛切、艶やかで情熱溢れる描写は、全富野小説においてはトップクラスの出来といっても過言ではない。
 アムロとララァ。あらゆるガンダム物語の原点とも言えるべき始まりを、原作のテイストをそのまま残しつつ、新たな解釈を与えることができたこの作品こそは、富野小説の集大成だといいたい。

連載と各版本の比較
 初発表のミニ文庫版は字数や段落の制限のため、ひどく簡潔な文章となっている。ボリュームや完成度はスニーカー文庫版のほうが総じて高いので、無理にミニ文庫版を読まなくてもいいと思う。しかしながら伝説の「意地でもガンダムという言葉を出さなかった文章」を味わうなら、わざわざ前者を探すのも一興だろう。
 ちなみに、「アムロとララァ」という副題は初掲時になく、スニーカー版になる時つけられたもの。

入手状況
 角川書店のミニ文庫というフォーマット自体は消滅したので、当然ミニ文庫版も絶版。一方、スニーカー文庫版は今でも新品で買える。

イチオシのセリフ
追加中




ブレンパワード(③記憶への旅立ち)

ブレンパワードsmall

あらすじ
 自然災害で荒廃した近未来の地球。海底から浮上した謎の遺跡オルファンを巡って、それと共に地球のエネルギーを吸い取って宇宙へ飛び出そうとする思想を持つリクレイマーたちと、それを阻止しようとするサバイバル艦ノヴィス・ノアのクルーたちが争っている。
 そんななか、リクレイマーの中核をなす指導者の息子、伊佐未勇も両親のために動いたが、ある任務の最中に天真爛漫で何事も偏見を持たない少女宇都宮比瑪に出会ったことをきっかけに、自分のなすことに疑問を抱くことになる。
やがて、勇はオルファンから脱出し、比瑪をはじめとしたノヴィス・ノアのクルーにふれて、だんだん変わっていく…。

作品解説
 1998年テレビアニメ『ブレンパワード』に合わせて出版されたノベライズ小説。1巻と2巻はアニメのメインライター面出明美氏によるもので、3巻だけは監督の富野由悠季が斧谷稔名義で執筆。ほかの富野小説に比べて、アニメそのままの展開をなぞった内容となっている。

アニメとの関連
 上で書いたとおり、この本はアニメの構成をそのまま文字化した小説となっている。そのため、本編では表現しきれなかったキャラクターやストーリー描写に対する補完も含まれていて、アニメのサブテキストとしての価値を持っている。

トミノ的必見ポイント!
 富野がアニメのノベライズ小説を書く際、必ず小説独自の世界を展開してくれるのだが、この作品だけは違う。もともと書くつもりがなかった富野は、第1、2巻を書いた面出氏の執筆スタイルに則って書いた小説であるため、内容も文体も普段とは異なる。またこの作品は完全にアニメと同じ世界として展開されているため、内容自体はやや精彩を欠けているようにも見える。
 逆にいえば、「他人のスタイルに合わす文体」「富野の純粋なノベライズ」「前2巻と第3巻の差異」などがそのままこの小説の特徴ともなっているので、そこらへんを意識して読むと、内容以上に楽しめるかもしれない。
 ちなみに面出氏によると、1巻と2巻は富野が監修という形で文章などに細かい手入れをしていたため、前の2巻は実質的に合作に近いスタイルとなっている。

連載と各版本の比較
 版本の違いはない。

入手状況
 ハルキ文庫より出版されたもので、ほかの富野小説と比べて近年のものだったが、やはり絶版になっているっぽい。しかし比較的に探しやすい部類なので、入手するのにあまり苦労いらないかも。

イチオシのセリフ
追加中




 というわけで、去年から始まるこの富野由悠季監督の小説を紹介する一連の記事は、とりあえず今回の話をもって一旦終了します。といっても、前話したとおり、まだ修正や追加の作業を残していますので、まだまだ皆さんのご応援と拍手とコメントをお願いします。

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MEAD GUNDAM復刻版、アマゾン予約開始

2012/12/07 01:27|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - MEAD GUNDAM復刻版、アマゾン予約開始
 待望の「MEAD GUNDAM」復刻版は、ようやくアマゾンの予約が開始されました。発売日は2013年1月23日で、値段は3990円です。カバーデザインはまだ来ていませんが、おそらく旧版のままになると思います。


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シド・ミード氏が描いた『∀ガンダム』のすべてがここに!
2000年に発売されて瞬時に品切れ状態となり、いまだ復刊リクエストが絶えない幻の一冊がついに復刻!!

「機動戦士ガンダム」シリーズ上、そのデザイン性で大変な話題を呼んだ人気作『∀ガンダム』。そのモビルスーツをデザインしたのは、フォードのカーデザインをはじめ、「ブレードランナー」や「トロン」「スタートレック」等のデザインで教祖的存在となっているシド・ミード。その工業デザイン的な造形は、大きな反響を巻き起こした。シド・ミード氏が描いた400点超のデザインワークに加え、サンライズとの意見交換の文書も時間軸に沿って収録した、画期的なドキュメント・ファイル!!

単行本(ソフトカバー)
出版社: 復刊ドットコム (2013/1/23)
言語 日本語
ISBN-10: 4835449207
ISBN-13: 978-4835449203
発売日: 2013/1/23



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「MEAD GUNDAM」ついに復刊!

富野由悠季が目指す小津安二郎

2012/12/04 21:30|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 富野由悠季が目指す小津安二郎
 ガンダムエース2012年6月号に収録されている、富野由悠季監督と與那覇潤氏の間に行われていた対談のなかで、富野監督がかつて小津安二郎監督を目指したという話が出てきました。その内容はとても興味深いものですので、その部分の文字起しをしました。

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富野 先生が『中国化する日本』以前に著した『帝国の残影-兵士・小津安二郎の昭和史』は、僕にとっては非常に興味深い視点で書かれた本でした。
 僕は戦後の小津作品は全部観てますし、何より演出技法的には小津を目指している人間なんです。ただ、技法面での評価しかしておらず、内容的にはつまらない家庭劇しか撮れなかった、かなりオタッキーな人間だと思い込んでいたんです。それが大きな間違いだったと先生の本で知りました。
 小津安二郎という人は、長く中国戦線にいて、陸軍の軍曹までやってる。つまり、非常にシビアな戦争体験の持ち主なんです。

與那覇 丸二年くらい行ってましたからね。

富野 先生が引用されている戦争に関する小津の言葉は、量としては少ないけれどそれ故にどんなに苛烈な体験だったのかというのが伺えます。あれ以上はしゃべれない、しゃべりたくないという兵士の気分はすごくよくわかるんです。小津は、戦場でリアルに殺し合いと被災者と死体と前線というものを体験した人だった。だから、ささやかな家庭劇を作り続けることで、自分は戦争を描かないということを徹底的に意思表示してるんですよね。この凄まじさがわかったときに、観念的にですが、僕、小津作品が大好きになりましたもん(笑)。ここまで耐えたのか、と。それほど兵士の体験というのはなまじのものじゃなくて、もしかしたら小津も中国人を殺しているかもしれない。そんなものはうかつに映像化できるわけがないんですよ。
 これはほかの戦争体験者も同じで、本当の生き死にをやってきた人は絶対しゃべらないですよね。戦争の話をしてるのは、その周辺にうろうろしてた奴で、そういう戦争体験しか僕らは知らない。だって、人を十人殺した奴は絶対しゃべりませんからね。その痛みを持って表現者に戻ったときに、それは原節子に行っちゃうよなぁっていうのはすごくわかるんです。ただそれは小津の作品だけを観ただけじゃわからない。そんなに簡単なものじゃないんだということを教えられて、本当にありがたかったんです。

與那覇 富野監督が小津作品を目指したというのは、文化史的に非常に貴重な発言なような気がします。もしかしたら、アニメーションって小津作品に近いんじゃないでしょうか?

富野 アニメの場合、技術的にそんなに自由に動かせないから小津的になるんですよ。特に僕はそれを意識しました。小津の映画って、横の動きだけじゃなくて奥行きを感じさせる前後の動きがものすごくきれいなんですよ。こんなにきれいに人が動く映画ってまずない。恐らく外国人が小津作品を好きな理由もそこにあると思います。

與那覇 なるほど。監督はかつて松竹ヌーベルバーグへの反発心があったとおっしゃっていますよね。ヌーベルバーグとは、動きのひとつひとつをきちんとカット割して撮るよりも、置きっぱなしのカメラの前で役者に勝手にやらせたほうがリアルだとして、それまでの映画の文法を破壊するような試みだったわけです。それに対してアニメというのは、まず描かなきゃ画面にすらならないわけですから、自分で世界を作る必要がある。作品世界をきちんと演出しきるというスタイルが、小津安二郎から富野監督を経て、実写ではなくアニメのほうへと流れていったというのは、僕にはとても重要なことに思えます。

富野 そういう意味では宮崎監督もそうだけど、アニメの監督という目線で語られてしまうことが多い。でもね、劇を組み立てる、物語の世界観を構築するということに関しては、アニメ監督の方が実写の監督よりもはるかにレベルは高い。”らしさ”を作るのに、実写のような力のある映像ではなく、絵という記号を使うしかないんだから。それを組み立てる構造論はなまじのものじゃない。でも、映像関係者はとにかくこれをわかってくれませんね。実写の方がリアルだと思って。

與那覇 それは小津が戦後に浴びた批判と同じですね。街角にカメラを持ち出すのがリアルなんだ、お前のは作りものじゃないか、こんな嘘臭い理想の家族なんかどこにもないよと叩かれたわけですが、実際には映画の中で現実を構成していく力というのは、小津の方がはるかに高かったんですよね。

 非常に興味深い話で、富野が今までも何度か小津映画を言及したことはありましたが、ここまではっきりとそれを目指したのは、おそらくこれが始めてです。また、小津の戦争体験が映画に及ぼした影響とかに対する指摘も興味深いものです。

 とはいえ、私には小津を論じる力がありませんので、皆さんのご判断に任せます。

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井荻麟作詞完全攻略パーフェクトガイド第1弾 ~最速への道~

2012/12/02 21:34|富野雑談TRACKBACK:0COMMENT:6
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 井荻麟作詞完全攻略パーフェクトガイド第1弾 ~最速への道~
 皆さん、作詞家の井荻麟という人が分かりますか? ガンダムなどの作品でよく見かけたその名前は、実は富野由悠季監督が作詞活動を行うときに使っているペンネームなんです。阿久悠から教わったその作詞法に、その意外性を持つ言葉遣いで綴られた名曲の数々にさらされて、多くのファンは思わず虜にされてしまいました。

 そんな井荻麟の作詞ですが、富野監督のキャリアと相まって、作詞した曲の数も非常に多くて、アニメ業界人が作った作詞のなかではおそらくもっとも多いものだと思います。とはいえ、数があまり多すぎて、富野ファンや井荻ファンでさえ把握しきれないのが現状です。

 なので、「大丈夫。○ミ通の攻略本だよ。」というわけじゃないですが、今日はいかに井荻麟のあらゆる詞を、「井荻麟作詞完全攻略パーフェクトガイド」という形で皆さんにお伝えしたいと思います。この記事を読めば、皆さんが井荻麟ワールドの全貌を掴めるようになることを保障します。



 今日の記事のタイトルは「井荻麟作詞完全攻略パーフェクトガイド~第1弾 最速への道」です。その内容はもちろんタイトルの通り、一番早く井荻作詞を全部攻略する方法をガイドするものですが、今回の記事の反響次第で、第2弾「最安への道」や別の記事も控えていますので、ぜひ応援してください。

 なお、これはあくまで「井荻麟作詞の曲」を趣旨とする話なので、同じ富野作品であっても、井荻作詞でない名曲を無視してしまうことがありますので、これについてぜひご了承ください。



 それでは、まずは井荻麟作詞一覧リストから見てみましょう。

0.png
(クリックすれば画像は大きくなります。以下の画像もすべて同)

 このリストから分かる通り、ターゲットとなる井荻麟作詞は全部80曲で、当然コンプリートするのにそれだけ難易度があるわけです。

 なので、これから皆さんと一緒に、いかに井荻麟作詞を全部コンプリートする方法を徹底的に一通り見てみたいと思います。なお、この記事も合わせて読むと、理解度が増えます→●井荻麟作詞一覧



 まず、はじめに鉄板として、ガンダムシリーズから攻略していきたいと思います。

 ご存知の通り、ガンダムは富野監督が監督したアニメのなかでもっとも作品数が多いシリーズということから、ガンダムのために作られた作詞もこのリストのなかでは実に大半を占めています。

 幸い、ガンダムはほかのアニメソングと比べて人気シリーズなだけに、その歌も色んなCDに収録されていて、入手しやすい部類となっています。そのため、我々が攻略する際もいろいろな選択ができるわけですが、今回の趣旨が「最速」ということから、手っ取り早くこのアルバムを選びます。


GUNDAM SONGS 145GUNDAM SONGS 145
Windows,アニメ主題歌

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 30周年記念10枚組を銘打つこのアルバムは、そのタイトルの通り、145に及ぶガンダムソングが収録されています。一部の曲が収録されていない声はなにやらGやW界隈から聞こえるらしいですが、幸い我々の1st、Z、ZZ、F91、V、∀に関しては全曲入りです。

 このアルバムによって、我々は一気に25曲の作詞を攻略できます。

1.png

 唯一の例外としては番号31の「我らが願い」があります。これは『逆襲のシャア』の劇中歌ですが、短すぎるためか、現時点においてまだ収録されたことないため、どうしても聞きたいなら、これを入手するしかありません。


機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (初回限定版) [Blu-ray]機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (初回限定版) [Blu-ray]
古谷徹,池田秀一,鈴置洋孝,富野由悠季

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2.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は26/80、32.5%になります。



 次は、初期作品の『ザンボット3』や『ダイターン3』から順番で攻めたいと思います。そして、この二つのタイトルが並べるだけでピンとくる人も多いかもしれません。そう、あのアルバムです。かの庵野秀明も寄稿を寄せているあのCDです。


無敵超人ザンボット3/無敵鋼人ダイターン3 究極BGM集無敵超人ザンボット3/無敵鋼人ダイターン3 究極BGM集
TVサントラ,堀光一路,藤原誠,こおろぎ’73,ザ・ブレッスン・フォー,鈴置洋孝,間嶋里美

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 このアルバムを押えれば、主題歌の3曲のほか万丈関連の5曲、合わせて8曲を手に入れられます。

3.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は34/80、42.5%になります。



 これらが終わったら、いよいよ『イデオン』以降になるわけですが、この時期の富野作品数が多いだけに、井荻作詞を抑えるのもややこしく見えます。

 でも、よく考えてみれば、これらは全部サンライズのロボットアニメです。そして「サンライズ」「ロボット」というキーワードを組合せれば、これがあります。


サンライズ ロボットアニメ大鑑サンライズ ロボットアニメ大鑑
Windows,アニメ主題歌

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 ラッキー! このアルバムはオープニングやエンディングのほか挿入歌も収録されることがありますので、これで一気に『ザブングル』『ダンバイン』『エルガイム』まで片付けます。数えて10曲あります。

4.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は44/80、55%になります。



 とはいえ、まだ『イデオン』と『ザブングル』劇場版関連の作詞が残っています。しかもどっちの曲も最近の復刻以前プレミアかかっていた曲ですから、仕方なくこれらのアルバムから引っ張ることにします。


伝説巨神イデオン 総音楽集伝説巨神イデオン 総音楽集
アニメ主題歌,たいらいさお,戸田恵子,水原明子,小松一彦,井荻麟,すぎやまこういち,あかのたちお,TVサントラ,サントラ,東京フィルハーモニー交響楽団

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 前とダブる曲もありますが、とにかくこの攻略進度に則ればそれぞれ2曲と1曲を手に入れます。ちなみに「COMING HEY YOU」はこのアルバムで初CD化だそうです。

5.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は47/80、58.75%になります。



 ここまで来てれば、もう『∀ガンダム』までの作詞がほとんど埋まっているわけです。そして『ブレンパワード』も幸い、なんとシングル1枚で井荻作詞の2曲を集めることできます。まさに最速攻略記事のための収録です。ありがたやありがたや。


愛の輪郭愛の輪郭
KOKIA,勝沼恭子,井荻麟,菅野よう子,カラオケ

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 もっとも、このシングルCDは絶版っぽいなので、今となってはちょっと面倒かもしれません。

6.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は49/80、61.25%になります。



 次は『キングゲイナー』ですが、こちらは比較的に新しい作品のためか、わりと素直にサントラ1&2を買えば制覇できます。

オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 1 「ハラショー!」オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 1 「ハラショー!」
TVサントラ,宮城小百合,福山芳樹,秘密楽団マボロシ,井荻麟,いのうえひでのり

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オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 2 「BANZAI!」オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 2 「BANZAI!」
TVサントラ,西野薫,国分友里恵,井荻麟,田中公平

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 全部に5曲があります。サントラ1は3曲で、2は2曲といった具合です。

7.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は54/80、67.5%になります。



 でも、次の『リーンの翼』では、まだ問題がありました。

 挿入歌「はじめてのおっぱい」は、やはりCD化されていませんでした(いや、そもそも『リーン』自体が…)。なので、仕方なく本編を選ぶことにします。ちなみに、これが現時点作詞の内容がまだ全部判明していない唯一の井荻麟作詞です。


リーンの翼 COMPLETE [DVD]リーンの翼 COMPLETE [DVD]
福山 潤,嶋村 侑,富野由悠季

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8.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は55/80、68.75%になります。



 と、ここまでは富野のアニメ作品に関わりがある井荻麟作詞の一覧でした。しかし、井荻麟の世界はそれだけではありません。実は、井荻麟は声優や歌手のアルバムの作詞にも手がけたことがあります。なので、以下はそんな個人の音楽アルバムから隠しアイテムを探したいと思います。

 まずは、ガンダム絡みで井上大輔氏1999年のアルバム「REVERBERATION in GUNDAM」です。このアルバムには、5曲が収録されています。

REVERBERATION in GUNDAMREVERBERATION in GUNDAM
井上大輔,池田秀一,戸田恵子,井荻麟,売野雅勇,高橋千佳子,Tong Hoo

テイチク
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9.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は60/80、75%になります。



 次は、やはりガンダムつながりでアムロを演じる古谷徹氏2008年の「HEROES~to my treasure~」です。このアルバムには、2曲が収録されています。ちなみにこの2曲は今のところ井荻麟が発表した最新の作詞でもあります。


HEROES~to my treasure~HEROES~to my treasure~
古谷徹

エイベックス・トラックス
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10.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は62/80、77.5%になります。



 あと残っている曲は全部80年代発表したもののですが、当時の主流はレコードだったため、入手が困難するものもあります。幸い、そのうちの一つ、MIO氏の「STARLIGHT SHOWER」は今年CDとして復刻されたばかりですので、そのなかに収録されている井荻作詞をさらに2曲をゲットできます。


STARLIGHT SHOWERSTARLIGHT SHOWER
MIO(MIQ)

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11.png

 これによって、井荻麟コンプリート率は64/80、80%になります。



 以上は、現時点CD媒体でわれわれが探しつくせる井荻麟作詞です。なかにはちょっと探す工夫がいるものもありますが、基本的にこの15年以内の商品です。つまり、いわゆる正規ルートを辿っていれば、全部手元に収めるものです。

 しかし以下の2つのLPを媒体としたアルバムは絶版のうえに、中古市場にもほとんど出回ることがないので、見つかりたいのは至難の業です。

 一つは、声優の鈴置洋孝氏が1980年に出した「ザ・ロンゲスト・ロード・イン 鈴置洋孝・波嵐万丈」です。2006年以降、ネットでの出品は一度も見たことがありません。このアルバムに収録されている曲は11曲なんですが、うちの5曲はザン&ダイ総音楽集にも収録されているため、新たに6曲を獲得できます(コンプリート率7.5%に相当)。


本棚7
12.png

 もう一つは、歌手のたいらいさお氏が1983年に出したファーストアルバム「 Love profile」です。こちらに至ってはカバーさえ拝見したことのない超レアものです。こちらには、10曲があります(コンプリート率12.5%に相当)。


たいら
13.png

 以上の15の商品に収録されている80曲の作詞を全部コンプリートできるこそ、井荻麟ワールドの制覇者といえます。ちなみに私もまだクリアできなくて、コンプリート率80%に留まっているプレイヤーです。



 以上は、いかに誰も教えてくれなかった井荻麟作詞を最速にコンプリートできるルートを示したものです。

 本当は、絶版という要素を考えなければ、②は買わなくてもいいのですが(その曲は④と⑭に含まれているから)、絶版した曲の作詞をせめて1曲でも多く確実に手に入れるほうがいいと考え、このような攻略法をガイドしました。なので最短と謳いながら、ほんのちょっとだけの回り道をしてしまったんですが、それでも以上の話を分かれば、いよいよ最後の結論を読み上げることができます。

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