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ガンダム宇宙世紀大全続報 番外編

2009/06/30 00:09|未分類TRACKBACK:0COMMENT:7
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関連記事
ガンダム宇宙世紀大全続報 その1
ガンダム宇宙世紀大全続報 その2

 先日は番組内容について語りましたから、今日は今回の放映される作品について話します。かなりいい加減なので、お気をつけてください。


機動戦士ガンダム第1話『ガンダム大地に立つ!!』
 これはなんといっても鉄板ですね。シリーズの金字塔、ガンダムイデオン伝説のはじまりのこの第1話が、今見ても緊張感抜群で、とても素晴らしい出来でした。スペースコロニー、ジオン公国、地球連邦、ザク、アムロ、フラウ・ボウ、ハヤト、ブライド、テム、ホワイトベース、戦場の現実、ガンダム、シャア…など、30年経っても人々の記憶のなかに深く残しているものは、すべてここから始まったものである。
 特にガンダムの初起動シーン。映像の原則に則って一貫にガンダムを上手(このへん、ちょうどイデオンと違うよね)の位置を取らせた演出は、ガンダムの終始した圧倒的な威力を表してくれた。人間ドラマと謳われるガンダムですが、それ以前もっと原始的なカタルシスを世の中に叩き込んだのはほかでもなく、この第1話の神演出と神作画と神シナリオだと思います。

機動戦士ガンダム第2話『ガンダム破壊命令』
 まあ、この話も鉄板ですよね。前半でミライさん、セイラさん、軟弱者カイの顔見せなど、この物語の主な面子である連中はだいたいこの2話で紹介済み。それ以外、、敵シャアと味方セイラのただならぬらしい関係、戦闘後の軍事部品の処理、シャアの襲撃(?)、ホワイトベースの混乱ぶりと人材不足ぶりや不穏な人間関係なども伺えて、とてもワクワクさせる。
 また、後半のアムロの宇宙での初戦もかなり面白い。アムロの葛藤と未熟さもガンダムのすごさもシャアの強さも遺憾なく表してくれた。特にシャアの決定的なキャラ付けは、まさにこの話から来たものに違いない。

マーカー「一機のザクは通常の三倍のスピードで接近します」
パオロ「シャ、シャアだ、あ、赤い彗星だ」
ブライト「は?艦長、何か?」
「ええっ、赤い彗星のシャア?」
パオロ 「ルウム戦役で五隻の戦艦がシャア一人の為に撃破された。…に、逃げろ」

シャア「見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを」
(中略。アムロ動揺のビームライフル連発)
スレンダー「しょ、少佐、武器が違います。あの武器は自分は見ていません」
シャア「当たらなければどうということはない。援護しろ」
(中略。シャアのザクに圧倒されるも、スレンダーのザクを撃破したガンダム)
シャア「ス、スレンダー。い、一撃で、一撃で撃破か。なんということだ、あのモビルスーツは戦艦並のビーム砲を持っているのか」

 クハー! 同時に両方(ガンダムとシャア)の強さを演出したこの話は、理屈抜きで面白い!ですもんね。

機動戦士ガンダム第5話『大気圏突入』
 この話も戦闘メインですが、同時にSFというかメカ的でも面白い話である。大気圏突入臨界点の戦術・戦闘、大気圏に落ちるという危機一髪の状況から生還するアムロの機敏、ガンダムの性能など見せ場が十分。特にザクが溶けるとか、一旦突入に入ったら敵味方も成すべく術は無い状態など、メカの性能論が遺憾なく表してくれた。
 ちなみに、この話の脚本はやはり1話と同じく星山博之氏が手がけたものです。

機動戦士ガンダム第13話『再会、母よ…』
 鉄板。すべてアニメのなかでもこれほど「脚本」という要素が輝いてる話がなかなかいないと断言できます。脚本の星山本人はもちろん、富野も安彦も大絶賛。「乳離れ」がキーワードの一話。

機動戦士ガンダム第19話『ランバ・ラル特攻!』
 これも鉄板。というか、ガンダムの鉄板は多すぎない? まあ、それはガンダムはそれだけ良いという証拠でもあるけどね。
 アムロに絶大な影響を与えたランバラルとハモンさん。圧倒的な「大人」を感じさせた大人の匂いと人間の大きさに、アムロは初めて自ら成長を意識するようになる。やがて「ニュータイプ」にも繋がるようなこの話は、間違いなくガンダム中盤最重要なエピソードである。

機動戦士ガンダム第41話『光る宇宙』
 う~ん、ソロモン(「恐怖!機動ビグザム」)も素晴らしいけど、やはりララァとニュータイプの話ははずせないね。正直いって、この話の演出は個人にとって『めぐりあい宇宙』の同じエピソードに越える部分もありますので、ぜひぜひ皆さんに観てもらいたい話ですね。
 でも、アムロのストレスとだんだん感動を失っていく姿も、ララァとの運命の出会いも見ないで、あの感動が感じられないじゃないの?とも心配したんですが、まあ時間が足りないから仕方ないか。

機動戦士ガンダム第43話『脱出』
 感動の最終話。鉄板。ラストシーティング(実をいうと、このシーンはあまりかっこいいと思わないけどね)、アムロとシャアの決着、戦争の行く末、皆のところに帰るアムロ。ただ一言、傑作。

映画『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』
 あまり印象はないな。ただの総集編じゃないの?

映画『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』
 これをやって0080をやらないのはいささか残念ではあるが、まあ0083の作画レベルも高いし、別にいいじゃないの?

映画『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』
映画『機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち』
映画『機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛』

 実はあまり新訳Zを見直してないので、もう一回新訳Zを観るチャンスチャンス。

機動戦士ガンダムZZ第2話『シャングリラの少年』
 えー?第2話を放送するのー?と思ったら、第1話はアレだもんね。
 本当の意味の第1話だから、放送して当然。今回は新訳Zの後で放送するものだから、違和感はひょっとしたらあまりないかもよ?(そりゃテレビZと比べればね)

機動戦士ガンダムZZ第18話『ハマーンの黒い影』
 いきなり18話まで飛んだが、この話は重要だよね。富野ガンダム十八番の敵陣潜入もそうですが、なんといってもあのエルピー・プルの顔見せですよね。
 「プルプルプルプルー!」。ああ…青春が帰ったような感じがする…。

機動戦士ガンダムZZ第28話『リィナの血(後編)』
 うーん、こりゃまたいきなり重い話に飛ばしたんもんな。リィナははっきりいってあまり愛着がないキャラだったから死んでもかまわないけど、もっとプルにやさしくしてもいいじゃないか。

機動戦士ガンダムZZ第35話『落ちてきた空』
 コロニーが落ちたわ、カミーユが喋ったわくらいしか覚えてないな。そういやハヤトが死んだのも、この話だよね。あまり印象残ってないけど。

機動戦士ガンダムZZ第36話『重力下のプルツー』
 ああああああああああ、プルがーーーーーーーーーー!!!という話でした。プルツーとプルの話も興味深いのだが、それ以上ショックなのは、プルが…ううう…プルが……!
 それと、初見の時、第37話に違和感を持てたのは私だけじゃないはず。「あ、あれ…?話を見逃したのか? なんか皆プルの話がまったくしてない…なんで???」みたいな。これがZZ一番悪いところだと思います。

機動戦士ガンダムZZ第46話『バイブレーション』
 ラガンが死んだわ、グレミー軍団が滅びたわという話でした。ついでにプルツーも救出。ようやくプルの妹に似てるようになってやがる。
 富野ガンダムのセオリーに則って、人が一杯死んでる。

機動戦士ガンダムZZ第47話『戦士、再び』
 ジュドーとハマーンの決着。キャラスーンもこの話で死んだのだが、それ以前プルツーがーーー!プルツーがーーー! 結局、幸せになった強化人間は一人もいないのか…それが悲しいことだ。
 ということで、薄情者め、さっさと木星に行きやがれ!

映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
 ガンダム映画最高の傑作。演出が最高レベルの話である。もう何の言葉もいらずに、ただ自分の目で見ればいい。
 ところで、なんで『F91』がないのー?

機動戦士Vガンダム第2話『マシンと会った日』
 実質的な第1話です。実際かなりワクワクさせるいつもの富野作品ですからね。

機動戦士Vガンダム第14話『ジブラルタル攻防』
 ケイトさんーーー!!!実際この話は確かに非常にいい話ですが、50話のなかでコレを選んだとは…恐ろしいというかマニアックというか、とりあえずどう考えてもガチVファンの仕業としか思えないよね? ですよね?
 メモメモ。NHKにはVガンダムファンがいる…と。

機動戦士Vガンダム第51話『天使たちの昇天』
 うはーーー! 一気に最終話まで飛びやがる! きゃほーーー! てか、この時点で話を理解できるかどうか以前、人がほとんど死んだのでは……。ウッソ、シャクティ、ホワイトアークの皆さん、カテジナさん、オデロさん、カガチ、クロノクル…くらいか。
 まあ、それでもこのエンディングはガンダムのなかでももっとも美しいシーンであることは間違いないな。『∀』はガンダムじゃないし、あれが美しいじゃなくて、むしろ「荘厳」というの。


 プルに関する部分はムキになりすぎてすみません。謝りますよ。ZZ見た当時プルとほとんど同じ年だったから、今思えばアニメにおける初恋な人だったかも。

富野由悠季総監督情報を更新しました

2009/06/29 13:45|ブログ運営TRACKBACK:0COMMENT:0
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 ここ1ヶ月くらい情報がとても多くてなかなか追いつかないので、まとめて更新しました。かなりの量なので、改めてここでお知らせします。

2009年の富野由悠季総監督情報まとめ

 今回の更新分は

6月19日 「New York Anime Festival」出演特別プレインタビュー(続きあるらしいので、調査中)
7月7日 菅野よう子ライヴ「超時空七夕ソニック」パンフレット寄稿
7月10日 アニメージュ2009年8月号 富野に訊け!81回(予定)
7月24-25日 名古屋テレビ ガンダム30周年イベント「ガンダムTHE FIRST」出演
7月25日 ガンダムエース2009年9月号 教えてください。富野です VOL.76(予定)
7月27-31日 「ガンダム宇宙世紀大全」富野語録など(直接出演は無いっぽいが、調査中)
8月21-23日 GUNDAM BIG EXPO用ショート映像(内容調査中)
8月26日 伝説巨神イデオン総音楽集発売(ライナーノートの内容などについて調査中)
9月11日 海のトリトン コンプリートBOX発売(付録などについて調査中)
9月25-27日? ニューヨーク・アニメフェスティバル 特別ゲストとして出演(調査中)

(S+FOR+SWEEP10周年講演や名古屋ガンダムイベントなど一部
すでに掲載された情報はここで省略させて頂きました)

です。
 また、スカパー特別番組などについて、新しい情報が入る次第、更新します。

 間違いありましたらどうかご指摘ください。

ガンダム宇宙世紀大全続報 その2

2009/06/28 23:06|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:2
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ガンダム宇宙世紀大全続報 その1

 前編は内容について語ってきましたが、今回は2CHでまた新しいコピペを拾いましたので、整理しつつこっちに張ります。

第一夜U.C.0079 7月27日(月)
21:00-21:11 ガンダムワールドへようこそ
21:11-21:13 宇宙世紀の歴史が動いた[1]

21:13-21:37 機動戦士ガンダム第1話『ガンダム大地に立つ!!』
21:37-22:01 機動戦士ガンダム第2話『ガンダム破壊命令』

22:01-22:31 ドキュメント・アニメ新世紀宣言
22:31-22:55 機動戦士ガンダム第5話『大気圏突入』
---
24:40-25:04 機動戦士ガンダム第13話『再会、母よ…』
25:04-25:09 インタビュー[1]
25:09-25:33 機動戦士ガンダム第19話『ランバ・ラル特攻!』
25:33-25:38 インタビュー[2]
25:38-26:02 機動戦士ガンダム第41話『光る宇宙』
26:02-26:26 機動戦士ガンダム第43話『脱出』

26:26-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[2]

第二夜U.C.0079-0087 7月28日(火)
21:00-21:04 宇宙世紀の歴史が動いた[3]
21:04-21:56 映画『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』
21:56-22:11 ガンダム小説のディープな世界
22:11-24:10 映画『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』
---
24:55-25:05 実物のガンダムを夢見て
25:05-26:39 映画『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』
26:39-26:45 宇宙世紀の歴史が動いた[4]

第三夜U.C.0087-0088 7月29日(水)
21:00-21:07 宇宙世紀の歴史が動いた[5]
21:07-22:45 映画『機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち』
22:45-23:00 ガンダム宇宙世紀大全検証・ガンダムの謎
---
24:40-24:45 インタビュー[3]
24:45-26:24 映画『機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛』
26:24-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[6]
 
第四夜U.C.0088-0089 7月30日(木)
21:00-21:08 宇宙世紀の歴史が動いた[7]
21:08-21:32 機動戦士ガンダムZZ第2話『シャングリラの少年』
21:32-21:56 機動戦士ガンダムZZ第18話『ハマーンの黒い影』

21:56-22:36 富野監督語録
22:36-23:00 機動戦士ガンダムZZ第28話『リィナの血(後編)』
---
24:40-25:04 機動戦士ガンダムZZ第35話『落ちてきた空』
25:04-25:09 インタビュー[4]
25:09-25:33 機動戦士ガンダムZZ第36話『重力下のプルツー』
25:33-25:38 インタビュー[5]
25:38-26:02 機動戦士ガンダムZZ第46話『バイブレーション』
26:02-26:26 機動戦士ガンダムZZ第47話『戦士、再び』

26:26-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[8]

第五夜U.C.0093-0153 7月31日(金)
21:00-21:04 宇宙世紀の歴史が動いた[9]
21:04-23:04 映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
23:04-23:24 福井晴敏が語るガンダムUC
23:24-23:48 機動戦士Vガンダム第2話『マシンと会った日』
23:48-24:12 機動戦士Vガンダム第14話『ジブラルタル攻防』
24:12-24:36 機動戦士Vガンダム第51話『天使たちの昇天』

24:36-24:40 宇宙世紀の歴史が動いた[10]

赤字はアニメパート、青字は紹介パート。

 アレ? なんだかおかしくない? 正直自分のこの前の予測と大きくかけ離れていて、さすがに参ったといわざるを得なかったんです。我が不運続く悲願の作品『Vガンダム』はまたもハブられるだろうなと思ったら、『0080』と『F91』だった。しかも『F91』は見る影もなく『逆襲のシャア』→『Vガンダム』という直行コースって、一体どんだけーだよー、と言いたくなります。
 それから、40分も富野語録に分けた第4夜の『ZZ』も、てっきりハブられモノ候補と思ったら、ファーストと同じく7話分も放送される幸せものだった! これはもう陰謀としかいいようがありません。いや、ディレクター、あるいはNHKさんの趣味としか思えませんな。
 あと、結局年代分けを無視したじゃん。何のための大仰しく「UC00XX-00XX」を入れたのかよ。

 まあ、それはともかく、これで番組の全貌を紹介したんですから、明日は今回の放送回について独断な評論と感想を送りします。

 今日の教訓:NHKに『F91』ファンが少ないかもしれません。

▽続きを読む▽

ガンダム宇宙世紀大全続報 その1

2009/06/28 12:41|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 昨日から気を取り直して、みんなの期待している「ガンダム宇宙世紀大全」の続報を見ましょう。2chの旧シャア版の皆さんのおかげで、こんなものを拾ったんです。

NHKBS2「ガンダム宇宙世紀大全」アニメ本編放送予定(デジタルTVガイドより)

第一夜 27日(月)
21:00-21:11 ガンダムワールドへようこそ
21:11-21:13 宇宙世紀の歴史が動いた[1]
22:01-22:31 ドキュメント・アニメ新世紀宣言
25:04-25:09 インタビュー[1]
25:33-25:38 インタビュー[2]
26:26-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[2]
第二夜 28日(火)
21:00-21:04 宇宙世紀の歴史が動いた[3]
21:56-22:11 ガンダム小説のディープな世界
24:55-25:05 実物のガンダムを夢見て
26:39-26:45 宇宙世紀の歴史が動いた[4]
第三夜 29日(水)
21:00-21:07 宇宙世紀の歴史が動いた[5]
22:45-23:00 ガンダム宇宙世紀大全検証・ガンダムの謎
24:40-24:45 インタビュー[3]
26:24-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[6]
第四夜 30日(木)
21:00-21:08 宇宙世紀の歴史が動いた[7]
21:56-22:36 富野監督語録
25:04-25:09 インタビュー[4]
25:33-25:38 インタビュー[5]
26:26-26:30 宇宙世紀の歴史が動いた[8]
第五夜 31日(金)
21:00-21:04 宇宙世紀の歴史が動いた[9]
23:04-23:24 福井晴敏が語るガンダムUC
24:36-24:40 宇宙世紀の歴史が動いた[10]

 番組はちょうど一ヶ月後くらいですけど、これで番組の構成はすでに確定したっぽい。先週の紹介と対照すれば、いろいろがわかれます。


ガンダム宇宙世紀大全

 まず、「特別企画」の部分を見てみよう。

特別企画:ガンダム世界を題材にした架空歴史番組/ガンダム人気を世に示した伝説のイベントを記録や証言から再検証する「ドキュメント・アニメ新世紀宣言」/映像作品とは違うガンダム小説のディープな 世界/最新作制作ドキュメント/富野監督語録など


ガンダム世界を題材にした架空歴史番組
 架空歴史番組というのは、もちろん「宇宙世紀の歴史が動いた」だろう。NHKのお家芸である「その時、歴史が動いた」のパロディともとれるこの部分は、よくよく見れば、10段に分かれます。時間はなんと38分に及びます。
 もっとも、それらすべては番組の冒頭と終わりに持ってくるということは、「宇宙世紀の歴史が動いた」という名をとったオープニング・ナレーションとエンディング・ナレーションで綺麗な誤魔化しをするに過ぎません。だいたいガンダムの「歴史」なんぞ、それこそただの設定ですが、松平定知さんみたい感性が満ちる声のナレーションを使えば、どんなフィクションであっても、一定な質感を持てるから、子供見る番組だからっていい加減なナレーターを使わないでほしいです。富野監督もよく言ったじゃないですか、大真面目で嘘をつくほうが、よっぽと全体を支えれるって。

 あ、ナレーションでいえば、永井一郎さんはご勘弁。彼は神ですから。あるいは、ナレーションは夜ごと変わるのも手です。第1夜は永井一郎で、第3夜は小杉十郎太とか。そして、第5夜はもちろん「見てください!」。


ガンダム人気を世に示した伝説のイベントを記録や証言から再検証する「ドキュメント・アニメ新世紀宣言
 これはどうやら第1夜のメインディッシュらしいですが、30分があります。第2~5夜の特別企画と比べても格段と長いですから、おそらく色んな資料と当事者を持ち出して、このマイルストーンとなるイベントを持ち上げるつもりだろう。

 私たちは、私たちの時代のアニメをはじめて手にする。『機動戦士ガンダム』は、受け手と送り手を超えて生み出されたニュータイプアニメである。
 この作品は、人とメカニズムの融合する未来世界を皮膚感覚で訴えかける。しかし戦いという不条理の闇の中で、キャラクター達はただ悩み苦しみあいながら呼吸をしているだけである。そこでは、愛や真実ははるか遠くに見えない。それでも彼らはやがてほのかなニュータイプの光明に辿りつくが、現実の私たちにはその気配すらない。なざなら、アムロのニュータイプはアムロだけのものだから。これは生きるということの問いかけのドラマだ。もし私たちがこの問いを受け止めようとするなら、深い規定をもって、自ら自分の精神世界(ニュータイプ)を求める他ないだろう。
 今、未来に向けて誓ってあおう。
 私たちは、アニメによって拓かれる私たちの時代と、アニメ新世紀の幕開けをここに宣言する。
                    アニメ新世紀0001年2月22日

P167,《ガンダムの現場から》


 なるほど、確かに高い理想を持っていらっしゃる。今読んでも思わず感動するところがあります。
 しかし、賢明な方、あるいは当時経験した方なら分かるはずだろうけど、この一見高い志を持つ「宣言」ですが、この内実は本当のところ「宣伝活動」に過ぎません。この活動が成功させたのは、もちろん当時のサンライズをはじめ、キングレコード、松竹、名古屋テレビ、あと色んなボランティアとファンのおかげですが、この活動に「本当の意味」を与えたのは他でもなく、富野監督の以下の言葉である。

「君たちに申しわけないが、ダミーなのだ。我々になにもできないから、集まってもらった。そして、この人の数が何が訴えかけているのかを、大人たちに分かってもらうためには集まってもらうしかなかったのだ。本当は『ガンダム』のことではないのだ、いいたいのは。
 が、ともかく、今日は『ガンダム』の名のもとに若者が集まった。一体『ガンダム』ってアニメはなんなのだと大人たちが思い、一度でいい、『ガンダム』を観ることによっていまのヤングが、ティーンエイジャーが、いかに真面目に物事を把え、考えているか知ってもらわなければならないのだ。」

P40-41,《だから 僕は…》,アニメージュ文庫

 ですから、内輪で盛り上げる構成をしないで、このような視点をも含めた構成でない限り、ただのマニアックな作品、マニアックな番組になっちゃいますから、そのへん、NHKさんにはがんばってもらいたい。


映像作品とは違うガンダム小説のディープな世界
 正直いって、ガンダム小説を取り上げること自体は内容がどう以前、今まで一度も取り上げることすらないですから、今回のディレクターの着眼点の良さに感服しました。
 しかし、やはりというか、15分しかいません。これじゃまともに論じることができません。富野監督のガンダム小説だけとっても、『ガンダム』『Zガンダム』(『ガイアギア』)『ハイストリーマー』『ベルトーチカ・チルドレン』『閃光のハサウェイ』『F91』『V』『密会』とすでに8+(1)作があるのに、まして富野以外ガンダムの純粋なノベライズも含めば、紹介すらまともにできないだろう。
 内容面でいえば、映像以外のオリジナルを含める『ハイストリーマー』、『閃光のハサウェイ』、『F91』にフォーカスすべきだろうけど、これらの作品が使ってる宇宙世紀の年代は今回ではハブられた部分なので、これは認められないだろうから、とりあえず小説のテイストはやや大人向けって紹介するほうが無難でしょう。アムロと金髪さんとかは、間違いなく当時の青少年に衝撃を与えてたんですし。

 とにかく、この15分はいったいどう使うかのはディレクターの腕次第ってところですが、正直短すぎると私が思います。


最新作制作ドキュメント
 これはズバリ第5夜の「福井晴敏が語るガンダムUC」ですね。20分もある。もともとハブられたゆえに時間が厳しい第5夜『逆襲のシャア』『F91』『V』はますます厳しくなってきた。これじゃ『V』ところが『F91』の紹介も望めないですよな。


富野監督語録
 実は先日NHKさんに「物語世界の長い時間と現実の長い時間をまとめて語るのに、富野監督を呼ぶほかない」みたいな富野監督登板のリクエストを送ったところで、ご丁寧に返信しれくれました。

ご要望のありました、富野監督については、富野監督の作品についての考え方の変遷をたどる、40分程度の特集、「富野監督語録(仮題)」を4日目の放送予定で考えています。

 正直これが届いたとき、最初思ったのは「やった!」でも「でかした!」でもなく、「ああ、やっぱり予想とおり『ZZ』の時間を使うのね」です。なぜなら先日も話したとおり、『ZZ』一作で一夜を持たすのは基本的無理ですので、こういう構成も仕方ありませんなぁ、と。

 とまあ、正直これをディレクター腕次第ですが、できるだけ忠実に富野監督の言葉にフォーカスして、変な専門家(分かるでしょうね。アレとかアレとか)を呼ばないでいただきたいです。まあ40分も使ったことは正直大英断ですから、素直に観て見よう。


 以上の紹介した企画以外、今回の番組構成で新たに判明した企画はまだ以下のものがあります。

「ガンダムワールドへようこそ 」:11分。これはただのガンダムの紹介だろうから別に注意することもない。
「実物のガンダムを夢見て」:10分。これは1/1ガンダムの話だろう、どうせ。
「ガンダム宇宙世紀大全検証・ガンダムの謎 」:15分。これはどういう内容かいささかよく分からないのですが、作品世界にいるガンダム、あるいは現実世界にいるガンダムによっては、内容はまったく変わりますので、今ではさすがにいえません。
「インタビュー」:5つにそれぞれ5分でトータル25分。番組構成から観れば、どうやら作品で仕切りするのではないらしいですから、おそらく監督5人とか、富野-安彦-大河原のビッグ3+2とかの構成だろう。よく分からないのですが。


 そろそろ昼ごはんの時間なので、しばらくここまで。アニメ部分は次の記事で語ります。


そんなバカな

2009/06/27 23:30|未分類TRACKBACK:0COMMENT:0
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 大阪講演のレポート第1報を読んで、とても興味深い話でらっしゃったのに、さっぱり吟味する気がないの。なぜなら将来の予定について、富野監督は……。

 悲しい。心の中で自然に『コスモスに君と』が流されてるくらい悲しい。いや、それところじゃない。パトラッシュにおやすみと言いたいくらい疲れてるんだ。

 とにかく、今日はこれから寝込むつもりです。

▽続きを読む▽

日常のたわごと

2009/06/26 22:11|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
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 ここん数日なかなか更新する時間が見つからないので、軽い話だけ。

1.
 今更気付いてしまったが、記事のタイトルにこれを使うのは、すでに三回目という事実。語彙が貧乏な人ですから、仕方がありません。
 あと、昔は日記文を書かないと言いながら、結局書いちゃうという情けない自分。しかし、富野話なんてそうそうたやすく出るものではないですし、私とて毎日富野監督の話を考えていません。いや、今日の昼寝だって監督を夢見たんですが…。


2.
 最近仕事の締め切りは厳しいので、いまだに『Z』小説の4巻と苦戦しています。というか、数えると4本目の小説ですが、正直内容はあまり面白くはない。少なく3本目の『リーンの翼』のほうがはるかに面白いです。これには訳がありますが、今は話す時間がありませんから、とりあえず前の言ってた「業務処理的」性格が一因としかいえません。

 しかし、そうは言いながらも、やはり興味深い記述がところどころ出てくるな、Zガンダムの小説は。いろいろありますが、とりあえず自分が今目にしたのはスニーカー版4巻目P153-154のコレ:

 アーガマから射出されたメガバズーガ・ランチャーを、シャアは百式の手に掴ませると、メガバズーガ・ランチャーのエンジンを開いた。
 これと百式の推力で、ようやくゼータ・ガンダムの推力に匹敵する。

 この話から話を広げれば、「富野作品で見た強さの序列」あるいは「富野のメカ強さ観」みたいな話もできるかもしれませんな。


3.
 小説で展開される『ガンダムUC』はガンダムエース8月号をもって完結したそうです。ダムエーは来週まで入手できませんけど、とりあえず読んでからは以下の話を完結したいと思います。

福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その1
福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その2

 正直あのときはアニメ化発表以前これを終わらせたかったのですが、結局話の結末を知ってから書くほうがいいと思い、今日まで引き伸ばしたんですが、ここ数日いろいろなところから聴いた情報を拝見している限り、上で挙げた福井晴敏氏の七点の問題について自分は思い間違ってないと知り、安心しました。なので、来月いっぱいまではその3を書き終りたいと思います。
 また、この優れる『ユニコーン』に対する感想を読んで、とても納得しました。文中で一番的を射る指摘というのは

 他にも、表現として「学校のグラウンドくらい」っていう言葉を使っていたんですが、これは富野監督だったら「スペース・コロニーのハイスクールの標準的なグラウンドのサイズくらい」なんて言い方をすると思うんですよ。富野監督って、あくまで宇宙世紀の常識の上で文章を書くんですけど、福井氏は現実世界の日本という国で文章を書いてるんですよね。そのあたりが凄く引っかかります。

にありますね。福井氏はどうなるか正直自分にとってどうでもいいのですが、この「グラウンド論」を読んで、富野監督がいかにフィクション世界の思考を徹して、それから作り手の節度を持っていらっしゃるのを再確認しました。まあ、もっとも両者は完全に違うタイプな書き手ですが、少なく今回の例から見ても、富野監督のほうが適切と伺えると思いますね。


4.
 NTを買いました!
 ガイアギア連載のための1990年8~12月号、1991年1~12月号。ガイアギアラジオドラマ情報のための1992年5~10月号、富野インタビュー目当ての1993年4月号、1994年3月号など、とりあえず補充しました。
 しかしなオイ。インタビュー少ないなコレ。元々ビジュアル重視ですから、アニメージュとは比べれないところですが、それにしても編集部のどうしょうもない文をいっぱい載ってるのはな…。いや、優秀な記事もあるにはあるのですが、多くは版権絵の下に紹介文というか持ち上げる文というか…。
 それからNTは一つ非常に悪いところがあります。それがタイトルで作り手の話にフォーカスしてくれないところ。アニメージュならスタッフが出ますと、必ずタイトルで示すのに、NTはそんなのより編集部自ら書いた煽りを優先する。たとえばNT1998年10月号。この号には『ブレンパワード』のスタッフ座談会があるのに、記事の表題は「再生の神秘 ブレンパワード ついにベールを脱いだ、新種ブレンパワードと最強のグランチャー"バロンズゥ"登場!!」としか書いてなかった。これはすごく嫌だな。


5.
 この前久しぶりコーエーの歴史ゲーム新作、つまり『三国志12』が発表され、また今日『信長の野望』の新作『天道』も発表されました。この2、3年以来、いつまでも無双しかしてないコーエーを見て諦めつつある私にとって、とても嬉しいことです。
 しかし、本音をいいますと、三国志よりも信長よりも、本当に期待しているのはあの『太閤立志伝』の続編『6』です。コンセプトといい、ゲーム性といい、拡張性といい、あの戦国人生を体験するゲームはもう一度楽しめたいですな。何せ『5』はすでに2004年と5年も前の作品ですから。

KOEI The Best 太閤立志伝VKOEI The Best 太閤立志伝V
(2005/08/26)
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 実をいいますと、秀吉という人物が大好きです。多少脚色されてるとはいえ、あの機敏溢れる陽気な人物像も、一農民から関白にまで登りあがった功績も、間違いなく日本史上でももっとも魅力がある一人だと思っています。
 

左カラムの一番下に「最近の注目」を追加

2009/06/24 21:44|ブログ運営TRACKBACK:0COMMENT:0
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 ご覧のとおり、最近自分が注目するモノのリスト。商品だったりイベントだったりあまり節操がないが、まあ富野監督か富野作品と関連するものばかりなので。
 というわけで、今日はこれだけ。2009年富野由悠季総監督情報まとめの更新は明日にしよう…。

 そういや、最近角川スニーカー版『だから僕は…』はもう絶版してたという噂が聞き及んでいますが、本当のことなんでしょうか? とても気になります。


菅野よう子の「超時空七夕ソニック」パンフレットに富野由悠季監督の1P丸ごと独白

2009/06/24 04:00|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 こんなの見つけた。下の文章は菅野スレで拾ったものです。

菅野よう子の乱れた交友関係が明らかに!? 「超時空七夕ソニック」ライブグッズがすごい!

こ…こんなとこまで?!超時空七夕ソニックの全貌があきらかに!【解説【32】ページ、豪華【フルカラー】仕様】

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 うん…菅野スレの皆さんに期待しようか。今回の予想される大盛況を考えれば、もしかしたら極レア品になるかもしれませんな。


井荻麟の作詞

2009/06/24 02:35|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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 今週の土曜日はいよいよお待ちかねのS+FOR+SWEEP十周年富野総監督講演会なので、今日もいつものようにS+FOR+SWEEPさんのブログを覗いてみたら、なんと珍しく富野総監督の話題ではなく、井荻麟先生の話を挙げてました。

経営者の死

ところで機動戦士ガンダムには『シャアが来る』という挿入歌がある。作詞は井荻麟。またの名を富野由悠季。

今はいいのさ すべてを捨てて     
一人残った 屍(しかばね)の俺が
この戦場で もがき苦しむ地獄の炎


と、歌詞は闘いの様子を描き、

ビームきらめく 雲を裂く
生きて見つめる…


歌の最後は最後はその闘いの様子を「生きて」見つめるところで終わっている。つまり死ねばそんな闘いも自分にとっては見つめることもできず無に帰してしまう。生きているからこそ屍と自虐的になろうがもがき苦しむ地獄の炎をも感じることもできる。そしてそれを闘いが終わるごとに毎回毎回生きて見つめることの安堵の裏の虚しさ。

5分程度の短い歌の中に闘いにおける虚無感や死生観を描き出すことに成功した『物語』である。

 とても素晴らしい見方だと思います。いや、あっちこそプロで、こっちはまったくの素人ですから、こういう言い方は失礼かもしれませんけど、「物語」に関する指摘は、とても的を射るものだと思います。なぜなら「物語」という要素は、まさにアニメ・作詞・小説を問わず、富野作劇の根源に流れてるものなので、とりあえずこれがないと、富野ワールドも成り立たないといえます。

 実をいうと、私もこの『シャアが来る』が大好きです。大好きところが、井荻作詞のなかでも傑作といえる一曲だと思います。なぜならこの曲はS+FOR+SWEEPさんが言ってた虚無感や死生観を描いた物語性だけじゃなく、富野が一番得意とする多面性を含まれているからです。

ときめく一句

一人で死ぬかよ 奴も奴も呼ぶ
狙いさだめる シャアがターゲット


この詞は何故ここを上げたというと、それは”敵対の瞬間を意識した瞬間”なんです。つまり、敵を道連れにしようという意識を芽生る瞬間の色んな思いが、この1句のなかに秘めている。

 あのときはまた不明瞭な言葉遣いしかできませんけど、つまり、この詞を持っている物語性は、この一句によって動き出したということです。
 1番の「狙いさだめる 俺がターゲット」で見られるように、それまでは一兵士が戦場にいる時見てた風景や思いというどっちかいうと静的な描写に対して、「一人で死ぬかよ 奴も奴も呼ぶ 狙いさだめる シャアがターゲット」になると、完全に動的な描写に変わった。つまりここで一転換をすることによって、今まで積み重ねた描写を含まれている物語性を展開してゆく
 ここの物語性を一転する転換があるから、S+FOR+SWEEPさんが言ってた「ビームきらめく 雲を裂く 生きて見つめる……」に繋がれます。この手法はおそらく富野も知らないうちにやってこれたことですが、非常に素晴らしくて高度なスキルだと思います。

 あと、『シャアが来る』の作品中での立ち位置は、ここでの指摘とおり、劇場版の『哀戦士』と実際非常に相似、それでいて『ガンダム』のテーマ、つまりビルドゥングスロマンからやや外れているものですから、ある意味、この二曲はテーマを強化するのではなく、作品のツヤ増やし
のために作られた曲とはいえるかもしれません。
 また、テーマからやや離れているため(匂いは一致してるけど)、単にアニメ本編の意味性でそのまま入れ込めて作り上げた詞ではなく、ひたすら富野が己のスキルを駆使して作った詞ですから、そういう意味ではもっと注目集めてもいいような気がします。

 とまあ、釈迦に説法みたいですが、とりあえず井荻麟を語りようとすれば、それこそ富野アニメ・小説を語ると同じような心力を使わないと無理なので、井荻作詞にはまたまたこれから発掘できる発見とセンス・オフ・ワンダーが潜んでいると思います。


 以下は自分が今まで書いた井荻麟、つまり富野由悠季の作詞と関連ある記事。よかったら読んでください。
井荻麟作詞一覧
全作詞一覧。
ときめくの1句(1)
富野の作詞の使い方と例え。
ときめく1句(2)
(1)の補足と例え。
ときめく1句(3)
作詞で「世界」を作ることと、宮崎駿監督の作詞との比較。
富野由悠季と声優(富野に訊け2を出せ!)
富野の”音”と”言葉”の使い方に関する話。非常に重要!
井荻麟メモ
井荻麟話の資料メモ。


GUNDAM BIG EXPOに富野由悠季総監督制作30周年記念ショートフィルム上映

2009/06/23 00:35|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 ガンダム30周年の記念イベント「GUNDAM BIG EXPO」は、今日公式プレサイトをオープンしました。

GUNDAM BIG EXPO | 機動戦士ガンダム30周年記念大博覧会

 そんな中、一番注目されるのは、何よりも富野由悠季監督による30周年記念ショートフィルムに違いない。内容は未だに不明だけど、『リーンの翼』以来、3年弱ぶりの富野フィルムだから、ガンダムファンも富野ファンも是非一度会場へ足を運んで、自らの目でそれを目撃せよ。


GUNDAM BIG EXPO | INFORMATION

●30th記念映像シアター 富野由悠季監督による30周年記念ショートフィルムの上映が決定。

 2ヶ月前ほどのイタリアイベントではすでに一度公式宣告したが、日本語での告知は今回初めてなので、大いに期待できよう。


 本当、何せ30周年だから、最近さすがにイベントが多いなぁと思ってるのだが、ファンである私は、一番期待してるのはやはり富野監督の新作だ。萌えアニメでもいい、原作付きでもいい。放送枠は深夜でもネット配信でもいい、とにかく作ってください、サンライズさん。ソラかけや黒神より売れる実績が目の前にいるのに、無視しないでください。
 サンライズさんがダメなら別の会社でもかまいません。アニメ氷河期といわれる昨今だからこそ、富野みたい一定の売り上げを確保できる監督を起用すべきではないでしょうか。本当に本当にそう願いたいです。


富野監督アメリカイベント出演&トリトンDVDボックス&イデオン総音楽集

2009/06/21 14:56|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:2
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1.
 昨日一日でいろいろニュースが出てるので、まとめてここで語ります。

富野監督 NYのアニメイベント出演 ガンダム30周年記念で

 今年9月にニューヨーク・マンハッタンで開催されるアニメ・マンガの大型イベントに、富野由悠季監督が特別ゲストとして参加することが明らかになった。
 富野監督が登場するのは、9月25日から27日まで開催されるニューヨーク・アニメフェスティバル(New York Anime Festival)である。富野監督は期間中、講演会などのイベントに参加すると思われる。国内ではしばしば過激なトークで話題を呼ぶ監督の、ニューヨークでの発言が関心を呼びそうだ。

 また30周年のイベント……これは喜ぶべきか悲しく思うべきか自分はもう分からなくなってきてるが、とりあえずまた新しい活動情報ということで。

 このイベントの繋がりで、アニメニューズネットワーク(Anime News Network)は今回富野監督のイベント参加の紹介とともに、サンライズ公認の富野監督へのインタビューを掲載しました。

Gundam's Yoshiyuki Tomino to Appear at NY Anime Fest
interview Yoshiyuki Tomino (Updated) - Anime News Network

 インタビュー自体は英語で書かれてるが、内容はけっして難しくないので(というか、深い質問もないし)、だいたい高校生程度の英語でも読めると思います。あと、このインタビューは部分掲載ということらしいので、将来全篇もしくは日本語での紹介もありうるかもしれません。
 また、ニューヨーク・アニメフェスティバル (New York Anime Festival)はすでに富野由悠季監督の紹介を載せてましたが、イベント内容や参加活動はまだ更新中ということで、新しい情報入る次第、紹介するつもりです。


2.
 それから、おそらく手塚治虫生誕80年記念のためだと思うが、こんなものも出る。

海のトリトン:手塚原作、富野演出の傑作がDVDボックスに 劇場版前後編と「幻の1話」も
 前回のDVDボックス化はバトリング協会の調査によると、2001年のことだから、今回は8年ぶりのソフト化となる。しかも版権元の東北新社から出ることだから、かなり記念性がある発売といえるかもしれませんね。

 また、肝心の内容は

DVDボックスはテレビシリーズ全27話と、79年に公開された劇場版前編、劇場公開されなかった後編を収録。さらに、実際の第1話とは異なるカットと声優で制作された「幻の第1話」や、原題の「青いトリトン」のタイトルで全く別に作られた約9分の幻のパイロットフィルムが特典映像として収められている。

と、トリトンに関するソフトは全部収録してあるから、BDボックス(はっきりいってそんな必要はないかもしれませんけど)出ない限り、ここ数年の最終決定版となるそうだな。
 トリトンに関して、自分持ってるのは台湾正規版だけど、台湾のDVDボックスはLDソースからのDVD化だから、はっきりいって画質も音質も残念なところがあるし、幻のパイロットフィルムってやつはもし富野と関わってるなら興味深い(もっとも、関わってないと思うけど)だから、今回の機会を買い換えようか。今回は前回より安くなってるらしいし。
 あ、ちなみに、『海のトリトン』も『青いトリトン』も台湾では「海王子」と訳されているな。

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塩谷翼(トリトン)北浜晴子(ルカー)

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3.
 しかし、トリトンより、こっちのほうに喜ぶファンはもっと多いかもしれません。

StarChild:伝説巨神イデオン

伝説巨神イデオン
2009年8月26日発売

価格:定価\4,800(税抜価格\4,571)/品番:KICA-938~941

○サンライズの名作”伝説巨神イデオン”のTVシリーズ(80年~81年テレビ東京にて放送)
 劇場版(82年)を網羅した総音楽集。
 初CD化となる未収録BGM、主題歌カラオケ等も収録のCD4枚組
○新規書き下ろしの24P(予定)ブックレットも封入

 やりましたね、スターチャイルドさん! 前回のザンボット&ダイターン総音楽集に続いて、今回もこんなに素晴らしい商品を発売されたら、もう買うしかないじゃないですか! ありがとう!
 で、肝心の内容は昔のレコードと比べれば分かると思うが(イデオンの音楽ソフトについてもバトリング協会のイデオン推進室を参考)、主に「伝説巨神イデオンオリジナルサントラ」「伝説巨神イデオンⅡ」「伝説巨神イデオンⅢ[2枚組]」「映画伝説巨神イデオン接触篇」「映画伝説巨神イデオン発動篇」「未収録BGMコレクション・シリーズ伝説巨神イデオン」の6枚を中心に収録したものです。
 オミットされた曲があるかどうかはまだ調べなきゃ分からないけど、とりあえず「伝説巨神イデオンⅢ[2枚組]」のドラマ部分(テレビ名場面)と、「映画伝説巨神イデオン[3枚組]」(接触編・発動編全収録)は完全にオミットされたことが確認できます。仕方ないことといえば仕方ないのだが、あの「交響曲イデオン」もないのはどういうことだ。今回の商品化に不満があるとすれば、ここだけかな。
 あと、カバーは湖川友謙先生じゃないのは残念ではあるが、まあ北爪もいいか(富野由悠季全仕事の時より●化というのはご愛嬌)。ブックレットの内容も前回をみるかぎりかなり期待できそうなので、今から素直にワクワクする。

 しかし、ここには一つ大きな問題があります。スターチャイルド公式のイデオンサイトを見れば分かると思いますが、CD4枚収録と書いてあるのに、3枚の紹介しかしなかった。それはどういう意味かというと、書き間違えでもないかぎり、隠し球がある……ということなんではないでしょうね。ますますワクワクしてきた。もしただのミスだったら恨むぞ。あ、もしかしたら「交響曲イデオン」かも。

6月22日追記:4枚目はやっぱり「交響曲イデオン」だった。


 というわけで、イデオン総音楽集でした。興味ある人はぜひ買ってください。

伝説巨神イデオン 総音楽集伝説巨神イデオン 総音楽集
(2009/08/26)
(アニメーション)

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Zガンダム小説メモ

2009/06/20 02:57|未分類TRACKBACK:0COMMENT:4
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 またまた3巻を読んでいる最中ですが、今日ウィキでZガンダムの項目を見たら、こんな一文を見つけました。

元々『Ζ』放映開始前の1984年頃、『逆襲のシャア』のタイトルで「ガンダム」の続編小説が企画されており、『Ζ』製作決定と共にその小説版にシフトしたという経緯がある。

 ??????
 これって本当なのでしょうか? ウィキですからうかつに信じちゃいけませんけど、とりあえず気になる記述です。自分の知る限り、『Zガンダム』のアニメ企画は『ダンバイン』放送中の83年ですでに動き始めていたが、84年で今更ガンダムの続編小説なんてありえないはずと思うのですが。
 (追記:この記事を書いた後、モコさんからのご指摘がありました。とても貴重な話なため、いろいろ追記させていただきました。)

たしかこのあたりの情報はバンダイの模型情報(当時模型屋で売られていた)とかで見た記憶があります。TVでの続編の情報の前に小説版の情報があったのを覚えていますが、単純にTVでの続編の情報はまだ伏せられている段階でもしや、と思わせる小説の情報で期待をあおるというよくある展開だと思いますが、当然後のZの企画はとっくに動いています。


 ……でも、よくよく考えてみれば、もしかしてここの『ガンダム』というのは現在皆知っている『機動戦士ガンダム』じゃなくて、あの小説版の『機動戦士ガンダム』の続編ではないでしょうか? となれば、富野がZ小説のあとがきで言ってたファーストの小説と繋がらない遺憾も頷けます。

2巻か3巻のあとがきにもあると思いますが、富野監督は原作として小説を執筆したかったはずです。結果TVに追いつかれ原作にあるまじきかたちの出版と謝罪していました。



 まあ、とにかく、今日はZ小説の作成時間とアニメ放送のスケジュールと比べたいだけです。

機動戦士Zガンダム カミーユ・ビダン 1985.02.19
機動戦士Zガンダム アムロ・レイ 1985.06.24
機動戦士Zガンダム 強化人間 1985.09.24
機動戦士Zガンダム ザビ家再臨 1986.01.15
機動戦士Zガンダム 戻るべき処 1986.02.19

 ここの出版日を放送日と比べれば、こういう結果になります。

(カミーユ・ビダン 1985.02.19)
1 黒いガンダム 1985年3月2日
2 旅立ち 3月9日 
3 カプセルの中 3月16日

13 シャトル発進 6月1日 
14 アムロ再び 6月8日
15 カツの出撃 6月15日
16 白い闇を抜けて 6月22日
17 ホンコン・シティ 6月29日
(アムロ・レイ 1985.06.24)

27 シャアの帰還 9月7日
28 ジュピトリス潜入 9月14日
29 サイド2の危機 9月21日
(強化人間 1985.09.24)
30 ジェリド特攻 9月28日

42 さよならロザミィ 12月21日
43 ハマーンの嘲笑 12月28日
44 ゼダンの門 1986年1月11日
(ザビ家再臨 1986.01.15)
45 天から来るもの 1月18日


48 ロザミアの中で 2月8日
49 生命散って 2月15日
(戻るべき処 1986.02.19)
50 宇宙を駆ける 2月22日

 ほかのも面白いですけど、一番興味深いのは、第1巻はアニメの第1話放送より二週間早く出版されたこと。これは『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』や『F91』、『Vガンダム』でも見られた現象ですが、それでも実に興味深い。
 正直、自分にとっては、アニメという本編が出る以前、小説が出版されるのがとても奇妙で不思議なことですが、このへんの感覚はたぶんリアルタイムで味わわないと分からないものですので、なんともいえませんけど、それでもこのモヤモヤをなんとか解決したいところです。

2巻見返し
「このような形で再開させていただいた物語に、かくも多くの方々のご支援をいただいて、心から御礼を申し上げる。これに応えるためには、小生は、小生の思い入れを語るしかないと思う。それは、詭弁だとおっしゃる方がいらっしゃるのも承知している。しかし、個人ができることは、こんなものである。この物語のアムロ・レイ編にあたる部分は、世代交替物語としてボリュームを取りたいと考えた。そのために、発表がテレビに追い抜かれてしまい、原作らしからぬ出版となってしまったこともお詫びせざるを得ない。大人の不様さをこれ以上見せたくはないが、この物語の終巻まで恥をさらすしかないのは、苦痛である。」


ひびのたわごと 講談社版Zガンダム富野コメント

 また、4巻のコメントも一緒に見ますと、このへんの事情をよりはっきりと見えます。

4巻見返し
「原作を書いてみたいと思いながら、結局TV番組のノベラゼイションという仕事になってしまったことをお詫びしたい。だから、ここだけ読んで、この本を買わない方も出てくることは覚悟している。しかし、ここまで書かせていただいて、小説という形式は、良いものだという実感がある。せめて、予定通り、もう一巻書かせていただいて、形にしたいと考えている。それが、偽りのない気持ちであって、自分なりに、せっかくの機会を大切に醗酵させたいと思う。」

 なるほど、原作として書きたかったが、結局ノベライズになっちゃったということですな。おかげさまで、モヤモヤは解消しました。皆さんありがとうございます。

 あと、この出版日と放送日の対比の意味は、3巻の感想とともに書きます。

富野監督の日本電子専門学校での講演のレポート出ました

2009/06/18 02:32|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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チェック漏れ
日常のたわごと


 2ヶ月前言ってたこの講演は、今月初でこっそり公式レポートを掲載されました。

【授業関連】第9回アニメ系学科特別講座「映像の原理・原則」アニメーション監督 富野氏


 去年も一度ここで講演した富野監督ですが、今回もやはり専門学校向けで、エールを送る(カツを入れる?)と同時に、専門な話をしていたらしく、創作論以外にもアニメーションの魅力などについて言及。ちなみに、文中で言ってた「世界的な賞を取るアニメ作品」は実際ジブリ映画のことで、基本的「動く絵」の性能と魅力について語ってた。当時の口コミによると、学生たちとそれなり激論を繰り返したとか。
 それから、「最近のアニメは映画として観れる作品に進化している」ってのも興味深い。というか、「現代は物語のテーマや構成をしっかりまとめ、2時間という限られた枠の中でエンターテイメント化することを求められている」というのは富野長年守っている制作の最低礼儀であり、一種の理念みたいなものだから、富野ファンの私にとって、別に驚くほどもない。しかし、それをできるのは非常に難しく、富野監督でさえ毎回できることじゃないので、おそらくクリエーターとしての永遠の課題だろう。
 また、レポートの下にはいくつかの写真と説明を載っていますから、興味ある人は一度リンク先で読みましょう。


ガンダム宇宙世紀大全

2009/06/17 01:44|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:4
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 ガンダム30周年ということで、すでに注目されつつある来月のNHK BS2番組。自分はガンダムファンではないのだが、富野監督関連なので、一応最近密かにチェックしてる。

BS2 2009年7月の重点ポイント

7月のBS2の目玉商品はなんといっても、今年、放送開始30周年を迎えた「機動戦士ガンダム」の大特集です。日本アニメ史上最大のヒット作とも言われるこのシリーズを、舞台となる「宇宙世紀」の年代順に並べてガンダム 世界の歴史絵巻を楽しんでいただきます。放送は5日間、のべ20時間にわたります。テレビアニメ、劇場映画、 監督インタビューやドキュメントなどを組み合わせ、ガンダムの魅力にとことん迫ります。さらに「BS熱中夜話」ではファンたちがガンダムを徹底的に語り尽くします。


ガンダム・ウィーク 「ガンダム宇宙世紀大全」
アニメ傑作選:ガンダムのテレビアニメ、劇場公開アニメなどを制作順ではなく舞台となる「宇宙世紀」の年代順に放送。
特別企画:ガンダム世界を題材にした架空歴史番組/ガンダム人気を世に示した伝説のイベントを記録や証言から再検証する「ドキュメント・アニメ新世紀宣言」/映像作品とは違うガンダム小説のディープな 世界/最新作制作ドキュメント/富野監督語録など
27日(月) 21:00~22:55
28日(火) 0:40~ 2:30 21:00~24:10
29日(水) 0:55~ 2:45 21:00~23:00
30日(木) 0:40~ 2:30 21:00~23:00
31日(金) 0:40~ 2:30 21:00~24:40


BS熱中夜話
「ガンダム・ナイト」
前編:24日(金) 20:00~20:44 (再)27日(月) 23:25~24:09
後編:31日(金) 20:00~20:44 (再)8月3日(月) 23:25~24:09

 熱中夜話は一度も見たことないので、番組進行はどういうものかは分からないのだが、一応ゲスト次第で見るつもりだが、本番はなんといっても「ガンダム宇宙世紀大全」だな。


ガンダム宇宙世紀大全

 公式サイトには、実際の内容も詳細もまた掲載されていないけど、とりあえず宇宙世紀の年代の仕切りから見れば、以下の分類だったかな。でも、よく分からない部分もある。

第一夜 U.C.0079 :『機動戦士ガンダム
7月27日(月) 後 9:00 ~ 10:55
7月28日(火) 前 0:40 ~ 2:30
(トータル225分=3時間45分)

第二夜 U.C.0079-0087 :『機動戦士ガンダム0080』『機動戦士ガンダム0083』
7月28日(火) 後 9:00 ~ 前 0:10
7月29日(水) 前 0:55 ~ 2:45
(トータル300分=5時間)

第三夜 U.C.0087-0088 :『機動戦士Zガンダム
7月29日(水) 後 9:00 ~ 11:00
7月30日(木) 前 0:40 ~ 2:30
(トータル230分=3時50分)

第四夜 U.C.0088-0089:『機動戦士ガンダムZZ
7月30日(木) 後 9:00 ~ 11:00
7月31日(金) 前 0:40 ~ 2:30
(トータル230分=3時50分)

第五夜 U.C.0093-0153:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム
7月31日(金) 後 9:00 ~ 前 0:40
(トータル220分=3時40分)

太字は富野監督作品)


 これを見る限り、ガンダムとZガンのそれぞれ3時間45分と50分に対して、第2夜は5時間もある。どうやら0080のOVAと0083の劇場版一気放送を狙ってるらしい。0080のオープニングとエンディングカットで25分×6と、0083の120分を足すと270分くらいなので、あとは適当30分の説明やらで潰す。かなり理に適う構成だ。
 また、前の三つは意見ないとして、まず『ZZ』だけ一晩で持たせるかどうかはちょっと疑わしいだし、『逆シャア』『F91』『Vガン』で逆に詰まりすぎという気がする。こういう仕切りってどういう意図があるのかな? ちょっと分からないな。もしかしたら版権元の要請?


 あと、パッと見るかぎり、富野監督と関係ありそうなのはこれくらいでしょうね:

1.アニメ傑作選:ガンダムのテレビアニメ、劇場公開アニメなどを制作順ではなく舞台となる「宇宙世紀」の年代順に放送。
2.ガンダム人気を世に示した伝説のイベントを記録や証言から再検証する「ドキュメント・アニメ新世紀宣言」
3.映像作品とは違うガンダム小説のディープな世界
4.富野監督語録

 アニメ傑作選は、『ガンダム』ならおそらくテレビシリーズから名エピソードを選ぶだろう。具体的いうと、第1話『ガンダム大地に立つ!!』とか第13話『再会、母よ…』とか第28話『大西洋、血に染めて』とか。まあ、ファーストは語れるものが多すぎるため、もう少しだけ語りようとしても溢れるほど多い話題があるから、選択も難しいだろうと予想。
 『Z』は劇場版あるから、きっと話題にも出るけど、正直こういう懐古じみた番組じゃ、あくまでテレビシリーズを主幹で進行すると思うけど、この場合、傑作選といわれてもイマイチぱっと思いつかないってのは現実かな……もちろん、カミーユの精神の変化具合を追う形にすると、ものすごく分かりやすく説明できると思うのだが。
 『ZZ』。これは……うーん、どう考えてもまる1夜3時50分ってのは無理あるな……もしかしたらこの時間を使ってガンダム全体の話をするのも可能ですが……要観察。
 『逆シャア』、『F91』、『Vガン』。前二者だけでも120分と115分だから、二作完全放送ってのはやろうと思えば無理ないことでもないのだから、たぶんそうするだろう。じゃあ、『Vガン』は? 傑作エピソードは多すぎて選べないな……え? 元々適当で済ませちゃう予定だからそんな心配はない、と? ええ、どうせ『Vガン』はハブられモノですよ!!

6月17日追記:数え間違えた。『逆シャア』も『F91』も入れるのは無理だった。番組の構成からして前期に比重を置いてるらしいから、おそらく『逆シャア』まるまる放送して、時代の離れた『F91』と『Vガン』を適当に済ますだろう。


 ドキュメント・アニメ新世紀宣言。まあこれに出る面子はだいたい想像つかるので、別に期待もしないけどね。むしろ富野監督がこのイベントをバッサリ斬るほうが面白い。

 映像作品とは違うガンダム小説のディープな世界。これは意外といえば意外な気がする。小説のガンダムはアニメと違って、別の面白さがあるのに、今ままでほとんど注目されたことない部分なので、今回は素直に期待できる。
 しかし、問題は、ガンダムの小説はビッグマイナーであるガンダムのなかでもさらにマニアックな部分なので、NHKさんは誰に語らせようだろうか? 岡田氏なら知識はあっても、真面目に内容を議論することもないだろうし、氷川氏や藤津氏は…正直今じゃあまり期待を抱いてないから、人選は困りますな。あと、仮に語ろうとしても、どんなネタがあるんだろう。
 というわけで、1分で考えてみた。パッと思いつくガンダム小説ネタ。

ファースト:再構成、乳首って小さいのだな、アムロ死ぬ、WBクルー協力するシャア、セイラはもう一人で自在に泳げるのだ
Z:知らない
ベルチル:パパになるアムロ
ハイスト:三股アムロ
ガイアギア:シャアのクローン、白人至上とワーグナー(笑)
ハサウェイ:テロリスト、三角関係、オーラルもアナルも要求されたでしょ?、死ぬぐらいは皆がやってきた事だ。僕にだって、ちゃんと出来るはずだ
F91:ロナ家の成り上がり
V:豚の解体

 まあ共通性としては普通に性的な描写が増えてるから、ここから入るほうが一番無難かも。

 富野監督語録。語録もいいけど、一番大事なのは富野監督を招くこと。NHKさんマジ頼みます。昔の発言を回顧するより、本人の生の声のほうが一番役に立つし、面白い。

右カラムに富野監督作品一覧と参加作品一覧を追加

2009/06/15 23:24|ブログ運営TRACKBACK:0COMMENT:0
このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 右カラムに富野監督作品一覧と参加作品一覧を追加
 突然ですが、どうせレイアウトがもったいないため、右のカラムに「富野監督作品一覧」と「富野参加作品一覧」を追加しました。
 また、「参加作品一覧」はあくまで「脚本・絵コンテ・演出としての参加」を示し、原作・原案・監修などは一切カウントしません。なので、劇場版トリトンとかガンダムシリーズとかダンバインやエルガイムのOVAなどは入れません。
 また、この一覧はあくまで暫定なもので、新しい資料が出る次第、すぐに更新します。

 しかし、これじゃ「だからtominoは・・・(富野由悠季御大将を何かと愛好する会)」のほうにも流用できますよね~。


中村勇吾 x 富野由悠季公式レポート

2009/06/14 21:26|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 小ネタ二つ。

1.先月PUBLIC-IMAGE.METHODの中村勇吾氏と富野監督の対談は、ついに公式レポートが出ました。

Adobe × PUBLIC/IMAGE.LABEL | 「Talk Session1:YUGO NAKAMURA × YOSHIYUKI TOMINO」 | 「PUBLIC/IMAGE.METHOD」Vol.7

第1回目となる今回は、「機動戦士ガンダム」の監督として知られる富野由悠季と、世界的なインタラクティブデザイナー中村勇吾による、異色ともいえるスペシャルセッション。緊張のあまり対談前に飲まずにいられなかったという中村と、歯に衣着せぬ語り口で観客に喝を入れ続けた富野。「動く絵」としての映像とその可能性、制作環境の変遷とそれが生んだ影響、さらにはプロのクリエイターとしてのあり方まで、緊張感みなぎる空気の中での対談となった。

 掲載した部分を読む限り、参加者方々のレポートの注目点とやや違うため、もう一度読むのにオススメします。


2.名古屋テレビ…じゃなくて、メ~テレのガンダム30周年イベントですが、先月末以来、いつの間にか全イベントのタイムテーブルを載ることになりました。
 そのなか、富野監督が参加するのは以下のイベントである。

7月24日<金> (1日目)

10:30-約11:00
グランドオープニングステージ
参加者:富野由悠季/及川光博/若井おさむ/喜屋武ちあき/メ~テレ女子アナ他

11:30-12:00
よみがえれ!ボクらの30年~富野監督 ガンダムトーク!~」
参加者:富野由悠季/及川光博/土田晃之/喜屋武ちあき/メ~テレ女子アナ他

15:30-16:30
未来へつなぐガンダムDNA~名古屋ロボットサミット~
富野由悠季/研究者/大学教授/メ~テレ女子アナ他


7月25日<土> (2日目)

11:30-約12:30
GACKT Special Dream Session ★ Tomino×GACKT
富野由悠季/GACKT/メ~テレ女子アナ他

 なお、イベントの終わる時間はいずれも予定時間。場合によって変わるかもしれません。詳しい内容は公式サイトで確認すべし


3.また、メ~テレのガンダム30周年イベントには、今回出演者のコメントが掲載されています。
 富野監督のコメント以外、『重戦機エルガイム』と『機動戦士Zガンダム』主題歌シンガーの鮎川麻弥さんも富野監督について言及。どれも短いため、引用させていただきました(鮎川氏部分は富野関連のみ)。

ガンダムと私 富野由悠季
クリエーターにとって、作品というものは、制作が終わってしまえば過去のものになる。個人的に自慢したい作品でも、人気が出なければ犬の遠吠えになるので、そのようなみっともないことはしてはならない。悔しかったら人気が出る作品を創らなければならないということを信条にしてきた。だから、『ガンダム』を映画版として再編集しなければならなくなったとき、忘れずにすむ作品ができるとは思ったのだが、その後、いやでも忘れられないようにさせられる時間が積み重なると、そこから脱出する事の難しさを知ることになる。それで、生きていく上では、忘れることも一法という贅沢な教訓も学ぶことにもなった。


ガンダムと私 鮎川麻弥
私が「Z・刻をこえて」を歌わせて頂く前の話ですが、「エルガイム」の主題歌でデビューさせて頂く時に富野監督のお仕事部屋へおじゃましたことがありました。反り立つような本棚に囲まれて監督はお書きになっていましたが、NASAの資料が山のようにあって、私は緊張している上に圧倒されたのを覚えています。あの頃、Zの制作にも追われていらしたそうです。



富野由悠季作品の貴族観

2009/06/14 01:01|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:2
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 最近、ひびのたわごと子犬さんが幻の富野由悠季小説『シーマ・シーマ』を読んでいる。

シーマ・シーマ前編読了
シーマ・シーマ中篇読了

 感想文のため、ネタバレになる内容もありますから、自力で内容を知りたい方はリンク先に行くのがオススメしませんけど、中篇の感想に関する記事では、子犬さんはこう言いました。

それにしても読んでいて思うのが、
「ガイア・ギア」…というかこの時期の他作品との共通性。
「シーマ・シーマ」は89年の発行なのだが、
同時期に発表している「ガイア・ギア」「F91」などとモチーフが似通っている。
自らの身分を知らずに暮らしていた高貴な生まれの主人公が、
ある日突然出自を知らされ権力闘争に巻き込まれるという、
貴種流離譚にも似たストーリーは、アフランシにもセシリーにも当てはまる。

 ときめくお発想です。なぜなら自分もまったく同じ考えを抱いています。


富野由悠季作品系譜Ver.0.1

 このリストはあくまでテスト版ですから、将来はもっと真剣に一度見直すつもりですが、ここの23、つまり「ガイア・ギア → シーマ・シーマ」のところに

23:決められた宿命などアイデアの継承

と、決められた宿命と書いてありますが、もっと分かりやすく言うと、ズバリ皆F91でおなじみの「ノブレス・オブリージュ」という要素です。前まとめたとき、ただアイデアというレベルなものだと思っていましたが、よくよく考えて見ますと、たぶんもっと大きなものかもしれません。

 『ガイア・ギア』も『シーマ・シーマ』もひょっとしたら読んだことある人が少ないかもしれませんけど、一応補足しますと、『ガイア・ギア』の主人公アフランシ・シャアは地球の島育ちの青年で、いままで何一つ不自由ない生活を送ってきましたが、ある日自分のなかにある声の呼応が聞こえるようになる以来、だんだん自分の使命を探すために動き出して、つい宇宙に目指すこととなる。意訳ですが、だいたいそんな感じの話です。
 一方、『シーマ・シーマ』の主人公ケンサは砂漠の民として育てられ、自分の記憶のなかの遠い風景や生活方式に戸惑いつつも、妹と弟(富野作品珍しく弟キャラが!)と養母4人で過ごした。しかしケンサが17歳の誕生日を迎えた日には、突然謎のフライング・ソーサーが彼らを襲撃し、養母を殺した。ケンサは自分の本当の身分を探すため、妹と弟を連れ出して、砂漠へ放浪の旅に出る。
 お分かりいただけるでしょうか? この二つの作品が共通しているところは、ズバリ主人公が高貴の出であること。「金髪白人」という要素も入れると、どうしても偶然とは思えず、意図的にこのコンセプトを引き続けさせるとしか言えません。
 そして、もし子犬さんが言及した『F91』も入れますと、一連の系譜ができたわけです。『ガイア・ギア』から始まって『シーマ・シーマ』に経って、『F91』で一旦落ち着く。「小説でアイデアを提出っして一旦練った後、アニメで使う」という自分の仮説にも通じてます。
富野由悠季作品の系譜における『アベニールをさがして』の地位(その2 アイデア集合体としての『アベニール』)
ガイア・ギア1巻読破と感想
富野由悠季作品系譜Ver.0.1


 とはいえ、正直自分も最初はこの「ノブレス・オブリージュ」の系譜を思いついたものの、『F91』をこの系譜に属してることとは思いません。なぜなら『F91』の「ノブレス・オブリージュ」という概念は敵側の主張で、味方としてこの概念を体現するのは主人公のシーブックじゃなくて、ヒロインのセシリー・フェアチャイルドだからです。「じゃあ、違うよな」と思いましたからです。
 しかし、よく考えてみれば、上のアイデア仮説と富野の作劇法から見れば、むしろごく自然な帰結でしかありません。

 これを気付かされたのは、子犬さんがあちらのコメント欄で残したこの部分です。

貴族的なものへの憧れは80年代末~90年代初めにかけての富野の考え方というか、
物語論のパターンみたいなものでしょうかね?
F91あたりからは少し変化が見られ、「土に帰る」=庶民のしたたかさみたいな部分が現れ始めるのですが。

 と、『F91』の前でもすでにこのようなニュアンスを出してるものの、このように「庶民のしたたかさ」を本当の意味の表テーマとして前面に出すのは、この『F91』からのことです。そして、この庶民の尊さは、のちほぼいわゆる「白富野」と呼ばれている『ブレンパワード』以降一連の作品の共通点となるわけです。

 じゃあ、なぜ『F91』ではじめて庶民の尊さを強調するような形になったというと、それはほかでもなく、「ノブレス・オブリージュ」を挙げた貴族主義が魅力的すぎるからです。まさに富野の好みに似合ういすぎるために、それを対抗するために、このようなテーマを持ち出したのです。

 人として行う道もそうですが、富野監督は物語と、物語が持つ主張の独りよがりを避けるため、必ず絶えず両方の理念を置いているんです。戦争し続ける連邦・ジオンに対してニュータイプを出す。人のエゴを裁くイデに対して人の愛すべき生への執着を描く。シロッコ・ハマーンに対してカミーユを出す。隕石落としのシャアに対してアムロが主張などなど。このように、両方が絶えず主張をもって行動するのは、富野作品の一番魅力的なところで、カタルシスを宿るところでもある。こういう構造ができてるから、富野作品は深さが出来ている。
 この構造、『F91』においてもまったく同じです。「高貴な人が高貴な義務を負う」という貴族主義は、歴史のなかで長年実在してた概念ですし、混乱な世間を知れば、そのような主張が魅力的に見えるのは無理もないことです。
 しかし同時に、我々もそのような独善の危険性と矛盾を知っている。だからこそ、この人を魅了する主張と戦わなければいけません。

 とにかく、そう考えますと、庶民の尊さってのは、まさに貴族主義という魅力的な思想への対抗(カウンター)として表しているものです。もちろん、個人ひとりひとりへの回帰は『F91』以前すでに提示したものけどだが、『F91』は明確にシーブックとセシリーのカップルによって表面化するのは、まさに正反対両方を同時に両立するためからです(ちなみに、この両立する手法はアニメのなかで富野以外、出来ている人は非常に少ない)。
 ですから、「ノブレス・オブリージュ」は『ガイア・ギア』から始まって、『シーマ・シーマ』へ経って、『F91』で一旦落ち着く形となりました。


 しかし、だからといって、富野はどうやら「ノブレス・オブリージュ」を完全に捨てたわけでもありません。ややマイルドな形となりましたが、やはり一種の理想としてさまざまなキャラに残っている。
 『∀ガンダム』の月の女王ディアナ・ソレル。ディアナ様こそ富野の永遠の憧れですが、この方の気品の高さと信念の潔さと姿形の美しさは、まさにこの「ノブレス・オブリージュ」の体現です(実際、女王ですし)。
 それから、『キングゲイナー』の小公女アナ・メダイユ。アナ姫も子ども天真な一面を持ちながら、ちゃんと「ノブレス・オブリージュ」を体現するものです。さらに、ゲインさんのことも一緒に考えますと、「下層な大衆とともにする高貴な者が強い」という構図もここで浮かび上がったのです。
(余談ですが、アナっていう名前は実にセイラさんと同じテレビコードに引っかかるネーミングですよね。最初の名前が出来すぎて嫌なところを含めて)
 セシリーの物語はまた始まってるばかりなので、どうなるのかが分かりませんけど、それでもディアナ様とアナ姫の先駆けであることは間違いないだろう。


 ちなみに、同じ時期である『閃光のハサウェイ』はなぜこの貴族論を使わなかったというと、可能性はいろいろあるかもしませんけど、一番分かりやすい理由を挙げますと、ものすごく簡単な話でしかありません。なぜなら『閃光のハサウェイ』は『逆襲のシャア』の続編ですから。同期の作品だからといって、このような構図が明確に出てきますから:


貴族要素――――――――――――――――――――――――――――――→
『ガイア・ギア』 『シーマ・シーマ』 『F91』     『∀ガンダム』 『キングゲイナー』

『ハイストリーマー』 『閃光のハサウェイ』
ガンダム的続編―――――――――→

ですから、『閃光のハサウェイ』は貴族論の系譜に属していません。


おまけ:この時期の富野小説の出版時期

ガイア・ギア〈1〉 1988/08
ガイア・ギア〈2〉 1989/08
ガイア・ギア〈3〉 1990/08
ガイア・ギア〈4〉 1992/01
ガイア・ギア〈5〉 1992/03

シーマ・シーマ〈前篇〉疾風の果てに 1988/12
シーマ・シーマ〈中篇〉修羅に昇る 1989/05
シーマ・シーマ〈後篇〉血族を払う 1989/09

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈上〉 1989/02
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈中〉 1990/03
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈下〉 1990/04

機動戦士ガンダムF91―クロスボーン・バンガード〈上〉 1991/01
機動戦士ガンダムF91―クロスボーン・バンガード〈下〉 1991/02

富野著書 - だからtominoは・・・



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Zガンダム小説2巻読了

2009/06/12 21:42|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
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 富野のアニメと同タイトルの小説はかなりありますが、実際の内容を読みますと、ほとんど独自の展開がなされて、アニメと違うものとなっていた感触があります。
 しかし、この『Zガンダム』の小説はアニメを小説で展開する節があります。そこらへんの状況は、全巻を読んでから話をしたいけど、とりあえずZ小説の持っているこの「業務処理」的な性格を忘れていては、この小説を語ることができません。
 もちろん、「業務処理」ったって、かなり複合的なものですから、別に良いか悪いかの話じゃなくて、富野のほかの小説とやや異なるに過ぎないこと。


小説の進む具合に相当するアニメ話数

第1巻:1話「黒いガンダム」 ― 5話「父と子と…」
第2巻:6話「地球圏へ」 ― 15話「カツの出撃」半分

 最後は50話までたどり着かなければいけませんので、おそらく3巻以降はもっと急ペースで進むだろうと予想します。


 しかし、この小説のカミーユはやや空気ですし、クワトロ大尉もクワトロ大尉じゃなくて思いっきりシャアですもんな…やはりアニメのほうが正解かも。


走れメロス

2009/06/12 01:54|日常話TRACKBACK:0COMMENT:0
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 よく青空文庫でものを読んでいるが、今夜はまた青空で読みふける。


 そんなか、いつも気になるのが、太宰治の『走れメロス』である。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此(こ)のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿(はなむこ)として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈(はず)だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺(ろうや)に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「王様は、人を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣(よつぎ)を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
 聞いて、メロスは激怒した。「呆(あき)れた王だ。生かして置けぬ。」

 この話は自分にとって大好きな一作だが、一番気になるのは、物語にはありません。冒頭の一文にある。

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。

 この一文は、まことに奇妙である。全体を支配するものとして作用していて、一文だけで読む人を魅せる、もっとも素晴らしい部分だと思う。
 話を読めば分かると思うが、実際メロスが激怒したのは、市場で老爺の話を聞いた後のことだが、あえて話の語り口で出さないで、かえってこの力強い言葉を一番最初に打ち出した。これは、ひょっとしたらこの小説が傑作といわれる所為かもしれません。
 まあ、外国人の意見なんて当てにならないかもしれませんが、数年前、自分の精神が一番弱かった時、この小説を最初に読んだときは、本当に文字通り涙が出ちゃうほど感動した。


Zガンダム小説再読

2009/06/10 23:02|未分類TRACKBACK:0COMMENT:0
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 再読といっても、前回は10年くらい前正体中文(台湾で使ってるヤツ)で翻訳されたものを読んだから、今回は実質的な第1回。

 で、今は2巻途中だが、いろいろ新しい発見をした。良いところもあれば、悪いところもある。いや、悪いといっても実はそんなに悪いところでもなく、ただ富野が小説を書いてるときのいくつかの欠点を発見しただけのこと。もちろん、それらは富野本人も気付いてるらしく、これ以降の小説は明確にこれらの欠点を改善する性格が見られている。それが個人にとって非常に嬉しいことである。
 常に進歩する作家。それが富野由悠季。

 で、近い将来はもっと詳しい感想を書きたいが、とりあえず今富野由悠季作品系譜にもう一つの関連性を追加できるようだ。

富野由悠季作品系譜Ver.0.1

Zガンダム小説→ベルチル

 なぜならば、やはりZガンダムの小説はアニメと比べて明確に「家族」という要素を強化していた。そこが、まさに『逆襲のシャア』の原型・第1稿の『ベルトーチカ・チルドレン』と繋がっている。ですから、ただの思いつきだが、もしかしたら富野のガンダム小説の本当の原型はこの『Zガンダム』の小説にあるかもしれません。


富野の電撃武器観って一体?

2009/06/09 23:34|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
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 いつも思うのだが、ガンダム作品というより富野作品だが、なぜか電撃攻撃は概ねとても強力な武器扱いされてるのだろうか。閃くのは難しい。防御不能。しかも操縦者に直撃。初見じゃ主人公側はほとんど対応不能。なんというか、もはや反則武器ほど脅威なものだよな。

 ガンダム以後だけに限っても、これだけがある:

『ガンダム』 → グフのヒートロッド
『イデオン』 → ゼロ・ズロオなどの電撃ワイヤー
『Zガンダム』 → ハンブラビの海へび
『逆襲のシャア』 → ギラ・ドーガの捕獲用ワイヤー
『Vガンダム』 → ゾロアットなどのビームストリンクス
『ブレンパワード』 → シラー・グランチャーのスタンバー
『∀ガンダム』 → ヴァッドのジョイントバスター(これはあまり強力ではないが)、ターンXのジョセフ捕獲状態
『キングゲイナー』 → バンサーのBB(珍しく味方用)、アンダーゴレームの二重アンダースティック電撃、プラネッタの鞭

 なんか富野はこういうところには、変なこだわりがあるよな……謎。

シャア専用ブログさん復活

2009/06/09 00:50|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:0
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 今更気付いてるわけですが、かつて2003年9月から2007年1月まで、ほぼ毎日間断なしに富野由悠季監督とガンダム情報を送り続けてきた、あのシャア専用ブログ氏が帰ってきた。

シャア専用ブログ@アクシズ

 また復活してから1ヶ月弱ですが、記事を拝見させていただいては、どうやら07年以降の情報データベースから再構築したようです。またご存知でない方も多いかもしれませんから、ここでこの朗報を皆さんにお知らせします。


海外から見たメディア芸術総合センターとアニメ議題 その2

2009/06/07 02:52|未分類TRACKBACK:0COMMENT:2
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 昨日の話に引き続き、またメディア芸術総合センターとアニメの話。


 いろいろな議論がありますが、結局ここが扱うものは、いわゆる「メディア芸術」といわれている代物です。メディア芸術はなんでしょう、と疑問を持ってる人もかなりいるかもしれませんけど、東京大学の浜野保樹氏によると、「デジタルの技術を使うことによって可能になる新しい表現、複製ができて安い価格で提供される自己表現」といったものの総称が、この「メディア芸術」だそうです。
 定義はともかく、アニメもまさしくこのメディア芸術に属しているに違いないだろう。性質でいえば、アニメは映画に似ていますが、その映画も広義的メディア芸術ですから、アニメももちろんそう。

 しかし、個人にとって一番違和感を持ってる部分は、「メディア芸術」って、一体何を持って「芸術」というのでしょうか? 日本でいえば、映画でさえその芸術という言い方に相応しい系譜やら研究やらシステムやら構築されていないのに、もっと歴史が浅いアニメはいきなり芸術と奉られてるが、果たしてそのアニメという芸術を迎える準備ができたかどうかは、非常に疑わしいことです。

 アメリカの映画界を見よう。映画協会は政府から金を貰ってるのは、主に以下の三つの目的があります:人材の育成、アーカイブ作成、そしてレコグニション。
 長期的に見れば、メディア芸術総合センターもこの路線に進みたいのに違いないのですが、それが一朝一夕でできることではありません。なぜなら、アメリカの映画界と日本のアニメ界には一つ決定的違いがあります。それが、人材の厚さはまったく違います。そして、上で挙げた三つの項目は、実をいつとどれも人材とかけ離れないものなんです。
 映画史の説明はご勘弁ですが、とにかく今アメリカ映画の産学連携は凄まじいものです。現場だけ重視する日本映画・アニメと違って、学校面においての教育・研究 といえるほど映画産業全体と密着している。作家や作品研究などはもちろん、当然、技術方面もまったく抜け目がありません。たとえば、CGという一項目だけとっても、大学院で発表されてる研究論文は数千部あります。それが、アメリカ映画産業を底から支える根源の一つです(ついでに言いますと、韓国もまさに今これを進んでいます)。
 もちろん宣伝やスターなどもハリウッドを語る上に外せない部分ですが、研究面でも、いろんな切り口で「映画」というものを知り尽くせようとしている。これがアメリカが成功する鍵です。当然、だからといってハリウッドがすべて良いというわけではなく、ハリウッドはハリウッドで袋小路に陥ってる部分がありますが、この部分おいては、世界最先端の座を占めてるといっても良い。

 この部分、日本は当然アメリカをまんまコピーする必要がありません。しかし、これは成功してる確実な範として存在しているわけです。学べる部分は、たくさんあるはずです。

 しかし、このようなものは一切語らず、単に建設物のことしか語らないのは、片手落ちという感じが非常に強いです。
 当然、最近政治も関わってるからそうなってるのも承知してますけど、せめて学者を含めての有識人たちはどっちも流されずに、言うべきものをきちんと言い、誰も見つからない盲点を学術面から民衆に呼びかけてほしい。学者さんの空気読めない精神は、このためにあるものですから


 なので、ともかく、アニメは今の時点においては、また芸術と呼ばれるほどの下地が整っていませんと思います。浮世絵は芸術だから、漫画・アニメも芸術というわけわからんことを言っては困ります。海外に認められてから、日本に再ブレイクするパターンが似てるから同じという言い方は信じられないけど、そういう役人や学者、それから一部の世論も、本当にこのようなことを言いました。

 そもそも、現状では、なにが芸術作品、そしてなにが芸術作品じゃないと客観的に見分ける人います? それが個人が一番疑わしいところです。
 アニメも漫画も、あくまで表現媒体の一種なんですから、正確にいいますと、「アニメは芸術、漫画は芸術」ではなく、「一部のアニメ作品は芸術、一部の漫画作品は芸術」であるはずです。となれば、何が表現を保存すべきところまで高めた作品なのか、何がそういう価値がないモノなにか、そういう基準は作って欲しい。
 別に芸術を鑑定するための高尚な言い方ではなく、現実問題として、それら全てを保存・管理するのは現状だけ見ても無理ですし、長期を見ればもっと無理です。デジタル化すれば保存がきくという言い方もありますが、それが今の規模を見れば不経済に極まりない。となれば、選別も必要となるわけです。

 しかし、日本には、本当のアニメを選別できる権威が存在しているんだろうか? 映画なら、それをやってる人はまだいますが、アニメは上の言ってたとおり、技術面においても評論面においても、学問化した価値判断は、未だに皆無といっていいだろう


メディア芸術総合センターについて、青木保文化庁長官と浜野保樹東京大学教授が語る。(5/14)


 これは、文化庁長官の青木保氏と東京大学教授の浜野保樹氏の対談ですが、自分が一番問題を見出してるのは、まさにこの対談の一段です:

青木
メディア芸術についての今後の展望はいかがでしょうか。

浜野
私は、日本人の表現をできるだけ海外に紹介していきたいとも思っています。黒沢明監督は、日本人の持つヒューマニティや正義感を映画により海外に紹介し、海外における日本の評価を大いに高めた人です。黒沢監督の後、それに代わる人として、私は宮崎駿さんや大友克洋さん、押井守さんの作品に感動して、彼らの作品が出るたびに交流のある海外の著名な監督に送り付け続けました。字幕もないのですが、おもしろいおもしろいと。それが映像の力なんですね。

 こういうアニメの見方こそ、アニメを狭くするものだと私が思います。

 そもそも、「字幕もない」というのは、見てる人は内容が分からないことを意味することです。内容も分からないのに、「おもしろい」と思うのは、ある意味褒めてるとも取れますが、本質的でいえば、どこかおかしいと思いませんか? なぜなら、それはただスゴイ映像を見てることではないか。
 目に見える映像の力。それはもちろん否定しません。しかし、フィルムは映像だけで作られたものではありません。映像だけに注目するのは、偏る見方ですし、全貌を知ることもできません。このような基準を持てる人は、アニメの本質を分かることができませんし、映像以外の訴求力を持ってる作品を評価することもできません

私は宮崎駿さんや大友克洋さん、押井守さんの作品に感動して、彼らの作品が出るたびに交流のある海外の著名な監督に送り付け続けました。字幕もないのですが、おもしろいおもしろいと。それが映像の力なんですね。

 作品にどんな感想を持つのはもちろん個人の自由ですが、迂闊にそういうことを言い出した人は、しょせんアニメに理解を示してるとは言いがたい。そうなれば、このメディア芸術戦略を主導する学者さんでさえ、ルックスでアニメを見るだけじゃないのでしょうか。


 そういうルックスでアニメを見るところを含めて、アニメの商業性と作品性をうまく解決する方法論は、未だに見つからないと感じてます。
 一口アニメといっても、さまざまな形態のアニメが存在しているのです。そのなかでも、テレビアニメとアニメ映画は未だに最主流の二つであることは、いうまでもないはずです。しかし、テレビアニメとアニメ映画の制作方式の違いによる作品全体のいろいろな差異は理解されておらず、未だに「アニメ」というカテゴリのなかで語られません。
 そうなれば、映画の全体的仕上げは比較的高いですので、評価されやすい、注目されやすいのも、ある意味道理です。それはいけないとは言えません。しかし、その「評価されやすい、注目されやすい」はテレビアニメ分野の演出家、作品の評価に影響を与えたというと、残念ながらあります。
 また、仕上げについてはそうですが、商業性についても同じです。テレビアニメはアニメ映画と比べて商品としてのルックスがより一層強いので、これがまた評価の仕方を影響し続けます。
 なんとなくテレビアニメとアニメ映画を一緒に語るのと、その差異をきちんと認知した上で語る「アニメ」というジャンルというのは、まったく違うものです

 たとえば、富野由悠季の作品を褒めることは、ほとんどイコール・サンライズ(&バンダイ)作品を褒めることに関しては、当然のことである。富野の作品はほとんどサンライズで作られたから。
 それで、もし国は今「ガンダムは日本アニメの誇るべきアニメ」だと言ったら、民衆はどう反応するのでしょうか? たぶん、多くの人は忸怩と思うのだろう。国家が保証人になって、一企業を「推奨」するのは、どうもおかしいと思ってますから。
 しかし、それは富野由悠季という日本のアニメ界においてその影響力が宮崎駿に勝るとも劣らない人を評価しない理由になるんでしょうか? 答えは、もちろんノーのはずです。しかし、ロボットアニメがほとんどのために、商業性が強すぎるために(しかも、今バンダイは依然にそれで商売をしているならなおさら)、それを理由として、多くの人は目を逸らし、あるいは躊躇してます。

 逆に、上の浜野教授みたい手放しで絶賛される監督とその作った作品もいます。なぜなら、作家本人はともかく、彼らが作っているアニメ映画はいかにも「作品性」が満ちているからです。ルックスだけ見れば、いかにも高尚な格式が整っているからです。それが、最終的アニメの良さ悪さを決定するものではないけれど、画が素敵だから褒めるのにあまり抵抗がないと済みます。
 しかし、これら作品の背後には、ガンダムとサンライズ・バンダイの関係と同じく、ビジネスと利権が絡んでます。これらを芸術と奉るのは、ガンダムを推奨するのと同じく特定の企業に宣伝するような行為なのに、政府・有識者たちを含めて多くの人はそれを企業の宣伝戦略とも知らずに、平気でそんなことを言い出してる。そのへんは一番矛盾なところだと感じます。

 なぜなら、一つの商業アニメ作品が成立するには、金出す人が必要です。これは、テレビアニメもアニメ映画も問わずにそうです。富野由悠季作品だろうと宮崎駿作品だろうと押井守作品だろうと、皆同じです。なので、これらは「アニメ作品」においては、同質なものであるはずです。同質であるはずです。一般大衆なら色んな世論に影響されるのも仕方アリマセンけど、国という大船の舵を切ってる人間が、きちんと方向を見定めるべきです。なんとなく世論に流されてるままで、国家事業を進むのはおこがましいことだと思りませんか?
 これでは、「日本アニメ」の本質を見誤ることになります。ここでいう「日本アニメ」について、杉井ギサブロー監督のテレビアニメ観を一度読んでください。これを理解しないでは、日本アニメを語れません。

 そういう状態でのメディア芸術戦略は、ミーハーですし、片手落ちでもあります。このメディア芸術総合センターに巡る議論のなか、「建設物ありきではなく、中身ありきですべき」という意見は、ここで言ってた話と共通するんです。もっと実のある内容を出してないと、せっかく意欲のプランも霞むと思います。
 国営漫画喫茶というレッテル貼りと戦うより大事なのは、まさにそこなんじゃないでしょうか。そのような声を黙らすには、異議に対する反論を挙げつつ、さらにその一段上に行くのが、どんな雄弁にも勝るものだと私が信じてます。


海外から見たメディア芸術総合センターとアニメ議題 その1

2009/06/06 17:19|未分類TRACKBACK:0COMMENT:0
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 少し前から日本のニュースなどでもちょくちょく見られる話題なので、まったく気付いてないはずがありません。当然、自分なりの考えも多少あります。
 で、先日6/4の「メディア芸術総合センターを考える会」には元々富野由悠季監督も参加予定だったが、結局多忙のため欠席したという話なので、少しだけ自分の意見を述べさせてください。
 なお、「王様の耳はロバの耳」というブログには非常丁寧な議事内容のレポートが掲載されておりますので、未読な方に先に懇談会の内容を読むのをオススメします。


 実を言うと、そのような建設が必要かどうかの話ではないと思います。なぜなら必要に決まっているからです。コンテンツという言葉は富野監督のおっしゃる通り、非常にあやしい言葉ですが、いま世界に流通しつつある言葉なので、別に使って行けないとは言いません。それところが、今世界どの国も国を挙げて尽力しているものなので、実をいうとメディアセンターを含めての全体的計画は、産業的にも国家戦略的にも、いずれ必須な動きだと思います。
 それをいまさら必要か必要ないかと未だに意見が集まらないのは、さすがにちょっと短視といわざるを得ません。

 海外に住んでる私からみれば、日本政府の海外向け文化戦略は、はっきりいって、申しわけございませんけど、猿みたいド下手なものしか感じずにいられません。なのに、日本の文化(この場合、アニメ・漫画も含めて)が、ここまで海外に浸透してきたのは、ひとえ日本文化が豊かすぎるからです。その文化の深さは味わえば味わうほど興味深いものなので、現時点だけ限っても、世界中にはすでにかなり数のジャパン・マニアやらジャパン・フィーバーが存在しています。彼ら接触している日本コンテンツのなか、その多くは自力で少しずつ摸索して獲得できたもので、間違っても日本政府の文化戦略に影響されるからではありません。

 当然、コンテンツといういかにも胡散臭い言葉を疑う理由も承知しています。あのようなものは果たして国家に利益をもたらせるかどうか。このような疑問は、おそらく今一番大きいと思います。ああいうものが芸術であるわけがない。ああいうもののため税金を使うのはもったいない。こういった異議ももっとものことだと思います。見返りがないと、アニメ・漫画・ゲームなどなど如きに金を使う理由がありません。投資とまったく同じことです。政府の無作為のお気楽に、国民が付き合うほど余裕も暇もありません。

 しかし、いつか国家全体の資産になれるソフトパワーに対して、「保存、整理→研究、展示→色んな形での再利用」という過程は、長期見れば有益ですし、どの道いずれやらなければいけないことですから、海外が日本アニメの高い認知度(実際金に転換できる部分は果たしてどこまであるのかという話はこの際おいといて)が追い風になってる今こそ、踏み切ってこれをやろうではないでしょうか。理屈ですが、実際それほど金をかかってないものですから、ほかの政府予算を喰うほどご大層なものではないと思います。
 もちろん、ソフトパワーの管理・運営というのは、たかが一軒のメディアセンターよりずっと大きな課題なので、解決すべき問題は山積みですが、それでも、メディア芸術総合センターはその先駆けたるものという話に対しては、私は両手を挙げて同意したいです


 ただし、これはあくまですべての課題が解決済みの状態での話、もしそれらの課題を乗り越えないままで、迂闊にそのようなものを運営開始させたのなら、最終的に失敗に終わるのがオチです。もしそうだったら、私はハッキリといらないといいます。もし、今のままならば。


 それと、ハッキリ言いますと、一つの建設にそれほどの期待を抱いてる人たちは、全部おかしいです。
 前の言ったとおり、それはもっと全体的な計画から地ならしでやらなければいけないことなのに、たかが一つの建物に対して、文化施設を作るわ、日本の文化を守るわ、海外へ発信するわ、産業を救うわ、著作権を保護するわ、国家の利益を確保するわ…などなどって、頭おかしいじゃないの?
 それなのに、今は役人、学者さんたちを含めて、誰一人も建設立った後のことを考えようとしない、語ろうとしない。まるで一つの箱を建てば、そこがハッピーエンドが待っているといわんばかりな態度に、自分はかなり違和感を持ってます。
 もちろん、物事には順序ってものがある。しかし、もっと遠大で地に足ついた計画がなければ、信憑性もあるはずがありません。信憑性がなければ、人を説得できませんし、物事も上手く運ぶわけがありません。それができませんのなら、作るべきはありません。
 それに比べれば、アニメーター神村幸子氏の話のほうが、よっぽと建設的です。ミクロな話ですけど、理想論でなく、楽観論でなく、ただただ基層で感じたことを明確に伝えてきた。


 そういう部分から見れば、富野由悠季監督の不参加はこの懇談会にとっては実に痛かった。この人は、決してイェスマンになろうとしないからだ。このような議題は一番あっていけないのは、政府の思ったとおりの予定調和ですから。しかし、それが。もし、富野監督がその場にいたら、話ももっと違うはずだろう。
 と、同時に、アニメ業界の狭さも感じた。

 上の「王様の耳はロバの耳」さんのレポートを読めば分かると思いますが、産業の現状や未来やら国家戦略やら海外発信やらを論じてたが、そのような声は一度でもアニメ関係者の口から出したことありますか? 部分部分的はあるかもしれませんけど、全体的かつ総論的にこのような言論を出すアニメ業界人ってのは、未だに見たことありません。
 生活難と自転車操業でそんな話をする場合じゃないと反論はあるかもしれませんけど、確かにそう。しかし、業界のなかではそんなような話をできる一人もいませんということについては、本当に一度も疑うこともありませんか?
 となると、言いたいことが分かるはずです。アニメ業界は、少なくこの議題では学界よりも漫画界よりも芸術界よりも美術界よりも、遥かに閉鎖的な態度を感じられるのです。

 現に、富野監督が欠席したとしても、急遽とはいえ、富野の代りに出席できるアニメ関係者一人もいません。
 業界の顔としてアニメ界を代表できる人。もっと大きいスケールで物事を考える人。この二つの条件は、富野由悠季ならクリアしてますが、ほかのアニメ人は?
 いつまでも宮崎駿・押井守・大友克洋らを持ち上げるわりに、いざとなったら、一度もこの人たちをこのような会議に呼ばすことないし、彼らもほとんどこのような会議を参加しない。巨匠と持て囃す人たちと、巨匠と持て囃される人たちのこの矛盾さを見て、両方とも問題があると感じます(もちろん、このような言い方はかなり武断で、一口アニメ界だからって皆一丸となるわけでもないけど、それでも他の業界と比べたら、アニメ業界がいかに他のと異なるのは伺えます)。
 これが、アニメ業界が今回の課題で取ってる態度です。苦しい苦しいと皆口を揃っていいながらも、誰も実際の行動が見られません。アニメの重鎮と言われている人たちを含めて。
 これがおそらく、アニメ業界は不健全といわれる一番の原因かもしれません。

▽続きを読む▽

日常のたわごと

2009/06/04 22:56|日常話TRACKBACK:0COMMENT:0
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1.大富野展に行けない代わりに、先週100円でGAZOスペシャルを確保した。富野インタビュー目当てだが、ほかの記事も意外と読み応えがあって、大満足だった。
 数多く記事のなか、一番光ってるのは、やはり氷川竜介氏と藤津亮太氏の記事だった。質も論点もほかのライターより明らかに上手い。これには、正直ちょっと驚いた。というのも最近のアニメ誌を読む限り、氷川氏も藤津氏もどんな文章を書いても、宣伝ありきと見透かされるものばかりだったのだ。生活のためとはいえ、正直あれで満足できるほど読者は甘くないのだ。
 当然、このGAZOスペシャルの『∀ガンダム』記事もそんな一面がある。しかし、全篇内容の充実ぶりと文章組み立ての丁寧さは、商品への擁護をまるで感じさせない真摯さを作ってくれて、読んででこっちまで満たされるような気持ち良ささえ感じる。そんな感じはかつて両氏の文章のなかには、あった。
 正直両氏の最近の文章に対してちょっと諦めかけたが、この本の記事を読んで、また少しだけ期待できるようになってた。氷川氏にも藤津氏にも、ぜひもっと良質な文章を書いてほしい。

 まあ、もちろん作品は∀レベルじゃなくて、本当にどうしょうもないものでしたら、どう頑張っても提灯記事しかなれないもんな…。


2.昔、こんなこと聞いたことあります。「(90年代以後の)アニメをここまで広げたのは、バラエティ手法と感覚の導入のおかげだ」。なるほど、確かにそういうのは今でも多いよな。
 一方、こんなことも聞いた。「テレビを誰も見なくなった原因は、劣質なバラエティの氾濫のせいだ」。なるほど、それも確かに感じてるよな。
 じゃあ、今のアニメは?

 というようなことは、最近考えてることだ。


3.最近、外山滋比古氏の本『日本語の論理』『日本語の素顔』『思考の整理学』などを読んでいる。面白いなー。正直、書かれている内容の半分は大したことじゃないと思う。でも、逆にいうと、半分は自分にとって考えさせるようなことなので、ページを巡るごとに「へー」「ほうー」「おー」の連続だった。
 また、それ以外の発見もある。

福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その1

 このように、外山氏の本を読んでで気付いたのは、自分が↑の記事を言おうとしてることは、すべて『日本語の素顔』に書かれている。軽妙な文章をいかに構築して読者を魅せるのか、外山氏に通じて、もう一度確認した。これは非常に嬉しい。


4.昨日、グインサーガの第1話を見た。正直、全然ワクワクさせない出来だった。ちなみに原作はまったく読んでない人間だった、自分は。

 監督は作画上がりだが、この1話もまさに絵だけだった。話の段取りも場面としての絵も作ってないし、人物も背景も話も、全体は非常に狭いと感じる。画(え)は綺麗といえば綺麗だが、部分的は面白いところはあっても、トータルで見ると、やはり面白くない。
 展開によって、これから面白くなるかもしれませんけど、なんというか、続きを期待させるような導入だったよ。

 それにしても、つくづく思ってるのは、若林監督には『映像の原則』を読んで欲しいな。そうすれば、ファンタジーはコスプレじゃないってこともきっと分かるはずです。


5.王建民復活♥♥ 今日レンジャーズに負けたせいか、コーチ団からは、ワンちゃんの突然のスタート起用が来た。嬉しいよ♥♥ 今ワンちゃんのmax球速は95マイル近いだし、シンカーは前の登板を見るかぎり非常に鋭いので、これについてもう心配ない。

Wang hopes to reward Yankees' faith

 とはいえ、スライダーとチェンジアップは未だに全然ダメそうなので、やはりやや心配もしている。この一戦でヤンキース高層の信頼を勝ち取ってくれればいいのだが、もしこのシーズンの前3戦みたいな大大大炎上でしたら……ああ怖い。

 とにかく、試合は日本時間6月5日2:05でスタートするから、今晩は徹夜決定。頑張れ頑張れ!


6.今日はあの悲劇から経って、ちょうど20年目だった日。あのような悲劇は決して忘れてはいけないし、あのようなことを発生させるようなことも決して二度とあってならない。そして、自由を求める尊い意志は、これからも受け継がれ続けるこそ、亡くなった方たちにとって最上の慰めであろう。


富野由悠季の小説

2009/06/03 23:57|未分類TRACKBACK:0COMMENT:0
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 全作品制覇した今こそ、富野小説に対する感想をもう一度整理したい。

富野小説のオススメ(1)
富野小説のオススメ(2)
富野小説のオススメ(3)
富野小説のオススメ(4)

 結構前では勢いで、ついにこんな記事を書いてしまったのだが、今恐る恐ると読み返したら、意外に今の考えとは大して違わないな。この一年間富野作品に対する考えはいろいろ変えてるのにな。

 ともあれ、『シーマ・シーマ』も『ガイア・ギア』も読んだ今では、ちょっと↓を軸に、

富野由悠季作品系譜Ver.0.1

自分なりに富野の小説が富野作品の系譜における地位を語ってみたいものですね。


アニメージュ99年12月号富野由悠季監督『∀ガンダム』インタビュー その2

2009/06/02 19:06|富野由悠季関連TRACKBACK:0COMMENT:0
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関連記事
月刊アニメージュ1999年12月号富野由悠季および『∀ガンダム』関連記事

 これの続きです。

X そして未知の領域へ
富野由悠季監督interview.2

ついに姿を見せた新メカ「ターンX」。宇宙へと舞台を移した∀の物語は今後いったいどこに向かっていくのか。
ロランたちキャラクターはこれからどんな運命に立ち会うことになるのか。そして∀とXの関係は――? 富野監督に伺った。

僕が死ぬまで考えるべきことが∀に含まれている

――AMは以前の特集で「美しい剣」という言葉に「ロラン」とルビをふりました。今回の特集でも、そこに注目してみたのですが。

富野 そうとも言えないでしょう。でも、ロランとふるのが間違いか、というとそうとも言い切れない。むしろ最終回までの全体像が見えてきた今の段階では、そのルビには誰の名前が入ってもいい、そういうふうに思っています。今回は「ファーストガンダム」以上に群像劇であることを意識しました。だから、ロランは――アムロもヒーローらしくないキャラではあったけれど、それ以上に――ヒーローらしくないキャラになりました。ただ、影が薄いということではありません。今回は人物の配置がうまくいったのか、例えばキエルとかディアナの話をしていても、それがロランの内面を描いていることになったり、その逆もありえるようになりました。扇の要のように一人の主人公がいるのではなく、登場人物がそれぞれの主観で見たときにはまた別の人間関係が見えている、という作りの物語になっているからです。

――それは狙いだったのでしょうか。

富野 いえ、結果的にです。ただ「かぐや姫」ばどの古い物語の原理原則みたいなところを入れたら、ちゃんと人物が絡むようになってきたんです。何百年も経過した古い物語は、特徴的なシンボルの部分しか伝わっていないけれど、その周囲や、人の係わり合いというものを、ものすごく深く想定していたということがわかりました。今回、そういうものをガイドラインにしたのは間違っていなかったと思います。

――どうしてガンダムに「おとぎ話」だったのでしょうか?

富野 100年、200年と語り継がれた物語というのは、書かれていること以上の意味性があるから、長い年月読まれているんですよ。「グリム童話」で例でいえば、ただ赤ずきんちゃんがオオカミに食べられちゃうだけの話だったら、残るわけないんだもの。語られるべきものがきちんと中にあったから、今、再生しているわけです。
 その例でいえば、「ガンダム」はそもそも、モビルスーツのガンダムについての物語じゃないんです。「ファースト」は明らかにそうではなかった。なのにこの20年間はモビルスーツの話しか作ってこなかったんです。そうして成立した「ガンダム」というジャンル、アニメというジャンルから脱出して、物語というものを作品にもう一度注入しないとガンダム自体がなくうなってしまうという予感がしたんです。だから今回は、「ターンエー」――引っ繰り返しで、もとに戻ろうと思ったんです。それだけに最初の物語案を見て、安田(朗、キャラクターデザイン)君が、「最近『ガンダム』を見ていて足りないと感じていた部分を本当に見せてくれそうなんで、本気になります」と言ってくれたのはすごく嬉しかった。
 僕自身がこの物語の主導を全部握っているとは言いません。それはベースをおとぎ話から借りていることもあるし、キャストを含めたスタッフの参加によって、見えてきた人物像もあります。一人の作家の中にあるストーリーラインというのはかなりつまらないものなんだということを、僕自身が思い知らされています。だけどおとぎ話を取り入れることで、ようやく「ファーストガンダム」以上に創作することができるかもしれない、と教えられるようになりました。

――『∀』の画面から伝える人間臭い印象は、安田さんのキャラによる部分も大きいと思います。

富野 ビデオのジャケット絵ができたときは、息を飲みました。原画はとても大きいんです。ポスター絵を見て、あんなに興奮したことはなかったですね。なおかつ、ちゃんとガンダムまで描いてある。あれには驚きました。実は彼が他人(シド・ミード氏)のデザインしたものを描いてくれるとは思っていなかったからです。そこで、もう一つ、セルの一枚絵で安田君に負けない描き方というのは何だというのを考えながらレイアウトしたポスターも販促用に作ってもらいました。

――新しいメカ、ターンXもじきに登場し、物語は今後、どのような方向に向かっていくのでしょうか。

富野 まず、ターンXですが、単純に敵対するものとして置いてしまったらパターンになってしまうでしょう。だから、ターンXは∀そのものではないが、イコールではないかとしておいて、∀がXから逃げるという構図で物語を組もうとしているところです。
 物語の方向性について、明確な規範がなくなって不安ばかり昴じているのが現状ですが、一人の人間とか、制作集団の考え方だけを持ってきても、視聴者の共感は得られないでしょう。だから、物語のなかで、あまりどうこうしろという僕の主義を示さないほうがいいと考えています。不安は不安のまま置いておいて、確固たるものを一つだけ見つけましょうということをテーマにしたいんです。自分がつらければ、少し静かにして元気になるまで待つとか、体にいいことだけをしましょうよ、という最低限のところにお話を落とす必要を感じているんです。
 今回のエンディングについて少しだけ言うと、ラストのアイデアは安田君にも認めてもらったし、菅野よう子さん(音楽)にも認めてもらったんです。あの二人の天才かもしれない人に認めてもらうようなラストを思いついたので、それならいいだろうなと思っています。
 『∀』は、とにかく僕が死ぬまで考えなくてはならないことを含有している物語だと思っていますから、∀ワールドの物語というのはこれ以降もあってもいいんじゃないか、と今は感じています。


*『∀』という作品を象徴するポスター
1:安田朗さんが描いた『∀』ビデオ・LD第1巻ジャケット用のイラスト。油絵による重厚なタッチ。サイズには一辺1.5mはあおうかという大きなサイズだという。「みんなで絵を見ながらいろいろ考えてうなりました。CDジャケットのキエルとディアナもかなり大きい絵です」(富野)

2:富野監督が自ら絵柄を考え、菱沼義仁さん、重田敦司さんが手がけたという宣伝ポスター(ビデオ・LDはバンダイビジュアルより発売)。
「『∀』という作品の面白さは、このイラストに描かれたようなものなんですよ。その辺をもっと画面に出したいと思っています」(富野)


大富野展…とでもいうのか!?

2009/06/01 15:50|富野情報TRACKBACK:0COMMENT:8
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 昨日、こんなニュースを見た。

富野由悠季特集コーナー「大富野展」開催中! レアアイテムのオークションも

まんだらけコンプレックスが富野由悠季氏の特集コーナー「大富野展」を実施している。

 な…に!? 大富野展とでもいうのか!?

富野由悠季氏は、ガンダムの生みの親としてあまりにも有名なアニメ監督。ファーストガンダムをはじめとするガンダムシリーズ、過激な黒富野作品「伝説巨神イデオン」、「聖戦士ダンバイン」に代表されるバイストン・ウェル関連作品、リハビリ作「ブレンパワード」、牧歌的な白富野作品「∀ガンダム」、ぶっ飛びまくりの「OVERMANキングゲイナー」など独特のアニメーションを手掛けており、ファンには「富野御大」と慕われている。また、イベントなどでの変態的トークや矛盾したコメントを展開することなどでも知られている。

 紹介はちょっとアレですが、基本的は間違いっていません…かも。

今回、まんだらけコンプレックスの1階ショーケースで始まった「大富野展」は、富野由悠季氏関連作品のアイテムを展示/販売するコーナー。映像/音楽作品や著書をはじめ、玩具類などが並べられている。また、富野氏本人のサイン色紙、スタッフとの寄せ書き色紙、安彦良和氏の「ガンダム」リトグラフ、F91のシルクスクリーン、シド・ミード氏のターンX版画などのレアアイテムも展示されており、オークションとして入札を受け付けている。

 富野本人と関係ないものも混ざってるが、まあいいだろう。

 最後に、こんな一文が。

大富野教信者やガノタを自称する人は足を運んでみるとよいだろう。


 うん、この挑発は、富野ファンを自称してる小生へ挑戦状と見た! これはぜひ行かざるを得ないじゃないか。
 …と、言いたいもんだが、生憎、6月はこっちの学校日程でいうとちょうど学期末ですから、どうしても離れない状況でして、行きたいのは山々ですが、どうしてもいけそうもないようなので……うう、血涙。

 実際、写真のなかの商品を拝見した限り、どれもオレに対して「なんだ、このプレッシャーは!?」ばかりな逸品だから、普段あまり物欲に駆使されてないオレも思わずロランみたい雄たけびしたいものだ。
 上の記事だけじゃちょっと物足りないかもしれませんので、まんだらけの今回の担任者(らしい)平嶋さんのコーナーを見てみよう。5篇にもわたる第53回です。

まんだらけ コンプレックス ガン中 平嶋の一年戦争

ガン中 平嶋の一年戦争 第53回 コンプレックス 1F【5/30(土)~6/5(金)】祝ガンダム30周年!富野由悠季監督の偉業を振り返ろう。
サインなどオークションモノの紹介。ガンダム20周年ものに集中したため、ターンエーガンダムものが多いらしい。

ガン中 平嶋の一年戦争 第53回 コンプレックス 1F【5/30(土)~6/5(金)】祝ガンダム30周年!富野由悠季監督の偉業を振り返ろう。(その2)
ガイア・ギアものの紹介。「ガイアギア全初版帯付セット+雑誌3冊(Hobby JAPAN 91年2~4月号に載っている「GAIA・GEAR2D&3DFILE」)+冊子(「VIEW OF THE MAN MACHINES」)のセット」という自画自賛は伊達じゃない。また、連載分ガイア・ギアセットも検討中とのこと。

ガン中 平嶋の一年戦争 第53回 コンプレックス 1F【5/30(土)~6/5(金)】祝ガンダム30周年!富野由悠季監督の偉業を振り返ろう。(その3)
小説やら書籍やら。『シーマ・シーマ』、『ガーゼィの翼』(ファミ通版、アスペクト版)、『リーンの翼』(全緑帯!)、『ブレンパワード』、『破嵐万丈シリーズ』、『アベニールをさがして』、『∀ガンダム3Dブック』、『ブレンパワード スパイラルブック』(!)、『ミードガンダム』(!!)など逸品揃い。

ガン中 平嶋の一年戦争 第53回 コンプレックス 1F【5/30(土)~6/5(金)】祝ガンダム30周年!富野由悠季監督の偉業を振り返ろう。(その4)
NT2002年9月号~2003年2月『キングゲイナー』連載小説分セット。今回自分唯一持ってるセット。

ガン中 平嶋の一年戦争 第53回 コンプレックス 1F【5/30(土)~6/5(金)】祝ガンダム30周年!富野由悠季監督の偉業を振り返ろう。(その5)
最後はショーケースの紹介。せっかくなので、2枚目の写真の商品をできるだけリスト化した。

Bクラブ オーラバトラーズ1
Bクラブ オーラバトラーズ2
ダンバイン ロマンアルバム
ムック バイストン・ウェル物語 聖戦士ダンバイン リーンの翼
不明
不明
ムック ガーゼィの翼

★ターンエーガンダム パンフレット
リーンの翼 完全資料設定集
エルガイム NT100%コレクション
エルガイム1 ザ・テレビジョン別冊
エルガイム2 ザ・テレビジョン別冊

★不明
アベニールをさがして
閃光のハサウェイ
破嵐万丈シリーズ
伝説巨神イデオン(ソノラマ版)
★シーマ・シーマ
リーンの翼(角川文庫版)
ガーゼィの翼(アスペクト版)
ガーゼィの翼(ファミ通版)

ブレンパワードスパイラルブック
ガイア・ギアセット
キングゲイナー エクソダスガイド
キングゲイナー連載セット

だから僕は…(単行本版)
不明
キングゲイナー イントロダクション
ターンエーガンダム フィルムブック1~5
ミードガンダム
ターンエーガンダム全資料集1
ターンエーガンダム全資料集2
ターンエーガンダム3Dブック
ターンエーガンダム1 NT100%コレクション
あきまん画集
不明
ガンダム大事典
(★は5/30、つまり一番上の記事の時点確認した売り切れ)


 そのほか、DVDには

メガンダーロボ?(見間違ってるかもしれんが…それにしてもなんで?演出担当したけど)
ライディーン
ダイターン3 DVDメモリアルボックス ANNIVERSARY EDITION
ガンダムDVDボックス
ガンダム劇場版ボックス
イデオンDVDボックス
イデオン接触編&発動編
ザブングルDVDボックス1&2
ダンバイン DVDメモリアルボックス1&2
エルガイム DVDメモリアルボックス1&2(2000年版)
エルガイム DVDボックス(2006年版)
Zガンダム DVDメモリアルボックス1~3
ZガンダムBDボックス?
ガンダムZZ DVDメモリアルボックス1~3
逆襲のシャア
F91
VガンダムDVDボックス
ガーゼィの翼(←これもの凄くほしい!)
ブレンパワード DVDボックス?
ブレンパワード DVDリマスターボックス
∀ガンダム DVDメモリアルボックス1&2
地球光&月光蝶
キングゲイナー全巻
キングゲイナー DVDメモリアルボックス
新訳Z3部作
リーンの翼全巻


 などと、ほぼ全部の富野作品を網羅した。すごいな。

 また、CDやLPには

ベルトーチカ・チルドレン カセット?
機動戦士Zガンダム~A New Translation Review~
哀戦士CDS
イデオンCDS
ガンダム総音楽集
接触編CD
不明
ザブングルパーティーLP
戦闘メカ ザブングルグラフィティLP
ダンバインBGM集LP
ザブングルCDS
GET IT&HEY YOU CDS
★ザブングルBGM集1 CD
★ザブングルBGM集2 CD
聖戦士ダンバインBGM集
聖戦士ダンバインBGM集2
聖戦士ダンバインBGM集3
聖戦士ダンバインPALLADIUM
重戦機エルガイムCDS
重戦機エルガイムスペシャル
機動戦士ΖガンダムBGM集VOL.2
機動戦士ΖガンダムBGM集VOL.3
機動戦士Zガンダム/交響組曲Zガンダム
Z主題歌CDS
ガーゼィの翼 ドラマCD
STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~ / 川添智久 CDS
Don't Stop! Carry On! / RD CDS
Vガンダム SCORE1
Vガンダム SCORE2
Vガンダム SCORE3
愛の輪郭(フィールド) CDS(井荻麟の天神さんの子守唄が聞けるのはこのCDだけ!)
ブレンパワードオリジナルサウンドトラック
ブレンパワードオリジナルサウンドトラック2
ターンAターン/月下美人 CDS
AURA CDS
CENTURY COLOR/again... CDS
∀ガンダム オリジナルサウンドトラック
∀ガンダム オリジナルサウンドトラックⅡ ディアナ&キエル
∀ガンダム オリジナルサウンドトラックⅢ COCOA
劇場版∀ガンダム サウンドトラックス 惑星の午後、僕らはキスをした
ガイア・ギアのなんとか (ごめんなさい。ガイアギア系はよく分からん)
ダンバインの何か(あの立ってるでかい箱は何なんだろう…どこかで見覚えあるのだが)
イデオンフィルムコミック全巻

などがある。ちなみに、間違っても一切責任は負ってません。写真だけで判断するものだからな。また、『逆シャア』や『ZZ』を陳列した列はまったく確認できませんので、リストには載ってません。


 あ~あ、海外通販できたら半分くらい買うのに…かなしいな。

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