富野由悠季監督とその作品をひたすら語るブログ

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週刊連載 富野由悠季起用論まとめ2 「富野についてどんな起用法が良い?」

2009/09/30 21:58|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:8
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週刊連載 富野由悠季起用論まとめ1 「富野由悠季を起用する理由はここにあり」



まとめ2.富野について、どんな起用法が良い?

 今までの記事では、富野由悠季監督を使うべき理由と価値について語ってきました。今回から二回かけて、富野にどのような作品を作ってもらう、またどのような媒体にやらせるほうがいいについて、試しに語ってみたいと思います。今回は起用法についての話で、次回は媒体の話である同時に、この一連の話の終わりでもあります。もしよろしければ、最後まで応援してください。


 さて、富野の起用法について、大まかでいえば以下の5種があります。

①ガンダム作品
②非ガンダム・オリジナルロボットアニメ
③非ロボットオリジナルアニメ
④原作付き
⑤ゲスト参加


 そのうち、はもちろん自然的にサンライズ限定となっていますが、②~⑤はサンライズ・他社と問わずに通用してますので、この前提で以下の話をします。


①ガンダム作品
 まず、ガンダムは一大タイトルであり、大手企業バンダイの看板作品シリーズのひとつなので、今回語ってる①~⑤のなか、一番大きい商業規模なものになるのは当然のことです。
 ガンダム作品が作られている理由は、当年のガンダム作品を展開するだけではなく、当年のガンダム商売全体の牽引、しいてガンダムシリーズの継続を図るためでもあります。
 これがバンダイ・サンライズはいずれやらなければいけないことですので、同じやるんならば、今のうちに能力が高いかつ実績がある富野にやらせるほうが筋です。現時点だけ取っても、これができる他の若手演出家が出てこなくて、もっとも相応しい人選はやっぱり富野由悠季ですから。
 そして、ガンダム作品については、以下の三類があります:

Ⅰ UC新シリーズ
Ⅱ UC原作アニメ化
Ⅲ 非UC作品


 そのうち、ⅠとⅢは完全な新作に対し、Ⅱは漫画や小説の原作からアニメ化するものになります。以下は、順次でⅠ、Ⅱ、Ⅲを語ります。


Ⅰ UC新シリーズ
 宇宙世紀を舞台としての新作を作る一番大きい意味は、ガンダムシリーズのなかでももっとも比重が大きいUCシリーズ全体を引っ張ることです。純粋なUC新作としてなら96~99年『ガンダム第08MS小隊』、UCテレビシリーズで数えると93~94年の『Vガンダム』以来のものとなっていますから、ガンダムシリーズを経営するうえ、とっても大きい意味を持っています。
 ただし、新作を作るといっても、無条件ではありません。
 UCガンダムシリーズには、「宇宙世紀」という要素が含んでいますから、宇宙世紀を背景した作品のあらゆる出来事も、この宇宙世紀の年表たるものに刻まれなければいけませんし、辻褄も合わなければなりません。
 そして、UCシリーズを経営する意味でいえば、今更年表を埋めるような作品を作っても、ビジネスから言っても作品から言っても、じつをいいますと、将来さらに展開できる限界がありますゆえ、UC新シリーズをつくるならば、なるべく年表の間の作品ではなく、時間をさらに前に進む作品のほうが長期的で見ては有利です。

 しかし、となれば、『Vガンダム』以後の話になるしかない規定も自然について行きますから、年代が密集するシリーズ群と比べて、商品展開もややしにくいという難点も出てきます。
 ただし、UCシリーズを継続させるメリットと比べて、全体はやはり大きい利益と意味を持ってますし、長期的でいえば、ごく真っ当かつ必須な手といえます。


Ⅱ UC原作アニメ化
 富野が監督するものとなれば、富野本人が原作担当の作品に限られています。そしてその条件に合致してるのは小説『閃光のハサウェイ』、小説の前編にあたる部分と映画の後の話が残っている『ガンダムF91』、それから漫画『クロスボーンガンダム』の3作になります(場合によって、小説『ガイア・ギア』や『アベニールをさがして』を入れるのも可能です)。
 これらの作品をアニメ化する一番のメリットは、何度いってもすでに高い認知度とファン層を持っていることに尽きます。『閃光のハサウェイ』は『逆襲のシャア』の続編的な作品で、長年ずっと愛され続けて、近年はゲームなどで登場してて、アニメ化を期待する声も高い。『F91』は当時こそ評価は控えめだが、今となってガンダム映画の二番手というポジションを占め、ゲームやプラモなど派生作品も多い。さらに、『クロスボーンガンダム』は長谷川祐一作画のため、かなり読みやすい少年漫画風に仕上げられて、『F91』の続編として注目集めている。よって、これらのタイトルをアニメ化するのは、作品自体からいっても商品展開からいっても、実はかなりの安全牌だといえます。

 しかし、これにはひとつ問題が存在しています。Ⅰではすでに年表埋めの限界を語ってますが、これら現存タイトルの間に挟んでいる年代を背景する作品は、不本意ながらも、どうしても年表埋めの作品になります。これによって、たとえ当年のガンダムビジネスを牽引できても、ガンダムシリーズ全体を延命する意味では、じつをいいますと、まったく新しい作品と比べてやっぱり弱いものといわざるを得ません。


Ⅲ 非UC作品
 非UCのガンダム作品には一つ重要な使命があります。宇宙世紀シリーズ以外の(作品とビジネスの)可能性を作り、ガンダムシリーズ全体を継続させることです。21世紀に入ってからのテレビのガンダムシリーズは、まさにこの路線で進めようとしている。
 しかしもう一方、新シリーズであったはずの『ガンダムSEED』から『ガンダム00』への縮小や宇宙世紀シリーズの『IGLOO』や『ガンダムUC』などをOVAで展開するなど、ガンダム作品の未だに新シリーズになるほどの強力な発信源が未だに見つからないと伺えます。

 これが今バンダイ・サンライズが直面している問題で、原作者であり、もっともガンダム作品を手がけた監督でもある富野が自ら挙げた自分とガンダムシリーズに対する課題なので、富野がまだ作れるうちに、富野を使って新たなガンダム作品を作らせ、ガンダムシリーズ全体の比重を少しでも宇宙世紀作品から軽くするほうが、よっぽとガンダムシリーズの延命策になるはずです。
 これについて、その2 「サンライズは富野由悠季の影響力を消し去るべきか?(下)」ではすでに語りましたから、詳しい話はそちらを参照ください。
 つまり、非UCのガンダム作品こそ今もっとも必要されているものです。そしてもっとも達成できそうなのが、富野由悠季という演出家です。

 このたび富野がイメージトレーラーとして、オスカー賞を授賞した『つみきのいえ』の制作会社ロボットと『踊る大捜査線』の本広克行監督との合作のもとで作られた『Ring of Gundam』(リング・オブ・ガンダム)もこの非UC作品のカテゴリにあたります。
 今のところ、富野が手がけた非UCのガンダム作品は、ガンダムシリーズ全部を包括した『∀ガンダム』だけなので、リスク度でいえば、ⅠとⅡと比べて当然比較的大きいですが、『ガンダムSEED』や『ガンダム00』などで示したガンダム新作に対する反響、『Ring of Gundam』のギャオ無料配信の二週間、ずっと視聴ランキング2位を占めてた高期待値からしては、まだはっきりしていないものの、かなりやりがいがあるジャンルだといえるはずです。

 ですので将来の展開は、さっき語った論調を視野に置けつつ、今はこの企画がすでに動いてる『リング・オブ・ガンダム』を『ガンダム00』や『ガンダムUC』に継ぐ次期のガンダム主力としてプッシュするほうが、バンダイ・サンライズこれから2、3年のガンダムシリーズ経営における、欠かせない布局なのではないでしょうか。

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富野由悠季監督、第24回国民文化祭・しずおか2009参加決定

2009/09/28 21:10|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:2
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 とにかくこんなの見つけました。

かっこいいアニメ、かわいいダンス、粋な染色の創作現場ってどんなの? この異色の組み合わせの中から、どんな新しい日本文化が見えてくるのか? 異文化のコラボレーションに注目です。



国民文化祭・しずおか2009│シンポジウム「新しい日本の文化」

シンポジウム「新しい日本の文化」

サブテーマ
アニメ、ダンス、染色のクリエイターたちが語る新しい日本の文化

趣 旨
「ジャパニーズ・クール」の先端を走るクリエイターたちが、創造の原点と楽しさを語り合います。

日 時
平成21年11月1日(日曜日) 13時30分~16時30分

会 場
三島市民文化会館 大ホール
〒411-0036 三島市一番町20-5


事業内容
    コーディネーター 金谷尚知(日本大学教授)

  第1部 プレゼンテーション「今、制作現場では」
   出演 富野由悠季(アニメーション監督)
       珍しいキノコ舞踊団(ダンスカンパニー)
       吉岡幸雄(染色史家、「染司よしおか」主宰)

  第2部 パネルディスカッション「見つけよう、新しい日本文化」
   司会 上利博規(静岡大学教授)
   パネリスト  富野由悠季、伊藤千枝(珍しいキノコ舞踊団)、吉岡幸雄

問い合わせ先
第24回国民文化祭静岡県実行委員会事務局
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
TEL 054-221-3222 FAX 054-221-3559
E-mail kokubunsai@pref.shizuoka.lg.jp

 うーん…前も言いましたが、文化人コースは正直そんなに好きじゃないけれど(毎月の「教えてください。富野です」があればいいしね)、今回は「制作現場」と「日本文化」という二つの興味深いテーマに対してたっぷりと3時間も用意されてありますんで、ご都合がいい方は是非見にいってください。

 また、別のイベントでは押井守、渡辺信一郎、神山建治、菅野よう子などが参加していて、ご興味あれば自分で探してみてください。

▽続きを読む▽

朴璐美の富野由悠季観

2009/09/28 19:47|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:3
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 今はニューヨーク講演の情報をまとめる最中なので、今日はこれを紹介します。おそらくニュータイプ2009年10月号の内容だと思いますが、とにかく見てください。

ガンダム歴代パイロットのフロム・コクピット

「∀ガンダム」では、第一話がとにかく好きなんです。♪メーリさんの羊……と歌いながら地球に降りてきて、川で泳いだりして、最後に「地球はとてもいいところだ。みんな、早く戻ってこーい!」と叫ぶ。ノスタルジックな気持ちにもさせられるし、それでいて宇宙を感じさせるし、すごく深い世界観だと思って、大好きなんですね。近未来的なメカで降りてきたら、そこには名作劇場みたいな世界が広がっていて、本当に不思議な気持ちにさせられるんです。

 声優という仕事にかかわるきっかけは、富野由悠季さんの「ブレンパワード」でした。その打ち上げで「ありがとうございました」と泣きながら挨拶をすると、富野さんが「これで終わりじゃないから」とおっしゃって。でも当時はそのことばの意味もわかっていませんでした。翌年、富野さんが「∀ガンダム」という作品をやるとうかがって、またごいっしょできるかもしれないとオーディションに臨んだんです。その時は、ディアナとキエルというヒロイン役だったのですが、その場でロランをやってくれと言われて。
人生初の男の子役を、オーディション会場で、何も考える間のないままにやらせていただいたのですが、まさかそのままロラン役に決定するとは夢にも思わず……。それが、「∀ガンダム」との出会いでした。私の中で、富野さんというのはレオナルド・ダ・ヴィンチみたいな存在です。自分の発想をみずから壊せる人ってなかなかいないと思いますし、ずっと先のことを、頭をフル回転しながら考えていらっしゃって、それでいて頭でっかちでなくてハートが伴っている。端から見ると怖い人のように思われるかもしれませんが、本当に温かくて、弱い者の気持ちがよくわかる方なんですね。エネルギーの塊のような方ですし、信頼といった月並みなことばでは表現できないほど、尊敬しているます。

 その富野さんに「このガンダム、どう思う」と、最初に∀ガンダムを見せられた時は、実は何も思わなかったんです。「これは巷ではまったく人気のないガンダムなんだよ」って教えられても、どうして人気がないのかまったくわからなくて。今となっては、当時にしては斬新すぎるデザインだったんだなとわかりますけど”ガンダム”シリーズの中で考えたら「ああ、この子は浮いちゃうんだろうな」とは思うんですが、愛くるしくてとても好きなガンダムです。股間にコクピットというのも、大事なところにあるという設定はアリだなと思ったり(笑)。丸っこいところとか、アナログ感があるところとか、「∀」の世界観に合っていると思うんですよ。

 次は、緑川光さんですか。そう呼んではいけないのかもしれないけど、いつもヒッキーの笑顔に癒されてます。私にとって宇宙人的存在というか、アイドルですね。今度、ご飯を食べながら、ヒッキーが何成分でできているかをいっしょに考えたいと思います(笑)。

 うーん、こっちが見てて顔赤くなるようなベタ褒めですね。しかし、この二人の相性は、本当にありえないくらい合っていますね。富野監督はロランにおいて朴さんに絶大な信頼を寄せたんだし、朴さんも興奮すると富野監督を「お父さん」と呼んじゃうクセがありますから、本当に仲いい二人ですね。

ヨシユキ・トミノ紐育情報

2009/09/27 22:11|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
富野監督のNEW YORK ANIME FESTIVAL情報
富野監督のアメリカ紙インタビュー
米国アニメフォーラムから見る海外ファンの富野観

 今週末、アメリカのニューヨークまで行って講演と質問応答会を富野監督の関連情報をご報告します。

Japanator│New York Anime Fest is bringing Gundam director Yoshiyuki Tomino to the US

"The New York Anime Festival is honored to welcome one of the legends of Japanese animation," NYAF Show Manager Lance Fensterman said. "There is now a generation that's been born and raised with Gundam, and we very much want to bring Mr. Tomino and these American fans together to celebrate the 30th Anniversary of his iconic series."



 まず、このイベントにとても期待していた人に気の毒ですが、今のところネットに散見してる情報を見る限り、とてもグダグダのようでした。ファンの熱情は持て余しても、主催者の準備はとてもプロとは言えないため、イベント自体も何度もトラブルに逢ってたらしかった。

 一つだけ例を挙げますと、たとえば今回イベントの時間配分。富野監督の講演と質問応答会はそれぞれ一時間しか用意してなかったのに、監督とのサイン&撮影会は2時間半を設けてた。これは明らかにトミノの無駄遣い(もちろんそっちの金はどう使おうか彼らの自由だが)。
 また、『ガンダムⅠ』、『ZⅠ星を継ぐ者』、『リーンの翼』の放映会もあったけれど、これらもそれぞれ一時間。どうしてもおかしい時間配分でしょう。
 なので、アメリカの富野&アニメファンたちにとって非常に嬉しい経験に違いませんけれど、全体から見ると、やはりアマの甘さを残ってるイベントといわざるをえませんでした。


 次に、情報を集めてきたといっても、じつをいうと今のところ碌な情報も入っていなかったため、今日はひたすらリンクを紹介します。




 まずはユーチューブ:

NY Anime Festival - Clip of Gundamn Creator Yoshiyuki Tomino


NY Anime Festival - Another clip of Yoshiyuki Tomino

 有志ファンが撮った映像。これが講演の時の映像。どれも短いが、富野が映ってます。


New York Anime Festival 2009 Video Diary - Day 1

 これは別の有志ファンが作ったNYAF一日目の紹介動画で、2分半ぐらいのところに富野が出てきます。とりあえず講演を聴きに行ったファンがいっぱいでした。この方は引き続き二日目と三日目を紹介するので、新しい動画が入る次第、ここで追加します。

 現場の情報では、最初主催者は小さな部屋しか用意していなかったが、監督の大人気っぶりに慌てて一番大きい部屋に変えたとか(それでも全部入りきれなかったらしい)。まあ、台湾ですら結局500人以上集めてきたんだから、アメリカならもっと多くても全然おかしくないし。




 次にミクシーでは現場に足を運んだ方がいるらしいですが、無断リンクはしていけませんので、少しだけ転載します(これも無断だけど)。

ガンダムも国際的に有名になったし、演説も英語かしらと思いきや、日本語でした。(中略)通訳者が側にいたのですが、いまいちちゃんと通訳できてず、おいおい大丈夫か? 途中で一文訳さず抜かしたところもあったし。通訳者がざわざわしている様子をさすがに富野さんも気づいたか、この演説を載せる際に通訳間違いは直せばいいから、ってぼそぼそ「マイク通して」やってました、もちろんこれは通訳なしだけど、私にはよく聞こえました笑。

演説の後の質問は…えーそんなアホな質問どう答えんねん!?ってなのばっかりで、富野さんも困ってたよ。一番理解できんかったんは、鉄腕アトムの映画がもうすぐ出るからだと思うが、「手塚治と鉄腕アトムについてどう思いますか?」という質問に対して富野さんが「営業妨害になるからコメントは控えます」っていったのをどう訳したのか(ここは聞いてなかった)訳のあと会場全体笑いの渦に…ええ、そこ笑うとこなん?



 また、講演の内容も無断転載なので、書いてた方ごめんなさい。

金曜:
2:00 NYAFの幕上げ役を務めました
5:15 パネルにでた
 まず富野監督が自分のことちょっと紹介した
 それから一言:「本当に申しわけないと思います。英語喋れません。日本語しか喋れないの。申し訳ないです。」
 それから、なぜ自分がアニメ業界に入ったのかとなぜガンダムを作ったを語りました。
 アニメはどうやって作るべきのも僕らに伝えました
  その中に物語について、チームワークについて語りました

 質問応答会は:

土曜:
1:45 Q&Aパネル - 入らなかったので、聞いたことを語ります
定番は
 Q: CCAのアムロとシャアはどうなりました
 A: 自分で想像して
それから覚えたのは:
 Q: なぜZガンダムの劇場版を作りましたか
 A: お金www
 Q: それから何を作ろうと思います
 A: わからない、わからないからここにいますよ。わかるのならここに来るはずがない、時間が無いから
 Q: ∀ガンダムについで
 A: ガンダムじゃないですよ、軍事をあまり語ってないから
 Q: 僕のチームはいつも問題起こっています、あなたのチームでは?
 A: 勿論あるです。そうじゃないと今より20個名作作れるのです

その一人がなぜかガンダム00のこと聞きたいので、罵倒の声が沸きました。でも翻訳する人はなにがあったのかわからないです

 本当にどうしょうもない体たらくなイベントだったので、これからもし新しい情報があれば追加もしますが、正直これだけ読んでいたら気力もあまり残っていませんってのも事実。つか新作はどうしたのよ!

▽続きを読む▽

グダグダ日常話

2009/09/27 00:51|日常話TRACKBACK:0COMMENT:0
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 最近は何故かずっと時間が足りないと文句を言う自分ですが、ブログを更新する時間もネタを考える時間もありませんので、最近ちょいと苦痛。別にブログを更新するのは趣味じゃないし、惰性でブログを更新するのでもないけれど、やはり慣れると、一日更新しないだけでも気持ちが浮くというか、とにかく変な感じだったりします。
 まあ、もっとも自分はどうせ毎日トミノの話題しか書かないから、毎日更新できるほうがよっぽとおかしいと自分も思っているが、インスピレーションが来てるときなんか、本当に何日トミノ話題を話しても構わないくらい勢いがあるため、最近は不調なんじゃないのかなぁと思ったら、やはり時間が足りないからだったりして。
 なので、今日は実生活についてちょっと雑談。


 最近こっちのマンガ産業の方々とやたら接触していて、その繋がりでの授業も受けているが、そのため休日は全返上するのはツライというか、とっても疲れている。しかもこの状態は来月末の国際漫画家年会まで続くんだから、本当にやってられない気持ちであった。まあ、
 そういえば、国際漫画家年会でいえば、今回永井豪氏や千葉徹弥氏なども来るらしい。自分はスタッフとして参加するだろうから、もしかしたら巨匠たちと会えるかも。まあ、もっとも自分は漫画ファンではないけどね。


 あと、最近国連で30年以上のキャリアを持ってる通訳の先生と会っている。とても勉強になさってる話たくさん聞けて、本当に貴重な経験。ひそかに国連の中の日本や中国、韓国などの国に対する感想や意見も伺って、とってもラッキーというか、国際観はさらに広がっていくという感じ。これも再来週までの予定。


 それから、前も言ったはずですが、最近『富野由悠季全仕事』の構成を解析している。最近といっても、もう先々週くらいのことだが、実をいうと、すでに内容の構成の分析も終わってたが、どうしても記事にする時間が割れなくて、ちょっとイラつく。

 それだけじゃなく、新作話もだんだん不明瞭になってて、またイライラしてる毎日を過ごすことになりそう。まあ『リングオブガンダム』以前はイライラする気力すらなく、無気力な毎日を送ってたけどね。


 …それにしても、この前『月刊ギャラク』で富野監督にインタビューした人が、またこんな記事を書きましたが、一体どういう意味なの? その上、ちょっと前は11月号(10月6日発売)と予告したのに、いつのまにか11月6日発売の12月号になってるのも、余計に混乱させる。あ~頭が混乱する。
 まあ、インタビュー自体も終わった今はすでに後の祭りになるわけだが、やっぱり新作についての予定などの話が聞けてほしいな。

K研でのほほん│で、リング・オブ・ガンダム。

現在、上井草で富野監督に伺ったお話の「放映権」はGALACにあります。
僕自身にはありません。
ですから11/6の発売までは、「~~を赤裸々に激白!」くらいの
宣伝になるようなことのみしか申せません。



 あ、それから明日の千秋楽をとっても期待。自分の目当てはもちろん朝青龍。今回あそこまで頑張ってきたんだから、できればどうしても彼には勝って欲しいな。シロを破壊せよ。


 それから、こんなこと言ったら西武ファンに怒られるかもしれませんけど、楽天に3位を守って欲しい。クライマックスシリーズも勿論見たい。実をいうと、あまり楽天の選手に愛着はないが、ノムさんがあそこまで頑張ってるんだから、どうしても彼のチームに応援したくなる。


 と、以上は20分くらいで更新完了。明日は富野監督のニューヨークイベントも全部終わることになるので、次回はできれば情報をまとめたい。時間があればけどね。

ニュータイプ1999年8月号朴璐美・村田秋乃・高橋理恵子CV座談会

2009/09/25 18:39|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 これから出かけるので、今日はこれでします。99年のときの∀の女性出演声優たちによる座談会です。

風、語る
富野監督に、「実写で演じるみたいに」って言われたんです。

本編も回を重ね、視聴者も、演じる側もキャラクターになじみたしたころ涼風の中、ロラン、ソシエ、キエル&ディアナを演じる3人が語るCV陣から見た「∀ガンダム」、富野監督とは?



富野監督からのキャラ・イメージが始めの風

――富野由悠季監督からの演技指導や作品の解説はどんな感じでした?

村田秋乃(以下、秋田) 「きちんとした説明みたいなのはなかったんですけど、感情的な雰囲気というか、こんな感じだよってお話とかはいただきました。たとえば、『手をこう広げる感じですから』みたいに、その役の身ぶり手ぶりを実際に演じて説明してくだるので、わかりやすくうれしかったですね」

朴璐美(以下、朴)「必ずそうなんですよね。月に吠えるときの吠え方とか。監督が『うぉーっ』と叫んでくれたのを見て初めて、ああそういうことか、とわかったり。あと、言っていることか、とわかったり。あと、言っていることはさっぱりわからないんだけどテンションだけはわかるとか。何かそういう感じが感染してくるみたいな感じで(笑)」

高橋理恵子(以下、高橋)「わたしは監督に最初にお会いしたときに、『∀』の番組宣伝用ポスターを見せられて『こういうことです』と言われたんです。それで、こういうことなのか、と。あのときのイメージがけっこうあります。人間のハートのお話、というかろロボットものなんだけど、大事なところは心にあるというふうに受け取りました」


三姉妹(?)が見たアフレコ現場に吹く風は?

――初アフレコのとき、監督からのことばがあったと聞きましたが?

朴「よく覚えていないんですけど、『ロランっておいうのはこれこれこういうもんだ』と自分が思ってます、と言えばいいだとアドバイスはもらいました」

村田「変に合わせるより、お芝居をする感じで。アニメだからとかいうのではなく、実写の気持ちでと言われました」

――で、実際にアフレコに入ってどんな感じでした?

高橋「お2人は、もうなんでこんなにきちんと口が合うんだろう、とか思って見ています」

朴「いちばん口が合わないの、わたしなんですよ」

高橋「うそぉ」

朴「何をおっしゃいます(笑)。理恵子さんがいちばんぴったり合ってるじゃないですか。だって、もう少し尺を詰めて(同じセリフを短い時間で言うこと)と言われるの、わたしと秋乃ちゃん、主にわたしなんですよ」

村田「理恵子さんは2役やってて、そっくりの役なのにちゃんと違うところも演じわけてる。それに、2人だけで長く会話するシーンでも、NGとかなしでスラスラとやって」

朴「あまり、別録りもしていませんでした。あのとき、わたし始めて理恵子さんは天才少女だと本当に思いました」

高橋「(笑)」

朴「でも、理恵子さんが美しい声で美しいセリフを言っているときに、『にょっ』とか、どもったりするんですよ。それが何とも言えずかしくって。あ、言っちゃまずい?」

高橋「うー。いいよ」

朴「第14話のラストで『あのウィルはもういないのですね』というところを『あのウにぃ、ゴメンナサイ』とゴメンナサイもセリフなのかなあと思うほどにきれいに言って、それを聞いて理恵子さんも間違えることがあるんだなあみたいな(笑)」

高橋「朴さんは、芝居やっているときは間違いとかないですけど、転ぶんですよね。むやみに、何にもないところでずっこけたり。アフレコスタジオの中もそうですし、外でもそうですし、いろんな物にぶつかって破壊度がとっても大きいです」

(一同爆笑)

朴「でも、アフレコ中に何か壊したことはないですよ。秋乃ちゃんはラ行が言いづらいらしくて、隣で一生懸命練習していて『これでいいんですよね?』と聞いてくるんですけど、それがことごとく違っているんですよ。全部みごとに違うじゃん、て。たとえば、『ガンプラ』って、語尾を下げるじゃないですか。それを語尾を上げた発音でいいですよねって聞いてくるんですよ(笑)」

村田「それで訂正してもらって、マイクの前に立つとカァーッちなっちゃってやっぱり語尾を上げちゃったり。それで訛っていると言われて、出身どこ?とか聞かれるんですけど、出身は東京なんですよ(笑)」


∀ガンダムをめぐる風――思い出のシーンは?

――印象に残っているエピソード、そしてキャラクターというと?

村田「好きっていうんじゃないですけど、第3話でお父さんのお墓の前で泣き崩れるシーンの印象が強いですね。とにかく、気持ち的なものとは別に泣き叫ぶという演技が苦手なので。もちろん、内容的にもショッキングなところがあったから」

高橋「わたしがいちばん好きだったのは、第2話でミリシャのパレードを眺めながらソシエと話しているシーンが好きというか、印象に残っています。キエルとソシエって姉妹なんですけど、あんまり話をしてないですから。あと、第1話の終わりに、ロランが『早く帰ってこーい!』と月に叫ぶシーンがすごくきれいで。この2つのシーンは好きですね」

朴「私の場合、第1話のOPで『メリーさんの羊』を歌うシーンですね。あの歌の収録は、本編を最後まで全部取り終わってから3人(キース役の福山潤とフラン役の渡辺久美子)で各々の歌だけ録ったんですよ。そのときに監督が『宇宙船の中でみんなおびえていて、怖いんだけ一生懸命歌っているという感じ』と言われて、いちばん最初に歌わされたんです。そのときは、よくわからなかったんですけど、後の2人を聴いたときに、ゾクゾクときて。その感じがすごく伝わってきたんですよね。それで、これはスゴいと3人で感動しちゃって。監督も『自分でもこういう出来になるとは思わなかった。これはBGMも何もつけずにこのまま流そう』と言われて。それでオンエアを見たときに、やはり微妙な感じが出ていてよかったですね」


話の最後にこれから「∀」に吹く風は?

――今後との希望として、ロランは誰とくっつくと思います?

村田「ソシエは、ロランのことは絶対あきらめているんじゃないかというところが出てきて。ギャバンも登場してきたことだし(笑)」

高橋「ディアナはウィルが忘れられないんですよねえ。あれがせつない」

朴「結局、(ロランの相手)誰もいないんじゃん(笑)」

村田「みんな寂しいんですよ」

朴「きっと誰もいなくなるので、死ぬときはブリキの金魚といっしょに死にたいと。金魚だけが友達だ(笑)」

高橋「キエルはグエンはローラ、ローラって言うので焼きもちを焼いたりするんですよね。でも、やっぱりグエンのことを好きなので添い遂げさせてあげたいなあ……」

朴「止めたほうがいいですよ。シドじいさんがいちばんです(笑)」

――最後に、予告で必ず出る「風」ということばには何か意味が?

朴「最初に風ってことばを使った分、監督が意地になっているという噂も(笑)。私もすごく気になっているんですけど、聞いてみても『あはははは』って笑うくらいなんで」



米国アニメフォーラムから見る海外ファンの富野観

2009/09/24 21:34|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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富野監督のNEW YORK ANIME FESTIVAL情報
富野監督のアメリカ紙インタビュー


 さて、明日から始まることになるNEW YORK ANIME FESTIVALですが、そのなか、富野監督が参加してるイベントは以下となります(日本より14時間遅れため、実際始まるのは26日のことだけど)。

NYAF Panels & Screenings│Yoshiyuki Tomino Keynote

Title: Yoshiyuki Tomino Keynote
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 05:15 PM - 06:15 PM(日本時間26日7:15-8:15)
Room: Panel Room 4 - 1A21
Type: Panel
Description: Guest of Honor Yoshiyuki Tomino takes to the stage to speak about growth over the past 30th years -- his growth, Gundam's growth, and the anime industry's growth. A powerful and personal presentation that any serious anime fan cannot miss!



NYAF Panels & Screenings│Yoshiyuki Tomino Q&A

Title: Yoshiyuki Tomino Q&A
Date: Saturday, September 26, 2009
Time: 01:45 PM - 02:45 PM(日本時間27日3:45-4:45)
Room: Panel Room 4 - 1A21
Type: Panel
Description: Over the summer, Anime News Network let the world ask Yoshiyuki Tomino questions. Now, Tomino-san gives the world answers. Spend an hour with Guest of Honor Yoshiyuki Tomino and Anime News Network for a Q&A featuring questions culled from around the globe.
Moderator: Chris Macdonald
Speaker: Yoshiyuki Tomino



 また、今回放映となる富野作品は以下の三作です。

NYAF Panels & Screenings│Mobile Suit Gundam I

Title: Mobile Suit Gundam I
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 02:30 PM - 03:30 PM(日本時間26日4:30-5:30)
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: (前略)Directed by Guest of Honor Yoshiyuki Tomino. (Bandai)


NYAF Panels & Screenings│The Wings of Rean

Title: The Wings of Rean
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 06:15 PM - 07:15 PM(日本時間26日8:15-9:15)
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: Terrorists have attacked the US military base in Iwakuni City. When it's discovered that the culprits are two of Aesap Suzuki's friends, Aesap is also mistakenly hunted by US forces and the Japanese police. As the innocent Aesap escapes arrest, he spots a flying warship suddenly emerging from the luminous ocean. At the bow is a young woman with wings of light on her feet. Her name is Lyukus, daughter of King Sakomizu of Byston Well. Directed by Guest of Honor Yoshiyuki Tomino! (Bandai)


NYAF Panels & Screenings│Mobile Suit Z Gundam: Heirs To The Stars

Title: Mobile Suit Z Gundam: Heirs To The Stars
Date: Saturday, September 26, 2009
Time: 11:00 AM - 12:00 PM(日本時間27日1:00-2:00)
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: (前略)The New York Premiere of the first Zeta Gundam film! (Sunrise)



 で、今日お話したいのは、富野のアメリカ行のインタビューを担当するアメリカ最大を誇るニュースサイト「ANIME NEWS NETWORK」のフォーラムの話です。
 前もアメリカ行のプレ・インタビューを掲載したANNは今回のイベントのため、サンライズにもう一度正式のインタビューを申しこんでいた。インタビュー自体は近日で読めるらしいですが、そのなかでも一番特別なのは、インタビューの質問は専門者によるものでなく、フォーラムで公開募集したものである。なので、ここでアメリカアニメファンの幾つかの質問を紹介したいと思います。

ANN Forum│Yoshiyuki Tomino - You be the Interviewer

Q:『ガンダム』は今でも影響を残ってるアニメと思いますか?

 最初の作品から30年を経った今、こんな疑問を浮かぶのも仕方ないですね。

Q:『キングゲイナー』みたいな新しいテレビシリーズを作ってくれませんか?

 やはり富野監督の新作を期待しているファンはいますね。サンライズさん、早く作らせてください。

Q:アニメ産業のこれから5年はどうなるんでしょうか?

 日本のアニメファンに限らず、アメリカのアニメファンもこういうことに気になりますね。殊にアニメ業界のなかでももっともキャリアを持ってる監督の一人に、こういう質問をしたくなりますね。

Q:監督はガンダムの成功がかえってご自身の負担になってると思ったことありますか?

 これを分かってるアメリカのアニメファンもいますね。まあ、負担かどうかは置いといて、色々複雑な思いを抱いているのは間違いないですね。

Q:もしチャンスがありましたら、新しい『どろろ』を監督してくれませんか?

 なぜ『どろろ』? 手塚先生の弟子だからか?

Q:監督の一連の作品のなか、監督ご自身が『エルガイム』を下す定位を教えてください。

 エルガイムファンですね。確かにいつも「永野くんの作品」と言われたら、ファンにとってたまらないものですしね。

Q:ハリウッドは実写ガンダムについて監督と接触したことありますか? 25年前『ダンバイン』をお作りになった身として、キャメロン監督の『Avatar』に対する感想を教えてください。

 アメリカだからか、やはりハリウッドの質問は避けられないですね。しかし、キャメロンの『アバター』をダンバインと一緒にする発想はなかったな。

Q:これからも小説を書くつもりはありますか?

 おそらく単なる好奇心による質問ですが、私も是非富野に新しい小説を書いてもらいたいです。彼の小説は単なる作品以上の意味を含まれていますしね。

Q:女性主人公のガンダムを作ってください。

 ほう、これを見たい人はいますね。でもガンダム作品以前、魅力ある女性主人公って難しいよね。

Q:違う惑星または太陽系以外を舞台にするガンダムシリーズを作るつもりはありますか?

 アメリカだから、素直にこんな疑問を出してるファンもいますね。

Q:安彦良和の『ガンダムオリジン』の感想を教えてください。

 原作者にこんな質問を出したくなりますね。

Q:富野先生、新作『リングオブガンダム』の製作経緯を教えてください。

 とてもナイスな質問。是非監督に質問したいところですね。

Q:ガンダムは一体「反戦」というメッセージを込めているんでしょうか。

 「反戦」はアメリカという国にとってやはり色々重要なファクターだから、アメリカファンにとって、話せずにいられない質問でしょうね。

Q:監督にとって、ご自分は作家、それとも演出家と思ってるんでしょうか?

 富野に作家か演出家を問うのはアメリカのアニメファンにしてなかなか興味深い質問ですね。

Q:∀ガンダムはあそこまで不細工ってのは、監督が非商業アニメに仕上げたかったためなのでしょうか?

 いったいどんな誤解かよ。

Q:新訳ZZは…。

 ははは、そっちも同じことを考えてる人がいますね。

Q:ハリウッド『アトム』について。

 アメリカのアニメファンもよっぽとあれに不安を抱いてるのでしょうね。

Q:黒歴史は∀以後の作品も含まるんでしょうか。

 ただの設定だが、一般のガンダムファンなら気になる疑問かもしれませんね。もっとも富野監督に質問しても意味ないが。

Q:最近いいと思ってる演出家もしくは作品を教えてください。

 答えるはずもないが、確かちょっと知りたくなりますね。

Q:『ザンボット3』は監督の代表作の一つであるが、アメリカではよく知られていないため、もっと詳しく教えてくれませんか。

 この質問を含めて、以下の4つの質問は全部同じ人によるものですが、なかなか濃いですね。

Q:長浜忠夫監督と一緒に仕事したときの経験や話を教えてください。

 濃い!濃いよ!正直アメリカのアニメファンと聞いて、ちょっと見下したんですが、こういうのを見て、本当に脱帽しないといけない良い質問ですね。日本にいるじゃなかなかセットできない質問ですしね。

Q:金田伊功さんとの話を教えてください。

 ちょうどリアルタイムの話ですが、もし90年代後半の『ダイターン3』新企画の話が聞けるなら万々歳ですよね。

Q:山本寛監督がアメリカに行ったとき、アニメ業界を代表する個性的監督の一人として、富野監督の名を挙げたんですが、これについてどう思いますか?

 へえー、これが知らなかった。もっとも意味があるとは思いませんけど。

Q:『キングゲイナー』はあんな終わり方にしたののは、続編を作りたいためなのでしょうか?

 それがそう見えるんだ。もっとも、ある意味間違ってないが。


 いかがでしょうか?アメリカのアニメファンといえども、侮れないでしょう? アレな質問もあれば、結構深いのもあります。やっぱり、アニメは一種の言語として世界中に通用していると実感してますね。
 残念ながら、このインタビューの質問はすでにサンライズに送ってきたが、NYAFのQ&A時間は富野研究者と言われているANN記者Chris Macdonaldが担当しているため、それに期待してます。

富野監督のアメリカ紙インタビュー

2009/09/23 21:50|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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富野監督のNEW YORK ANIME FESTIVAL情報


 富野由悠季監督が、ニューヨークローカルの日本文化専門紙「Chopsticks NY」のインタビューを受けました。

Chopsticks NY
Yoshiyuki Tomino
“I have come to feel that
anime is truly a superior medium that
can depict a wide variety of themes.”

いろんなテーマを伝えるのに関して、アニメは本当に優れるメディアと感じるようになりました。

 翻訳ツールばりの下手翻訳ですみません。が、タイトルで示したとおり、いつものアニメ機能論の話も含まれている。アメリカのアニメファン向けなので、内容は深くなるはずがございませんけれど、よかったら読んでみてください。ただ、個人の武断な意訳もかなり入ってますので、ご注意ください。


Q1:「ガンダムの生みの父」と呼ばれてる富野監督にとって、ガンダムは何を意味するんでしょうか。

A:ガンダムは商業的な成功を遂げたから、ある意味格別でしょうけれど、自分にとってもっと気になるのは、むしろ上手く伝えなかったほかの作品たち。ただ、ガンダムは自分にとって一連の作品のなかの一つに過ぎないと言いながらも、ガンダムの商業の成功があるからこそ、自分はこうして生き延びられたんだから、これに関してとてもありがたく思っています。



Q2:80年代前半、MSという人型兵器に人が乗って戦うアイデアは斬新的だったんですが、MS誕生のきっかけを教えていただけないでしょうか。

A:人型兵器自体はちっとも斬新ではない。ガンダム以前はマジンガーがあったし、僕自分もガンダムの前ではザンボットとダイターンをやってた。ですからガンダムが斬新なのは、兵器だったからです。これが、ガンダムと昔のテレビ漫画のおもちゃっぽい巨大ロボットとの一番の違いです。



Q3:監督の作品には、よくキャラの心理の深さを掘り下げが見られ、特にキャラの内面描写に関しては、本当に繊細で深刻だと思います。そのような描写はこの国のアニメ(注:アメリカのことと思われる)ではほとんどなさってないので、どういうアプローチやポリシーでそのようなキャラ描写を作ってるのを教えていただけないでしょうか。

A:アニメは映画だと思ってますから、映画的な描写をされるキャラクター造形はアニメといえども不可欠だと思っています。これが自分にとって一番の原理原則です。というのも、子どもの頃はずっとアメリカのディズニーなどのアニメを見せられてたんですが、それらは子どもの観客を舐めてるとしか思えなくて、本当に信じられませんでした。
 思い出してください。皆さんも子どもの頃では大人向けの映画を見て、感動したことがあったんでしょう?それと同じことです。



Q4:ガンダムには「ニュータイプ」という超人的な力を持つ人たちが出てきますが、そのニュータイプたちの人間社会に対する感覚は物語の中核を成してるといっても過言ではないと思いますが、監督はこの超人たちに通じて、何を伝えようとするんでしょうか。

A:ニュータイプは超人ではありません。30年前は確か今みたいに上手く伝い切れなかったんですが、”超人”や”エスパー”といった言葉を避けて、あえて”ニュータイプ”を使ったのは、人みんな変えられると思ったからです。今、地球のエネルギーはすでに限界が見えて、環境の破壊もますます深刻なる一歩。もし我々が20世紀的なセンスを持ったまま過ごそうとしたら、人が500年も生き延びれないと思います。ですから、そのような状況を乗り越えて、数千年も生き延びたいため、人はニュータイプにならざるをえない。これがニュータイプが理解されるべき姿と思いたいから、あえてSF用語をつかうのを避けました。



Q5:監督は日本アニメの創世期から仕事にし続けてきたんですが、今の日本のアニメについての意見を教えてください。それは誇りを持つべきことなのでしょうか?また、改善すべきところはあるんでしょうか?

A:ディズニー以外の製作体制を作り上げたことに関しては、評価できると思います。ただもう一方、日本のアニメはどうも大人のアニメファン向けに作られた傾向があって、これがなんとしても変えなければいけません。これは私の経験からも言えることですが、かつて僕もそのような作品を試したことがあったんですが、どうもそれが上手くいきませんでした。なぜならそのような作品は個人の独善に陥りやすく、陰々滅々な作品になりかねません。このような経験があるからこそ、今のわたしはアニメは子どもに夢を与えるべきものだと思うようになっています。



Q6:アニメ監督やってよかったと思うことは?

A:ある意味、いろんなジャンル、いろんな色の作品が触れることに関してはよかったと思います。また、戦争をするアニメを制作することによって癒されて、本当の殺人者にならずに済むことに関してもそうです。自分に殺人傾向があると自覚してますから、そういう意味では、アニメ監督になれて本当にありがたいと思っています。



Q7:実写を撮る計画はあるんでしょうか。

A:無いですね。50歳までは一度憧れもしたんですが、50歳以後はそれが現実ではないとだんだん分かってきました。今なら実写を撮るのはいかに難しいことがわかりますし、そのような結論を得るようになってきました:もし私があるテーマを伝えようとしたら、私は実写ではなく、アニメで撮ることにします。何故なら、いろんなテーマを伝えるのに関しては、アニメは本当に優れるメディアと、今はっきりと感じるようになりました。

 誤解を招きたくないため、一つだけつき加えていただきますと、これはあくまで富野監督本人の現状に対する考え方であって、もし誰か出資してくれれば、富野監督はきっと嬉しく撮るに違いませんから、誰か出資してあげてください。もちろん、アニメのほうも大歓迎ですが。


Q8:日本へ旅に出たいChopsticks NYの読者たちにアドバイスをください。

A:日本の海と山はとても近いですので、短い時間で両方を一遍に訪ねるのは可能です。逆にいうと、九州・本州・北海道は南から北へ長く伸びているから、もしそれぞれの島の違いを味わう観光旅を選べるなら、どんな季節でもきっと楽しめます。



Q9:最後、アメリカの富野ファンに一つメッセージをお願いします。

A:アニメは人の想像力を遥かに超えるメディアです。手描きだろうとデジタルアニメだろうと3Dだろうと、その可能性は無限です。これを是非分かってください。



 かなりいい加減に訳しましたので、内容の間違いをもし教えていただけるのなら、とってもありがたいです。
 明日も、ニューヨークイベントに関して何かを書きます。

今日は最終日!『リング・オブ・ガンダム』最終ラッシュ

2009/09/21 11:43|富野作品感想TRACKBACK:0COMMENT:2
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 今日はギャオの『リング・オブ・ガンダム』の無料配信最終日ですから、皆さんも最後のチャンスを逃れなく、しっかり見届けよう。

リング・オブ・ガンダム
chTop_7933_20090828180320.jpg

 さて、もともとイベント会場限定放映のこの予告も、この二週間でだいぶ知れ渡れるようになってきてますから、今更全編の内容を一から紹介してもしょうがないですから、今回は自分の感想を簡単に話します。




 まず、本編の映像は大まかに三つの段階に分けます:

1.エイジィが山登り~骸骨MSの横顔に『Ring of Gundam』のタイトルが入ってるところ
2.『リングのMS』、つまりガンダムが起動~MS隊が起こした大爆発
3.大爆発の後、ガンダムが宇宙空間に飛ぶ~ガンダムがリングの外に羽ばたく

 したがって、全体のイメージもこの三段に見分けられます。1は世界への導入で、2は戦闘シーン。そして3は世界と物語全体の謎を披露イメージトレーラーとして、かなり正統的な作りだといえる。そのうち、2と3の繋がりは強いため、あまり1と2みたい仕切ってない印象もあるかもしれませんが、2と3の映像が働いてた役割を見れば、普通に「違う質」の映像が見分けるはずです。

 あと、アパンタイトルクレジットとエンディングクレジットを除けば、本編4分弱のこの作品でも、富野の作劇が富野のほかの作品と何の違いもなく、一貫にしている。つまり、「物語がなければいけない」というスタンスが、この作品でも見られます。まさしくそういう作りだからこそ、観客の物語への興味を喚起する。そういう意味でいえば、かなり正統な作りといえます。そして物語ラインを則ったうえの映像作りは、たとえ『リーンの翼』から3年経っても、依然健在である。




 次は、劇中人物の名前を見たいと思います。グレンという珍しくもない名前を除いて(大尉トホホ)、エイジィも、ユリアも、ビューティ・メモリーもそれなり考える価値があります。

 まずはエイジィ。何がエイジィなのかは知りませんけれど、可能性としては二つがある。一つは「エイジ」、つまり「時代」から取ったもの。もう一つはもっと簡単。「∀G」の逆、つまり「AG」から取ったもの。変だと思うでしょうけど、いかにもトミノらしいネーミングですから、普通にこれくらいじゃないと逆におかしい。

 次は、ユリア。ご存知の通り、富野監督がもっとも嫌うのは、その「いかにももっともらしいもの」ですが、何故か嫌いというと、その「いかにも」による制作者と視聴者の馴れ合い(東浩紀あたりか言ってる「データベース化した記憶」もそれに似てる)が許せないことです。あくまで富野個人の意見ですから、受け入れるか受け入れないのもお任せしますが、この考え方のもとで、富野のキャラも大抵いかにもご大層な名前を使うことが少なかった。
 「アルテイシア」はいかにも高貴な名前だから、わざと凡俗の「セイラ」という名前にした。「アナスタシア」はロシアの皇女の名前として知れ渡りますから、「アナ」という非常にシンプルかつちょっとアレ的な名前をした。このように、富野は実をいうと、いかにも美少女らしい名前を使うことが少ない(意図的に使うやつを除ければ)。
 では、なんで今回はあえてユリアといういかにも外国美少女っぽい名前を使うというと、おそらく原因は一つしかありません:孫娘の名前を使いたかったからです。そう、プライベートにかかわる話ですからあまり大きい声でいえませんけれど、富野監督の長女の娘さん、つまり富野監督の孫娘の名前は、まさしくユリアです。
 自分の家族の名前を使う前科?は『ファウファウ物語』や『ブレンパワード』ではすでにあったから、今回は別に初めてじゃないけど、それでもガンダムしいて自分の新世紀をも切り開くような新作のヒロインにその名前を使わせたのも、ひょっとしたら何か願いかけ的な意味を含めてると、思わず邪推したくなります。

 それから、ビューティ・メモリー。クレジットでは「ビューティ」だけど、おそらくこれが正式名だったかと。
 「ビューティ・メモリー」を聴けば、すぐビューティフル・タチバナを思い出す人ってのは、おそらく富野ファンのなかでもかなり古株だと思うが、関係あるかというと、おそらく関係ないと思います(ビューティ・メモリーの「私たち」はじつをいうと「おいら~は熱血火の玉~」と思えば…)。
 しかし、ネーミングとしてはたとえ『ダイターン3』時のチョイ悪ノリでなくても、普通に富野らしいネーミングだったといえます。『アベニール』の「テンダーギア」、『王の心』の「アウラ・エナジィ」、バイストンウェルシリーズの「オーラ力」など、多くは字面を見るだけでも分かるような名詞を多用するのが、他の富野作品でも見られます。それに、わざと俗っぽいネーミングに落としたのも富野ネーミングの常套ですから、今回もそれを守ってます。
 「美しい記憶」の守り人、ビューティ・メモリー。名前からその役割を体現した彼女は果たして人間か、それとも幻か。生身か、それともロボットかは正直、このネーミングから読むことはできません。将来を見なければ分かりません。そういう意味では、この名前はわざとひっかかるところを作る役割も働いてるかもしれません。




 次は、スタッフ陣について。

 音楽は、菅野よう子が担当。『ブレンパワード』と『∀ガンダム』を音楽面から支えていて、今回も各所から「さすが菅野、素晴らしいという一言」という評価が多いが、自分は正直それほどご大層な印象を抱いていません。こじんまりな曲ではないけれど、菅野らしい強い主張がなく、むしろ映像の僕として忠実に働いてくれたという印象が。
 まず、導入部が壮大な雰囲気を作り、『Ring of Gundam』のタイトルから一転緊迫な曲調に入り、そして終盤はまた探索、発見、新しい未来への三拍子揃いという。音楽全体は古きよき時代のSF映画に髣髴してて、かなり王道な曲風だと感じる。そういう意味では、『ブレンパワード』や『∀ガンダム』の時とまた違う芸風を見せたといえるかもしれません。

 それから、デザイン。
 今回大河原邦男氏が「オリジナルガンダムデザイン 」とクレジットされるのは、大河原氏が参加していない何よりの証拠で、当のガワラ氏でさえ「もう富野と組むことはない」と明言してたくらいだから、それに関してもう残念としかいえませんけれど、代わりに今回は「デザイン」がたくさんいます:安田朗、西村キヌ、剛田チーズ、早野海兵、藤田潔と、山根公利。
 映像を見る限り、今回デザインが必要なのは4人のキャラと服装、小道具、車、MS、コックピット、コロニーの内装・外観、宇宙船、遺跡くらいだが、安田が率いる西村女史、剛田氏はおそらくキャラ・メカを隔りなくカバーしている。早野氏と藤田氏はCG畑の人間ですから、おそらく他の人のデザインをCGに落とし込む作業を含めるデザイン作業をしてた。唯一、山根公利氏はやや離れていてクレジットされてるが、これはおそらく彼のデザイン作業がこの『リング~』においては格別だということを示している。山根氏はオールラウンダーのデザイナーですから、全体の世界イメージをデザインするのも可能。
 ほかにも美術設計の池田繁美氏などがありますが、ここでは省略。脚本は「富野由悠季」ってのは当たり前で、せいぜい絵コンテは「斧谷稔」はちょっと珍しいくらいか。




 また、制作進行のところも興味深い。
 まず、元カプコン、つまり安田朗氏の後輩で、今サンライズにいる冨田 篤氏がいます。これがおそらくあきまんが昔言ってた「トミチン(あきまんの冨田氏への愛称)は監督と一緒に仕事している」話だと思います。そういえば、冨田氏は何故か『東京マグニチュード8.0』でも制作デスクと制作進行として参加。謎である。
 次に、泉英儀という人もいますが、この人はサンライズの4Aスタのスタッフ、『リーンの翼』や『コードギアス』では制作進行チーフを勤めていた。
 あと、岩城忠雄っていう人はいるが、マッドハウスにも同じ名前の演出家がいるが、同じ人だったんでしょうか? よく分かりません。




 次は、製作陣を見たいと思います。作品と直接な関係がありませんけれど、それでも製作の面子から何かを読み取れるかもしれません。それぞれのクレジットと職務は以下となります:

製作:内田健二(サンライズ代表取締役社長)
企画:宮河恭夫(サンライズ常務取締役)
プロデューサー:佐々木新(サンライズ事業部ゼネラルマネージャー)
倉沢幹隆(ロボットプロデューサー)
河口佳高(サンライズプロデューサー、ガンダム事業部副部長ハイエンドワークス事業部


 と、さすが30周年記念フィルムだけあって、サンライズ重役と中心事業部が直に参加している。このように、今の所は宣伝の色合いが強いと言わざるを得ません。
 制作にはサンライズの人間があまり入ってないっぽいだから(はっきりと目に見えるのはせいぜいD.I.D.のエンディング撮影くらい)、河口Pがどのような役割を働いてたのがちょっと分かりませんけれど、それでも制作にはサンライズの人間が入ってることから見れば、やはりなんらかのスタジオワークが存在してるっぽい。それを期待。




 最後、エンディングイラストは我らの『キングゲイナー』の大先生中村嘉宏氏が担当。彼が書いたイラストは以下の一覧です:

1.遺跡、月、リングとガンダム
2.ビューディ・メモリー
3.敵MS
4.グレン大尉
5.ユリア
6.エイジィ

 イラストを見る限り、その筆力は相変わらず健在ですから、早く『キングゲイナー』7巻を読みたいところです。気がつけば、もう1年以上遅れてるしな…。
オーバーマン キングゲイナー7 (MFコミックス)オーバーマン キングゲイナー7 (MFコミックス)
(2009/09/23)
原作/富野由悠季・作画/中村嘉宏

商品詳細を見る



 また、今回の縁結び神様である本広克行氏も忘れてはいけません。対談によると、本広氏は実際助監督的な役割も働いてくれたんですから、今回の作品は本広氏なしで成り立てなかったと断言できます。ありがとうございます、本広さん、『踊り大捜査線3』も頑張ってください。

疲れ果てた

2009/09/20 15:00|日常話TRACKBACK:0COMMENT:4
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 最近身心も疲れて、もうすっかり更新する気力も残っていませんでした。なので、今日は雑談で済ませます。


 もう先週のことだけど、イデオン総音楽集はようやく届いた。発売当時プチ品切れのため、こちらは約2週間遅れてたが、あまり気にしない。
 で、今更聴いてるわけだが、音源はCDになったのは嬉しいが、やはり2年前レコードを集めたときほどの感動がありません。何故かというと、やはりアルバムの構成にちょっと違和感がある。妥協の産物だと知ってるが、元の味がちょっと損なった気がしないわけでもないのは、やはり仕方ないか。まあ、正直イデオン2と3と未収録の楽曲構成は元々バラバラだけどね。


 2場所ぶりで本格的に相撲観戦再開。テレビでだけど、やはり朝青龍はいいね。白が1敗を喰らったのは予想外だが、朝青龍がリードするのは、素直に嬉しい。あまり稽古しないのはさすがにちょっと嫌だが。
 それにしても、大関陣は相変わらずの調子だな、これは予想の内だけど。まあ、そろそろ上位陣がぶつかる初める後半に入るから、それを期待。


 ヤンキース。昨日イチローのサヨナラ逆転を喰らって(しかもリペラ!)ちょっとメシマズだが、今日は10-1で大勝。まあ相手はマリナーズだから驚きもしないが。でもここ一週あまり見る時間がなくてちょっとツライ。


 『リング・オブ・ガンダム』応援記事を書きたいとここ一週間ずっと思ってるのに、気がつくとすでに配信終了一日前という…。本当、情け無いな俺。
 それでも、リングオブガンダムは9/8配信以来、ずっとギャオ配信ランキングの二位を占め続けるのは、素直に嬉しいです。ただのイメージトレーラーだけど、おそらく予想以外期待されるのを見て、これからの発展をどうしても期待せずにいられません。明日時間あれば、自分の感想を書くかも。


 あと、半藤一利氏の『日本のいちばん長い日』は読んだことあるが、『日本のいちばん長い夏』を読んだことないため、読んでた。座談会本のため、薄くて、話題もやや絞られなくて、正直そんなに読み応えはありませんが、当時の人たちの直な声を聴ける貴重なチャンスなので、ありがたく読んでもらいました。で、結局、やはり断片すぎてあまりタメにはなれなかったが、富野監督の役をチェックする意味でいえば、収穫がある。
 結論だけを言おう。来年NHKのドキュメンタリドラマ『日本のいちばん長い夏』で、富野監督が演じてるのはおそらく第2次世界大戦の時の第8方面軍司令官、ラバウルにいた今村 均大将だから、本を読む限り、出番(発言)はそんなに多くないはずなんだから、主役ばりの大活躍は望めないものの、どう演じてるのはやはり興味深い。

富野由悠季作品系譜年代分類 第六回 「1964~1979年の富野由悠季 その2 《68~72年》」

2009/09/19 00:29|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:3
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富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」
富野由悠季作品系譜年代分類 第二回 「富野小説が富野系譜における地位」
富野由悠季作品系譜年代分類 第三回 「富野作詞が富野系譜における位置付け」
富野由悠季作品系譜年代分類 第四回 「1941~1963年の富野由悠季」
富野由悠季作品系譜年代分類 第五回 「1964~1979年の富野由悠季 その1 《64~68年頃》」


 時間も、残ってる脳容量も足りませんので、記事の質低下は止まらない一歩について、お詫びにしたいと思います。脳容量が足りなくてすみません。
 あと、前記事は散文的すぎるから、今回はビシッと書きたいと思います。どの形がいいか、もしアドバイスしてくれたらありがたいです。




 まずは、慣例の年表。囚人022さんありがとうございます。今度言及した部分は赤字で示す。

だからtominoは・・・│富野年譜

■ 1964年
23歳
○日本大学藝術学部映画科卒業。
○アニメ制作会社「虫プロダクション」入社。
○卒業時に映画産業は斜陽期に入り、大手5社はすべて新規採用を見送っていた。たまたま「試験は面接だけだ」と聞き、虫プロダクションを受験する。
○練馬区富士見台の手塚治虫の自宅兼スタジオに通うため、練馬駅から歩いて5分の「与一荘」に、四畳半のアパートを借りて下宿。
○7月頃には絵コンテを描き始め、寝る間を惜しむ毎日。
○入社2年目、環八沿いの六畳一間「豊玉荘」に引越し。

■ 1967年
26歳
○虫プロダクション退社。
○CM制作会社「シノ・プロダクション」入社。
○「東京デザイナー学院」の講師を勤める。
○この頃、親戚の好意で借り受けた江東区大島の一戸建てに転居。

■ 1968年
27歳
○シノ・プロダクション退社。
○TVアニメ『夕やけ番長』CD
○「CMのプロダクション」という勧めで勤めた会社での仕事の中身は「ほとんど営業」で、一年弱でフリーの演出家として再スタート。「僕には営業ができないことがわかったので一つ一つの仕事を必死でやりました。」

■ 1971年
30歳
○結婚。埼玉県新座市に引越す。
○「一階が六畳と四畳半の台所。二階にふた部屋あるだけの小さな家。資料の本が置けなくて、家と塀のすき間に物置を作ったのを覚えてます。この家に何年か住んで、近所にもう少し広い家が空いたので、そこに移って『ガンダム』を描きました。」

■ 1972年
31歳
○TVアニメ『海のトリトン』(実質的な初)CD


■ 1975年
34歳
○TVアニメ『勇者ライディーン』CD(2クールのみ=第26話でCDを降板)
○TVアニメ『ラ・セーヌの星』監督(3クール目のみ=第27話~第39話)

■ 1977年
36歳
○TVアニメ『無敵超人ザンボット3』総監督

■ 1978年
37歳
○TVアニメ『無敵鋼人ダイターン3』総監督

 厳密的でいえば、富野の「さすらいのコンテマン」時代は68年2月CM制作会社退社後から、79年の『ガンダム』で完全にサンライズに落ちいついたまでの時期を指してるものなはずなんですが、虫プロ時代でも、CM制作会社在籍する時期でも、外注という形で絵コンテの仕事をやっていたんですから、「さすらいのコンテマン」状態は実質的に虫プロ時代から隔たりなく79年の『ガンダム』まで続いたと見なしてもいい。


 ともかく、前の記事で言ってたとおり、富野はついにCM制作会社と専門学校の仕事をやめ、アニメ業界から復帰するのを決めました。しかし、現実はそう甘くはありませんでした。

 虫プロでは、一応『アトム』の時でもアルバイトとして他社の作品の絵コンテを描いたことあったし、アトム制作のために作画を外注に出したことあったため、外でもそれなりパイプを持っているものの、やはり古巣の虫プロは一番仕事を確保できるところ。
 しかし現実、退社1年後突然戻って、制作現場に「仕事ください」と言っても、すぐ仕事をもらえるわけがありません。現場にはすでに自戦力があるし、たとえ先輩だろうと、一度アニメを裏切った人間に快く思わないのも人情だった。
 だから、仕事をもらうにあたって、富野は必死な思いをした。これについて、富野は「土下座した」と形容したが、たとえ表現的な言い方であったとしても、そのとき富野が取った姿勢は間違いなく卑屈に近い下手で、本人にとっては屈辱に違いません。でも、たとえ条件は演出助手からのスタートだとしても、なんとしても仕事を請けなければいけないのが当時の富野だった。
 かつて縁のある会社でさえこれだったから、外で仕事を見つかる難易度は想像するに難しくない。


 それから、仕事の上の能力もそう。
 ツギハギとか汚し屋と散々自嘲したが、曲がりにも『アトム』で一番演出したという実績を残っていた。それについて、富野自身でも多少自信を持ってた。しかし、それが外では通用しなかった。当時の新鋭のタツノコプロでは、「映画とは何たるものかをまったく知らない」という指摘を受けた。これは、富野にとって昔の実績が全否定されることになる。
 会社の制作スタイルにもよるが、しかし、虫プロの二軍のトップだったとはいえ、ある意味、所詮山の大将に過ぎなかった。富野はこう認めざるを得なかった。

 しかし、それでもやらなければいけない。なぜなら、仕事がないと生活できないし、もうアニメしかない自分が、例えどんなに罵られようと、あきらめるわけにはいかない、と富野が決意した。
 加えて、富野だってアニメ演出家としてのプライドがある。もっと演出したい。監督になりたい。もっと認められたい。他人に勝ちたい。これがアニメの仕事のうえで、富野を支えているハングリー精神。

 こうして、自立してゆくなかで、生活難と自分のスキルへの懐疑を抱きつつも、富野は選んだ他人に勝る方法は、絵を上手くすることではなく、「誰よりも早く絵コンテを仕上げたこと」だった。
 何故なら、四六時中スケジュール緊迫なアニメ業界では、いかに早く仕上げて次の作業に入る、つまり時間自体が非常に重要視なので、もし早いところ絵コンテを仕上げれば、全体の作業もスムーズになる。
 そしてなにより、誰よりも早く仕上げることは、すなわち「誰よりも早く絵コンテの修正に入れる」、「誰よりも早く今回の仕事を終わらせる」、「誰よりも早く次の仕事に触れる」、「誰よりも多くの仕事を触れる」、「誰よりも多くジャンルに触れる」、「誰よりも多く演出をできる」に繋がる。
 一見簡単すぎて呆れた結論だが、富野がやった。そしてできた。富野は挑戦し、そして業界一演出した人となって、このような異名を手に入れた。「絵コンテ千本切りの富野」、と。「富野に頼めば3日でコンテが上がる」まで言われているこのコンテ千本切りという異名は、当初おそらく半端悪口だが、あの時の富野の凄さをもっとも物語った呼び方でもある。


 そして、富野が多くの仕事に受けるなか、たくさんの演出家にめぐり合えてた。
 虫プロの元上司、『どろろ』の杉井ギサブロー。年下で『明日のジョー』で鮮烈なデビューを果たした出崎統。富野と何作も組んでた『巨人の星』などの長浜忠夫。そのほか、大隈正秋、杉山卓、波多正美、笹川ひろし、鳥海永行などアニメの巨匠たちも皆このとき富野が出会って、一緒に仕事をしてた演出家たちです。
 そのなかでも、長浜忠夫が富野に与える影響がもっとも特筆すべきである。出会い作『巨人の星』から、のちの日本サンライズ時代の長浜ロマン三部作最終作である『闘将ダイモス』まで、富野が彼のもとで実に10年以上も仕事をしてた。これについて、次の記事で語りたい。

 また、富野が参与した作品も非常に豊かだった。
 68年から72年まで、富野が主に参加した作品は『巨人の星』『夕やけ番長』『海底少年マリン』『どろろ』『男一匹ガキ大将』『ムーミン』『シートン動物記』『アタックNo.1』『あしたのジョー』『みなしごハッチ』『さすらいの太陽』『天才バカボン』『ふしぎなメルモ』『新・オバケのQ太郎』『国松様のお通りだい』『いなかっぺ大将』などがあり、出入りしてたスタジオは虫プロ、日本テレビ動画、東京ムービー、タツノコプロなどがある。
 成功もあれば、失敗もある。しかし作品数から見ても本数から見ても、疑問なく業界一だった。そして富野はこういう膨大な仕事へ経って、どこにも寄らない独自なセンスを磨き、自分しか持ってない演出スタイルを確立した。


 そして、ようやくチャンスが訪れた。
 ある作品が、もともと虫プロダクションが制作したはずだったが、結局虫プロの経営が悪化して混乱するなか、のちの『宇宙戦艦ヤマト』の西崎義展によってアニメ権を取られたため、西崎のアニメーション・スタッフルームで製作することになった。
 それが、富野の出世作である『海のトリトン』。

 当初、富野がこの仕事を請けたのは、自分がようやく監督になれるということだけでなく、経済的な安定を求める意味も含まれていた。少なくともオンエアの時期内では生活が保障される。何故なら彼がこの時期ではもう結婚していて、子ども一人まで生んでたからだ。アニメ演出どうこう以前、一家の主が食い扶持を稼がないといけません。
 でも、逆に言えば、最初何故富野が選ばれたのいうと、半分は昔虫プロにいたためで、半分は黒川慶二郎氏の推薦でもあったが、とにかく富野は虫プロとアニメーション・スタッフルームの両方から信頼されていた。富野にしても、初監督作品で、手塚治虫先生の原作を頂いた作品だから、張り切らないわけがありませんでした。

 しかし、いざ実作業に入ってみたら、富野は思わず状況の厳しさに閉口した。原作が使えない、人員がまったく足りない、加えて時間も金も足りない。さらに今回は自分の初監督なので、テーマ作りも世界観も作りも模索状態で進むしかないうえ、周りのベテランライターとの連携も上手くいけなかった。しかし、こんな苦闘のなか、富野はなお自分の理念を作品にぶつ込んでいようとした。
 その結果、視聴率が不振で、作品も打ち切りになったが、富野が自分のベストを尽くした。それを一番反映してるのは、あの衝撃的なラストだった。
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 じつを言うと、この『海のトリトン』は富野にとって、虫プロ時代以来のチーフ・ディレクターをやるという悲願を達成した以外、もっと大事なのは、富野がこの作品を作るにあたって、自分自身に挙げた命題。

自分の話を聞いてくれる子供が目の前にいる時は、とにかく一生懸命話さないといけない、ということ。
一生懸命話せば、たとえそのお話が理解できなくても、この人は自分にとって大事なことを喋っているらしいという印象は絶対に残る。
そして、子供は、いつかその話を思い出してくれる。

 処女作『海のトリトン』で確立したこのスタンスは、あれから40年近くの今でも、富野の揺るぎも無い信念で、今でも我々に影響を与え続けている。

 話は72年の富野に戻ります。とにかく、『海のトリトン』の初監督で虫プロ以来ずっとの願いを一応達成した富野は、また新たな目標を見つけた。それが、名を成した演出家になること。そして、この目標を設定した富野は、またここから、別の段階を登り始めようとした。

▽続きを読む▽

富野由悠季監督、NHKドラマ「日本のいちばん長い夏」出演決定

2009/09/16 12:12|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:6
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 富野由悠季監督が、NHK2010年1月期のドラマ「日本のいちばん長い夏」で出演することが決まりました。。原作者は昭和の軍隊と夏目漱石関連書籍を多数著作している半藤一利氏。原作は、「日本のいちばん長い夏」となっています。枠と詳細の放送時期は未定。


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 ソースは、以下となります。

【2010年冬ドラマ】1月期の新ドラマ情報(暫定版)

枠不明
NHK ◎日本のいちばん長い夏
1/?~
島田雅彦、松平定知、山本益博、田原総一朗、市川森一、青島健太、富野由悠季、鳥越俊太郎、林望、湯浅卓、江川達也、中村伊知哉
【原作】 「日本のいちばん長い夏」/半藤一利

 「日本のいちばん長い夏」はじつをいいますと座談会を収録した本なんですから、これをどう一からドラマをやるのはいささか疑問を禁じませんが、同じく半藤氏の著作、映画にもなっていた「日本のいちばん長い日」と関係あるかどうか知りません。
9月17日追記:
 このドラマにも出演する作家の林 望氏によりますと、来年の終戦記念日で放送されるらしい。
 それから、断片的な情報から判断しますと、内容はドキュメンタリドラマだそうで、出演者が演じてるのは皆座談会に参加してるメンバーで、プロの役者もいるという。

 出演者メンツから考えると、ある種の文士劇に違いないが、監督はあの「佐賀のがばいばあちゃん」の倉内均氏で、劇場公開予定もあるという。
 また、関係者によりますと、富野監督は複数日の出演で、役割自体もかなりの大役だったらしく、来年あたりは楽しめるそうだ。続報が入る次第、まだ報告します。

2010年5月24日追記:映画になる模様です。



▽続きを読む▽

富野由悠季作品系譜年代分類 第五回 「1964~1979年の富野由悠季 その1 《64~68年頃》」

2009/09/15 19:25|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」
富野由悠季作品系譜年代分類 第二回 「富野小説が富野系譜における地位」
富野由悠季作品系譜年代分類 第三回 「富野作詞が富野系譜における位置付け」
富野由悠季作品系譜年代分類 第四回 「1941~1963年の富野由悠季」

 さて、なぜかいまいち反響が薄いこのシリーズは、いろいろ大学卒業して、社会人になるわけだ。しかし、ここから第一の難関を直面することになる。
 難関ということで、今回はあえて結論を下さずに、全体の話にとどまることにする。もっと詳細の話や実際の分類は、各論と総論を終わってから語るつもりです。




 今回が語りたい時期は「1964~1979年」なので、まずこの時期の出来事を見ましょう。赤字は、今度の記事の範囲で示す。

だからtominoは・・・│富野年譜

■ 1964年
23歳
○日本大学藝術学部映画科卒業。
○アニメ制作会社「虫プロダクション」入社。
○卒業時に映画産業は斜陽期に入り、大手5社はすべて新規採用を見送っていた。たまたま「試験は面接だけだ」と聞き、虫プロダクションを受験する。
○練馬区富士見台の手塚治虫の自宅兼スタジオに通うため、練馬駅から歩いて5分の「与一荘」に、四畳半のアパートを借りて下宿。
○7月頃には絵コンテを描き始め、寝る間を惜しむ毎日。
○入社2年目、環八沿いの六畳一間「豊玉荘」に引越し。

■ 1967年
26歳
○虫プロダクション退社。
○CM制作会社「シノ・プロダクション」入社。
○「東京デザイナー学院」の講師を勤める。
○この頃、親戚の好意で借り受けた江東区大島の一戸建てに転居。

■ 1968年
27歳
○シノ・プロダクション退社。
○TVアニメ『夕やけ番長』CD
○「CMのプロダクション」という勧めで勤めた会社での仕事の中身は「ほとんど営業」で、一年弱でフリーの演出家として再スタート。「僕には営業ができないことがわかったので一つ一つの仕事を必死でやりました。」


■ 1971年
30歳
○結婚。埼玉県新座市に引越す。
○「一階が六畳と四畳半の台所。二階にふた部屋あるだけの小さな家。資料の本が置けなくて、家と塀のすき間に物置を作ったのを覚えてます。この家に何年か住んで、近所にもう少し広い家が空いたので、そこに移って『ガンダム』を描きました。」

■ 1972年
31歳
○TVアニメ『海のトリトン』(実質的な初)CD

■ 1975年
34歳
○TVアニメ『勇者ライディーン』CD(2クールのみ=第26話でCDを降板)
○TVアニメ『ラ・セーヌの星』監督(3クール目のみ=第27話~第39話)

■ 1977年
36歳
○TVアニメ『無敵超人ザンボット3』総監督

■ 1978年
37歳
○TVアニメ『無敵鋼人ダイターン3』総監督

 1964年から、富野はいよいよアニメ業界に入るわけですが、その頃の虫プロダクションのスタッフはさまざまの業界から参入した人がいっぱいで、ほとんど自他共認の梁山泊状態です。のちの富野作品にかかわってた人はざっと挙げても星山博之、安彦良和、鈴木良武、佐々門信芳くらいですし、今でも親交を交わってる杉井ギサブロー、高橋良輔も富野の虫プロだった頃の先輩(高橋は互いに同年代扱いしてるけど、一応半年くらい前の先輩)。
 スタッフは、ひびのたわごとの子犬さんが紹介したアトムを作った人たちは…を見ればいいですし、当時の逸話や事情はかつて手塚先生の身近で働いた真佐美ジュン氏のブログ、2003年サンライズがウェブで連載した『アトムの遺伝子、ガンダムの夢』、や辻真先さんの『アニメ青春記』など旧虫プロスタッフたちが書いた本でも膨大に書かれておりますので、ご興味あれば自分で探してみてください。

 で、この虫プロ在籍する頃、富野が担当したメインの作品は、なんといってもテレビアニメ史上永遠の礎石である『鉄腕アトム』です。富野がここで半年くらいの制作進行、演出助手を務め、のち第96話の『ロボット・ヒューチャー』で演出デビュー。照れ隠しの意味も含めて、「新田修介」の名義でクレジットした。それから、虫プロが『ジャングル大帝』、『W3』などの新作を始めた間もなく、『アトム』の人力がだんだん足りなくなって、そのまま残ってた富野はだんだんアトム班の主力となり、約2年半の時間で獅子奮迅の働きをした。その結果、富野の名は『鉄腕アトム』後半でもっとも演出をした人として記録に残すことになる。


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 しかし、『アトム』が終わったあと、富野はある難しい選択に迫られた。CM会社に行かないか、とある女性後輩に誘われて、富野は迷い始めた。なぜなら、富野は後輩に誘われなくても、すでに虫プロにいくつかの懸念が生まれつつであった。
 まず、彼が『アトム』では曲がりにも一番演出をした演出家で、実情はどうあれ、彼にも自負があります。しかし、その願いが叶わず、彼は挫折した。その後、彼は演出家としてカラー新作『リボンの騎士』にも参加してるが、回数は『アトム』ほど多くありませんでした。この件について、個論に入るときはまた語るつもりです。

 次に、富野がもっと心配してるのは、虫プロの経営状態。当時の虫プロは手塚先生の漫画原作を頂いてアニメを作るという形をとっているが、最初オンエアしてた3、4年はまだいいが、問題はこれからです。
 まず、いくら手塚先生の産量が凄かろうと、年3、4作のスピードだと、長期から見ればいずれストックが底つきます。それに、手塚作品は凄く多いとはいえ、質と量において、すべてアニメ化にできるものではないのが自明なことなので、ほかの原作ものか、またオリジナルものを作ることしかありません。そうでもしないと、すでにモンスター制作会社になった虫プロはスタッフを雇うことができません。

 決定的な事項なのは、当時虫プロの常務である穴見薫が67年の年末で倒れたこと。富野にとって、経営者と創作者を股かける手塚先生より、営業と経営を尽力する穴見氏のほうがよっぽと虫プロという会社の方向を握っていると見ているため、穴見氏が亡くなった後、会社の経営方向と未来を取る人がいなくなってた虫プロは、富野にとって戦友感情はあるけれど、未練がないところになっていた。

 考えた末、富野は虫プロから退社と決意し、1年半くらいの「三足のわらじ」を始めることにした。なまじ社会認知が低い職業だけあって、もし今度おまんまを食わせる所がつぶれるなら、それこそ元も子もないんで、一人の男の生涯計画としては、たとえアニメに一筋でないと言われようと、決して間違いとはいえない。


 後輩の誘いでCM会社に入った富野は、広告会社の仕事をしながら、東京アニメデザイナー学院の講師をすることになりました。が、それでも収入は虫プロにいた時の半分にも届かなかったため、仕方なく外注としてアニメの絵コンテを描くしかなかった。小さなCM制作会社なので、営業、制作、内勤などあらゆる仕事をやらねければいけなかったし、専門学校のほうは週2回なので、それをさらに絵コンテもやるという日常が、富野の生活を占めてた。

 しかし、彼はもともとCMの仕事に肌に合わなくて、いつも四苦八苦な状態で過ごした。加えて仕事の不慣れ、時間の足りなさ、私生活の乱れなど、一年の苦戦をした末、結果的仕事が失敗し、生活難に陥り、女にも逃げられた(半分ぐらいは意識して離れたが)富野は、会社と講師の仕事ををやめ、アニメ界という唯一の道に戻ることに決意をした。

 しかし、彼の苦労は、まだ始まったばかりなのだ。


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 長く引いちゃったので、3回をわたって語り終われればなと思います。こんなどこでも読める話はいい、結論だけ見せろ!という方、ごめんなさい。1964~1979年はとても複雑な時期で、どうしても長く語らないといけないのです。もう少しだけ続きますので、我慢して読んでください。


参考書籍
「だから僕は… 増補改訂版」、アニメージュ文庫、1983年
「富野由悠季全仕事」、キネマ旬報社、1999年


『RING OF GUNDAM』続報

2009/09/13 14:32|富野情報TRACKBACK:2COMMENT:3
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 公開は比較的に遅いうえ、今のところ予告編みたいなフィルムしかなかったからか、今月のアニメ誌でも情報載っていない富野由悠季監督の新作『RING OF GUNDAM』ですが、昨日あるインタビュアに通じて、新しい情報が少しだけ入りました。


K研でのほほん│ガンダム~リング・オブ

というわけで、そろそろ授業開始のリハビリ
(などと言っては失礼だが)もかねて、
月刊GALACの取材で、サンライズに富野由悠季監督をたずねた。
(中略)
ただ、お伝えしておいても、いいだろうと思えるのは、
例の「リング・オブ・ガンダム」。
あれはイメージトレーラーで、富野さんの頭にはもう全体構想ができてる。
本番のリングオブ~でやりたいこともはっきりしてる。
と、いうことは言ってもいいだろう。
あとは予算だそうで、各企業の方々、よろしくお願いしますよ。
バンダイさん筆頭に、たくさん資金があればあるほどよろし。
映画となるのかTVシリーズなのかは、これからのオハナシ。

 今のところ詳細はほとんど明かされてない『リング・オブ・ガンダム』ショートフィルムですが、ここでは富野はじめて「イメージトレーラー」と明言しました。将来の予定はまだ未定ですが、これはひょっとしたら期待できそうかもしれません。
 また、予算の話も出てきてたそうで、こればかりは一人一人のファンにとってはどうしょうもないことですが、一人でも多くの方に知らせたいと思い、ここで転載させてもらいました。かつて一世を風靡し、多くの人に影響を与え続けてる富野監督が、今、新たなチャレンジをはじめようとしてるので、もし何か機縁があれば、皆さんも是非富野監督に応援/支援してください。

さらにさらに、リングオブ~ は数百年あとの話。
そこへ至る過程(∀のあとだよね)もやりたい、とのこと。
これも、楽しみな人は多いはずだ。

 内容は『リングオブガンダム』の具体的な内容も触れたそうなので、気になる人はチェックを忘れずに。
 インタビュー自体はGALAC(ぎゃらく)という雑誌の11月号で掲載されるので、ご興味ある方は、来月の6日で雑誌を買ってください(はい、感謝の意をこめて、せめての宣伝です)。




 『リング・オブ・ガンダム』。まだ見てない方は、是非一度見てください。9/21まで大好評無料配信中なので、このチャンスを逃れなく。

リング・オブ・ガンダム
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富野監督のNEW YORK ANIME FESTIVAL情報

2009/09/12 20:31|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 今月末で開かれるNEW YORK ANIME FESTIVALは、放映のアニメやゲスト出演のスケジュールなどを公開しました。

NEW YORK ANIME FESTIVAL




 そのうち、富野監督が参加するのは以下の二つのパネルである。

NYAF Panels & Screenings│Yoshiyuki Tomino Keynote

Title: Yoshiyuki Tomino Keynote
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 05:15 PM - 06:15 PM
Room: Panel Room 4 - 1A21
Type: Panel
Description: Guest of Honor Yoshiyuki Tomino takes to the stage to speak about growth over the past 30th years -- his growth, Gundam's growth, and the anime industry's growth. A powerful and personal presentation that any serious anime fan cannot miss!

 ガンダム話はもう散々聞かれてたのでこの際おいといて、アニメ産業の発展、それから彼自身のキャリアについて、もし何か目新しい話が聞けるのならいいのですが、1時間だけではどうしょうもない気もしますけど。

NYAF Panels & Screenings│Yoshiyuki Tomino Q&A

Title: Yoshiyuki Tomino Q&A
Date: Saturday, September 26, 2009
Time: 01:45 PM - 02:45 PM
Room: Panel Room 4 - 1A21
Type: Panel
Description: Over the summer, Anime News Network let the world ask Yoshiyuki Tomino questions. Now, Tomino-san gives the world answers. Spend an hour with Guest of Honor Yoshiyuki Tomino and Anime News Network for a Q&A featuring questions culled from around the globe.
Moderator: Chris Macdonald
Speaker: Yoshiyuki Tomino

 これも短い1時間だが、実このQ&Aは現場の質問を受けるのではなく、あらかじめANIME NEWS NETWORKのサイトで募集し、現場で応答するという形になっていますので、残念ながら受付けはもう終わりましたが、それでも海外の人がどういう質問をするのかと討論する時の発言が見れますので、もし海外の人の富野観を知りたいなら、一度覗くのをオススメです。英語ですが…。

ANIME NEWS NETWORK│Yoshiyuki Tomino - You be the Interviewer


あ、ちなみに、これは6/19で掲載されたプレ・インタビュー。以下は同じ海外の人の書き込みが見れます。

ANIME NEWS NETWORK│Interview: Yoshiyuki Tomino (Updated)




 それから、NYAF今回では、いくつかの富野作品も同時に上映する。

NYAF Panels & Screenings│Mobile Suit Gundam I

Title: Mobile Suit Gundam I
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 02:30 PM - 03:30 PM
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: (前略)Directed by Guest of Honor Yoshiyuki Tomino. (Bandai)


NYAF Panels & Screenings│The Wings of Rean

Title: The Wings of Rean
Date: Friday, September 25, 2009
Time: 06:15 PM - 07:15 PM
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: Terrorists have attacked the US military base in Iwakuni City. When it's discovered that the culprits are two of Aesap Suzuki's friends, Aesap is also mistakenly hunted by US forces and the Japanese police. As the innocent Aesap escapes arrest, he spots a flying warship suddenly emerging from the luminous ocean. At the bow is a young woman with wings of light on her feet. Her name is Lyukus, daughter of King Sakomizu of Byston Well. Directed by Guest of Honor Yoshiyuki Tomino! (Bandai)


NYAF Panels & Screenings│Mobile Suit Z Gundam: Heirs To The Stars

Title: Mobile Suit Z Gundam: Heirs To The Stars
Date: Saturday, September 26, 2009
Time: 11:00 AM - 12:00 PM
Room: Screening Room 1 - 1A17
Type: Screening
Description: (前略)The New York Premiere of the first Zeta Gundam film! (Sunrise)

 三作ともに一時間しか設けなくて、どうやって放映するのが誠に謎ですが、それでも『リーンの翼』などが放映を恵まれるのを見て、素直に嬉しく思います。将来現場でのレポートや感想も聞きたいところです。




Cartoons on the Bayロカルノ国際映画祭と違って、今回はファンイベントなので、それほど内容を期待することができないかもしれませんけれど、それでもアメリカでのアニメイベントで『リング・オブ・ガンダム』後初の大きいメディア露出だけに、何か新しい発言が聞けるのを期待する。

リーンの翼と新訳Zとリングオブガンダム並びに最近の富野作劇問題

2009/09/11 00:30|富野由悠季関連TRACKBACK:2COMMENT:14
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 先日、ひびのたわごとの子犬さんが、『リング・オブ・ガンダム』の感想を書きました。

Ring of Gundam

こんな作り方をしていたら絶対に宮崎駿を超えることなどできない。
こんな作り方をしていたら絶対にオスカーなどとれない。


 大変厳しい評価でしたが、指摘したところは間違いなく富野ここ数年嵌ってきてる罠ですし、富野監督をとても愛してる子犬さんがあえてそういわざるを得ないそのお気持ちもとてもよく分かります。自分はどっちかいうと予告編みたいな作りですから、一つの物語を評価するみたいな視点で見ないですけど、どう評価するのは個人の自由ですし、まさにこういう批判的な目があるからこそ大事だと思っております。

 しかし、あちらでコメントを残したピピニーデンさんとのやりとりを拝見したところで、どうも腑に落ちない部分がどうしてもありますので、『リングオブガンダム』本編(?)を見ていませんから、残念ながら直接的に作品の感想を語れませんけれど、それでも『リング~』以前の富野をずっと見てきた身として、ここで自分の意見を語らせていただきます。表現として苦しいところもあるかもしれませんけれど、そのへんはどうか大目に見てください。


(子犬さん)
富野にはもう「物語」を生み出す力は残っていないのかもしれない。
これに関しては以前富野自身もそう語っていた。
「リーンの翼」もそうだったのだが、やたらにテンポが早く説明もなしに情報をつめこむだけで、
「結局どういうこと?」という疑問点ばかりが残ってしまう。

 そちらの記事のコメント欄でも書きましたが、基本的物語を生み出す力が残っていないっていうのは、反対です。
 確かに、今の富野の創作力はピーク期には及ばないかもしれませんし、98年『ブレンパワード』以来、富野は意図的にストーリーを最小限に留め、舞台設定と(登場人物としての)キャスティングに心血を注ぐことようになる。『ブレンパワード』も、『∀』も、『キングゲイナー』も、程度に差があるとはいえ、すべてこれに当てはまる。さらに言いますと、∀のノベライズを他人に任せるのも、小説書けなくなったのも、それが理由です。
 しかし、それらの作品と、それらから一転、富野自ら脚本・構成をした『新訳Z』『リーン』を見れば、果たしてそれが「物語を生み出す力は残っていない」という結論を下せるんだろうか? 私はそうとは思いません。

 さっきも話しましたけれど、まず、富野は近年のテレビシリーズではあまりストーリーをタッチしないようになってるのは、自覚的にやっていることで、その彼が一番恐れているのは、まさに自分の脚本・構成力が弱いところです。
 しかし、富野にはそれ以上優秀な武器があります。それがコンセプトと世界観作りの上手さ。一つの世界観を提示し、後は脚本なり演出なりに膨らませれば、一つの「世界」の出来上がりという作り方。それから自分が挑戦したことや、伝えたいテーマをコンセプトとして作品中枢に埋めて作動させる作り方。この二つの作り方こそ、富野作劇がたとえ相手でも決して一歩も引かない素晴らしいエッセンスです。
 そして、それが『新訳Z』でも、『リーンの翼』でもできたことです。ですから、少なく「テーマを伝える」ということは、クセがあるフィルムになってたものの、きちんと作用したといえます。

 となると、もし物語が弱まったに見えるのなら、それはコンセプトと世界観作りの問題ではなく、構成の問題になるわけです。で、ここでいう『新訳Z』と『リーン』の構成という問題は、実をいうと、尺の問題でもあります。


(子犬さん)
だから富野は物語のコンセプトだけ練り上げて、
その後はプロのライターに任せ、
上がってきたシナリオをコンテ修正するほうが合っていると思う。
「リーンの翼」もそうだが、
自分で脚本を書くと情報量ばかり多くてわけのわからないものになってしまう。

 ここで指摘した作り方に、自分も大いに賛同。そもそもテレビ版『Zガンダム』のプロデューサーであった内田健二氏が「ストーリー面に関しては、富野は長距離走者じゃない」という反省を当時(つまり今から数えて24年前!)からすでにあったぐらいでしたので、「テーマ(コンセプト)→シナリオ(ストーリー)→コンテ(修正)」という作り方は『ブレンパワード』、『∀ガンダム』で上手く機能したのを見て、これが現時点富野を監督として起用する際、もっとも穏当な使い方と思わざるを得ませんでした。

 と、そうは言いながらも、富野の脚本の構成は確かに上手くないのですが、「舞台の設計」や「直面した状況」「進む展開」という意味での情報量を入れすぎたのかというと、『リーンの翼』でいえば、あれ以上減るというのは、ほとんどありえないと思います。『リーンの翼』の情報量が多すぎて分からないに見えるのは、そういう大きい「話の展開や状況」(シナリオ面)がまだ掴みきれない状態で、ディテール的な「画面上の出来事」(コンテ面)がどんどん殴りこんできる、もしくは一つの状況はまだ消化しきれない状態で、すぐに次の状況に入っちゃうからです
 しかし、脚本面での情報量減りということは、話の大きいハコが減るということになりますから、それがありえない。ありえないから、もし「この分からない」状態を消解したいなら、「減らす」のではなく、逆に「増やす」んです。何を増やすというと、時間を増やすのです。情報を消化する時間を与えるのです。消化できれば、情報は流れるように勝手に後ろで整理されてますし、見るときのストレスにもなりません。
 なので、ここでは「尺」の問題になります


(子犬さん)
こんなごちゃごちゃしてわかりにくくては富野信者はともかくとして、
富野自身が言うところの「世間」、
100万1000万の「普通の人々」を「うん」と言わせることはできない。

(ピピニーデンさん)
物語を生む力がなくなったとは思いたくありませんが、
観客が理解・共感できる客観性や、人間ドラマを構築する
構成力が著しく失われているように思えてなりません。

超高速展開で説明不足すぎるあの作風を許容して
わずかなヒントからテーマや物語を脳内補完できる信者以外は
楽しめなくなっているのが富野アニメの現状だと思います。

 こんな信者か世間かという言い方は、卑屈になりすぎると思います。何故なら好みはさまざまだけど、一人一人の映像に対する感性はそんなにブレていないと思います。しかし、少なく、映像の機能で語るならば、それほど差は出ないと思います。
 ですから、富野のファンだからといって、あえて自虐に自分のことを「信者」と呼ぶしかないファンだからとって、そこまで馬鹿ではないような気がします。確かファンというのは、決定的に期待値が高くて基準が甘いものですが、富野作品ならなんでもいい、ということは決してなりませんし、そもそも完璧な作品に誰が作れるというものか? ですから愛のムチは誰もか持ってますし、いくら好きな作家だからとって、金を出して見る/買うものだから、いいものはいい、悪いものは悪いと言い、きちんと判断する力は、かなりの人を持っているんじゃないのかなって気がします。

 それから、現状ってのがいささか分かりませんけれど、もし『キンゲ』とかも含めるという現状ならば話はまた別ですが、もしこの現状は『新訳Z』以後の作品を言ってるのならば、それはやはり一言に尽きます。尺の問題です。


(ピピニーデンさん)
自ら脚本を書いたガーゼィや新訳Zは特に顕著ですが、
ライターを起用したはずのリーンでさえもそうなってしまってる。
もうすこし尺があれば……とも思いますが、
リーンにしても通常の映画に比べれば断然長いわけですし、
擁護する理由としてはかなり苦しいかと。

 まず、申し上げたいのは、この話の流れで『ガーゼィの翼』を出すのは不適切ですし、『新訳Z』とも関係がありません。
 それから、ここで言ってた「尺」が、ここにおいて発揮する功能は、もっとゆっくり劇をやらせるための時間でも、もっと話を入れるための時間でもなく、内容を整理・消化するための時間です。言うなれば、追加時間ではなく、今の劇そのままにピタつくおこぼれ時間です。しかし、そのおこぼれ時間さえあれば、場面場面の劇はもっと丁寧に演じられますし、情報も消化されます

 ご存知かもしれませんけれど、『リーンの翼』という作品は、欠番カットが非常に多かった作品です。絵コンテ段階だけでも5分オーバーの話数がある上に、最終話はなんと絵コンテ段階では7分もオーバーしている。それを編集の時切った部分も入ればさらに多い。富野が22分の『リーンの翼』においては、カットを整理する空間として、絵コンテが2~3分(つまり大体10%の長さ)余るのを理想的だと言いましたが、この基準から見ると、『リーンの翼』はその2~3分の余地を入れても、やはり尺的には足りないです。

 ですから、正直いいますと、ネット配信というブロードバンドに通じて視聴するものにおいては、テレビと違って、フィルムの長さに融通が訊く媒体のはずですので、コンテにプライオリティに置き、各話の必要に応じて長さを増やすべきだったのです。当然、制作的でいえばスケジュールやら予算やら、それこそ山のほど多いことを考えないといけませんけれど、制作方針を則れば、これが一番適切だと思います。もちろん、無闇に尺を伸ばすのもだらしなくなるだけですが、それでもネット配信+1話ごとOVAパッケージにおいて、絶対に変更しないのはありえません。

 それから、『リーンの翼』はあくまで22分、6話分のネット配信アニメであって、映画ではありません。たとえ総時間は映画より長いでも、たとえ映画の勉強とは言われようと、映画の文法に従っていない、むしろテレビアニメ的な作品です。さらに、「地上界→バイストンウェル」「バイストンウェル→地上界」という構造は、長さと関係なく、一つのフィルムにとても収まれない構成なので、映画と比べるのは、無意味だと思います。


(ピピニーデンさん)
こんなこと言いたくないですけど、
同じショートフィルムでも宮崎駿の「On Your Mark」のほうが
面白かったと言わざるを得ません。
好みもあるでしょうが、少なくとも作品として成立してました。

 個人観になりますけど、「On Your Mark」のあのリピートなところの途切れた感と既視感はひどく違和感を持ってますし、フィルム全体も繋がってはいません。画の見せ方は素敵ですけど、それほど優れるとは思いません。


(ピピニーデンさん)
「ガンダムの富野」として過去の業績ばかりが讃えられている
現在の状況は、裸の王様のようで見ていて痛々しい……。

 これに関しては、自分もやはりそう思っていません。
 確かにここ数年ある意味メディア露出すぎた富野啓蒙モードに違和感を覚えてる/苦手してる人もかなりいるでしょうけれど、私はあまりそう思わないのです。
 思わないけれど、やはり啓蒙より作品を語る、作品を語るより作品を作るほうが嬉しいですし、毎日新作を心から祈っております。
 裸の王様かどうかは個人のご判断に任せますが、私でいえば、富野作品自体に満足していませんけれど、富野が作品ごとに進歩する(大きいのもあれば小さいのもある)のが見えるし、それにとても嬉しく思います。


(子犬さん)
そのためには星山さんのような優秀な脚本家に、
恐れずに富野に諫言できるプロデューサーが必要になってくるのですが、
いまのサンライズの体制ではそれを望むのも難しく……

 諫言するのではなくて、コントロールするのですよ。『キングゲイナー』のキャスティングはともかく、『リーンの翼』で最初に決められた「映画として作る」「富野節全快でいこう」の二つの方向性は、まったく悪い方向に働いたとしか思いません。当然、富野自身の責任でもありますが、ここで挙げたのは、まさに制作体制でカバーすべきものだと思っています。


(子犬さん)
個人的には「星を継ぐ者」はいい出来だと思うんですよね。
適度なスピード感のある展開というか。
特にギャプラン登場からシャアとアムロの再開を経て、
エンドロールになだれ込むシーンは鳥肌が立ちました。
それが2部・3部では……。

(ピピニーデンさん)
ダカールがなかった以上、アムロとシャアの感動の再会もドラマとしては投げっぱですし、
ヒロインのはずのファが1部ではほとんど出てこないのも作劇的にどうなのか、
などなど、2部・3部の展開を考えるとあの導入部でよかったのかなと考えてしまいます。

 確かにZⅡとZⅢの「一緒に作っちゃった」感じがあると思います。しかし、それを考えると、確か『ZⅡ』と『ZⅢ』は特に顕著なんですけど、『ZⅠ』も同じ構造で考えなければいけない気がします。何故なら『劇場版∀』と比べれば、『新訳Z』各作品の間にほとんど時間の飛躍が見れません。作品間の実時間と映画の機能を考えれば、今の構成にこだわる必要はまったく無いにも関わらず、です。
 そして、ここで言ってた「一緒に作っちゃった」感じも、『リーンの翼』の中盤までの展開を影響し、全体の構成を乱した。

 それから、実をいいますと、「ダカール」そのものなんていらないのです。劇として散漫ですし、舞台もかなり曖昧で繋がっていませんから、テレビならなんとかなるけど、一つのハコとして映画に入れないのは当然だと思っています。
 しかし、そうは言っても、「ダカール」は劇としていらないけど、意味はある。なので、誤解恐れずいいますが、意地でも入れるべきですし、入れるほうが「Z」らしくなりますし、そのほうがファンが喜びますし。
 ものすごく不遜な言い方をしますと、私なら『ZⅢ』の冒頭、アクシズと接触する前に、エゥーゴ・アクシズ・ティターンズの軍勢やアーガマの艦内風景をカメラを振りつつ、ダカールの講演を流す。この間いろんな人物に喋らせるけど、シャア一人だけは全然喋らせない。そして講演終わった瞬間、シャアの顔にカメラをアップ。…というのはあくまで一つの例に過ぎませんけれど、入れる自体は可能だと思います。もちろん、これも富野構成の問題だと思いますけど。

 最後になりますが、実を言いますと、『ZⅠ』は私にとっては早すぎると思います。劇を演出したとは思いますけど、中身を見せられませんでした。つまり、テレビZと真逆です。個人でいえば、『逆シャア』と『F91』くらいのスピードはちょうどいいです。

富野由悠季作品系譜年代分類 第四回 「1941~1963年の富野由悠季」

2009/09/09 02:44|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」
富野由悠季作品系譜年代分類 第二回 「富野小説が富野系譜における地位」
富野由悠季作品系譜年代分類 第三回 「富野作詞が富野系譜における位置付け」

 以上の三回は総論的な話ですが、今回から、いよいよ各時期の分類に入りたいと思います。

 これからの内容は正直自分でも結論を下せない部分が多いので、大まかな仕分けをこれからするものの、不備や見当違いもかなり含まれるんでしょうから、もしこの話を読んで何かご意見がありましたら、是非私に教えてください。富野由悠季を語るには、一人の力だけではあまりにも足りませんので、皆さんの知恵や高見も借りたいと思っております。

 あと、最近自分はとてつもなく忙しくて、じっくり資料を調べる時間がありませんので、今回は「富野由悠季全仕事」、「だから僕は…」、「∀の癒し」の三冊だけを使って語ってみたいと思います。
 また、定論ではなく、あくまで剳記みたいなものですから、今回は箇所書きで列記することにします。メモ代わりという意味も含めていますから、これから随時に更新したいと思います。更新参考書籍は記事の一番下に列記してますが、こちらも順次に追加したい。


富野由悠季全仕事―1964-1999 (キネ旬ムック)富野由悠季全仕事―1964-1999 (キネ旬ムック)
(1999/06)
富野 由悠季

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 さて、今回のタイトルは「1941~1963年の富野由悠季」ですが、富野が虫プロに入ってたのは1964年のことですから、今回語るのはその虫プロ入り以前の話です。まず、語る前に、この時期の富野が起った大きな出来事を見てみましょう。

だからtominoは・・・│富野年譜

■ 1941年
○11月5日神奈川県小田原市生まれ。本名は富野喜幸。
○小田原市郊外の「多古」は、周囲に蛍の群生地もある田舎で、生家は木造平屋建ての一軒家(借家)だった。
○化学系の出だった父は東京で勤めていたが、ゴム製品を扱う軍需工場に転職したため小田原に来住した。
○幼時には、何度か防空壕に逃げ込んだ記憶がある。
○父は戦後、中学校の理科教師に。「借家住まいのよそ者」のまま、三畳と四畳半、八畳の客間だけの家に、両親と二人の弟とで肩寄せ合いながら、大学の卒業まで住んだ。
○5年生の頃、雑誌「少年」で『鉄腕アトム』の連載が始まり、手塚治虫の大ファンになる。
○この頃、小松崎茂の絵物語にも熱中し、ペン画の練習に励むが、もっと上手い友人の存在に打ちのめされる。

■ 1954年
13歳
○小田原市立白山中学校入学。
○父は写真家になりたい夢を持っていて、生家には旧式な写真現像機があった。小学生の頃から写真現像を覚え、中学では写真部に入るが、戦後の現像機とはやり方が違い、挫折を味わう。

■ 1957年
16歳
○小田原明徳学園相洋高等学校入学。
○県立の工業高校を受験するも、ろくに受験勉強をせず不合格。第二志望の普通科に進学した。高校時代も絵や小説ばかり書いていたという。

■ 1960年
19歳
○日本大学藝術学部映画科入学。

 以上は大体の略歴ですが、簡単にまとめますと、この時期の富野はまだアニメにタッチしていないものの、もし彼の経験、つまり「富野由悠季の個人史」という観点で見れば、すでに将来のアニメ仕事のための下積みが見られています。
 また、彼の性格形成も概ねこの時期によるもので、のち富野作品や富野の論調で見られる要素は、この出生から大学までの時期が与えた影響が大きかったと伺えます。
 なので、富野の作品を語るには、このアニメ業界に入る前の時期を忘れては片手落ちです。

 以下は、この時期富野が後のアニメ作りに関わると思われる出来事です。(記事の一番上で言ったとおり、あくまでメモ程度のものですから、見苦しい表現になってるところはご勘弁ください。)


小学生時代見たディズニーアニメ、中学生時代で見た『ゴジラ』、アメリカのSF映画『月世界征服』『禁断の惑星』などを見て、「子供騙し」と直感し、大変反感と反発心を持つようになる。これがのちの富野のモットーである「子供だましではなく、真剣に訴えかける」作品作りに繋がる。

小さい時から父の影響で写真と写真機材をいじるのが好きだった。これがのち映画への憧れにシフトし、日芸映画学部に入学にも繋がる。

手塚治虫の漫画を読んで、ファンになった。特に『鉄腕アトム』『来るべき世界』などでSFを知り、モノ作りという構造も学んだ、とのち富野が言った。また、これも卒業後の虫プロ就職に繋がるかもしれません。

小松崎茂の絵物語にはまり、漫画家となりたいため、ペン画、模写などを励む。のち挫折したが、絵を描くことの修業自体は高校時代まで続いた。これが、のちの虫プロ時代以後の絵コンテ描きに役に立つことになる。ちなみに、80年代の富野小説の著者紹介では「趣味:ドローイング」と載っているや、『F91』と『V』の時はわざわざ何十枚のイメージボードも描いたこともある。あと、『∀の癒し』のなかでは絵描き関連の話が載っている。

また、手塚と小松崎つながりで、宇宙や飛行機にも憧れするようになった。飛行機について模写など以外、自分で三面図を描き、木型を削って実際の模型を手作りでしようとするほど熱中した。宇宙に関しては雑誌や漫画以外、一番富野に影響を与えたのは、父が戦中で作った与圧服の写真でした。のち富野によると、このときの経験は全部『ガンダム』に繋がってるという。

高校時代書いたペラ原稿250枚以上の小説と3時間くらいの映画のシナリオ、それから大学時代書いた書いた年3本のシナリオが、のち富野の脚本書きに繋がる。一番最初の担当作品『アトム』では、全部16本のシナリオを担当。まだ、杉井ギサブロー監督の話によると、当時の富野は「脚本の人」という印象が強かったという。

大学に入り、ヌーベルバーグに触れて、大変ショックになる。元々文芸的なものに憧れてる富野だが、SF映画好きな彼にとって、ここで始めて「文芸的な映画」を触れたのかもしれない。富野はのち商業的な作品は芸術的な作品より健全と頑に否定するが、卒論の題目や虫プロ入りの面接でミケランジェロ・アントニオーニを触れたなど、少なく初期では芸術映画に影響を受けているようです。

大学で学生運動を一切知らない代わりに、自治会執行部など、いわゆる当時大学の体制派に参加し、2年半以上渡って色んな活動した。このときの経験、のち富野は『ガンダム』などの権力体制を書くモデルになったと明言。


 まだ、性格の部分においては、以下の事項が見られます:

かなり激しい気性で、あやうく人を傷つくこともあった。

小さい頃雪や波を恐れて、決してそれらを触れようとしなかったという頭でっかちで、物事を分かるまでは決してすまないという性格。

親にプライド高く褒めてばかりで育てられて、のち現実を知り、挫折することになる。そういう繰り返しで、結局恥じやすい、自己卑下、劣等感がひどく強い性格に育てられた。

(注:この部分に不適切な表現がありましたら教えてください。削除します。)


だから僕は…―ガンダムへの道 (角川スニーカー文庫)だから僕は…―ガンダムへの道 (角川スニーカー文庫)
(2002/11)
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 ほかにもありますけど、以上で挙げた11条はあくまで今のところ私が整理した箇条で、もしどなたが補足や訂正を入れたいのなら、どうか教えてください。


参考書籍
「富野由悠季全仕事」、キネマ旬報社、1999年
富野由悠季「だから僕は…」、角川書店、2002年
富野由悠季「∀の癒し」、角川春樹事務所、2002年


ターンエーの癒しターンエーの癒し
(2000/05)
富野 由悠季

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『リング・オブ・ガンダム』配信開始

2009/09/07 21:23|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:4
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 Gyao!は、先月ガンダムビッグエキスポ会場で放映されたショートフィルム並びに『RING OF GUNDAM』の配信をはじめた。


リング・オブ・ガンダム

機動戦士ガンダム30周年を記念して制作された、富野由悠季総監督のショートフィルム。
配信期間:2009年9月7日~2009年9月21日

「一年戦争」からはるかな時を過ぎた新世紀、月の軌道上に直径600キロの巨大建造物「リング」がある世界が舞台。2009年8月21日「GUNDAM BIG EXPO(ガンダム・ビッグ・エキスポ)」の会場で公開された「リング・オブ・ガンダム」を独占配信。



また、先月いっぱいを持って公開終了した1/1ガンダムのメイキング映像の配信も同時に開始した。

お台場 実物大ガンダム メイキング映像

2009年7月、お台場に登場した「実物大ガンダム」。細部まで作りこまれた巨大なガンダムができるまでのドキュメンタリー!
配信期間:2009年9月7日~2009年9月30日

富野監督をはじめ、多くの人々の想像力がここに結集! 2009年7月11日から8月31日まで、お台場潮風公園に設置された、実物大ガンダム。その完成までを余すところなくお伝えするドキュメンタリー。

 内容はこの前ヤフーで公開したメイキングとまったく同じなので、ご興味あれば、こっちも参照ください。

1/1ガンダムメイキング総回顧 その1
1/1ガンダムメイキング総回顧 その2



 この記事を書いてる時点はまた見ていませんけど、これからゆっくり見てるつもりです。なので、明日は『リングオブガンダム』の感想を書きます。もし出来が悪かったら容赦なく叩くぞ~。

22:05追記
海外は見れませんでしたーーーー!!!
ギャオめ…!



日々のうわ言

2009/09/06 01:08|日常話TRACKBACK:0COMMENT:4
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 まとまりの無い、いくつかの話。

 最近ネタがいっぱいあるくせに、どれもドラえもん大長編ばりに長いから、忙しい最近では、あまり書く時間がありません。あ~影分身術がほしいよ~もしくは四妖拳。ちなみに、忍者はとっくの昔もう見てない。

 最近の朝はもっぱら仕事しながらメジャー観戦です。王にはもう期待してないが、一応ヤンキースファンです。どばどば安打を打ちまくるスタイルは、好き。どうせ先発じゃサバシア以外見所ないし。それで今シーズンようやくヤンキースらしい戦績を出てて嬉しいが、もっとメシウマなのはレッドソックスの負け。

 日本野球は最近見てない。というか、見れない。しかし、一応チェンを応援している。巨人を粉砕せよ!(念のため、オレ巨人アンチじゃないよ) ところで、このブログを読んでくださってる方のなかに阪神ファンがいるのでしたら、真弓監督について感想を教えてくれませんか?

 最近はまた『クゥ』をテレビで見た。いろんな意味で酷い映画だった。うん、酷いだが、映画だった。ギリギリ度を過ぎるボーダーラインにいる演出てんこ盛りだからだ。なぜ原恵一はこうしてまでそれらのものを入れようとしたんだろう?それは、まだ考えてないが、それを考えるのは、きっととてもやりがいがあることだと思う。原監督は、とても優秀なアニメ作家だから。なので、今日はこれから『戦国大合戦』を鑑賞つもり。

 『信長の野望 天道』は出ることになってるのに、『三国志12』は出ないのは何故? かくいう私が、SDガンダムの武者が大好きなのに、ここ2年の三国伝は全然ダメな人なので、やはり自分は三国志が好きだなぁとつくづく思ったよ。『三国志12』遊びたいなー。

 あ、三国志でいえば、やはり孔明だが、その孔明の能力はいつも低めと設定されてるのは、どうしても納得いかないな。たとえば、『三国志11』では、彼の「統率 武力 知力 政治 魅力」は「92 38 100 95 92」で総合417だが、私に言わせれば、これでも低いぐらいだ。俺査定だったら「97 50 100 99 96」と総合432だよ。贔屓を入ってるのは否めないが、史実、歴史上の評価、様式美、調整用パラメータなどを考えれば、むしろこれくらいじゃないとおかしいよ。

 あ、そういえば今杉井ギサブロー監督は『リボンの騎士』を作ってるのね。杉井監督のも期待してるけど、そろそろ富野にも手塚作品を作らせたらどうだ? 手塚弟子のなかで、近年唯一手塚原作のアニメを作っていなかった人だし。

 そういえば、今月の相撲はいつから始まるの? 朝青龍はあまりにも不甲斐ないなので、もう見るのも嫌になりかけたが、一応期待してるが、練習をサボるのは相変わらずらしいなので、今場所も絶望か…。

 また青空文庫で『走れメロス』を読んだ。やはり感動だった。でも今回はその技法についての感動。『走れメロス』は読み手の読むスピードも計算に入ってる優れる短編小説。富野小説も実をいうと似たようなもの(計算した上の成果かどうかは分かりませんけれど)。だから富野も走れメロスみたいな小説を書くべき。なぜなら小説の『王の心』やアニメ『闇夜の時代劇 正体を見る』を見れば分かると思うが、富野は実に短編の名手なんだし。

 そういう意味でいえば、富野は逆説的に優秀なコンテマン、演出家かもしれません。

 あと、このブログは何故かトラックバックはほとんどしてもらえないブログなので、時々悲しい。もちろん、あっても何の意味もないけど…。

富野由悠季作品系譜年代分類 第三回 「富野作詞が富野系譜における位置付け」

2009/09/05 00:25|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:6
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関連記事(タイトルを改めました。
富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」
富野由悠季作品系譜年代分類 第二回 「富野小説が富野系譜における地位」

 CEDECも終わりましたし、そろそろ本題に戻るか。
 前回は富野由悠季という作家と作品をいかに分類するという話を書いたら、他の方からの意見を頂いて、まことにありがとうございます。でも、それを本格に入る前に、今日はまた少しだけ回り道をしたいと思います。




 第二回で、すでに富野小説の重要性を語ってきましたが、その話を受けて、『だからtominoは・・・』ライナー・ノート(仮)のほうで、囚人022さんはこんな話をしてくれましたので、少しだけ井荻麟、つまり富野由悠季の作詞について話したいと思います。

『だからtominoは・・・』ライナー・ノート(仮)│スタッフワークとしてのテレビアニメーション、その反動としての小説

もうひとつ、作詞家井荻麟というのは、(kaito2198さんも何度も指摘されているとおり)富野由悠季がもっともアーティストとしての容貌をあらわにしているポジションだと思います。
(中略)

prisoner022:んー。だって分類の話を始めるのに、小説の話はともかく作詞家井荻麟の話へ脱線したのはkaito2198さんのほうが先ではないですか(笑)。

kaito2198:それもそうか(笑)。まあ確か作詞はあの話の流れじゃ語りにくいと私も思いますし(だからこそ井荻麟をアピールしたいこともある)、何より今回また囚人さんのアドバイスが聞けて嬉しいです。

 小説の重要性は、すでに前に言ったとおり、富野作品系譜のなかの主流であるアニメに対して、連動性と独立性を確保するところにありますが、もっと簡潔に言っちゃえば、以下の三点に集約できます:

①物語としては独自に成立するものが多く含まれている。なので富野小説を「作品」と定義できる。
②媒体に対応して話や形式を変わるが、基本的内容はまったく同じ方法論と技法で展開する。
③したがって、いわゆる「黒富野」と「白富野」の間のミッシングリンクを含めて、富野アニメと深く繋がっている。


 小説話は詳しく第二回の「富野小説が富野系譜における地位」を読めば分かると思いますから、ここでは割愛して、さっき挙げた三点を使い、作詞を検証してみたいと思います。




 前記事では作詞(と小説)を知らなければ、富野由悠季の全貌を覗くことができないと言いましたが、それはまさしく正しい話である。
 しかし、富野由悠季の作品系譜で考えれば、話はまた別です。

 何故なら、前は「その小説も作詞もアニメに対して同時に連動性と独立性を働いている」と書いたが、今度改めて考えて見れば、小説と作詞における連動性と独立性はまったく別物だからです。何故ならば、さっきの三点を使って小説と比べれば、その違いは自然に浮かび上がると思います。

①物語としては独自に成立するものが多く含まれている。なので富野小説を「作品」と定義できる。
②媒体に対応して話や形式を変わるが、基本的内容はまったく同じ方法論と技法で展開する。
③したがって、いわゆる「黒富野」と「白富野」の間のミッシングリンクを含めて、富野アニメと深く繋がっている。

 と、小説はこのように、①は独立した物語を持っているゆえ、アニメに対する独立性が確立されている。そして③は富野アニメの間に切っても切れないつながりがあるため、アニメとの連動性も確実に存在している。これは疑問無いはずです。
 しかし、小説に対して、作詞は①にも③にも満たしてません。富野作詞は一つの「詞」として完成された「独立性」を持っていても、作品として「独立性」を持っていません。そして「連動性」を持っていても、それはあくまで一つのアニメ作品との連動であって、小説やアニメのように綿密で複雑な「連動性」ではありません(富野由悠季作品系譜Ver.0.1を参照)。この視点から見れば、富野作詞はいくら「詞」としての「作品」を成立できても、作品の系譜を語る時に、どうしても系譜の主線にはなれません。


 富野由悠季作詞一覧を見れば、分かるはずです。富野が「井荻麟」というペンネームを使って、80曲もの作詞を作りましたが、リストのなかにいる1~50は、すべてアニメ作品(つまり富野の本業)のオープニング、エンディングもしくは挿入歌の詞です。
 また、80年の「ザ・ロンゲスト ロード イン 破嵐万丈・鈴置洋孝」の半分は破嵐万丈と連動してるし、99年の「REVERBRATION IN GUNDAM」は『密会』に触発された井上大輔氏のアルバムの作詞だし、『ララの夜想曲-nocturne-』もズバリ『ガンダム』のララァの歌ですから、本格的にアニメと小説と肩を並べる作詞は実をいうと、かなり少なかったんです(「LOVE PROFILE」や「STARLIGHT SHOWER」みたい歌手のアルバムの作詞もありますが、年代と活動時期を見れば、やはりそれほど影響力を残っていないと見ていいだろう)。




 こうしてみれば、アニメと小説と同じく富野の創作力を反応してる作詞ですが、アニメと小説と違って系譜全体の一部に属し、かつ独自な流れを、どうしても作っていなかったといわざるを得ません。当然、井荻麟の作詞を否定するつもりは毛頭ありません。それところが、実績から見ても、作詞で描いた世界を見ても、アニメ業界一といっても過言じゃないくらい素晴らしいと思っています。
 しかし、富野由悠季の作家と作品の系譜で考え、これの文脈を則れば、作詞は結局のところ囚人022さん一番初めのところの指摘の通り、脱線になりかねませんので、この記事以後、富野作品の系譜を語る時は、一切作詞を外して、アニメと小説だけに集中したいと思います。また、今回の話に関して何かご意見ありましたら、どうかコメント欄で残してください。皆さんの意見とても聞きたいです。

富野監督とゲームの小話、およびCEDEC2009講演に対する感想

2009/09/04 01:09|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
富野由悠季監督CEDEC2009基調講演まとめ

「俺,おまえらと一緒に仕事やりたいから」 by 富野由悠季



 昨日ゲーム業界にとっての一大イベントであるCEDECにて、富野監督は非常に長い話をしましたが、今日はその講演についての感想を少し述べたいと思います。
 さて、ここ数年アニメ業界以外、こういった異種格闘技的な講演をする機会もだんだん増え続ける富野監督ですが、当然でいえば当然ですが、まったく門外漢ではないにしても、所詮違う業種の世界の話ですので、その講演なり対談なりシンポジウムなりでは、一貫にしているのは、多くは直接技術に関わる話を避けて、イチ作り手として、どう仕事に立ち向かうとか、どう創作活動に向き合うとか、そういった話にフォーカスすること。なので、その内容はどうしても精神論やプロ論に傾いちゃう感じがあります。そして、そういった精神論やプロ論みたいな部分は、今回も例に漏れず、ありました。
 正直、そういう話は一般論としてはタメになりますし、面白いといえば面白いですが、本音をいいますと、何度もすれば、違う講演なのに、似たような話が出てくる感想は、私にはあります。

 しかし、今回のは違います。ゲームというアニメとまったく別の世界の話、自分が専門してるアニメに落とし込みつつ、自分自身が今考えている問題をきっかけとして、ゲームの性能と原理原則、技術論、理想と気概を極めて理的なおかつひねくれも無い簡単な言葉で語り出したこの講演は、自分の知ってる範囲内でも、ここ数年かなり読み応えがある一本だと思います。


 もっとも、ゲームはアニメとまったく別の世界の話といっても、富野はゲームにまったく知らないわけでもない。単純に電子ゲームでいえば、時間を遡って84年、『エルガイム』放映前の特番では、富野は早くもゲームに対して興味を持ってる発言をした。また、86年遠藤雅伸が手がけた『Zガンダム・ホットスクランブル』にも好意的なコメントを残した。それから、『逆シャア』のスペースコロニーや一部の背景に比較的に早くCG技術を導入したなど、富野は当時新たに出てきた業界と技術に、早い段階で興味を示す一人といえます。
 90年代に入って、ゲーム業界はますます盛況に入りつつあった。ここでも、富野は自分の小説『ガーゼィの翼』のゲームに理解を示したり、当時の大ヒット作『電脳戦機バーチャロン』のプロデューサー亙重郎と対談したり、カプコンにゲームの企画を持ち込んだりなど、ゲーム界とのコラボレーションをも企んでだ。しかし、ここでもさまざまな事情によって、結局その場っきりの話になってしまったことが多かった。特に、富野自分が出した企画が最後大人の事情でつぶされたのは、富野にとって一大ショックで、これをきっかけにして、富野は一転今までのゲームに対する興味をなくし、コラボレーションに対して消極的な態度になってしまって、今日まで至った。
 それでも、富野は完全にゲーム業界とは絶縁していなくて、ガンダム関連のゲームの監修をしたり、ゲーム誌でのゲームに関するインタビューを受けたり、さらに『Another Century's Episode 2』ではアニメを先取りして参戦作『リーンの翼』のゲーム用音声アフレコに立ち合ってたり、ガンダムのアーケードゲーム『カード・ビルダー』について遊んでみたかったりなど、やはり興味を依然に持っているようには言える。
 (ちなみに、上で言ってた企画はおそらく今回講演で言ってた大手メーカーに呼ばれてもらえなかった話の一部で、当時カプコンに出した企画の延長線の上、のちバンダイとカプコンの合作のもとで、『連邦vs.ジオン』シリーズが出来たという。)

 当然、富野自身が電子ゲームそのものをそれほどやっていませんでした。かつて自分が遊んでたゲームとして挙げられたタイトルに『I.Q』、『パズルボブル』というパズル類のゲームしかなく、RPGについても、面白さが分からないと明言したほどの人間でした。
 それでも、ゲーム史でのマイルストーンとして立てたゲームとキャラクター、たとえば「マリオ」、「ドンキーゴング」、「ポケモン」や「テトリス」などについて、富野は惜しげもなく賛賞の言葉を送り続けていたし、ゲームの機能についても「凄まじい威力」を持ってるとまで言い切った。

 以上の話を見れば、今回富野講演のなかで訴えかけた「俺、お前らと一緒に仕事やりたいから」というのも、実をいうとゲーム界に対する20年以上も送り続けてるラブコールなのではないでしょうか。




 話はたいぶ離れましたので、話題を講演の内容に戻ります。最初に見たこのタイトル「慣れたら死ぬぞ」は一見すでに挑戦的でしたが、どうやら主催側がこの富野の何気ないフレーズに気に入れてくれて、そのまま使っちゃったのが本当の実情です。しかし、この何気ない呟いた話が含んでいる意味こそ、30年経て業態が固まって、安定と呼べる反面、動脈硬化でもあり、明日が見えなくなってくるゲーム業界への何よりの警鐘なる言葉です。そしてこれはもちろん映画の凋落を目撃し、アニメの発展、隆盛、そして低迷を自ら経験してきた富野だからこそ言える話です。
 そして、かつて映画→アニメの過渡期を味わった富野は今、アニメ→ゲームというバトンタッチをゲーム業界の人間にしている。何故それができる? それは、「現在のゲームは、映像に頼っている部分がある」と富野はいう。ここで初めて、富野のキャリアとアニメ経験が、ゲーム話を繋がっていく。確かに今映像で魅せようとするゲームは総体で見れば数え切れないほど多いなので、このような規定は、決して富野一人の自惚れではないはずです。

 次に、ゲームが30周年という話の流れで出てくるガンダムも、今年でちょうど30周年ですが、「今の」ガンダムに対して、ひょっとしたら「今の」ガンダムはすでに終わっている、というのは富野の弁ですが、これは決してマイナスな言葉として取っちゃいけません。今のが終わったからこそ、次の道に進めることができますし、そうなると、新しい何か、新しい道しるべ、新しい方向性も見つけ出さなければいけない。かつて富野が『∀』でやった全否定かつ全肯定のように。これが、今のガンダムシリーズにとって、もっとも大事なことです。
 そして、ガンダムもゲームも、その今の状態を突破し、次へと繋げるためには、必要なのはたった一つ。それは、絶えず原理原則を考えることです。

 ゲームの原理原則とは何か、という前に、富野は一つの挑発的な言葉を投げ出した。「僕にとって、ゲームは悪です」。当然、その場にいるのはゲーム界の人間ばかりなので、それにムッとする人もかなりいます。でも、それがまさに富野の意図です。挑発的な言葉である同時に、奮起を促すため言葉だからです。ゲームは「悪」と断定されたら、「悪」と思わせないゲームを作ればいい、という極めて簡単なロジックです。

 では、それを達成するためのゲームは一体何なんでしょうと考えたときに、原理原則、つまりゲームの大元から考えなければなりません。ここで富野挙げたゲームの性能は「軍事的な演習」と「慰め」の二つですが、別にこの二つでなくてもいい。もっと身近なゲームを考えてみよう。
 たとえば、トランプ(もしくは花札)。トランプは何故面白いのか? 何故こんなにも愛されてるのか? 何故こうも遊べるなのでしょうか? 何故人数も年齢も超えていろんな組合ができるのでしょか? これらの問題を考えるだけでも意味があるし、答えが出なくてもいい。ここでの思考をもう一度、今のパソコンゲームなりコンシューマーゲームにしていれば、ひょっとしたら今つまづいたネックが、自然に解けるかもしれません。何故ならゲームとしての機能という原理原則はレトロだろうと今だろうと、それほど変わっていないものはずだからです。
 以上の話を分かれば、たとえば顧客開発などという今常套で使ってる話や思考に対しても、もう一度考え直すきっかけにもなれるはずです。
 あ、以上は試しに富野の話の意訳で、私個人の意見ではありません、あしからず。




 ここまでの話は今回ゲーム制作者たちへの建言ですが、ここから富野はまだ挑発的かつ奮起させる言葉遣いをしました。ゲームは生産性がなく時間の消費で、世界中の誰もがゲームを遊んでるになっているのは、全体から見れば決していいことではないありません。悔しかったら反論として、このジジイ(富野)を黙らせるゲームを作ってください。見せて下さい。私はかつてそうしたように、今あなたがやるべきのもこれです。ある意味、富野いつも使ってる話術ですが、ここでも一片の偏りもなく、まっすぐ「ゲーム創作者」に対する言葉を貫徹していました。

 個性論や目標を高く設定するべき話は、今までも何度もしてきましたが、これはおそらく富野は根が真面目な人のため、自分に対しても他人に対しても、とても厳しいだったからだろう。もっとも、ここで投げかけた言葉は長者ゆえの厳しさと優しさも含まれていますが。また、ここで言ってたのはあくまで自分に厳しく接するのは精神論としての一面で過ぎなくて、スタッフや声優の育成などはまた別の話です。常に人に厳しい言葉を使ってるイメージに反して、人を褒めるべき時も、決して惜しげもなくとことん人を褒める。このような矛盾は講演の中でも言及したが、あまり今回のテーマを関係ないため、ここで一旦話を切ります。

 次はハンナ・アーレントですが、要は「信じる」から「考える」という転換を喚起してる言葉です。話はやや逸れるが、これは今回『リング・オブ・ガンダム』放映会の富野と本広のトークのなかでも出てくる話です。アニメ、つまりどうしても敵役を設定しなければいけないアニメのなかで、今の時代の必要性を実現しようとしたら、「敵はとても見えにくくなる心配もあるが、やらなくちゃいけないことなので、どうしても作る必要がある」と、富野はいう。
 この「信じる」を「考える」にする話のなかで出てきた個性とか才能とか感性とか、今までの個人向けの話は実をいうと大差はないけど、今回ちょっと違うのは、アマ創作者・学生などに対してじゃなく、ゲーム創作者たちに対する話なので、どうやって組織や社会など大局を見極めて、自分自身をニュートラルにするのは、ここの話のポイントのような気がします。
 そして、富野はこういいました。

 「自分がどういうふうな位置づけにいるか,観察し,判定する能力も必要。スポンサー,自分より能力がある人,先輩のいうことも聞かないといけないかも。本当の話をすると『あいつより俺のほうがわかってる,おまえにはやらせない』とかなりムキになっている」

 舞台を歩きながら,右手でマイクを持つ富野氏は,このような話をしながら,ちょうど直射日光をさえぎるように客席をときどき見ていた。そして,話の勢いを一度止めてから,客席にまっすぐ体を向けて,こう切り出した。

 「これだけの数の人が集まって見れる。こうして話をしながら,どの話をすればどんな顔をするか見ていた」。ほぼ同時に,講演にしては明るい客席が,より明るくなる。一呼吸置いて,富野氏は言った。「俺,おまえらと一緒に仕事やりたいから」。





 ラブコールの後、富野が戻ったのは、自分の生死観です。多くの人がご存知のように、富野は90年代では一度精神が極めて弱まって、自分を殺すのを、毎日考える時期がありました。その時の「死」に囚われた考えから回復できるのは、まさに再び「生」の喜びを分かるようになったからです。だから、生きるすべてを大事にすべきです。原理原則を含めて、です。
 ここらへんの欝と死から立ち直った話は回数こそ少なかったが、講演でもインタビューでも言ってるし、原理原則を大事にする話もしょっちゅうなさってるが、今回みたい一人の生死と原理原則を繋げて語るのは、おそらく今回がはじめてなのではないかという感触があります。なので、今回の講演は本当に話が弾んでたなぁと思っています。

 「一度つかんだ夢をもう一度したい」というのは、本当に多い多いこと。富野が言ってたことではないが、たとえばサンライズは何故延々とガンダムを作るのも、まさにこれだったのではないでしょうか。初代の時みたい儲かりたい、受かりたい。だから、それと違う出来の良いガンダムが出るたび、評価を誤った。そう、『Z』『F91』『V』『∀』などのことを言っています。ですが、10年20年という時間を見れば、本当にガンダムの方向性を貢献したのが、他のガンダムではなく、これらのタイトルであった。時代に対応して変わってゆくのはとにかく大事なので、「習い性を突破する」というのはまさにあらゆる事項に対する原理原則といわざるを得ませんでした。




 最後はCGに関して話ですが、文章のかなり上でも書きましたが、富野は早いところCGをアニメに導入したパイオニアの一人で、本人もこれに関する学生への講演や中村勇吾氏との対談などで、自分のCG観をずっと言い続けてきた。
 「ピクサーなどのクォリティを認めつつも、質感と使い方に違和感を覚える」という持論ですが、おそらく今回で言ってた「CGも理工学系の仕事からデザイナーの仕事になった」で、富野の中にはとりあえずの結論に落としたはずです。今までのCGは理工学系の「道具」だから、つまらない。でもこれからのデザイナーによるCGならば、違ってくるはず。その違いは、道具を使うか、道具に使われているか。このへんは自ら富野の言葉を読むのをオススメしますが、自分が思いついたのは、今回富野の新作『RING OF GUNDAM』です。

 ご存知の通り、『RING OF GUNDAM』以前一度もフルCG作品を作ったことない富野ですが、今回の『RING OF GUNDAM』はまさにCG作品ですから、これによって富野のCG観も以前より一層興味深くなっている。当然、自分がCG作品を作ったからって、手のひらを返すようなCGへの評価を変わったりようなことはなかったが、それでもきちんと今までのCGの弱点を見つめてきた富野監督が、どう自分の見識と演出の腕を生かしてそれを克服するかのは、これから期待したいことです。




 結局まとまりのない記事になってしまったが、この講演の感想以外、富野監督とゲームの話は一応整理したつもりですから、多少皆さんのご参考に成れれば嬉しいです。

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富野由悠季監督CEDEC2009基調講演まとめ

2009/09/03 00:03|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 さて、富野と作品の分類の記事はまだまだ続くが、今回は今日午前中富野がCEDEC2009でした基調講演の情報のまとめをお送りします。とても読み応えがある話で、自分でも意見や感想を述べたいが、今日はまとめだけに集中します。

 CEDECはゲーム業界の一大事だからか、今回富野監督の講演のレポートを書いたニュースサイトは非常に多いなので、自分なりで整理してみました。いち早く掲載してくれたニュースサイトもありますが、ここでは掲載順をあえて一切無視して、内容重視のまとめにしました。これについてご了承ください。




 まずは、なんといってもITmediaさんの記事です。

ITmedia│“富野節”再び 「僕にとってゲームは悪」だが……富野由悠季氏、ゲーム開発者を鼓舞

 堂々の6ページで、富野監督の言葉をできるだけ漏れなく拾ってくれましたので、講演部分はほぼこれ一本だけでいいと断言できます。これは素晴らしい。記者は小笠原由依氏です。しかし、去年東京コンテンツマーケット2008の「プロフェッショナル・クリエイターの条件」のレポートを書いた岡田有花さんといい、今回の小笠原さんといい、ITmediaは本当にいい記者を抱えてますな。




 次に読むのは、これがオススメです。

日経ITpro│「慣れたら死ぬぞ」---富野 由悠季氏,電子ゲーム開発者に語る

 ITmediaのレポートの内容重視に対して、こっちは記者自分なりの説明や解釈も入ってて、4ページとやや少ないものの、講演するとき富野監督や会場の雰囲気を非常に詳しく語ってくれて、ITmediaのレポートにない熱力が溢れるレポートとなっている。記者は、ITproの矢崎茂明氏。そんな中、自分が一番グッと来たのはこの部分です。

 「自分がどういうふうな位置づけにいるか,観察し,判定する能力も必要。スポンサー,自分より能力がある人,先輩のいうことも聞かないといけないかも。本当の話をすると『あいつより俺のほうがわかってる,おまえにはやらせない』とかなりムキになっている」

 舞台を歩きながら,右手でマイクを持つ富野氏は,このような話をしながら,ちょうど直射日光をさえぎるように客席をときどき見ていた。そして,話の勢いを一度止めてから,客席にまっすぐ体を向けて,こう切り出した。

 「これだけの数の人が集まって見れる。こうして話をしながら,どの話をすればどんな顔をするか見ていた」。ほぼ同時に,講演にしては明るい客席が,より明るくなる。一呼吸置いて,富野氏は言った。「俺,おまえらと一緒に仕事やりたいから」。

 東大名誉教授の原島博氏がこの前のインタビューのなかでもこういう話が出てきたくらいだから、マジ誰か富野監督に提案してくださいよ。

編: それはたとえば、CEDEC2日目の基調講演を務める「ガンダム」の富野由悠季さんがゲームを作られたらおもしろいのではないかということですか。

原島氏: そうです。それを可能にする仕組みはなんだろうか。大作一辺倒では無理でしょうね。今は新作を作るということが非常に難しい。もっと新作を出しても大丈夫で、それなりにビジネス的にも成り立つような仕組みが必要です。





 話は逸れました。ごめんなさい。次はこれです。

まこなこ│富野由悠季の基調講演にて曰く「ゲームは悪」「バンダイがゲーム業界に呼んでくれなかった」「安彦良和は大嫌い」など

 ネット上のゲーム情報界では有名なまこなこ氏によるレポートです。話は一貫にして会話式で進んでる上、まこなこ氏自身も覚えきれない箇所があるため、やや断片的な印象は否めませんけど、それなり読みやすいものになっている。
 また、このレポートは一番価値があるのは何より、質疑応答を載っているところです。やはり断片的な話ですが、他のところでは読めない話なので、気をつけて読めば大丈夫だと思います。
 全文はまこなこ氏自身の解釈もかなり入ってるため、必ずしも富野監督の原意をフォローしてるわけでもありませんけど、それでも全体は富野監督に理解と好意を示してるレポートになっているため、一読をオススメです。




 以上の三つを読み終わったら、そろそろ全体も掴めたところですが、補足として、これも読むべきです。

4Gamer.net│[CEDEC 2009]「ガンダムの父」富野 由悠季氏が若いクリエイター達を挑発する基調講演,「慣れたら死ぬぞ」の中身とは?

 去年初の富野台湾講演もこれ以上ないほど詳しいレポート(いや、私が書いたほうが詳しいだったんですけどね^^)を書いてくれた4Gamer.netが書いた話で、特定会社の名前が出たため、他のレポートでは削除された箇所も遺憾なく(?)書き出したり、質疑応答の部分を全部ではないですが載っていたりなど、やはり読まずにいられないレポートです。




 それから、全部の言葉を拾う意味ではやや物足りないかもしれませんけど、小さくまとめたという意味でいえば読みやすいレポートもいくつかあります。以下はネットでの掲載順で紹介します。

CNET Japan│クリエーターとは「次を創る」人--ガンダム富野監督が送るエール

 2ページという手軽く読めるボリュームになっており、タイトルもまったく受けるための煽りが入ってなくて、これについてかなり好感を持ってます。全体話の選択はやや精神論よりだが、それでも全体話の意味を曲解することはない。

Gpara.com│【CEDEC 2009】「作品で私を黙らせてください」富野監督がゲームを斬る

 上のレポートに比べて、Gpara.comも結構早いところレポートを書きましたが、全体のボリュームは不足で、やや物足りない感じ。いいところで話を切っちゃった感じもありますので、いまいち全体が見えないかも。

アニメ!アニメ!│「慣れたら死ぬぞ」富野由悠季 ゲームとCGを語る

 アニメ!アニメ!さんはあくまでニュースサイトであって、レポートなどを載っていける大手ではないため、その点でいえば量は少なかったが、それでもゲームと「CG」との関係を特化されてて、CGの話だけ思えば話は成立しているかもしれません。ただ、やはり前置きはちょっと足りないか。

FAMITSU.com│デジタルツールに縛られるな! 『機動戦士ガンダム』を手掛けた富野由悠季氏が語る

 やはりゲーム情報の大家だからか、こっちもゲームとCGよりのまとめ方でした。写真が大きいのが特徴です。


9月3日追記:
GAME Watch│「慣れたら死ぬぞ」富野由悠季氏がゲーム開発者にたたきつけた挑戦状 「おまえらと一緒に仕事をやりたいから」ゲームへの富野氏の期待とは?
 
 去年のいち早く富野台湾講演を掲載してくれたGAME Watchが、今回は相変わらず翌日の掲載ですが、今回はやや遅れを取った様子です。記者はいつも富野監督のメッセージを正確に汲み取ってくれた勝田哲也氏です。相変わらず分量たっぷりなうえ、日経ITproのと同じく会場の雰囲気をできるだけ伝えようとする文章に、とても好感を得ている。また、写真のサイズも大きいので、かなり満足。

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富野由悠季作品系譜年代分類 第二回 「富野小説が富野系譜における地位」

2009/09/02 01:17|富野由悠季関連TRACKBACK:1COMMENT:0
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前記事
富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」


 富野由悠季という作家と、その作品の年代分類について、前回はバンダイチャンネルのと、『富野由悠季全仕事』の分類を紹介したところで、いくつかのコメントを頂いて、真にありがとうございます。それらに対する返答もかねて、今回は自分の意見を少し述べたい。




 さて、昨日の富野総論を書く人が少ない話に関して、ohagiさんの以下のようなコメントを頂きました

押井もしくは宮崎駿が語られやすいのは「映画監督」だからです。
監督している「映画作品」があるから語られやすい。
それは「映画」=「作家」という視点でみれば、真実かどうか別として語れるので。
要は押井や宮崎を語る手口は映画批評における作家論の延長線だと思います。

逆に富野監督は「テレビ」の人です。
「テレビ」は映画批評の切り口では語れないので、富野監督を語れない。
富野と押井それぞれの総仕事の出版先はキネ旬という映画雑誌なのがその証拠です。
その押井も映画監督になる以前のタツノコプロで絵コンテを量産していた時代に
注目した内容は見かけた事無いです。また宮崎も一アニメーターだった東映動画時代や
監督だったけど「テレビ」だった「名探偵ホームズ」を論じた記事は見かけないです。
テレビの仕事って語りにくい傾向にあるのでしょうね。

もちろん、kaitoさんの総論をかける人がいないという指摘もありますね。

また宮崎・押井は本質的な変化が無いから総論を掴みやすいのでしょうね。
富野監督はどんどん変わっているように見えてしまうから
総論を掴みづらいのかもしれません。
本当に変化しているのかは検証の余地が大いにありますが。

 これはまったくそうだと思います。実をいいますと、宮崎駿監督や押井守監督と比べるつもりはまったくありませんけど、いかんせん富野監督はテレビアニメの仕事がメインな人なので、この点に関して、宮崎・押井両監督より恵まれてないのは仕方ありません。

 このように、ohagiさんが指摘した「富野監督は本当に変化しているのか」という点を含めて、本当に考える上に欠かせないポイントだと思います。




 しかし、富野由悠季とその作品を考えるときに、もう一つ考えなければいけないのは、富野は多角な作家で、アニメも演出すれば、小説も書くし、作詞もする。これはある種、すでにテレビか映画という「媒体」も越えて、アニメという「映像」も越えてる問題なんです。つまり、検証したいのなら、富野のアニメ作品以外には、富野の小説も富野の作詞も一緒に論じなければなりません。

 アニメをメインにするのは、異議はありません。何せ彼の本業は所詮アニメ演出家ですから。しかし、まったく無視してはいけません。本業だろうと副業だろうと、曲がりにも彼が長時間をわたって創造活動を経て作ったものですから、そこには彼の作家的な何かを宿ってる。これを否定するのは、片手落ちです。

 富野小説と作詞は大したものじゃないと言う人もいるかもしれませんけど、私は富野の小説は富野のアニメと同等か、時にはそれ以上の価値すら持っているものだと考えている(作詞も重要だが、ここでは文章の便宜を図って省略する)。

 一つの例えをします。もし富野の小説を無視して富野論を展開しようとしたら、94~98年はまったく欠けている空白期になりますし、『Vガンダム』から『ブレンパワード』の変化を知ることもできません。現に、ここ数年『V』以前を「黒富野」、『ブレン』以後を「白富野」と言い出しちゃう人がかなり増えてるのだが、もしこの間に挟んだ小説『アベニールをさがして』、『ガーゼィの翼』、『王の心』を知れば、このような一見180度変わった変化はじつをいうと何の断絶もなく、まったく渾然一体な転換であることを知ることができます。


 考えてみてください。 1.『機動戦士ガンダム』 2.『伝説巨神イデオン』 3.『リーンの翼』 4.『機動戦士Zガンダム』 5.『ファウファウ物語』 6.『オーラバトラー戦記』 7.『破嵐万丈シリーズ』 8.『ガイア・ギア』 9.『機動戦士ガンダム ハイストリーマー』 10.『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』 11.『シーマ・シーマ』 12.『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 13.『機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード』 14.『機動戦士Vガンダム』 15.『アベニールをさがして』 16.『ガーゼィの翼』 17.『王の心』 18.『密会』 19.『OVERMANキングゲイナー』。全部19作で、文庫本で数えると69冊もある。これは、決して無視できるほどの量ではありません。また、作詞でいえば、80曲がある。

 これらは、数だけから見ても、おそらくアニメ業界でもトップクラスです。さらに、その小説も作詞もアニメに対して同時に連動性と独立性を働いていますから、これらを欠けては、富野由悠季の全貌を覗くことができません。

小説とアニメの連動性について、不完全ですが、以下の記事をご参照ください。

富野由悠季作品の系譜における『アベニールをさがして』の地位(その2 アイデア集合体としての『アベニール』)
ガイア・ギア1巻読破と感想
富野由悠季作品系譜Ver.0.1
富野由悠季作品の貴族観

作詞とアニメの連動性について、まだ全部ではありませんが、以下の記事をご参照ください。

ときめく1句(1)
ときめく1句(2)
ときめく1句(3)

 ですから、このように、もし富野由悠季の小説や作詞といった創作活動をアニメと一緒に考えなければ、その見方や論法はどうしても欠陥が出てると思います。




 と、今回はなんだか富野の小説の話になっちゃったんですが、次はやはり小説の話からやや外して、アニメをメインとする富野と富野作品の年代分類を語ってみたいと思います。今回の話に関して何かご意見ありましたら、どうかコメント欄で残してください。皆さんの意見とても聞きたいです。

▽続きを読む▽

富野由悠季作品系譜年代分類 第一回 「これまでの富野系譜分類」

2009/09/01 00:51|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:5
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 それは、10年前のことで…(←なんちゅうネタだ)じゃなくて、今日『押井守全仕事』の目次をめぐる時、あることを気づいてたこと。それは:押井論を書くライターは、何故か全体というか総論から押井守を語りたがるのに、対して、『富野由悠季全仕事』で書いてるライターは、何故か決めたように個論やある時期に対する記事にしか書きません

 二つの本の編集方針が違うからかもしれません。しかし、同じく「全仕事」と名づけられたこの二冊、目次を見れば内容の組み方はやや違うにせよ、中身は基本的同じ仕方で作られてるものだから、方針のせいじゃないと思います。

 ライター個人能力の差もあるかもしれません。しかし、基本的そこまで差が出てるとは思いません。『富野全仕事』は99年出た本でいうことで、『G20』のライターが多いのはやや気になる一方、氷川竜介氏みたい両方で記事を書いてる例もあるぐらいだから、やはり能力とはそれほど関係がありません。

 じゃあ、何故富野総論を書く人が少ないからかというと、ものすごく簡単な答えでしかありません。それは富野由悠季という作家やその作品についての総論を書ける人がいません、からなんです。

 確かに、これは簡単なことではありません。右のカラムにも載っているが、参加作品から言って100タイトル弱。監督作品でも30作以上。さらに、富野はアニメ界では45年以上ものキャリアがあるため、富野のあらゆる部分を語るには、どうしてもアニメ史そのものを熟知しなければなりません。逆にいうと、富野総論を書ける人ならば、アニメ史をかなり知ってる人に違いません。

 また、富野の作劇は多面で複雑なのだが、宮崎駿や押井守などある種すでに語られすぎるほど語られてるアニメーション監督・作家のと違って、断片的な文章や本以外、ほとんど研究されてないので、そのノウハウも方法論もほとんど立てられてませんし、継承されてもいません。

 ほかにも色々な原因があるのだが、以上の二項だけでもいいだろう。これでは、いきなり総論から入ろうといわれても、どうしても無理がある。

 なので、妥協といってもいい、論理の累積といってもいい。一気に全体をわしづかむのではなく、富野由悠季という作家やその作品をいくつかの時期を分けて、各時期から入るほうがよっぽと建設的だし、現実では少ないけれど、やっている人はやっています。『富野由悠季全仕事』という本なんかもそう。




 さて、ここからようやく本題。

 しかし、となれば、一体どういう時期分けをするほうがいいでしょうか? これは、当然書き手の主観も入るけど、客観的でいえば、説得力を持つ時期分けをすることは不可能ではありません。しかし、一つの言説を立つには、時間がいるし、権威もいる。しかし、現時点は未だに権威的な言説が見当たれません。理由はいろいろあるのだが…。

 それでも、富野監督やその作品に対するいくつかの分類が見られます。


 たとえば、バンダイチャンネルには、『リーンの翼』までの富野監督についての特集ページがある。

バンダイチャンネル│富野由悠季特集

 内容はいろいろあるのだが、ここは「富野アニメの歴史」だけに注目したい。

1963~1974 なんでも”初めて”の開拓者・富野由悠季(1)
 『アトム』『リボンの騎士』『科学忍者隊ガッチャマン』『アルプスの少女ハイジ』など虫プロからフリー時期の演出作。

1975~1976 なんでも”初めて”の開拓者・富野由悠季(2)
 『勇者ライディーン』。

1977~1979 なんでも”初めて”の開拓者・富野由悠季(3)
 『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』。

1979~1982 なんでも”初めて”の開拓者・富野由悠季(4)
 『機動戦士ガンダム』『劇場版 機動戦士ガンダム』『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』『劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』。

1981~1984 オリジナル世界を創出する作家・富野由悠季
 『伝説巨神イデオン』『THE IDEON 接触篇』『THE IDEON 発動篇』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』。

1985~1993 ガンダムシリーズの担い手
 『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』。

1998~2002 円熟味とバイタリティを加えた新・富野アニメ
 『ブレンパワード』『∀(ターンエー)ガンダム』『∀ガンダム・地球光』『∀ガンダム・月光蝶』。

2002~2005 さらなる発展を目ざす富野監督
 『オーバーマン キングゲイナー』、劇場版『Zガンダム』三部作。

2005~    「リーンの翼」発表!
 『リーンの翼』

 バンダイチャンネルの親会社はバンダイで、サンライズやバンダイビジュアルにも深い繋がりがあるため、当然、そういった分類も商業的な事情を含めるけど、それでも参考する価値があると思います。また、「歴代の名作を徹底紹介」はまた別の分類をするので、そっちも参考できるが、ここでは省略する。


 上の分類に対して、『富野由悠季全仕事』は富野のキャリアに対して、こういった分類をした:

「1964~1972」 虫プロとコンテ千本切り時代
 『アトム』から『トリトン』多数。

「1972~1978」 サンライズ創世期
 『勇者ライディーン』『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』

「1979」 ガンダム大地に立つ!!
 『機動戦士ガンダム』『劇場版 機動戦士ガンダム』『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』『劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』

「1980~1984」 異世界へ……
 『伝説巨神イデオン』『THE IDEON 接触篇』『THE IDEON 発動篇』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』

「1985~1994」 ガンダム・サーガ
 『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』

「1994~1998、1999」 富野世界の小宇宙
 『闇夜の時代劇』『ガーゼィの翼』『ブレンパワード』『∀(ターンエー)ガンダム』

  この本は99年出版なので、『∀ガンダム』までしか載ってないのだが、それでもさすがに『全仕事』と謳っただけあって、バンダイチャンネルのと比べれば、いくつかの面白いところが見れます。


 まず、1.バンダイチャンネルも『富野全仕事』もサンライズでの仕事を富野の70年代のターニングポイントにしているが、バンダイチャンネルの『ライディーン』の監督を務めた75年を起点に対して、『富野全仕事』は『トリトン』の放送が終わった72年を起点とする。章分け上の便利もあるが、翌年には創映社の『0テスター』があったのも見逃せってはいけない。

 次に、2.両方とも『ガンダム』を単独に語る。タイトルの大きさでいえば、当然でいえば当然。

 それから、3.『イデオン』~『エルガイム』を共に異世界というカテゴリに入れるのが、両方とも同じ。続いて、4.『Z』~『V』をガンダムサーガかガンダムシリーズとするのも、まったく同じ。

 違うところでいえば、5.『ブレンパワード』に対する見方です。バンダイチャンネルは93年~98年という時期をまったくといいほどスルーしてるのと、『富野全仕事』はすべての年代をカテゴリ化しなければいけないという事情を除いても、非常に考えるべき話だと思います。つまり、『ブレンパワード』を『∀ガンダム』と一緒に置いてるかどうかによって、いわゆる白富野に対する分類や定義もまったく変わってくる。これについては次の記事で語りたい。




 明日は自分の意見を語るつもりですが、もし今日の記事を読んで何かご意見や感想がありましたら、是非コメントを寄せてください。お願いします。


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